忍殺TRPGリプレイ【ウィー・アー・ノット・ゴナ・テイク・イット】02
前回のあらすじ:ソウカイヤ・オムラ連合は崩壊し、ニチョームやネオカブキチョはアマクダリの傘下に降った。だが反アマクダリ派はニチョームの地下に拠点を築き、不穏な動きを見せている。ニチョーム近くにシマを持つヤクザの女オヤブン・スパイダーリリィもその仲間だ!制圧すべし!
◆
「「イヤーッ!」」ヴァニティとヨモツブレードは雑居ビルの屋上から跳躍し、スパイダーリリィめがけ飛びかかる!KRAASH!「イヤーッ!」スパイダーリリィは飛び下がり、室内に飛び交う無数のバタフライナイフで迎撃!SLASHSHSHSH!「「イヤーッ!」」2人の侵入者は的確に撃ち落とす!
「イイイヤァアアアーーーッ!」スパイダーリリィは瞳を輝かせ、さらに無数のバタフライナイフを降り注がせる!狙うは比較的弱いヨモツブレード!「イイイヤァアアアーーーッ!」SLASHSHSH!だが彼もタツジン!二刀流バイオブレードを抜き払い、瞬時に全てを紙一重で回避、弾き落とした!
「無駄だ」ヨモツブレードは恐るべき美貌を向け、冷たく宣告する。「少しは歯ごたえがありそうだ」スパイダーリリィは好戦的に笑う。ビルの下階ではバリケードを築いたヤクザたちが突入するハイデッカーに必死で抵抗しているが、いつまでもつか。だが……ここで死ぬためのイクサではない!
戦闘継続
2ターン目
「「イイイヤァアアアーーーッ!」」SMASH!SLASHSHSH!ヴァニティとヨモツブレードは恐るべきカラテを振るい、壁めいて立ちはだかるバタフライナイフの群れを薙ぎ払う!「イヤーッ!」スパイダーリリィは周囲になおもナイフの群れを旋回させつつ、ヨモツブレードへ二刀流で斬りかかる!
だがそのワザマエはヨモツブレードには及ばない!「イヤーッ!」見切ってイアイ迎撃!SLASH!「イヤーッ!」スパイダーリリィは華麗にバック転回避しつつ、ナイフを操って降り注がせる!「イヤーッ!」ヨモツブレードはこれを予測し側転回避!ワザマエ!「くだらぬ小細工だ」「ファック!」
3ターン目
「イヤーッ!」ヴァニティが殴りかかる!彼女の剛力で殴られればニンジャといえどただでは済まない!「イヤーッ!」スパイダーリリィは二刀を華麗に操って攻撃を捌き、連続突きを繰り出す!さらにバタフライナイフが飛来して視界を遮る!SLASHSH!「ンアーッ!」捌き突きが命中!タツジン!
「バイオ・イアイド!」ヨモツブレードはイアイを構え、スパイダーリリィへ斬りつける!彼が振るうのはただのカタナではない!チェーンソーじみた機構で敵を斬り裂くバイオブレードだ!狙うは腕!SLASH!「イイイ……イヤーッ!」スパイダーリリィは紙一重で躱し、捌き突きを繰り出す!
「イヤーッ!」ヨモツブレードは間一髪で見切って躱す!そこへナイフ!さらに追撃!「イヤーッ!」「イヤーッ!」キキキィン!ヨモツブレードは猛攻を躱す!捌く!逸らす!タツジン!「フーッ、さすがに手ごわい……私だけで充分かと思いましたが、侮りは禁物ですね」「わかったかよ!」
スパイダーリリィは凄まじい笑みを浮かべる。「しかし、2対1だ。不利は変わらんぞ、お嬢ちゃん!」ヴァニティは血を拭い、獰猛に嘲笑う!
4ターン目
「イイイヤァアアアーーーッ!」ヴァニティは渾身のカラテで殴りかかる!狙うはみぞおちと頭!「イヤーッ!」スパイダーリリィは見切って躱し、飛び交うナイフで迎撃!SLASH!本体の反撃も来るゆえ全力で躱せない!「ンアーッ!」命中!ヴァニティの頑強な肉体にはかすり傷だが、体勢を崩す!
だがスパイダーリリィも体勢を崩している!勝機!「イイイヤァアアアーーーッ!」ヨモツブレードは彼女の頭部めがけ唐竹割り!どくん……スパイダーリリィはアドレナリンを過剰分泌させ、これを……「イイイヤァアアアーーーッ!」紙一重で躱し、捌き突き!SLASH!「グワーッ!」命中!
