忍殺TRPGリプレイ【インナー・ユニヴァース】03
前回のあらすじ:オムラ・メディテック社の特注オイランドロイド「ソノコ」が、ハック&スラッシュに遭って盗まれた。これは同名の少女の脳チップを組み込んで蘇生させるための素体であり、このままではプロジェクトは頓挫してしまう。オムラは奪還のためソウカイ・ニンジャチームを召集!
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三人のハクスラ・ニンジャたちは、侵入者に対して各々アイサツした。「ドーモ、スウィートスリップです」「ヒャハ!スラッシュハッピーです!」「ドーモ、ダイレクトコネクションです。直結したい……」
「ドーモ、ソウカイ・シンジケートのボーンピッカーです」「レッドハッグです」「デモンハンドです」各々アイサツを返す。「オムラのオイランドロイドを盗んだろ。返してもらうぜ」「ヒャッハ!聞いてただろ!もうここにはねェよ!」「どこへ売った?」「教えられないねェ。交渉しようよ」
スウィートスリップは豊満な胸を揺らし、蠱惑的にこちらを見た。普通なら交渉するところだが、今回の任務は口封じも兼ねた「皆殺し」だ。殺らねばならない!「悪いが、オムラのご意向だ。あんたらにはインタビューした後、全員死んでもらわなきゃならん」ボーンピッカーは酷薄な声で告げた。
レッドハッグはカタナを、デモンハンドはコッポ・カラテを構えた。相手はスラッシャーが一人、こちらのほうが手練れだ。スウィートスリップは舌打ちした。「やれやれ、ヤキが回ったね。けどそう簡単には殺られないよ!お前たち、ヤッチマイナー!」「「ハイヨロコンデー!」」一触即発!
戦闘開始
初期配置
1ターン目
「TAKE THIS!」BLAMBLAMBLAM!ボーンピッカーは素早くLAN直結二挺拳銃を抜き放ち、ダイレクトコネクションを撃つ!「グワーッ!」命中!「しっかりしな!TAKE THIS!」BLAMBLAM!スウィートスリップは机をバリケードとしてカスタム・ハンドガンを連射!殺傷力の大きなダムダム弾だ!
「イヤーッ!」ボーンピッカーは側転回避!だが甘い香りが室内に充満し、視界が揺れ動き始める!スウィートスリップのゲン・ジツだ!「ホホホホ!これが私のフーリンカザン!」ダイレクトコネクションは目をギラつかせ、ボーンピッカーの生体LAN端子を睨む!「直結してやる……ウオーッ!」
狂ったハッカーニンジャは自らのLAN端子にケーブルを接続し、涎を撒き散らしながらボーンピッカーへ襲いかかる!「イヤーッ!」「男と直結する趣味はねえ!イヤーッ!」ボーンピッカーは巧みに回転回避し、銃口を敵の体にくっつける!「こっちと直結しろ、変態野郎」BLAMN!密着射撃!
「ウオーッ!」ダイレクトコネクションは一瞬早く身をひねり、密着射撃を回避!だが大きく体勢を崩した!「死ねッ!」レッドハッグが斬りかかる!SLASHSH!「グワーッ!」命中!だがなおも生存!「くっ……」レッドハッグの視界が揺らぎ、平衡感覚を失わせつつある。なんたる厄介なジツか!
「トドメだ!イヤーッ!」デモンハンドが壁を蹴ってコッポ掌打を繰り出す!狙うはダイレクトコネクションの無防備股間!「させるかよォ!俺が相手だ!イヤーッ!」スラッシュハッピーがかばい、カタナで迎撃!「ヌウッ!」デモンハンドは紙一重回避!だがスラッシュハッピーはさらに連撃!
「ヒャハハハハハ!」SLASHSH!「グワーッ!」躱しきれず命中!無視できぬダメージだ!「ヒィヒヒ!テメエは比較的弱い!」邪悪なスラッシャーニンジャは涎を垂らして嘲笑う。「ナメんじゃあねェ!」デモンハンドは怒りを燃やす。相手はレッドハッグのようなイアイのタツジンではない。殺す!
