忍殺TRPGリプレイ【ケイオス・ブギ】03
前回のあらすじ:秋のオヒガン、ウシミツ・アワー。ニンジャスレイヤーと協力者たちは、オヒガンと現世の狭間に浮かぶキョート城への潜入を開始した。目的はネオサイタマを覆うロードのジツの除去、ナラクの復活、バンブーエルフの救出、そしてキョート城とキンカクの退去だ!行くぜ!
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01010101010101……気がつくと、3人は暗い空間にいた。マナシ・カタマの籠は消えている。「ここは」ユカノが訝しみ、ガンドーが答える。「俺には見覚えがあるぜ。ホウリュウ・テンプルの地下座敷牢だ」「では、ここにバンブーエルフ=サンとアラクニッド=サンが」「そのようだが……しかし」
ガンドー、ディテクティヴは周囲を警戒する。彼の鋭敏なニンジャ感覚はニンジャアトモスフィアの存在を捉えた。座敷牢の外、螺旋階段の上に、アラクニッドでもバンブーエルフでもない何者かがいる。それは……こちらへ近づいてくる!「イヤーッ!」螺旋階段を飛び降り、ニンジャが出現!
彼は座敷牢の中を睨み、アイサツした。「ドーモ、メルカルトです。どこから侵入してきおった、ギルドに仇なす腐れネズミめ!」
「ドーモ、ドラゴン・ニンジャです」ユカノは堂々と代表アイサツした。「ザイバツ・シャドーギルドは滅びましたよ。この城に用があります。道案内してもらいましょうか」「なんだと」メルカルトは訝しんだ。彼はサラマンダー派閥からニーズヘグ派閥に移った武闘派マスター級ニンジャである。
「クセモノには違いあるまい。まずはカラテを見せてみよ!」メルカルトはカラテを構えた。リアルニンジャとカラテを交える機会だ!「オイオイオイオイ、こっちは3人だぜ!」ディテクティヴはピストルカラテを構えた。「相手もかなりのタツジンです。まずは私が」一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
「キエーッ!」ユカノは座敷牢の格子を蹴破り、メルカルトへトビゲリ!ドラゴン!「イヤーッ!」メルカルトは堅牢な構えで防御し迎撃!「イヤーッ!」ユカノは跳躍回避!ともにタツジン!「少しはやりますね!」「我が古代フェニキアカラテは魔技。味わってもらうぞ」相手にとって不足なし!
古代フェニキアカラテ……ニンジャ考古学に詳しい方はお気づきだろう。地中海の覇権を巡って古代ギリシア・ローマと熾烈な戦いを繰り広げたフェニキア人の用いたカラテ流派だ。カルタゴが滅ぼされた後は歴史の闇に沈んだが、メルカルトに憑依したニンジャソウルが、彼にそれを授けたのだ!
「行くか、やめるか……!」ガンドーは一瞬躊躇し、逡巡する。相手は一人、囲んで殴れば圧倒的有利だ。だがこちらにはやや未熟なイエローフィストがいる。彼女を狙われれば……それに49マグナムの轟音が響けば潜入が……「ご心配なく!」イエローフィストはジュー・ジツの構えをとった!
「了解!」ガンドーはタフに笑った。弱気はオヒガンでは禁物だ!「イヤーッ!」常人の三倍の脚力でメルカルトの懐に飛び込み、49マグナム・ピストルカラテ正拳突き!BLAMN!「イヤーッ!」だがメルカルトはブリッジ回避し迎撃のキック!SMASH!「グワーッ!」躱しきれず命中!ウカツ!
メルカルトは状況判断する。このウカツな男を先に始末するか?ドラゴン・ニンジャとのカラテを継続するか?それとも!「イヤーッ!」第三の選択肢は座敷牢の奥の小娘!弱敵から叩くべし!「シューシュシュシュ!」堅牢な構えから攻撃的な構えに切り替え、ボックス・カラテ・パンチを連打!
「イヤーッ!」イエローフィストはジュー・ジツの構えでこれを受け流し、メルカルトの猛攻を躱す!さらに!「キエーッ!」勢いを利用して自らのカラテに変え、カウンターのトビゲリ!「イヤーッ!」メルカルトは緊急ブリッジ回避!タツジン!「フハハハ……なかなかやるな!名乗るがいい!」
「ドーモ、イエローフィストです」「そこの男は」「ディテクティヴです。なあ、あんたらとカラテしに来たわけじゃねえんだ。目的を果たしたらすぐに帰るからよ」ガンドーはハンズアップし、交渉を試みる。「目的とは?」「……まず、この地下牢に囚われているニンジャを連れ帰ることだ」
メルカルトはイエローフィストにカラテを突きつけて人質としつつ、会話から相手の情報を引き出そうとはかる。狡猾!「そのニンジャの名は?」「バンブーエルフ=サンです。私とともにあなたがたにさらわれ、ニーズヘグ=サンの客人となっていたはず……」ユカノは歩み寄りつつ答える。
「知らんな。勝手に探すがいい」メルカルトは目を細めた。「ワシを倒し、ここから逃げおおせることができたならな!」
2ターン目
「「イヤーッ!」」ユカノとガンドーは、ほぼ同時にメルカルトへ殺到!ジュー・ジツとピストルカラテによる猛攻だ!BLAMN!「イヤーッ!」メルカルトは見切って躱し、ガンドーに反撃のカラテを繰り出す!「イヤーッ!」危うく回避!油断ならぬ強敵だ!「フハハハ!こちらから行くぞ!」
メルカルトはカラテを燃やし、独特のステップでガンドーの死角へ回り込む!「シューシュシュシュ!」ボックス・カラテ・パンチだ!アブナイ!「キエーッ!」ユカノがインターラプトし攻撃を受け流す!「キエーッ!」イエローフィストがトビゲリ!「イヤーッ!」間一髪でブリッジ回避!
3ターン目
「キエーッ!」ユカノは竜巻めいて回転し、メルカルトへドラゴン・マワシ・ケリを放つ!SMASH!「グワーッ!」命中!よろめく!「イイイヤァアアアーーーッ!」ガンドーも両手に49マグナムを構えて回転し、嵐のようなピストルカラテを叩き込む!BLALALAM!SMASH!「グゥワーッ!」命中!
メルカルトは血反吐を吐きつつ、3人の実力を身を以て体験し推し量る。今のドラゴン・ニンジャはマスター級程度。ディテクティヴはアデプト上位かマスター級。イエローフィストは下級アデプトといったところか。単体で戦えば負ける気はしないが、3対1では圧倒的不利だ。ここらが潮時!
「オタッシャデー!」メルカルトは連続バック転で螺旋階段まで戻りつつ、イエローフィストへスリケン投擲!「イヤーッ!」イエローフィストは側転で追いつつ、スリケンを投げかえし相殺!対消滅!「逃がせば援軍を呼ばれます。追いますよ!」「OK!」ユカノとガンドーはカラテを高める!
戦闘継続
【続く】
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