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忍殺TRPGリプレイ【キックアウト・ザ・ジャムズ】

邦題:行き詰まりを蹴っ飛ばせ(Kickout the Jams)

 ドーモ、三宅つのです。これは、anigr_knpitng=サンのシナリオ案「キックアウト・ザ・ニンジャ・マザーファッカー」および同名の原作小説を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意下さい。

 初期作成から壁超えなし程度のサンシタ3-4人を想定したシナリオです。アゴニィ=サンに似たニンジャが出来ましたので、彼らを行かせましょう。

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◆ストローマン(種別:ニンジャ)
カラテ       2    体力        2
ニューロン     5    精神力       6
ワザマエ      3    脚力        2/N
ジツ        2    万札      -12
DKK       0    名声        1

◇装備や特記事項
☆イタミ・ジツLV2(ムテキ・アティチュード読み替え)
 精神力1を消費し発動(NORMAL)、ダメージ軽減2
 かばう時や回避失敗時も発動可能 代償に交渉難易度+2
▶テッコ:カラテ判定ダイスと回避ダイス+1
◆トロ粉末:精神力2回復(使い捨て)
○生い立ち:オイランドロイド偏愛(NERDZ)
 ◉知識:現代的アート、オイランドロイド
 ◆レリック:ブードゥー/聖遺物 精神力+1
○立ち位置:違和感や外部存在

能力値合計:14 回避ダイス:6
 前回の冒険で特に報酬はありませんが、ラオモト=サンに気に入られました。イタミ・ジツは通常のムテキより強力ですがこうしてみます。たいがいの攻撃は弾いてくれますが、体力が低いので貫通や殺伐を食らうと危険ですね。まずは生き残り、借金を返済しましょう。

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◆ハイパーボンバー(種別:ニンジャ)
カラテ       3    体力        4
ニューロン     3    精神力       4
ワザマエ      4    脚力        2/N
ジツ        1    万札      -12
DKK       1    名声        1

◇装備や特記事項
☆カトン・ジツLV1:隣接した3×3マス内の敵に1ダメージ(回避NORMAL)
▶クロームハート:体力と精神力+1
○生い立ち:放火魔(火炎放射器は売却した)
 ◉交渉:威圧
○立ち位置:全能感や野望

能力値合計:12 回避ダイス:4
 相当のサンシタでクズのチンピラですが、相方がアレなので相対的にまともに見えます。まずは生き残り、借金を返済しましょう。

 チュートリアルめいたシナリオとはいえ、2人だけでは危険なこともあるかも知れませんが、まあダイジョブでしょう。では、始めます。

◆◆◆

「アイエエエ!」古傷だらけのいかつい大男が、情けない悲鳴を上げて這いつくばった。うずくまった大男の後頭部を、タミズマはバッファロー本革靴で容赦なく踏みつけた。「アイエエエ!」「どうすんだコラッ!オイコラーッ!」「アイエエエ!」「これじゃ話が進まねえじゃねえかコラーッ!」​

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「アイエエエ!スンマセン!」「業者にキャンセルかけられんのかコラッ!できるかコラッ!」「アイエエエ!スンマセン!」矢継ぎ早の罵倒を吐き出し、大男を踏みつけながら、タミズマは実際泣きたい気持ちであった。この大男タケロクは、元リキシ・リーグ・スモトリの腕っこきバウンサーだ。

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 ケンカで遅れを取る事などないコワモテで、タミズマのビジネス遂行にあたって、これまで多大な貢献をして来た事は疑いがない。「今回のジアゲ・ビズは、俺の一世一代のビッグディールなんだぞ!それがお前……泣きながら逃げ帰っただとコラッ?」「ボス、それが、カタギじゃねえんです」

「カタギでもヤクザでも、お前スモトリだろが!暴力あんだろ!」「軍隊みてえな奴らが奥から出て来やがって……アイキドーだと思います」「もういいわコラッ!後でこってり説教したるわ!電話するから外せ、コラッ!」「アイエエエ!」タケロクはフスマ型ドアーを跳ね開け、外へまろび出た。

 タミズマは卓上の据え置き型IRCトランスミッターを、おぼつかない手つきで操作した。……この手段はできれば取りたくなかった。後でどれだけ要求されるかわからない。だが、このままではクソったれは立ち退かず、その一軒のためにジアゲ計画自体が頓挫する事になる。そうなれば後はない。