2ターン目
「トドメだ、クソ野郎!イヤーッ!」BLAMBLAMBLAM!ボーンピッカーはダイレクトコネクションとの接近状態から、嵐のようなピストルカラテを叩き込む!SMASH!「アバーッ!」躱しきれず命中!もはや瀕死だ!「DAMN SHIT!」BLAMBLAM!スウィートスリップが銃撃!「イヤーッ!」回避!
「うおおーッ!ニューロンを焼いてやるーッ!」ダイレクトコネクションは狂気を燃やし、ボーンピッカーへ直結攻撃!「しつけえぞ!イヤーッ!」ボーンピッカーは巧みに躱し、再びロウレス・フロンティアを放つ!BLAMN!「アバーッ!」密着射撃を受け、ダイレクトコネクションは昏倒!
「よおし!イヤーッ!」レッドハッグは目標をスラッシュハッピーに替え、名刀イキツモドリを振るって斬りかかる!SLASHSH!「イヤーッ!」紙一重回避!「イヤーッ!」デモンハンドはトライアングルリープしコッポ掌打!SMASH!「グワーッ!」命中!「テメエ……やってくれたな、クソが!」
スラッシュハッピーは目を血走らせ、ワキザシを抜いて二刀流となる!回避を捨てた狂戦士の構えだ!「クタバレーッ!」SLASHSHSH!心臓を狙った恐るべき刃がデモンハンドに迫る!どくん……デモンハンドはアドレナリンを過剰分泌し、「イヤーッ!」「グワーッ!」ブリッジ回避して迎撃!
3ターン目
「TAKE THIS!」BLAMBLAMBLAM!ボーンピッカーは横に動き、スラッシュハッピーを銃撃!「グワーッ!」命中!「DAMN SHIT!」BLAMBLAM!スウィートスリップはデモンハンドを狙って銃撃!「イヤーッ!」紙一重回避!ワザマエ!「ハァーッ!」レッドハッグはニンジャソウルを燃やす!
彼女の瞳が赤く輝き、カラテが強まる!ここで殺さねばデモンハンドが危険だ。全力で殺す!「イアイ!」SLAASH!レッドハッグは瞬時に色付きの風と化し、スラッシュハッピーを袈裟懸けに斬って両断!ナムアミダブツ!「グワ……アッバーッ!サヨナラ!」KABOOOM!爆発四散!
「よし!後はテメエだけだ!イヤーッ!」デモンハンドはスウィートスリップへ飛びかかる!だがゲン・ジツに惑わされ距離がつかみにくい!「い、イヤーッ!」迎撃!「イヤーッ!」回避!「チクショ……ここまでか」スウィートスリップは脂汗を垂らして笑う。「助けておくれよ」「ダメだ」
4ターン目
「イヤーッ!」BLAMBLAMBLAM!ボーンピッカーはスウィートスリップに飛びかかりピストルカラテ!「ンアアーッ!」命中!「マッタ!助けて!」スウィートスリップは銃を捨ててハンズアップし、涙を流す!「降参よ。ジツも解除したわ。ドゲザもする、なんでもする。命だけは助けて頂戴!」
スウィートスリップは流れるようにドゲザし、命乞いした。「私だって必死に生きてるの!殺されるようなことはしてないわ!ソウカイ・シンジケートで匿って!必ず役に立つわ!恩義には報いるわ!」ナムサン!彼女は実際オイランであり、このようにして危険な闇社会を生き延びてきたのだ。
「「む……」」ボーンピッカーとデモンハンドは、少し心を動かされる。彼女のジツの力がまだ残っており、男たちを誑かしたのだ。しかし!「悪いがこれも仕事なんでね」レッドハッグはギリギリで誘惑をはねのけ、無慈悲なアサシンの表情で答えた。「アタシたちの信頼に関わる。首をもらうよ」
レッドハッグは冷たく宣告し、カタナを構えた。「インタビューしたいけど、アンタは嘘つきそうだしね。UNIXをあたる。イヤーッ!」SLASHSH!「ンアアーッ!」無慈悲!「ほら、トドメを刺しな!」「あ、ああ!イヤーッ!」デモンハンドはスウィートスリップの誘惑をはねのけ、飛びかかる!
