【つの版】ニンジャスレイヤーTRPG簡易リプレイ【アタック・オブ・ヴェノムパピヨン】
邦題:毒蝶襲撃(Attack of Venom Papillon)
これは2020年3月15日、Twitter上のnjslyrタグで行われた、ニンジャスレイヤーTRPGの簡易版ゲームでのつののリプレイを纏め、いろいろ加筆したものです。随分と久しぶりですね。
◆ニンジャ創造◆
さっそくニンジャを創造してみたところ、こうなりました。
◆ヴェノムパピヨン(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 6 脚力 3
ジツ 2 万札 0
DKK 0 名声 0
◇装備や特記事項
★カナシバリ・ジツ
◆ウィルス入りフロッピー:ハッキング難易度-1、使用後出目3以下で喪失
○言いくるめ:説得・脅迫ダイスを1度だけ振り直し モータルハント時万札+1
能力値合計:18 回避ダイス:6
「ポイズンバタフライ?川平ことり?誰のことだぜ?」
それはつのが以前生み出したニンジャであり、魔法少女です。
上の彼が、下のバースで魔法少女となったものです。つのはつのが二次創作で生み出したものを再利用し続けるため、ミームが擦り切れつつあります。要するにつの自らの内輪ネタなのでご勘弁ください。イメジではメンポはしていませんが、必要があればつけます。
ではリプレイの様子から、このニンジャのアトモスフィアを感じ取っていきましょう。例によってパルプ小説仕立てでやります。
◇🎲◇
◆ソロアドベンチャーパート開始◆
◆ここは重金属酸性雨が降り注ぐ、ネオサイタマのデスタニ・ストリート。違法薬物「メン・タイ」を扱うブラッドタヌキ・ヤクザクランの事務所が、その一角に存在している。お前は「ソウカイ・シンジケート」に所属する邪悪なニンジャだ。お前の目的はこの事務所を襲撃し、恐怖を刻みつけることだ◆
「フンフン……フンフンフフン……♪」
LED傘を手に悠々と、その女子高生はデスタニ・ストリートを歩いていく。どこか別の世界から来たようなアトモスフィアをまとわせて。向かう先は、とある雑居ビルだ。ワータヌキ・ネオン看板の下に目的の事務所がある。
事務所のドアの前には火炎放射器を装備したクローンヤクザが1体、守りを固めている。まずはアイサツだ。「おじゃまします」「ダッ……!」「イヤーッ!」彼女は無造作に何かを投げつけた!
難易度NORMAL(目標出目4)、ワザマエ6、[345222]=成功。万札1獲得
「アバーッ!」クローンヤクザの額に何かが突き刺さり、緑色の血を噴き出して即死!それは蝶の形をしたブローチ……否、スリケンだ。スリケン。そう、彼女は……ニンジャなのだ。
「ヤクザ事務所の門衛にしちゃ、ヤバイもの持ってるじゃない」彼女は歩み寄って蝶型スリケンを回収し、緑色の血を殺したヤクザのスーツで拭うと、ついでに財布を抜き取った。傍らに浮かぶサイコロ型のドローンが喜びの声を上げる。『やりましたね!』「ええ、やったわよ」
彼女の人間としての名はコトリ・カワヒラ。ニンジャとしての名はヴェノムパピヨン。ネオサイタマを牛耳る暗黒ニンジャヤクザ組織「ソウカイ・シンジケート」に仕える新入りの女ニンジャである。サイコロ型ドローン「モーターロクメンタイ(D6)」は、彼女のナビゲート兼監視役だ。
「さて」彼女はヤクザの死体をどかし、事務所のドアの前に立つ。当然鍵がかかっている。強引に破壊しても、ピッキングで開けてもいいが……貧弱な論理錠前をハッキングすれば、一番ラクにいけそうだ。支給品のハンドヘルドUNIXからLANケーブルを伸ばす。
目標出目2。ニューロン5で[12233]=成功。
「フンフンフン…」鼻歌を歌いながら、優雅にビズを進めていく。キャバァーン!軽快な音と共に論理錠前は外れた。「はいはい、おじゃましますよ」彼女はLED傘を置いてドアを開き、事務所に堂々と侵入した。
◆事務所◆
中にはメン・タイ錠の精製装置を操作するガスマスク装備のケミカルハッカー複数名、そして警備ヤクザがいた。「ア?」ヤクザがタバコをくゆらせ、間の抜けた顔で振り向く。「ア?女子高生?ナンデ?」「オイランデリバリーか?」「前後?」ケミカルハッカーたちも顔を見合わせた。
彼女はペコリとお辞儀し、丁寧にアイサツした。「ドーモ、私の名前はヴェノムパピヨン。ソウカイ・シンジケートに所属する女ニンジャです。ブラッドタヌキ・ヤクザクランにお仕置きに来ました」そして顔をあげ、ドアの外を親指で指す。「門番はそこでおねんねしてるわ」
ざわり、と室内のアトモスフィアが変わった。ヴェノムパピヨンが殺意を解き放ったのだ。彼女はサディスティックな笑みを浮かべ、瞳は怪しく輝く!「う……ウオーッ!?ダッテメッコラーッ!?」警備ヤクザは勇気を振り絞って恐怖に耐え、ドスダガーを構えて突撃!