 全てを失う、命も失う。湾岸を死んだハマチのようにぷかぷか浮かぶ事になる。ならば選択肢は他にない。「クソ!たかが腐れ飲み屋の分際で……」タミズマは、陰鬱な緑のLED投写モニタの光を見下ろした。

#SOUKAI_HL:TAMIZUMA: 至急依頼。大変ですからどうかお願いします。
 スモトリでも勝てない件です。
#SOUKAI_HL:SOUDAN: ではニンジャを出します。案件は何ですか。
#SOUKAI_HL:TAMIZUMA: ライブハウス「ナラズモノ」のジアゲです。
#SOUKAI_HL:SOUDAN: そちらの事務所にニンジャが向かいました。
#SOUKAI_HL:SOUDAN: 請求金額は後日提示されます。

 請求金額は後日。タミズマの背筋に冷や汗が浮き出した。どれだけ吸い上げられるかわからない。だが仕方がない。ビッグディールだ。儲けがゼロでも構わない。マイナスでも構わない。臓器ならタケロクのを売ればいいし、そんな事は後でいい。とにかく実績とコネクションだ、値千金だ。

「てめえらどこのモンだ!?」部屋の外でタケロクの怒声がした。タミズマはビクリとした。「おい、てめえら、ここは立入禁止だ!勝手に……」「邪魔ですよ。どいて下さい」「グワーッ!?」ひょろ長い、ボンズ・ヘアーの異様な男が、タケロクの胸板をテッコで叩いた。凄まじい衝撃!

「あー、待て待て。ここの事務所のバウンサーだろ、たぶん。殺すな」もうひとりは、見るからにチンピラ・ヤクザだ。だが鼻から下を妙な金属製のマスクで覆っており、異様なアトモスフィアを纏っている。ニンジャだ。

現有精神力1でNRS判定、難易度NORMAL。[2]失敗!出目[3]パニックを起こして脚力6で逃走!

「あ、アイエエエ!アイエエエ!アイ……アイエエエエエエー!アイエエエ!アイエーエエー!」狂ったような悲鳴をあげ、タケロクはフリークアウトして逃げ出した。脳内にアドレナリンが異常分泌され、膝の古傷の痛みも忘れて、タミズマの事務所へ駆け込む!「ニンジャ!ナンデ!?

戦闘終了

「に、ニンジャ?もう来たのか?」タミズマはチャカ・ガンを油断なく構えて、フスマ型ドアーをデスクの陰から睨んだ。タケロクは頭を抱えてうずくまり、役に立たない。ソウカイ・ニンジャに絡んで、やられたのだ。命があっただけ儲けものだろう。すぐに2人のニンジャが事務所へ入ってきた。

「ドーモ、初めまして。ストローマンです」ラバースーツを纏ったボンズ・ヘアーの異様なニンジャが、クネクネと腰を振りながらオジギした。彼に比べれば、もうひとりはまともに見えた。「ハイパーボンバーです」

タミズマ/TZは3D6[443]成功。NRSを抑え込む。

「ど、ドーモ、タミズマです。ソウカイ・シンジケートの方々ですか!?」「実際そうです。名刺持ってますよ」ストローマンが目を細めた。「そこのスモトリは、あんたのとこのか」「は、ハイ!大変シツレイしました!ケジメさせますんで!スンマセン!」「別にいい。こいつにも話聞こうや」

 ハイパーボンバーはシラフな上、デンパルスの短期研修でヤクザ・ビジネスの基礎を叩き込まれ、今までより状況判断がまともだ。比較対象がアル中でヤク中の状態ではあるが。「ハイ。ヨロシクオネガイシマス。詳しい事情を説明いたします」タミズマはガタガタと震えながら繰り返しオジギした。

ダンゴウ

 タミズマと、正気を取り戻したタケロクに話を聞く。パンクスたちが夜な夜な集まるムコウミズ・ストリートのライブハウス「ナラズモノ」のジアゲ案件だ。そこに複数の屈強なヨージンボが雇われているらしい。タケロクがうなだれる。「実際、何人だった」「あの、4人です」「ニンジャか?」