SMAASH!「アバーッ!」掌打命中!スウィートスリップは血反吐を吐いてうずくまり、もはや瀕死だ!「アバッ……アバッ」だがなおも動く!なんたる生命力!「わ、私を殺せば、ヤミ・区画の連中が黙っちゃいないよ!」「アンタはもう見捨てられたよ。キリステ・ゴーメン」「アイエエエ!」
5ターン目
ボーンピッカーは無慈悲に二挺拳銃を構えた。「少々もったいないが、インガオホーだ。こらえてくれや」「オニ!悪魔!チクショウ!」「イヤーッ!」BLAMBLAMBLAM!ピストルカラテ!「アバーッ!」スウィートスリップは叩きのめされ倒れる!だがニンジャ耐久力で爆発四散はこらえた!
「イヤーッ!」レッドハッグが駆け寄ってカイシャク!「サヨナラ!」KABOOOM!爆発四散!
戦闘終了
「シューッ……!」三人はザンシンした。実際油断ならぬ相手たちだった。だが倒した。スウィートスリップはギリギリまで情報を抱えていることで、こちらとの交渉に持ち込み、誘惑して生き残るつもりだったのだろう。彼女へのインタビューは永遠に叶わなくなったが……「で、どうする?」
デモンハンドは腕組みした。「オイランドロイドの居場所についてのインタビューは。ここはIRCが通じないし、UNIXもないぞ」「あいつの脳内UNIXに聞くとするか。やりたかねェが」「女をいたぶるほうがよかったかい」「やるよ!……クソ、ファイアウォール入れてやがる。ちょっと待ってろ」
ボーンピッカーは昏倒したダイレクトコネクションとLAN直結し、情報をなんとか抜き出した。相手はついでにニューロンを焼き切られて死んだが、インガオホーだ。「最期に直結できてよかったね。……さて、あとはお宝を漁りますかね。罠とかのチェックもヨロシク」「アイアイ。やれやれ」
???
……情報とお宝、首級を回収した後、三人はクヨシの事務所に戻った。クヨシはスウィートスリップらの首級を確認し、ため息をつく。「これでテウチだ。オムラとソウカイヤにヨロシク言っておいてくれ」「了解。世話になった」「で、問題のオイランドロイドはあったのか?」「それが……」
事情を話すと、クヨシは頷いた。「なるほど」「ハッカーの脳内UNIXを探ったところ、『アシナガ』に売ったということだったぜ。どこかの高級オイランショップか?」「アシナガ……ははぁ」クヨシは合点がいったようだ。「そんなようなところさ。マルノウチにある非営利社会団体(NPO)だ」
クヨシによれば、こうだ。「アシナガ」はネオサイタマのカチグミや聖職者の後援を受け、行き場のない少年少女を集めて保護し教育する、福祉慈善の団体である。そこではカチグミたちと少年少女の交流が行われ、気に入られた者は被後見人や養子となって連れて行かれ、上流階層に仲間入りする。
「社会に貢献。カチグミの達成感を刺激する大した連中だが……当然、裏の顔がある」クヨシは下卑た表情で嗤った。「性欲のはけ口さ。そういう連中ばかりじゃないにせよ、カチグミたちと少年少女の『交流』では、そういうサービスをやってるらしい。ま、日刊コレワ並みの怪しい情報だがな」
「ありうるね」レッドハッグは渋い顔をした。「ネオサイタマは上から下までマッポーだ。ボンズも腐ってる」「特注とはいえオイランドロイドだぞ。そんなところが買い取るか?」「そういう趣味の奴らもいるんだろ。不思議はない」ボーンピッカーはため息をついた。「交渉して買い戻すか」
「買い戻すったって」「カネはオムラが出す。殴り込んで回収するわけにもいかねェだろ。相手はマルノウチのカチグミNPOだぜ」「しょうがないね」次の目的地は決まった。交渉も可能だ。三人はクヨシに改めて感謝し、装備や衣服を整え、マルノウチの「アシナガ」へ向かうことになった。
【続く】
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