難易度NORMAL、3D6で[114]=攻撃成功。万札1獲得
「邪魔よ。イヤーッ!」「アバーッ!」彼女が軽く頬をはたいただけで、ヤクザは首が270度回転して壁にぶつかり、ずり落ち、動かなくなった。死んだのだ。彼女の手には彼の懐から抜き取られた財布がある。床には事切れたヤクザの薄汚い血が広がっていく。
「「「あ……アイエエエ!?」」」ケミカルハッカーたちは恐怖とNRSで失禁し、次々と気絶した。始末する必要は特にない。これで命令通り、十分な恐怖と警告を刻みつけた、と言ってよかろう。あとは床に散らばるメン・タイを拾い集め、提出すればよい。『やりましたね!』「ええ、やったわよ」
「けど、ヤクザ二匹とメン・タイ程度じゃあねえ……」彼女はため息をついた。そこらのモータルでもできる程度の軽い作業だ。何かプラスアルファがなければ、ソウカイヤは認めてはくれないだろう。「うーん、こいつの血で大きくクロスカタナ紋でも書いておこうかしら。……ン?」
ふと、帳簿用と思しきUNIXが彼女の目についた。『重点!』あれをハッキングすれば、最近ブラッドタヌキが増長している理由を掴めるかも知れない。「ええ、もうちょいボーナスを頂いていきましょ」彼女は再びハンドヘルドUNIXからLANケーブルを伸ばし、手早くハッキングを行う。
難易度HARD、5D6で[11556]=成功!
キャバァーン!電子音が鳴り響き、違法薬物顧客リストと機密データの抽出に成功した。UNIXにはよく毒矢の罠が仕掛けてあるが、それも反応なしだ。『素晴らしい!』「楽勝よ」……その時。
◆???◆
ニューロン判定、難易度HARD。[43422]=失敗!残り体力2。
「イヤーッ!」「ンアーッ!?」背後からのアンブッシュ!ヴェノムパピヨンは反応できず、肩に一撃を食らう!「なッ……!?」振り向いた先には、先程首を折って殺したヤクザ!「生き返った……ですって?まさか!」肩に突き刺さっているのは……黒いスリケンだ!「DAMN SHIT!」引き抜く!
そのヤクザは、懐から黒いハンカチを取り出し、鼻から下を覆った。そして……ナムサン……アイサツしたのだ。
「SHHHHH……!ドーモ、デンドロアスピスです」
よく似ていますが、彼はブラックマンバではありません。デンドロアスピス(樹木の毒蛇)とはマンバ属の学名です。
「ドーモ、ヴェノムパピヨンです」改めてのアイサツ。先程のヤクザが、ニンジャソウル憑依者となって蘇生したのだ。しかも!「ン……ンアーッ!」傷口が灼けるように熱い!これは……毒だ!このままではニンジャといえど死ぬ!『危険です!逃げましょう!』「わかってるわよ!」
精神力を2消費し、ジツ発動に難易度HARDで成功すれば、一瞬だけデンドロアスピスを怯ませて窓の外へ脱出できる。5+2=7D6で[5124514]=成功!
ヴェノムパピヨンは精神を極度に集中させ、両目を怪しく光らせる!これぞニンジャソウルが彼女に与えた超能力!「カナシバリ・ジツ!イヤーッ!」FLASH!「グワーッ!?」デンドロアスピスが一瞬怯んだ!「イヤーッ!」彼女はD6をひっつかみ、奥の窓へと連続側転!
ワザマエ6、[145231]=成功。
KRASH!彼女は窓を蹴破り、重金属酸性雨の降り注ぐ夜の闇へと飛び出した!「ツイてないわね、ニンジャソウル憑依者が出るなんて!」『憑いてはいましたね、彼にとっては』「うるさいわよ!」これで、ブラッドタヌキ・ヤクザクランはニンジャ戦力を獲得したことになる!
