忍殺TRPGリプレイ【イン・ザ・ケージ、イン・ザ・フォレスト】03
前回のあらすじ:ザイバツのネオサイタマ駐留部隊の残党ワイルドハントとイエローフィストは、ヤマブシに扮してヤマ山地の温泉宿を訪れていた。この地に魔術的ビーコンを仕込み、キョジツテンカンホーの範囲を広げるためだ。しかし不運にもニンジャスレイヤーと遭遇!カラダニキヲツケテネ!
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『ど、どうされました!?』脱衣所の彼方からイエローフィストが声をかける。「クセモノだ!敵だ!ギルドに仇為す憎き敵!ニンジャスレイヤー=サンだ!」ワイルドハントは湯船の中を後じさりながら必死で情報を伝える。ここは市街地から遠く離れた辺境の地、誰も助けに来る者はいない!
「麓で見た山賊の死体もオヌシらのしわざだな。相手が悪党とはいえ、オヌシらはモータルを殺した」ざわざわとニンジャスレイヤーの装束がなびき、赤黒く輝く。ナラク・ニンジャは休眠中だが、ニンジャに殺されたモータルの怨念は、ニンジャスレイヤーに復讐のための力と情報を与えるのだ!
「い、今行きます!イヤーッ!」イエローフィストは意を決し、脱衣所を駆け抜けて露天風呂へ突入!ワイルドハントへ籠ごと装備一式を投げ込む!「かかってくるがいい、ワイルドハント=サン。それとも仇敵を前にして、尻尾を巻いて逃げ出すのか」ニンジャスレイヤーはジゴクめいて告げた。
「ここでオヌシらと出会ったのは実際偶然だが、生かしておく理由はない。殺す」ナムアミダブツ!これも運命の巡り合わせか!ワイルドハントは怒りに震え、瞬時に装備を装着してカラテを構えた!「ここで逢ったが百年目!ギルドのために貴様を殺す!」澄んだ大気にカラテが満ちる!一触即発!
戦闘開始
1ターン目
「イヤーッ!」ワイルドハントは跳躍して浴槽から飛び出し、装束に仕込まれていた無数のコマを射出!ネンリキで操作されたそれらは複雑な軌道を描いて飛来し、あるいは術者の周囲を飛び交って身を守る!タナカ・ニンジャクランの一派が用いた戦闘用の特殊コマだ!「イヤーッ!」見切って回避!
「児戯!イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはザイバツ・シャドーギルドへの憎悪を燃え立たせ、色付きの風と化してワイルドハントに飛びかかる!ジュー・ジツのワザ「マウントタックル」だ!「い、イヤーッ!」ワイルドハントはとっさに跳躍回避し迎撃!「ヌウッ!」紙一重で回避!ワザマエ!
「キエーッ!」イエローフィストは上司を守るべく、周囲の岩を蹴ってニンジャスレイヤーにトビゲリを放つ!「イヤーッ!」見切って回避!マスター位階のワイルドハントに比べれば未熟だが、油断は禁物だ!「ドーモ、ニンジャスレイヤーです!」「イエローフィストです!」両者アイサツ!
2ターン目
「イヤーッ!」ワイルドハントは近くに聳え立つ岩に飛び乗り、ムチを巻き付けて引っ張る!ギャギャギャギャ……!ワザマエとカラテとネンリキにより、岩は巨大なコマと化して動き始めた!これぞ「コマ・ジツ」だ!ワイルドハントを載せた岩コマは回転しながらニンジャスレイヤーに襲いかかる!
KRASH!「グワーッ!」命中!さらにワイルドハントはコマを動かしてイエローフィストの背後に回り込みつつ、ムチによる斬撃を放つ!SLASHSH!「グワーッ!」命中!負傷は実際浅いが体勢を崩す!「ハハハ!その程度のワザマエで、ロードやグランドマスターを倒したというのか!笑止なり!」
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは怒りを燃やしワイルドハントへ飛びかかる!SMASH!「グワーッ!」命中!だが浅い!「キエーッ!」イエローフィストはワイルドハントをかばいつつ岩を蹴ってトビゲリ!「イヤーッ!」見切って迎撃!「イヤーッ!」回避!ともにジュー・ジツのタツジンだ!
3ターン目
「ハハハハ!イヤーッ!」ギャギャギャギャ!岩コマに乗ったワイルドハントがムチ斬撃を繰り出しながら迫る!ムチ・ドーの特殊な構え「オボロゲ」は、相手に攻撃の軌道を読まれにくい!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは紙一重で見切って躱し反撃!「イヤーッ!」迎撃!「イヤーッ!」回避!
「キエーッ!」イエローフィストは体勢を崩したニンジャスレイヤーにトビゲリ!隙を生じぬ二段構えだ!SMASH!「グワーッ!」躱しきれず命中!たたらを踏んでよろめく!「ハハ!いいザマだなニンジャスレイヤー=サン!ロードは今も生きておわし、遥かな高みから我らを見守っておられるわ!」
ワイルドハントは哄笑する。実際手強い相手だが、この程度のカラテでグランドマスターやロードに勝てるはずもなし。狂人のハッタリに決まっている!「だが殺すのは惜しいな。ギルドに忠誠を誓い、ともにソウカイ・シンジケートと戦うというのなら、命だけは助けてやろう!」「断る!」
4ターン目
「ならば屈服させてやる!イヤーッ!」ギャギャギャギャ!SLASHSHSH!ワイルドハントの猛攻!猛攻!猛攻!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは紙一重で見切って躱し、迎撃のラッシュを放つ!「い、イヤーッ!」イエローフィストがインターセプト!上司ばかりに負傷させるのはシツレイだ!
ガガガッ!「ンアーッ!」防ぎきれず負傷!だが勢いを利用して跳躍し、岩を蹴ってトビゲリ!「キエーッ!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはブリッジ回避!そのままサマーソルトキックを繰り出す!アブナイ!「む、ムテキ!」ガキィン!イエローフィストは奥の手のジツでこれを防ぐ!
5ターン目
「イヤーッ!」ギャギャギャギャ!SLASHSH!「グワーッ!」命中!ニンジャスレイヤーは猛攻に押される!「イヤーッ!」反撃!狙うはコマに乗ったワイルドハントの股間だ!どくん……ワイルドハントはアドレナリンを過剰分泌し「イヤーッ!」間一髪回避し迎撃!「ヌウッ!」紙一重回避!
「キエーッ!」イエローフィストのトビゲリ!「イヤーッ!」見切って回避!この勝負、互いに譲らずだ!「なかなか手こずらせてくれるな、ニンジャスレイヤー=サン!」ワイルドハントは不敵に嗤う!一騎打ちならともかく2対1ならこちらに勝機あり!果たしてブッダはどちらに微笑むのか!?
6ターン目
「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」月明かりの下、湯煙の中、3人のニンジャは猛攻を応酬!互いに血しぶきが飛び散り、湯船を赤く染める!そしてダメージが大きいのは……ニンジャスレイヤー!「どうだッ!数が多いほうが勝つ!」
ワイルドハントは昂揚状態にある!ギルドを苦しめた難敵の首か身柄を確保し、ロードに献上すれば、グランドマスターの地位も夢ではない!「スゥーッ……ハァーッ……!」ニンジャスレイヤーは呼吸を調え、周囲のエテルを吸収し始める。ナラクが休眠中であろうとも、彼にはチャドー暗殺拳あり!
戦闘継続
【続く】
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