「アアアーーーッ!」スパイダーリリィはそのまま横に倒れ込むように動きつつ、地面すれすれの体勢から下段回転斬り!二刀流の奥義「アキレス・カッター」だ!どくん……!ヨモツブレードはバイオニンジャアドレナリンを過剰分泌させ、これを……SLASH!「グゥワーッ!」命中!サツバツ!
彼のバイオアキレス腱が切断され、緑色のバイオ血液が噴き出す!無視できぬダメージだ!「そう来ると……読んでいました」ヨモツブレードは痛覚を瞬時に遮断し、目を細める。防御的構えからの攻撃では、相手に致命的な一撃を食らわせることはできない。その構えを崩させることこそが狙いだ!
5ターン目
「イイイ……イイイヤァアアアーーーッ!」BOOM!ヴァニティは目を赤く輝かせ、ニンジャソウルのもたらした超自然的な怪力を瞬間的に解き放つ!「え」スパイダーリリィは……躱しきれない!SMAAASH!「ンア……アバーッ!」ナムアミダブツ!「ムン」その場に叩き伏せられ昏倒!戦闘不能!
戦闘終了
「……さすがです、ヴァニティ=サン。私一人では危なかった」ヨモツブレードは足首の傷を止血し、ため息をつく。ヴァニティは息を調える。「当然だ。こいつはおそらくアーチ級のニンジャソウル憑依者で、噂によればソウカイ・シックスゲイツのソニックブームに単独で勝利したという化け物だ」
2人は警戒を解かない。アーチ級ニンジャソウル憑依者なら、一度打ち倒してもニンジャソウルの力が解き放たれ、立ち上がってくる可能性がある。そうでなくても反アマクダリ派のニンジャが駆けつけてくるかも知れない。そして……彼女には利用価値がある。殺してしまってはならないのだ。
???
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深海に沈められたバイオヒトデめいて、スパイダーリリィの混濁した意識はニューロンの闇の中に力無く浮遊していた。食らったダメージは大きい。なんたるウカツ……弱敵という侮りがあったろうか。気が急いたか。連戦ゆえの集中力の乱れ……(((……なんと情けないことか。実際情けない)))
半ば呆れ、半ば嘲るような声が、スパイダーリリィを責める。彼女のニューロンに溶けたはずの、神代の強大なニンジャソウル「シ・ニンジャ」の声だ。「黙れ」スパイダーリリィははねつけた。(((このままではお前は死ぬ。否、死ぬよりなお酷いことになろう。力を利用され、搾取されるぞ)))
「黙れ……アタイは、やる。くだらねえ連中の支配に抗う……」抗って、何をする。今の彼女は、単独では、この小さなシマを守ることもできない。手下のヤクザたちがなすすべもなく殺されていく。ニチョームも、いずれ……「ザッケンナコラー……スッゾコラー……チャースイテッコラー……!」
スパイダーリリィの自我は、消滅に抗うようにマントラめいたヤクザスラングを唱える。カラテ。パンク。反抗。だが、あのシュライエンのようにではない。この世の王にならなくてもいい。全てを支配できなくてもいい。せめて、自分の周りだけは……!「くだらねえ!」誰かが叫んだ。男の声。
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KRAAASH!窓を蹴破り、誰かが飛び込んできた。
「待たせちまったな。ドーモ、スーサイドです!」
◆スーサイド(種別:ニンジャ)
カラテ 10 体力 11
ニューロン 5 精神力 10
ワザマエ 6 脚力 5/H
ジツ 5 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 11/ 7/ 5/ 5
回避/精密/側転/発動 10/ 6/ 6/11
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆鉄の鎖
◇ジツやスキル
☆パンク・ニンジャソウル、ジツLV5
☆ソウル・アブソープション・ジツLV3
★チェーン・アブソープション
◉◉グレーター級ソウルの力
◉ニンジャソウルの闇(1)
●連続攻撃2
◉ニンジャアドレナリン強化
◉知識:ザイバツ
◉交渉:威圧、煽り
◇ニンジャ装束装備不可
能力値合計:31
続いて、部屋の片隅に痩せた男が現れた。「ヒヒ……そこまでにしといてくれや。ドーモ、フィルギアです」
【続く】
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