忍殺TRPGリプレイ【ザ・ランブリング】01
ドーモ、三宅つのです。これは黒鷺あぐも=サンのシナリオ「シーフ・イン・ザ・ナイト(後篇)」、ぺりかん=サンのシナリオ案「協定違反ザイバツ勢迎撃」、および原作小説「ザ・マン・フー・カムズ・トゥ・スラム・ザ・リジグネイション」や【AoS SLATE0009 /// ネオサイタマ ラクシャージ・テンプル /// ダークニンジャ、ニーズヘグ】などを元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。
すなわち、ソウカイヤによるザイバツのネオサイタマ駐屯部隊本部へのカチコミです。長らく先延ばしになっていましたが、そろそろこれをやらないといつまで経っても第二部が終わりません。相当長丁場になることが予想されますので、何度か中断を挟むことになるでしょう。
同様のソウカイヤVSザイバツの大規模な衝突シナリオは、過去にいくつかやっています。今回はAoSスレイトを下地としてラクシャージ・テンプルへカチコミをかけるわけですが、スレイトによると「ダイダロスの支援を受けたシックスゲイツ4名、他8名のソウカイニンジャ」が参加する大規模な掃討作戦です。つの次元ではダークニンジャはザイバツ側に寝返っていますし、ヴィトリオール、インフェクションはもういません。ボスは駐屯部隊の長となったダークドメインで、スレイト通りニーズヘグも出るかも知れません。アンバサダーやメンタリストらもいるはずですし、バジリスクやシテンノたちもいるかもです。全く油断ならないイクサとなるでしょう。
現在、つの次元でのソウカイ・シックスゲイツの「六人」は、最古参となったヘルカイト、オンセン療養中のソニックブーム(そろそろ復帰するかもですが)、いぶし銀の活躍でフジキドを足止めしたクイックシルヴァー、そして「チーム・ヒップ」の三人(うち二人はキョートから帰還せず)です。まずヘルカイトとクイックシルヴァーは出るでしょう。久しぶりにインパーミアブルが出てもよさそうです。ソニックブームは病み上がりですしスカウト業務があるため今回は休みとして、ダークドメインがいるなら因縁的にはフューネラルが出せます。いま出せる最高戦力をぶつけぬ手はありません。
◆ヘルカイト(種別:ニンジャ)
カラテ 9 体力 10
ニューロン 8 精神力 13
ワザマエ 12 脚力 6/H
ジツ 4 万札 44
攻撃/射撃/機先/電脳 9/12/ 9/10
回避/精密/側転/発動 12/12/12/12
即応ダイス:2 緊急回避ダイス:1
◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
◆ヤリ:長柄近接武器、リーチ+1
攻撃難易度H、装備時側転難易度+1
●戦闘スタイル
強攻撃:攻撃判定難易度+1、痛打+1、連続攻撃上限3
精密攻撃:ワザマエで近接攻撃、痛打なし
出目666で殺伐、6666でナムアミダブツ
◆パルス・グレネード:射撃武器、爆発(3x3)、電磁属性1ダメージ
◆折畳式背負いカイト
◆パーソナルメンポ:精神力と緊急回避+1
◆タクティカルスーツ:体力+1
◇ジツやスキル
☆トブ・ニンジャクラン、ジツLV4
★◉移動スタイル:飛行移動(12マス)
◉空中制動:移動後の行動ペナルティなし、移動後近接攻撃時の1発目に痛打+1
◉頭上からの死:精神力1消費、または側転判定出目666で発動(回避ダイス増なし)
連続側転移動中に頭上を通過した全ての敵を射撃標的にできる(回避難易度+1)
★◉緊急カイト脱出:精神力2消費し発動(H)
屋外や窓のある部屋マップから即座に脱出する
★◉カイト・ダイブ:精神力1消費し発動(H)
移動フェイズに視界内の場所へ瞬時に移動し、隣接する敵1体にダメージ1(回避UH)
続けて攻撃フェイズを行うことが可能
◉タクティカル移動射撃
◉忠誠心:ソウカイヤ(3) 精神力+3
◉マーク・オブ・ソウカイヤ 精神力+1、気絶後も行動可能
●連続攻撃2、連射2、マルチターゲット、時間差
能力値合計:35
◆クイックシルヴァー(種別:ニンジャ)
カラテ 10 体力 10
