忍殺TRPGリプレイ【ディープ・ストレンジ・ジャーニー】02
前回のあらすじ:ニチョームのゲイバー『絵馴染』に、女ニンジャ・ファイアキラーからの緊急IRC通信が届いた。地下下水道でニンジャに追い詰められており、救援を要請するというのだ。居合わせたニンジャ自警団3名は送られてきた位置情報を受け取り出動!カラダニキヲツケテネ!
◆
ファイアキラーから送られてきた位置情報に従い、3人はタマ・リバー沿いの浄水場跡にやってきた。廃墟の奥に、下水道の入り口がぽっかりと口を空けている。「この中ね。深入りはしたくなかったけど、位置情報を追っていけばなんとかなるでしょ。出入口にも発信機を仕込んでおくわね」
ファイアランナーは手際よく近くに発信機を仕掛ける。迷宮から帰るための「アリアドネの糸」というわけだ。これを介してザクロとも連絡がとれるはずだ。……よほど深奥でなければ。「これでよし。じゃ、行くわよ。キヲツケテネ」「「OK!」」3人は地下下水道へ足を踏み入れる……。
010101010101……地下下水道をしばらく進むと、蛍光緑色の01が空中に凝集し、黒いセーラー服を着た白髪の少女が出現した。その頭には小さな角が生えている。「ドーモ、ワタイはイビルヤモトなんだわさ」
「……ドーモ、ファイアランナーです」「ドゥームキラーです」「ドミネイターです」3人はアイサツを返す。ニンジャ……ではなさそうだが、それに近そうな存在だ。敵か、味方か、通りすがりか。「ワタイになんか用?」「ええと……ここに仲間が迷い込んでて。ファイアキラー=サンっていう……」
「アー、なんかザヴに聞いたことあるかも。たぶんこの奥」「アリガトゴザイマス!」3人はオジギした。敵ではなさそうだ。「頑張ってね。これあげるわさ」イビルヤモトが指を鳴らすと、3人の手元に01が凝集し……マカロンが出現した。「おいしいよ。じゃ」010101……イビルヤモトは立ち去った。
「「「……?」」」3人は狐につままれたような顔をしたが、とりあえず貰っておくことにした。たぶんブッダの使者かなにかだろう。徳の高いボンズを守護するため、ブッダが子供の姿をした鬼を派遣することがあるという。たくさんの種類があります。君もよく調べるといい。よくわかる。罪罰罪罰
作戦継続
???
……しばらく進むと、無数のジャンクパーツが不法投棄されている。ゴミの山めいているが、視る者が視れば宝の山だ。「宝探しといくか。俺は詳しいんだ」ドゥームキラーはテックストリートチルドレンの出身で、廃棄されたジャンク品の違法回収や分解で糊口をしのいでいた過去がある。
どこか卑屈な性格や、オイランドロイドに対する知識などは、そうした生い立ちから獲得したものだ。「アイアイ。急いでね」2人も手分けして宝探しを行う。やがて、使えそうなパーツや道具がいくつか見つかった。「よしよし、収穫だ。これぐらいにしとくか」ドゥームキラーは目を細めた。
???
……しばらく進むと、地下下水道に棲む廃品回収者の群れに遭遇した。あのジャンクパーツの山は彼らの縄張りだったのだろうか。彼らはこちらをぎょろりと睨んだが、銃やカタナ、サイバネで武装しているのを見て卑屈にオジギし、取引を申し出た。「ドーモ、ここはブラックマーケットでやンす」
彼らは地下の探索に使えそうな、いくつかの装備や物品を差し出す。丈夫なロープや即席のカンテラ、滑り止めつきのカンジキ・アイゼン、小型レディオなどなど。「物々交換しましょうや」「万札でもいいですぜ」「待て待て、人探しに来たんだ」ドゥームキラーは交渉し、情報を集めていく。
???
「……だいたいわかった。ドーモ」ドゥームキラーは地下道の住人たちから話を聞き出し、近道を案内して貰うことになった。「困った時はお互い様でさ」案内人は巧みに隠蔽された通路を探り当て、地下道を奥へと進む。……だが、その時!『ピガーッ……皆様の安全を守る・オムラのマシンガン』
アブナイ!地下危険生物駆除用オムラ製マシンガンだ!「アイエッ!?」BRTTTTT!BRTTTTTTTTT!BRTTTTTTT!「「「イヤーッ!」」」3人は案内人をかばい、銃弾を巧みに回避!物陰に身を潜める!「「「kill-9 U!」」」ZZTZZTZZT!『ピガガガガーッ!SAYONARA!』KABOOOOOOOM!
反撃の遠隔ハッキングが決まり、マシンガンは爆発四散した。この先を守るためのトラップというわけか。「アイエエエ……なんだコレ……?」案内人は恐怖のあまり腰を抜かしている。「嘘の道を教えたってわけじゃなさそうね。私たちはこの先に用があるから、隠れてなさい。パーツ回収は後でね」
???
