忍殺TRPGリプレイ【ファイアーズ・オブ・ルビコン】04
前回のあらすじ:ネオサイタマ・キョート戦争は膠着状態に陥った。これを打開するため、ソウカイヤ・オムラ連合は湾岸警備隊とともにキョート共和国への全面攻勢に打って出る。チーム・ナイトフライトはヴォルテージとともにキョート側へ潜入、破壊工作を開始する!カラダニキヲツケテネ!
◆
「シューッ……ドーモ、ダークニンジャです」
「トゥールビヨンです!」
アンブッシュ者たちは距離をとり、アイサツを繰り出した。「ドーモ、ヴォルテージです」「ナイトフライトです」「フェリクロームです」「フレイムスローワーです。……あんた、死んだって聞いたが」フレイムスローワーは脂汗を流す。彼がニュービーだった頃、ラオモトの懐刀だった凄腕だ。
「見ての通り、生きている。故あってザイバツに拾われてな」「ヌケニンってわけかよ」「そうだ。知られたからには生かして返さぬ」ダークニンジャはカタナを揺らめかせた。「4対2だぜ。ニンジャの数ではこっちが有利だ」「敵地であることを忘れるな、下郎」トゥールビヨンは怒りを露わにする。
「お坊ちゃんの相手は俺だ。弱そうだからな」「貴様!」ヴォルテージはトゥールビヨンへ手招きし、挑発しつつ、秘密IRCを飛ばして作戦を伝える。二手に分かれ、二人で一人を相手取るべし!「相手にとって不足なし」フェリクロームは武者震いし、フレイムスローワーをかばってイアイを構える。
『『『ザッケンナコラー!』』』『『『スッゾコラー!』』』下の階からクローンヤクザたちが駆け上る!司令室前からは戦闘兵器が!ネズミ袋にされる前に、この場をなんとか切り抜けるべし!一撃必殺アトモスフィア!
戦闘開始
マップ
1ターン目
「インダストリ!」先に仕掛けたのはナイトフライト!狙うはトゥールビヨン!電磁クローアームが閃き、無防備股間を貫かんとす!「惰弱なり!イヤーッ!」トゥールビヨンは難なくいなし、迎撃の裏拳!「イヤーッ!」ナイトフライトは紙一重回避!だが体勢を崩す!「キリステ・ゴーメン」
ダークニンジャは妖刀ベッピンを揺らめかせ、ナイトフライトへ斬りかかる!デス・キリ!どくん……!ナイトフライトはアドレナリンを過剰分泌させSLAASH!「グワ、アバーッ!?」ナムアミダブツ!不可視の刃がナイトフライトの脚部を通り抜け、深手を負わせた!なんたる恐るべきワザマエ!
「逃げるぞ!」ヴォルテージは瞬時に状況判断し、撤退を宣言!「イヤーッ!」ベヒーモスの南側を回り込むように連続側転!だが下階への階段前にはクローンヤクザ部隊が!「邪魔だ!イヤーッ!」ヴォルテージのテッコからデン・スリケンが飛ぶ!ZZTZZT!「「「アババーッ!」」」三人即死!
「アイアイサー!イヤーッ!」フレイムスローワーも一目散に逃げ出し、階段前のクローンヤクザ部隊へカトン・ボールを叩き込む!KABOOOOOM!「「「アバババーッ!」」」相当数が薙ぎ払われるが、なお数人が動く!「立てるか」「スミマセン」フェリクロームはナイトフライトをかばう!
トゥールビヨンは一瞬躊躇う。重傷を負ったナイトフライトにトドメを刺すべきか、逃げたヴォルテージたちを追うべきか。フェリクロームもダークニンジャ=サンのイアイを防ぐ程度のカラテはあり、やや手強い。ならば!「イヤーッ!」ヴォルテージを追って連続側転!カラテを繰り出す!
SMASH!「グワーッ!」ヴォルテージは躱しきれず一撃を食らう!「「ザッケンナコラー!」」「「スッゾコラー!」」生き延びたクローンヤクザたちがヴォルテージへチャカガン一斉射撃!BLALALALALAM!「グワーッ!」銃弾命中!このままでは!「フン、やはり弱敵!このまま死ぬがいい!」
2ターン目
このままではヴォルテージが死ぬ!「イヤーッ!」ナイトフライトは激痛をこらえてヴォルテージを追い、二挺のLAN直結ハンドガンで残るクローンヤクザたちを射撃!BLALALAM!「「アバーッ!」」ヘッドショット殺!ブルズアイ!「早く!逃げて下さい!」「逃さぬ。キリステ・ゴーメン!」
電光石火!ダークニンジャはすでにナイトフライトのワン・インチ距離にいる!どくん……!ヴォルテージはニンジャアドレナリンを過剰分泌させ、脳内UNIXを高速回転させる!ここは……「イイイヤァアアアーーーーッ!」ギャリリリィン!ヴォルテージのテクノカラテが妖刀を弾き逸らせた!