ニューロン 8 精神力 14
ワザマエ 10 脚力 5/N
ジツ 5 万札 8
攻撃/射撃/機先/電脳 11/11/11/10
回避/精密/側転/発動 10/10/11/14
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
◆*タカハシ・マスターツールキット*
◆光学迷彩ローブ:イニシアチブ+2
◇ジツやスキル
☆スッパ・ニンジャクラン、ジツLV5
☆スイトン・ジツLV3(ムテキ読み替え):精神力1を消費し発動(N)
回避判定の代わりに使用、次の手番までダメージ軽減2、即死耐性
☆◉流体化:ムテキ持続中も難易度+1で回避判定可能
火炎ダメージは軽減できず、「脆弱性:火炎(1)」も得てしまう
◉◉グレーター級ソウルの力:ニューロン+ジツで精神力を換算
★流体化移動:手番移動前に精神力1を消費し自動発動
移動直後のペナルティがなく、攻撃集中などが可能になる
★流体化回避:回避判定力前に精神力1を消費し自動発動
ターン終了まで遠隔攻撃の回避難易度-1 精神力2消費で全回避難易度-1
◉◉タツジン:ジュージツ 近接攻撃回避判定難易度-1(素手・スリケン装備時のみ)
●ワザ:マウントタックル 出目66で発生、痛打+1、回避H
マウントをとった敵に対する残り連続攻撃は回避不能(殺伐発生せず)
●ワザ:フランケンシュタイナー 出目666で発生、殺伐出目2(頭部痛打)
回避H マウント状態に入る
●ワザ:受け流し 回避判定に出目66を含み迎撃を発生させた場合、
1ダメージの代わりに回避不能の回避ダイスダメージ2を与える
◉ヒサツ・ワザ:サマーソルトキック
回避判定に出目66を含み迎撃を発生させた場合に発生(ターン中1回のみ)
迎撃ダメージD3、回避UH ニューロンとワザマエに2ダメージ
●連続攻撃2、連射2、時間差、マルチターゲット
◉トラップ処理技術:物理罠や錠前の解除難易度-1
◉ニンジャソウルの闇(1):体力及び攻撃・射撃・発動+1
◉邪悪なサディスト:カルマ善の敵への攻撃ダイス+2
ボス級の敵1人を殺すか殺伐出目2以上の効果を与えるたび精神力1回復
(敵がカルマ善なら2回復)
◉忠誠心:ソウカイヤ 精神力+1
能力値合計:38
◆インパーミアブル(種別:ニンジャ)
カラテ 10 体力 11
ニューロン 13 精神力 15
ワザマエ 9 脚力 5/N
ジツ 1 万札 5
DKK 0 名声 20
攻撃/射撃/機先/電脳 12/13/15/15
回避/精密/側転/発動 15/11/13/16
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:4
◇装備や所持品
▶▶サイバネアイLV2:ワザマエ判定+2、射撃時はさらに+2
▶テッコLV2:カラテ判定と回避+2
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
●過剰サイバネ(5個):精神力-1
◆*LAN直結型デッカーガン"イヌイ-MK2"*
装備前提:生体LAN端子、サイバネアイLV2、テッコLV2
拳銃、連射2、時間差、マルチターゲット、ダメージ2、対ニンジャ仕様(回避H)
◆タクティカルスーツ:体力+1
◆レガース:緊急回避+1
◆パーソナルメンポ:精神力と緊急回避+1
◆伝統的ニンジャブレーサー:緊急回避+2
◆家族の写真:精神力+1
◇ジツやスキル
☆ハッカーニンジャ、ジツLV1
●ネットワーク完全没入、IRCコトダマ空間認識能力
☆タツジン(電脳戦)
●時間差、マルチターゲット、連続攻撃2、回避予知、連射2
◉電光石火:イニシアチブ+1、側+2
側転成功時に出目666なら回避ダイス3、6666なら4獲得
◉ニンジャアドレナリン強化:アドレナリン・ブースト回数+1
◉忠誠心:ソウカイヤ 精神力+1
○生い立ち:ブラインドタッチ
◉知識:ハッカーの流儀、IRCネットワーク
◇ジツの成長の壁1つ突破済み
能力値合計:33
◆フューネラル(種別:ニンジャ)
カラテ 9 体力 20
ニューロン 15 精神力 26
ワザマエ 12 脚力 6/N
ジツ 7 万札 30