「たぶん、ニンジャじゃありません。スモトリみたいな体格でした。囲んで殴られて、俺でもヤバくって、それで……グスッ。スンマセン」「それなら仕方ねえな。スモトリでもスモトリに囲まれたら、ちょっとな」「私はダイジョブですよ!痛めつけられたい!」ストローマンがクネクネ笑う。

「まあ、俺たちにかかればスモトリでもヤクザでも問題ねえさ。任せとけ」「「ヨロシクオネガイシマス!」」タミズマとタケロクは恐れ入り、深々とオジギした。「で、至急ってことだが」「ハイ。店長に目にもの見せてやって、契約書にサインさせてやろうっていう、そんな考えでして」

「了解。上に連絡するぜ」ハイパーボンバーはIRC端末でケツモチのデンパルスへ情報を送る。即座に返信が来た。

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『了解(ラジャ)。大至急(アサップ)でお願(ナ)シャス。けど、無理は禁物(すんな)。危険(ヤバ)かったら救援(たすけ)を呼んでやる。せいぜい死なねェように注意(ヨロシク)な』「ハイ」『で、どの程度までやっていいスかタミズマ=サン。鏖殺(みなごろし)とか?』タミズマが頷く。

「先方、あの、依頼主はオムラ・インダストリ系の不動産なんですが、潰していいって。土地だけ手に入れて、周辺含めてオムラ=サンが再開発するってことで。ビッグディールでして」『オムラかあ』「最悪、火事を起こして全焼ってことでもいいと。でもハンコと契約書が手に入れば、一番いいと」

『了解(なる)。警察(マッポ)はある程度抱き込んでるが、派手に殺すと隠蔽(かくすの)が面倒なんで程々にな。ヨージンボは殺していい。ソウカイヤがナメられると困る。ジアゲ後にパンクスが四の五の(ウダウダ)言う可能性もあるし、客も多少畏怖(ビビ)らせとけ』「「ハイ」」

 デンパルスはテキパキと指示を下す。『オーナー脅して、契約書(ケイヤク)取って来るのもヤクザ・ビズの実地研修(ベンキョウ)だぜ。しっかりやれ』「「ハイヨロコンデー!」」『そんじゃ、依頼(ヨロ)』通信終了。「では、ASAPで行きますか。案内よろしく」「ヨロコンデー!」

ライブハウス「ナラズモノ」

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 2人はタミズマの運転する車に乗り、「ナラズモノ」に到着した。ムコウミズ・ストリートの治安はあまり良いとは言えない。ゲイシャ・ディストリクトと接するこの路地は、怪しげなポンビキや、チョンマゲクラブのスカウトマン、近隣のライブハウスを根城とするパンクスが行き来する。

「センセイ、ドーゾ」タミズマが先に降り、助手席と後部座席のドアを開ける。2人のニンジャがぞろぞろと降りる。周囲のパンクスたちは不審がったが、彼らの異様なアトモスフィアに気圧され、近づこうとしない。タミズマは暗く笑った。ニンジャが2人。圧倒的な戦力だ。絶対に勝てる。

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 廊下を右に回り、スタッフを威圧しながらドアの前に立つ。「オジャマシマス。電話したタミズマです。例の件で来ました」「入れ」オーナーの声。ドアが開くと、ヤクザ事務所めいた部屋だ。奥にはチャブ・テーブルがあり、手前に応接用の合成革張りソファとクリスタルテーブルがある。

 天井は低く、壁もタバコのヤニで汚れている。禿頭にサングラスをかけたオーナーは、しかめ面で椅子に座り、顎で着席を促す。左右には屈強なシシマル・パンクスのヨージンボが4人。全員、身長6フィート以上はあろう。

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◆シシマル・パンクス(種別:モータル/パンクス)×4
カラテ       3    体力        3
ニューロン     1    精神力       2
ワザマエ      2    脚力        2
ジツ        -    万札        3

◇装備や特記事項
◉突撃:脚力の2倍マス移動し、直後の攻撃に痛打+1

 タミズマは暗く笑いながらソファに座る。背後には2人のニンジャが並びオーナーやヨージンボを睨む。「では、この土地の明け渡しの件について。契約書にハンコを頂きに参りました」「オマエはバカか?繰り返しノーを突きつけられるために、わざわざまた、こうしてやってきたのか?ア?」