「「サラバ!イヤーッ!」」ヴォルテージとフレイムスローワーはクローンヤクザたちの死体を飛び越え、階段を飛び降りる!「イヤーッ!」フェリクロームはナイトフライトに追いつき、カタナを構えてかばう!「コシャク!イヤーッ!」トゥールビヨンはナイトフライトにトドメを刺すべく攻撃!
「イイイヤァアアアーーーーッ!」ナイトフライトは死物狂いで躱し、トゥールビヨンに密着射撃!ピストルカラテの奥義「ロウレス・フロンティア」だ!BLAMN!「イヤーッ!」だがトゥールビヨンは問題なく弾き、逸らす!タツジン!「下郎どもが!ネズミめいて逃げ回ろうと、全て踏み潰すぞ!」
3ターン目
「イヤーッ!」ナイトフライトは必死で階段まで駆け抜ける!フェリクロームはイアイを構え、しんがりとなる!「来るがいい、ダークニンジャ=サン!」「キリステ・ゴーメン!」デス・キリ!妖刀ベッピンが鞘走り、刀身が揺らめく!「「イイイヤァアアアーーーーッ!」」SLAAAAAASH!
フェリクロームはアドレナリンを過剰分泌させてニンジャ感覚を極限まで高め、目や鼻、耳から血を流しつつ、死の刃を……見切って躱し、イアイ反撃!SLAASH!「ヌウ!」キィン!ダークニンジャはブレーサーで難なく弾くが、フェリクロームは勢いを利用して階段まで飛び離れた!「サラバ!」
戦闘終了
「逃がすかーッ!」トゥールビヨンは色付きの風と化して追いかけるが、その時!ZZZZMMMMM……KABOOOM!KRAASH!「「なにッ!?」」床が、施設全体が、大きく揺れ動く!まさか!『ピンポンパンポーン……お知らせドスエ。垂直掘削用超弩級シリンダーハンマー《ベヒーモス》に異常な』
マイコ音声が鳴り響く!『推進用火薬類に強制点火確認。強制稼働開始。当施設は自壊可能性重点、地盤の破砕とともにシリンダー装置の損壊、火薬類の誘爆重点。作業員、オペレータの皆様は覚悟してハイクを詠むドスエ。カラダニキヲツケテネ』ナムアミダブツ!フレイムスローワーの仕業だ!
「ま……まずい!」トゥールビヨンは焦った!彼とダークニンジャの能力ならば、ここが自壊しようが爆発しようが無傷で切り抜けられよう。だが、警備対象である施設が……「やむを得ん。このまま動かし、一時撤退するぞ」「ハイヨロコンデー!」ダークニンジャの判断と命令だ。否応もなし!
エンジニアや兵士たち、クローンヤクザや労働者たちは、戦闘兵器もろともアノヨ行きだろうが、ザイバツにとっては問題ない。この場所の地盤を破壊して穴を開け、地底に眠る遺跡と地上を繋ぐ直通エレベーターを設置し、レリックアイテムを手に入れることが真の目的だ。時間はかかろうが……。
「問題は侵入者だ。探し出して殺せ。俺はキョート城に戻り、報告する」「ハイヨロコンデー!」トゥールビヨンは涙ながらに深々とオジギ!
エピローグ
ゴゴゴゴゴゴ……! キョート共和国軍南部基地は、凄まじい轟音と爆煙を伴いながら崩壊していく。ヴォルテージたちは闇に紛れて命からがら逃げ延び、キョート・ワイルダネスの山中に身を潜めた。ダメージは負ったが、彼らは目的の一つをやり遂げたのだ。これで南部方面は弱体化するだろう。
「スミマセン」ナイトフライトは頭を下げる。「構わん。あれは相手が悪かったとしか言いようがない。生きて逃げ延びただけでも儲けものだ」ヴォルテージは慰める。「これからどうします」「負傷が癒えたら協力者と合流して、各地で破壊工作を行う。真のイクサはこれからだ」「「「ハイ!」」」
かくて賽は投げられた。日本側の工作員ニンジャたちは国境を越え、キョート共和国に潜入したのだ。両国の「戦争」が激しさを増す中、彼らは生きてネオサイタマに還ることができるのだろうか……。
【ファイアーズ・オブ・ルビコン】終わり
リザルトな