攻撃/射撃/機先/電脳 12/15/15/15
回避/精密/側転/発動 16/12/12/26
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:3
◇装備や所持品
◆ステッキ(カタナ扱い)
◆伝統的ニンジャ礼装一式:体力・回避・発動判定・交渉判定+1、
精神力+2、緊急回避+3、脚力ダメージ軽減1
◇ジツやスキル
☆バロン・ニンジャソウル、ジツLV7
☆カナシバリ・ジツLV3
★コブラ・ゲン・ジツ:手番終了時に精神力1消費し瞬時発動(H)
戦闘終了か術者に体力ダメージが入った時まで、術者と同じ部屋におり、
かつ術者よりイニシアチブの低い敵全員に攻撃・射撃難易度+1
他の環境効果とは累積しない(より強い方のみ用いる)
★★グレーター・マインドブラスト・ジツ:精神力3消費し発動(H)
術者を中心とする5×5マスの敵全員に体力・精神力D3ダメージ
回避難易度H、1体を選んでUH ダメージを受けたモータルはターン終了まで麻痺
出目666で成功すると、ダメージを受けた敵全員はターン終了まで移動不能
★★モウドク・ダート:手番開始時に精神力2消費し瞬時発動(H)
戦闘終了まで術者のスリケン/ナガユミに毒ダメージ+1
この射撃で体力を1以上減らした敵には精神力ダメージ1
★★★デッドリー・ノロイ・ジツ:精神力4と回避ダイス4を消費し発動(UH)
次のターンからの開始フェイズに、標的1体に対し自動的に体力1、回避ダイスダメージ4
戦闘終了か術者に体力ダメージが入るか、標的がマップから取り除かれるまで継続
回避・抵抗・軽減は不能 標的変更や再使用は効果終了まで不可
出目6666で発動成功すると、発動フェイズの終わりに効果開始
◉◉グレーター級&アーチ級ソウルの力:ニューロン+ジツ=精神力、カラテ+ジツ=体力
◉ニンジャソウルの闇(3):体力および攻撃・射撃・発動+3
◉不屈の精神:精神力+2
◉翻弄:自分よりイニシアチブが低い敵のみを攻撃・射撃の標的にしている時、ダイス+1
敵集団で最大イニシアチブを持つ敵との差が3以上なら+2、6以上なら+3
●連続攻撃2、連射2、時間差、マルチターゲット
●ニンジャ第六感:シナリオ中1回だけ判定ダイスを振り直せる
◉知識:ソウカイヤ、知識:オキナワ、ヤクザの流儀
◉交渉:煽り、駆け引き
能力値合計:50
囲んで殴ればダークドメインでも倒せそうなメンツですね。他は八名として、グランドマスターにぶつけられるほどの戦力はあるでしょうか。セキバハラ遠征中のチーム・ナイトフライトを除いて現在動かせそうなソウカイヤ戦力はそこそこいますが、これを好機としてザイバツが動く可能性も考慮すれば、各地に駐屯しているニンジャチームをあまり動かすのも問題です。ラオモトを守る戦力も必要でしょう。そうすると……四人のシックスゲイツのもとに二人ずつニンジャが配備され、四方から三人チームが攻め込む、という形にしてはどうでしょうか。
ヘルカイトは斥候部門の筆頭ですから、ブラックマンバとシャープウォーカーを部下として動かせます。クイックシルヴァーにはパープルスプラッシャーとムーンライトスロースを同行させます。インパーミアブルにはファイアシーフとデモゴルゴン、フューネラルにはディマカエルスとスキッソールをつけます。ツキジの防衛はチーム・フライングレッグスなど別の手練れチームに任せるとしましょう。
全員がマスター級・シテンノ級のつわものです。では、始めます。
◆◆◆
序
ゴウン……ゴウン……。巨大な広告用マグロツェペリンが、ウシミツ・アワーのネオサイタマ上空を、スモッグをかき分けながら飛んでいる。下から見上げる市民たちは、この機体が全身にくまなく武装された鬼瓦ツェペリンであることを知らない。その中に多数の手練れニンジャが潜んでいることも。
それは実際恐るべき戦力である。ソウカイ・シックスゲイツの「六人」のうち三人と、それに匹敵するニンジャが九人。合計十二人である。各々は四つのチームに分かれ、無言で武器や装備の手入れに励む。これから始まるのは、ただのカチコミではない。ソウカイヤの存亡を賭けたイクサなのだ!