路地裏に飛び降りると、緊急IRCでソウカイヤに状況を報告する。同時に傷と毒の激痛をニンジャ耐久力でこらえ、救急パックで応急処置する。即座に死ぬことはなかろうが、痛みと屈辱に下唇を噛む。モータルにはイキがれても、同じニンジャが相手では話が別だ。
ファオンファオンファオンファオン……表通りで武装パトカーのサイレン音が鳴り響いている。潮時だ。ヴェノムパピヨンはサイレン音を背に、再び闇へと消えていった。
◆エピローグ◆
ソウカイ・シンジケート本拠地、トコロザワ・ピラー。その一角。
「よくやった。機密情報を抜いた上、突然ニンジャと遭遇し、逃げおおせたってわけだ」彼女の上役ソニックブームは残忍に笑む。「殺したモータルにニンジャソウルが憑依ってのは、たまにある。テメエのせいじゃねえ。殺されずにキチンと報告し、情報を持ち帰っただけで上出来だぜ」
ソニックブームはD6からも情報を抜き、キーボードをタイプした。「デンドロアスピス=サンか。スカウト部門の連中を派遣して、引き抜いてもいいかもな……そうすりゃ、ブラッドタヌキの支配をそいつに任せられる。あるいはブラッドタヌキを潰しちまうか……パワーバランスを考えると……」
ヴェノムパピヨンは黙ってソニックブームの独り言を聞く。理にはかなっている。ソウカイヤ全体の利益を考えるならば……「これが報酬だ。ありがたく受け取れや」キャバァーン!ハンドヘルドUNIXに万札15相当の報酬が振り込まれた。「アリガトゴザイマス」
報酬:万札10+5 合計獲得万札:17
ソニックブームはタバコをくゆらせ、じっとヴェノムパピヨンを睨む。「……で、テメエはどうする」「!」そうだ。もしデンドロアスピスがこのままソウカイヤ入りすれば、自分はやつから逃げたまま……やつにも、他のニンジャにもナメられ続ける!メンツが立たず、出世の目もなくなる!
「屈辱を晴らします!あいつを、デンドロアスピス=サンを、ブッ殺します!」ヴェノムパピヨンは叫んだ!ソニックブームは再び残忍な笑みを浮かべ、頷く。「よし。後でチームを組ませて、ブラッドタヌキの本拠地にカチコミさせてやる。キアイ入れて鍛錬しとけ!」「ハイヨロコンデー!」
ヴェノムパピヨンは勢いよくオジギすると、足早にソニックブームの前を立ち去った。向かう先はトレーニングフロアだ。カラテを鍛え、ニンジャを殺すのだ!彼女の瞳には、復讐の黒い炎が宿っていた。
【アタック・オブ・ヴェノムパピヨン】終わり
◆リザルトな◆
◆ヴェノムパピヨン(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3>2
ニューロン 5 精神力 5>3
ワザマエ 6 脚力 3
ジツ 2 万札 0>17
DKK 0 名声 0
◇装備や特記事項
★カナシバリ・ジツ
◆ウィルス入りフロッピー:ハッキング難易度-1、使用後出目3以下で喪失
○言いくるめ:説得・脅迫ダイスを1度だけ振り直し モータルハント時万札+1
能力値合計:18 回避ダイス:6
◆忍◆
つの版ニンジャ名鑑
【ヴェノムパピヨン】
ソウカイヤに所属する女ニンジャ。同性愛者の女子高生が堕落してオイランとなり、ニンジャ化した。豊満で背が高い。カナシバリ・ジツの使い手。ポイズンバタフライとは無関係である。
◆殺◆
◆忍◆
つの版ニンジャ名鑑
【デンドロアスピス】
ブラッドタヌキ・ヤクザクランの警備ヤクザがソウカイニンジャに殺され、コブラ・ニンジャクランのニンジャソウルが憑依した。姿はよく似ているが、ブラックマンバとは特に関係がない。
◆殺◆
能力値が高く難易度が低いためあっさり片付いてしまい、いまいち盛り上がりませんでしたので、ニンジャとの遭遇戦闘を追加してみました。ブラッドカタナはつのバースでは滅んでますのでブラッドタヌキです。増長していた若造が、ニンジャとの闘いで打ちのめされてカラテに目覚めるというのは、アズラーイールとかラスウェイヴめいていますね。デンドロアスピス=サンと因縁ができ、これから「ヤクザの事務所」シナリオが始まるのでしょう。
以上です。つの産のこうしたニンジャたちを、あなたは自由に活用して下さい。つのはとても喜び、あなたの記事にスキをつけたりするでしょう。
【以上です】