「クセモノダー!」「クセモノダー!」マシンガンの銃声と爆発四散音は、地下下水道に響き渡り警報となった!『秘密な』と書かれた分厚いドアが内側から開き、複数の人影が飛び出す!アトモスフィアからして、いずれもニンジャだ!3人は案内人とともに物陰に身を伏せ、彼らを観察する。
ひい、ふう……ナムサン、5人もいる。こちらの倍近くだ。だが位置情報によれば、この奥にファイアキラーもいる。彼女と協力すれば……「見るからにサンシタ揃いね。乱戦になれば、いけるわ」「気をつけろ」「アンブッシュで1人倒しましょう」「アイエエエ……」案内人は失禁し、震えている。
敵データ
◆エンフォーサー(種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 5
ニューロン 2 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 2/N
ジツ 0 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 5/ 3/ 2/ 2
回避/精密/側転/発動 5/ 3/ 2/ -
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶テッコLV1:カラテと回避+1
▶クロームハートLV1:体力と精神力+1
◇ジツやスキル
◉スマッシュ:攻撃H、回避E、ダメージ2
能力値合計:9
◆ガニメデ(種別:ニンジャ)
カラテ 2 体力 2
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 3 脚力 2/N
ジツ 1 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 2/ 3/ 7/ 8
回避/精密/側転/発動 6/ 3/ 3/10
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1
▷ジツ支援サイバネ:発動+3
◇ジツやスキル
☆カラテミサイルLV1
能力値合計:13
◆ゼブラパンサー(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 3/E
ジツ 0 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 3/ 3/ 3/ 3
回避/精密/側転/発動 3/ 3/ 3/ -
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆ZBRアドレナリン注射器
◇ジツやスキル
◉常人の三倍の脚力
能力値合計:9
◆パルススティンガー(種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 4 脚力 2/H
ジツ 0 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 4/ 4/ 3/ 4
回避/精密/側転/発動 4/ 4/ 4/ -
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1
◆パルスダガー:ダメージ1+電磁1
◇ジツやスキル
◉kill-9
能力値合計:10
◆トマホーク(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 6
ニューロン 3 精神力 4
ワザマエ 4 脚力 3/UH
ジツ 0 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 6/ 4/ 3/ 3
回避/精密/側転/発動 6/ 4/ 4/ -
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆ダブルトマホーク(カタナ二刀流):攻撃H、連続攻撃+1
◇ジツやスキル
◉不屈の精神
能力値合計:13
マップ
1ターン目
「「イヤーッ!」」物陰からファイアランナーとドミネイターが飛び出す!狙うは比較的弱そうな、ケモノパンクスじみた頭部のニンジャだ!2人は壁を蹴って勢いをつけ、嵐のようなピストルカラテとボックス・カラテを叩き込む!BLALALAM!SMAASH!「グワ、アバーッ!?」たちまち昏倒!
「「なにッ!?」」「「ゼブラパンサー=サン!?」」残る4人は驚愕!その隙にドゥームキラーが手前のニンジャめがけ斬りかかる!「イヤーッ!」SLASHSH!「グワーッ!?」命中!だがニンジャ耐久力で耐える!「ヌウーッ!ドーモ、パルススティンガーです!何奴!」「ドゥームキラーです!」
「ドーモ、ガニメデです!」「トマホークです!」「エンフォーサーです!」「ファイアランナーです!」「ドミネイターです!」双方アイサツ!直後!「イヤーッ!」ガニメデは空中にセイケンヅキを放つ!その背後から2つの光球が浮き上がり、ドミネイターへ殺到!カラテミサイルだ!
「イヤーッ!」パパン!ドミネイターはボックス・カラテでカラテミサイルを撃墜!タツジン!「kill-9 U!」ZZTZZT!パルススティンガーは距離をとり、ドミネイターへ遠隔ハッキング!「イヤーッ!」ドミネイターは超自然的IRC通信のポートを遮断し防御!「オノレ!」トマホークが動く!
「「イヤーッ!」」ファイアランナーへ駆け寄りダブルトマホーク攻撃!さらにエンフォーサーもスリケンを投擲して援護!アブナイ!「イヤーッ!」ファイアランナーは見切って躱し、トマホークへ迎撃のキック!「ヌウッ」ガキィン!トマホークはこれをクロストマホーク防御!ワザマエ!
「ちいッ、やりおる……貴様ら、どこのテッポダマだ!」最も強そうなトマホークが代表で問う。「私たちはニチョーム自警団よ。ここは管轄区域外だけど、ファイアキラー=サンって仲間を救援に来たの。ついでにゴミ掃除もしといてあげる。報奨金出るかしら」ファイアランナーは不敵に告げた。
「ファイアキラー=サンだと……ザッケンナコラー!」エンフォーサーがヤクザスラングを叫んだ。「そいつはここ数日、俺たちのアジトを襲撃している女ニンジャだ。仲間も何人かやられた。許さねェ!」「こんなところにアジトねえ。アンタたち、ザイバツ?」「そうだ!」ガニメデが叫んだ。
「要はキョートのテロリストね。家族と私のアダウチよ!」ドミネイターは怒りを燃やす!「か、数はこっちが多いんだ!ヤッチマエー!」パルススティンガーはパルスダガーを構えた!一触即発アトモスフィア!
戦闘継続
【続く】
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