 オーナーは凄んで見せた。「さっきのバウンサーみたいにシコタマ殴られたいのか?」「へへへ、いやあ、もう物騒なことはやめようと思いまして。危ないんで」タミズマは卑屈な笑みを浮かべて見せた。「考え直しちゃあ、くれませんかねえ?もうね、同意取れてるんです、こちらさん以外」

「カーッ!ペッ!」オーナーが痰を吐いた。痰は放物線を描き、タミズマの額に命中した。さらにオーナーは親指・人差し指・中指をくっつけ、小指と人差し指を立てて威嚇した。中指を立てるよりは奥ゆかしいが、明確な敵意を意味するキツネ・サインだ。「オトトイキヤッガレ!」

「へへへ、いやいや、物騒はやめました。かわりに、後戻りできないことしちゃいまして、もうね、アンタも私も、後戻りできないんです、ええ」タミズマは笑い出した。笑いながら、泣き出した。懐に手を入れ、ハンカチを取り出そうとした瞬間、4人のバウンサーが一斉に殴りかかってきた!

戦闘開始

イニシアチブ:ストローマン/SM(5)→ハイパーボンバー/HB(3)→シシマル・パンクス/SP(1)

1ターン目

SMとHBはSP1体へカラテ、3D6[553]3D6[642]命中、SP1体の残り体力1。

「「イヤーッ!」」「グワーッ!」ニンジャたちが先制攻撃!シシマル・パンクスのひとりが集中カラテを食らう!だが4人は怯まず向かってくる!

2人へ2人ずつ突撃。[543][512][553][563]2成功3つと1成功1つ。SMとHBはまとめて回避可能。6D6[562112]4D6[1446]2成功&迎撃、3成功&迎撃。残り体力1のSPを倒し、1体にダメージ1。残りSP3。

「「「「アイキ!」」」」「「イヤーッ!」」「「グワーッ!」」カウンターを食らい、シシマル・パンクスらはのけぞってたたらを踏む!「アバッ」ひとりが血を吐いて死亡!「なかなかやるじゃねえの」「ホンキで行くぜ」彼らは薬物をガンガンにキメており、NRSをほとんど起こさない!

2-5ターン目

SMとHBは残り体力2のSPへカラテ、3D6[215]3D6[522]命中。1体死亡。体力3のSP2体は2人へ突撃、[465][112]1発3成功。SMは6D6[251142]2成功回避。
[321][612]1発命中、SP1体の体力2。[543][422]2成功&1成功、[226224][4226]HBが迎撃!SP1体の体力1。
[246][162]2発成功、1体死亡。残り1体の体力2。[152]1成功、回避ダイスが少ないHBを狙う。[5324]2成功&迎撃!SPの体力1。[531]命中、SP全滅!

「「イヤーッ!」」「アバーッ!」「「アイキ!」」「イヤーッ!」「「イヤーッ!」」「グワーッ!」「「アイキ!」」「イヤーッ!」「グワーッ!」「「イヤーッ!」」「アバーッ!」「アイキ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!」シシマル・パンクス全滅!

戦闘終了

 ニンジャのカラテにモータルが敵うはずもなし。ヨージンボたちは物言わぬ骸となり、床に転がった。「フーッ、ちょっと手こずったか」「肩慣らしにはなりましたね」2人は汗を拭い、埃をはたく。4人の屈強なヨージンボを相手に全くの無傷!「す、スゴイ」タミズマが声を漏らした。

「あ、アイエエエ……!?バカな!?」「わかったでしょう?大人しくハンコを出して下さい。あなたもこうなりますよ」タミズマは暗く笑い、舌なめずりした。これがニンジャの力。圧倒的な暴力だ。オーナーは一瞬躊躇ったが、歯を食いしばって拒んだ。「断る!客がいる限りは屈しないぞ!」

 タミズマは恍惚の表情を浮かべた。「頑固ですねェ……じゃあ……客が来ないようにしてやりましょうか?」目を細め、事務所の左側の扉を見た。あの扉は、ライブハウスの客席へ続いている。「な、ま、待て!まさか、客に手を出すつもりか!?」「なあに、ちょっと怖がってもらうだけですよ」

