忍殺TRPGリプレイ【サプライズ・シャーク・アタック】03
前回のあらすじ:ソウカイニンジャのチーム・ランタンシャークに、電脳部門筆頭ダイダロスから、敵組織ザイバツと手を組んだ傭兵ハッカーニンジャ「エンキドゥ」を始末せよとの命令が下された。相手は凄腕のハッカーであり、ザイバツの護衛ニンジャの存在も想定される。シマッテコーゼ!
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「……来るぞ」「ああ」ドージョーの奥、UNIXサーバルーム。ナガユミを携えたニンジャと、クナイ・ダートを携えたニンジャが構えをとる。『ファーカカカ!ザイバツ=サン!そなたらの電子的優位を崩したくなくば、気張って我を守るべし!』室内のスピーカーからエンキドゥの電子音声が響く。
「フン……非ギルド存在の傭兵風情が、偉そうな口を叩く。まあ良い、言われるまでもなく、私は任務を遂行するまでだ」ナガユミを携えたニンジャ、アローヘッドは油断なく答える。
「シューッ……オレは毒が撃ち込めれば、文句はねえよ」もうひとりのニンジャ、トキシンシューターは眼から毒々しい光を放ち、両手に毒液に濡れたクナイ・ダートを構える。ともに油断ならぬ手練れ。
彼らの装束には、部屋の中にいるエンキドゥの遠隔ハッキングを可能にするセンサー・デバイスが埋め込まれている。ここは彼らのフーリンカザンなのだ!誘き寄せ、罠を仕掛け、返り討ちにすべし!大気にカラテが満ちる!
戦闘継続
マップ
3ターン目
『アーッ、ファーファーファーッ』エンキドゥは腕組みしてアグラしたまま、声帯で電子音を模倣したかのような恐ろしい笑い声をあげた。彼が一人坐すのは、茶室めいたハッカー・ドージョーの奥座敷。天井からは金箔を塗った立方体が、金の鎖でボンボリライトめいて吊り下げられている。
エンキドゥ自身も山吹色の装束を着、黄金の鎖やブレスレットを重ねて身につけている。アグラする彼のタタミ三枚先には漆塗りの台の上に無人のUNIXデッキが鎮座し、キーボードもまた金箔塗りで、呪術じみたファイヤーウォール装置に囲まれている。これらの黄金は単なる成金趣味ではない!
ガガガガガガ……!彼からタタミ三枚離れたキーボードのキーが、手を触れてもLAN直結してもいないのに恐るべき速度で激しく動いている!ナムサン!キネシスである!彼は持ち前の恐るべきキネシス能力によって、およそ人間の指では決して到達できぬタイピング速度を実現するのだ!
『ファーカカカカカカ……実際手強い……』彼はソウカイヤ電脳部門筆頭たるダイダロスからの凄まじいハッキング攻撃を、この猛烈なタイピングによって耐え凌いでいる。表のUNIXは囮だ。ソウカイニンジャたちをあえて誘き寄せ、ザイバツニンジャとの連携によって討ち取る……極めて危険な任務!
ウイーン……UNIXサーバルーム内の迎撃ドローン群が動き出す。それらはアローヘッドとトキシンシューターの頭上を飛び回り、銃口とカメラを展開し、エンキドゥと視界を共有して戦略的ナビゲーションを行う!『さあ、どう動く……!ファーカカカカカ……!』タイピング速度は早まり続ける!
「イヤーッ!」マーフィーがドアを蹴破ってUNIXサーバルームに突入!ナガユミを持ったニンジャへ暗黒クナイを連続投擲!ZZTZZTZZTZZT!「イヤーッ!」見切って回避!「ドーモ、アローヘッドです」「トキシンシューターです」「ドーモ、マーシレスフィンガーです!」互いにアイサツ!
アイサツ終了からコンマ数秒後、アローヘッドはナガユミにつがえた矢を解き放つ!「キエーッ!」BOOMBOOM!凄まじい威力の矢がマーフィーの顔面に迫る!「イヤーッ!」紙一重でブリッジ回避!ワザマエ!「イヤーッ!」続いてアルビオンが突入し、壁やサーバを蹴って襲いかかる!
「キエーッ!」トキシンシューターめがけトライアングルリープキック!「ヌルいぞ!イヤーッ!」回避して迎撃!「イヤーッ!」身を翻して回避!着地してアイサツを繰り出す!「ドーモ、アルビオンです!」「「ドーモ!」」乱戦ゆえアイサツ省略!ニンジャアトモスフィアが高まる!
その時!「AAARGHHHH!」トキシンシューターの足元の床を泥めいて突き破り、サメが出現!否、サメめいたフルメンポを装着したランタンシャークのドトン・アンブッシュだ!「グワーッ!?」トキシンシューターはとっさに躱すが一撃を食らう!「ヌウッ!」アローヘッドは見切って回避!
「シューッ、惜しい……ドーモ、ランタンシャークです!」「「ドーモ!」」アイサツ省略!コンマ1秒後!「SHHHHHOOOT!」トキシンシューターは常人の三倍の脚力で距離を取りながらランタンシャークへモウドク・ダートを連続投擲!「イヤーッ!」見切って回避!「食ってやるぜ!」
4ターン目
『ファーカカカ!ドーモ、エンキドゥです!』天井モニタに標的ハッカーニンジャの姿が映る!「「「ドーモ!」」」アイサツ省略!『ネズミどもめ!kill-9 U!』BRTTTTT!迎撃ドローンがアルビオンへ射撃!さらに遠隔ハッキングが彼の生体LAN端子を経由し脳内UNIXへ!ZZTZZTZZT!「グワーッ!」
ナムアミダブツ!アルビオンはニューロンを焼かれ、大きく体勢を崩す!「キエーッ!」マーフィーは彼をかばうべく跳躍!壁を蹴ってアローヘッドへトライアングルリープキック!「イヤーッ!」アローヘッドは見切って回避、迎撃!SMASH!「グワーッ!」命中!マーフィーはのけぞる!
アローヘッドはすかさず側転して距離を取り、マーフィーめがけナガユミ連射!「イヤーッ!」BOOMBOOM!「イヤーッ!」見切って回避!「ウオーッ!」アルビオンはよろめきながらもキアイを入れ、トキシンシューターへ飛びかかる!「イヤーッ!」見切って回避!「チクショウがァ!」
ドボン!ランタンシャークは再びドトン・ジツを発動し、床を泥のように柔らかくして地中へ沈む!狙うはトキシンシューター!「AARGHHHHH!」トキシンシューターは先程のクナイ投擲により距離感を掴み、致命的な攻撃を……SMAASH!「グワ、アバーッ!」一発命中!無視できぬダメージだ!
「う、ウオーッ!」トキシンシューターは目を強く輝かせ、全身に毒液を行き渡らせる!恐るべきチドク・ジツだ!「キエーッ!」天井を飛び跳ねつつアルビオンへ頭上からモウドク・ダートを降り注がせる!アブナイ!「い、イヤーッ!」アルビオンは間一髪で横に転がり回避!ワザマエ!
「まずは手負いからブッ殺すね!」マーフィーは無慈悲な視線をトキシンシューターに向ける。エンキドゥの援護は厄介だが、カラテ勝負なら三対二、圧倒的有利!確実に一人ずつ仕留めるべし!『ファーッカカカ!どうした、ザイバツ=サン!しっかりせよ!』「ええい、わかっている!」
戦闘継続
【続く】
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