斥候部門、電脳部門らが掴んだ情報によれば、ザイバツ・シャドーギルドのネオサイタマ駐屯部隊の本拠地が判明した。ネオサイタマ中心部、マルノウチ地区の北東……センソ・ディストリクト。この地域は再開発が遅れており、古い住宅地や中小規模の工場、伝統的観光名所や寺社仏閣が多数ある。
目指すはそのうちのひとつ、ラクシャージ・テンプルという廃寺だ。ザイバツ・グランドマスターの一人「ダークドメイン」を始め、駐屯部隊の幹部がそこにいるらしい。罠の可能性は高いが、これだけの戦力を投入すれば、大概の罠は踏み潰せるだろう。当然狙うのはダークドメインの首級である。
ソウカイヤはこの地域に魅力を感じておらず、拠点は存在しなかった。不自然なほどに。なんらかの認識阻害のジツによって、そこへの意識がそらされていたのではないか。しかし……見つかってしまえばネズミ袋だ。圧倒的な戦力を電光石火で叩き込み、ソウカイヤの敵をことごとく討ち取るべし!
「さあてさて、オニが出るか、コブラが出るか!」フューネラルがおどけた様子で嘲笑った。彼はシックスゲイツの「六人」に数えられないが、それにも匹敵する、あるいは凌駕する実力者だ。以前ダークドメインとマルノウチでイクサし、撤退に追い込んでもいる。今度こそ決着をつける時だ。
「メンタリストというゲン・ジツ使いがいるかも知れん。用心しろ」ヘルカイトは助言した。この中の何人かは、メンタリストやダークドメインとも戦った経験のある猛者だ。しかし、何度も追い詰めたにも関わらず、トドメを刺すには至らなかった。「他には?」「さあな。とにかく、用心しろ」
「了解」チーム・ブラックマンバの四人、チーム・ファイアシーフの三人、デモゴルゴンが頷く。クイックシルヴァーはザゼンして瞑想し、インパーミアブルは電脳部門筆頭のダイダロスと情報を共有して各々に伝達する。敵地でIRC通信がどこまで通じるかは不明だが、可能な限り連携して戦わねば。
ダンゴウ
「テンプルの北にはドラゴン門、東にはゴリラ門、西にはタコ門、南はイーグル門がある。この四門から三人ずつチームで攻めかかり、可能な限り皆殺しにして標的を討つ」「うむ」「チームは編成済みですが、さて、どのチームがどこへ攻め込みますかね?」「私は当然、タコ門を希望します!」
パープルスプラッシャーが挙手した。彼とムーンライトスロースはクイックシルヴァーの部隊だ。「リーダーの四人で決めることだぞ!」クイックシルヴァーはたしなめたが、どの門から入らねばならぬことでもない。「……まあ、よかろう。我々は西のタコ門だ」「了解。我々は……ドラゴン門だ」
ヘルカイトが地図を指差す。彼はブラックマンバとシャープウォーカーを伴っているが、全員ザイバツ・シテンノのひとり「ブラックドラゴン」と因縁がある。彼がここにいるのなら、決着をつけねば。「残るはゴリラとイーグルですか。私が先に決めて良いかね、インパーミアブル=サン」「ハイ」
フューネラルはこの中では一番センパイだ。実力的にもこのイクサの総司令官と言える。「それでは……イーグル門にしますか。物事はイーグルの視点で俯瞰的に観察しなければならないとラオモト=サンも仰せですからね」「了解。では、我々はゴリラ門で」かくして、各々の配置は決まった。
ゴウン……ゴウン……『安い、安い、実際安い』マグロツェッペリンは広告音声を撒き散らしながら、ラクシャージ・テンプルの上空を通り過ぎる。四つのチームは旋回するツェッペリンの動きに合わせ、テンプルの四方の門へ向かって飛び降りていく!「「「「イヤーッ!」」」」行動開始!
【続く】
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