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 慌てるオーナーを尻目に、タミズマはツカツカと扉へ向かう。オーナーは掴みかかる!「ヤメロー!この外道が!」「おっと。ああ、お願いします」タミズマは振り返り、ニンジャたちを見てニヤニヤと笑った。「殺していいのか?」「ハンコを奪っちまえばいいでしょ」「アイエエエ!ヤメロ!」

HBがカラテ、3D6[324]命中。オーナーは即死。HBはDKK2獲得。ランダムトレジャー2つ、[16]=万札1とトロ粉末を獲得。HBが持つ。

「イヤーッ!」「アバーッ!」ハイパーボンバーの無慈悲なカラテがオーナーの首を折る!事務所に5つめの死体が転がった。「ヒヒ……ザマミロ!俺様に逆らえばこうだ!」タミズマはキツネ・サインを向けて笑い、死体に痰を吐きかけ、踏みにじる。「ケッ、テメエのカラテでもねえだろがよ……」

 ハイパーボンバーのつぶやきは、タミズマの耳には届かない。と、2人のIRC端末に連絡がある。デンパルスからの文章通信。そこには、こうある。『そこはソウカイ・シンジケートのものにする。察しろ』と。

ニューロン判定、難易度HARD。5D6[54366]3D6[251]成功。

 2人は顔を見合わせ、頷く。そういうことだ。「ヒヒヒヒヒ!さあセンセイ方、ライブハウスの客どももやっちまいましょう!どうせ社会の役にも立たねえ、反体制気取りのガキどもだ!いい女がいたらさらっちまいましょうよ!オーナーもヨージンボもくたばった!マッポも怖くねえ!無敵だ!」

 タミズマは狂ったように笑い出した。圧倒的な暴力を手に入れたと思い、欲望のタガが外れたのだ。その暴力が自分に向くとも思わずに。

SMがカラテ、3D6[663]殺伐。出目[6]=即死。DKK2獲得。

「イヤーッ!」ストローマンの手刀が一閃し、タミズマの胸板を貫いた。「……え?」「気が変わりました。このジアゲ、全部ソウカイヤが貰いますね」タミズマの脳内にソーマト・リコールが起き、数十年の人生の記憶が瞬時にマンゲキョめいて展開する。それは、彼をどれほど苛んだことか。

 若き日は、彼もカラテ・バウンサーとして鳴らした。反射神経が衰えたのち、人を使う立場となった。手段を選ばず、仕事を選ばず、血と汗と他人の迷惑をつみあげて、薄汚い茶の間オフィスを築いた。彼は己の冴えない生まれを、過去を、茶の間オフィスの間取りを、使えない部下を嘆いた。

 このドブの底から、いつか浮上してやる。そう念じ続けて、はや30年。今回のジアゲ・ビズはそんな彼の元へようやく巡って来た僥倖、ビッグディールのはずであった。それが。それが。「アバッ……!」タミズマは死んだ。その顔は驚愕と恐怖、苦痛と怒りと悔恨に満ちた、凄まじい形相であった。

「インガオホーです。あなたの感じた痛み、とても……いい感触でしたよ」ストローマンは陶然と目を細める。「他人の痛みもいいものですね」「そうかよ。とにかく、これでハンコは手に入れた。後は帰りゃいいか」「客たちを痛めつけますか?」「つってもなあ。カトンでもカマしてやろうか」

 ……その時!KRASH!ライブハウスで破壊音!KA-BOOOOM!爆発音!「「「アババーッ!」」」「アイエエエ!?」「アイエエエ!?」「タスケテーッ!」悲鳴!「な、なんだ!?」「行ってみましょう!」

ライブハウス

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ハーハハハハハ!」ナムサン!ライブハウスが何者かに襲撃されている!炎と煙!「アイエエエ!」「オタスケーッ!」客たちは我先に非常用出口へ殺到!大混乱だ!殺戮を行っているのは、ナムアミダブツ!漆黒の装束に身を包み、鼻から下を赤いメンポで覆ったニンジャである!

「何事も暴力で解決するのが一番だ!皆殺しにして地ならししてくれる!」彼は時々カトン・ジツを放ちながら、カラテやスリケンで逃げ惑う客たちを殺戮!事務所の方へ向かってくる!「なんだ、ありゃ」「ジアゲでしょうか。随分キアイが入ってますね」デンパルスへIRC通信を繋ぐ。

『ア?ニンジャが?映像を送れ』「ハイ」『……照会した。あいつはサイドスピアってニンジャで、このへんに領地(シマ)のある零細ヤクザクランの「ブラックヤリ」を支配(ギュージ)ってる三下(サンシタ)だ』

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◆サイドスピア(種別:ニンジャ)
カラテ       4    体力        4
ニューロン     5    精神力       5>3
ワザマエ      6    脚力        3/N
ジツ        1    万札       10

◇装備や特記事項
☆カトン・ジツLV1:隣接した3×3マス内の敵に1ダメージ(回避NORMAL)
◉ランスキック:脚力で攻撃判定、命中すると痛打+1&弾き飛ばし

能力値合計:17 回避ダイス:6

「やはり、ジアゲですか」『だろうな。そこのハンコを奪取(よこどり)に来たんだろう。あいつはそうして領地(シマ)を広げてる』「面倒ですね。始末しますか」『やめとけ。大して手練れでもねえが、テメエらには荷が重い。特にハイパーボンバー=サンは』「じゃあ、私が行きますね」

 ストローマンは、ウズウズしながら進み出た。殺される客たちなどどうでもいい。あのニンジャに襲いかかって、痛みを分かち合いたい。ただそれだけが彼の脳内にあった。「クソ!」ハイパーボンバーは物陰に隠れ、スリケンを構えた。せめて援護射撃せねば。一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

イニシアチブ:ストローマン/SM&サイドスピア/SS(5)→ハイパーボンバー/HB(3)

1ターン目

「ドーモ、サイドスピア=サン。ストローマンです。痛みを分かち合いましょう」先んじてアイサツを繰り出す。「ドーモ、ストローマン=サン。サイドスピアです。何だ貴様は?」「イヤーッ!」モンドムヨー!

3D6[662]2成功&殺伐。SSは6D6[652156]4成功&迎撃!SMは3D6[124]回避。SSはランスキック、3D6[644]3成功、痛打1&弾き飛ばし!SMはイタミ・ジツを発動、7D6[3512321]成功。ダメージ軽減2で弾く(受けて回復)。SMの残り精神力5。4マス弾き飛ばされるが激突ダメージも弾く。

「イヤーッ!」サイドスピアは難なく攻撃を回避し迎撃!「イヤーッ!」回避!「イヤーッ!」さらにサイドスピアはヤリめいたキックを繰り出す!「グワーッ!」ストローマンはみぞおちを蹴られてくの字に折れ曲がり、ワイヤーアクションめいて吹っ飛ぶ!「フン、サンシタの狂人めが」だが!

「あ、アアーッ!イイーッ!」壁に激突したストローマンは、奇怪なポーズをとって身をくねらせ、狂喜の叫びをあげる!「も、もっと痛めつけて下さい!もっと!」「何だ、こいつは……!?」サイドスピアは訝しんだ。

HBは物陰からスリケンでアンブッシュ。射撃難易度-1、相手の回避難易度+1。集中によりさらに-1されKIDS。4D6[2556]成功。SSは回避ダイスがなくまともに受ける!残り体力3!

「イヤーッ!」「グワーッ!?」サイドスピアの脇腹にスリケンが突き刺さる!「何ィ!?もうひとりいるのか!卑怯者、姿を現せ!アイサツしろ!」サイドスピアは狼狽!物陰から姿を現したニンジャがアイサツ!「ドーモ、ハイパーボンバーです。ここのハンコと権利書はもらったぜ」

2ターン目

「オノレ!ならば貴様から片付けてやる!イヤーッ!」サイドスピアは連続側転してハイパーボンバーに襲いかかる!「キエーッ!」

6D6[165634]4成功、ランスキック!3D6[126]1成功。HBは4D6[6631]2成功&迎撃!SSは回避できずまともに受ける!残り体力2!

 ヤリめいたトビゲリが迫る!だがハイパーボンバーは巧みに回避し迎撃!「イヤーッ!」「グワーッ!」命中!「アーッ!待って下さい!そのキックは私がまた受け止めます!ハンコと権利書は私が持ってますよ!」ストローマンが腰を振りながらアピールする!「オノレオノレ!変態めが!」

3ターン目

「イヤーッ!」ストローマンが連続側転でサイドスピアに迫りスリケン!

[424][241]失敗。SSは駆け寄ってランスキック、3D6[334]成功。SMはイタミ・ジツ発動、7D6[6361655]成功。キックをダメージ軽減2で弾き、激突も問題なく弾く。残り精神力4。HBはスリケン、4D6[2416]2成功。SSは6D6[622455]回避。

「イヤーッ!」サイドスピアは牽制のスリケンを難なく避け、ストローマンに駆け寄ってヤリめいたキックを食らわせる!「グワーッ!」逃げ惑う客たちを巻き添えにしてふっ飛ばしつつ、壁に激突!「アアーッ!イイーッ!」受けたダメージをエネルギーとし、急速に負傷を癒やす!なんたるジツか!

「イヤーッ!」背後からハイパーボンバーがスリケン投擲!「イヤーッ!」回避!「ええい、鬱陶しい!」前門のタイガー、後門のバッファロー!

4ターン目

大気にカラテが満ちる!ハードモード突入!

「素晴らしい!今度はあなたの番ですよ!イヤーッ!」ストローマンが連続側転でサイドスピアに迫りカラテ!

3D6[431]3D6[111]攻撃失敗。SSはランスキック、3D6[125]1成功。SMは回避ダイスを振る。6D6[525453]3成功&迎撃!SSは回避できず1ダメージ、残り体力1!HBは連続側転で飛びかかりカラテ、4D6[2522]3D6[246]2成功。SSは6D6[453261]2成功回避。

「イヤーッ!」大振りのカラテが空を切る!サイドスピアはヤリめいたキックを繰り出す!だが!「イヤーッ!」「グワーッ!」ストローマンはジツを使わず回避し迎撃!「あなたの痛みを感じますよ!」「オノレ!」「イヤーッ!」ハイパーボンバーも背後から飛びかかる!「イヤーッ!」回避!

5ターン目

「イヤーッ!」ストローマンが追撃しカラテ!

3D6[122]失敗。SSは状況判断し撤退!連続側転、6D6[361556]成功。

 大振りのカラテが空を切る!「オノレ!ここは撤退だ!」サイドスピアは状況判断し、連続側転でライブハウスの外へ飛び出した。

戦闘終了

「ああっと残念、仕留めそこねました。捕縛して連れ帰れば評価もあがったと思うのですが。ヤクザクランも手に入りますし」「まあ、目的は果たしたから良しとしようや。帰るぞ」『ご苦労さん。事後処理(あとしまつ)用クローンヤクザ部隊を送っといた。車も来てるから、それに乗って帰れや』

【帰った】

面倒なのでWasshoi判定はやめておきます。

エピローグ

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 トコロザワ・ピラー、ブリーフィング・ルーム。デンパルスは2人をにこやかに出迎え、握手した。「お疲れさん。初めての仕事(ミッション)にしちゃ難関(タフ)だったが、どうだった」「良い痛みを感じることが出来ました」「意外とどうにかなったなァ」「結果は上々だ。報酬を払うぜ」

評価:B+ 「ナラズモノ」のオーナーを殺してハンコを奪い、タミズマも殺して土地をソウカイヤのものとした。客にもニンジャの恐怖を味わわせ、ジアゲ後の反対運動を牽制した。乱入したサイドスピアは倒せなかったが撃退した。万札24を山分けとし、余暇4日を与える。シシマル・パンクス4人から万札12、事務所から万札1とトロ粉末を獲得。トロ粉末は万札3に換金し万札24+12+4=40を山分け。1人頭万札20。借金を返済し、残り万札8。

「「アリガトゴザイマス」」封筒入りの万札が渡され、2人はオジギして受け取る。「それと、今回でサイドスピア=サンやブラックヤリ・ヤクザクランと因縁(いざこざ)が出来たな。ついでにそいつらを潰すミッションも検討しとく。鍛錬次第だが、もう1人追加してやらせるかもな。以上」

「「アリガトゴザイマシタ!」」こうして、ストローマンとハイパーボンバーのソウカイ・ニンジャとしての初ミッションは成功裏に終わった。彼らはこの渾沌の都で、どのように生き抜いて行くのであろうか……。

【キックアウト・ザ・ジャムズ】終わり

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