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東は西は西は西 #パルプアドベントカレンダー2019 #飛び込み参加

イドマヤ人アンティパトロスの子ヘロデがユダヤの王となって三十年が過ぎた頃、聖なる都イェルサレムに東方から三人の男たちがやってきた。彼らはヘロデに謁見して見事な布を献上し、片言のギリシア語でこう告げた。

「ユダヤ人の王としてお生まれになったお方は、どこにおられますか。わたしたちは東の方でその星を見たので、そのお方を拝みにきました」

三人はカルデアのマギではなく、パルティア人やアラビア人、アルメニア人でもなかった。三人とも異様に大柄で、二人は長い顎髭を伸ばしていたが、もう一人は髭が薄かった。ヘロデは突然現れたこの男たちに困惑した。

「お前たちはどこから来たのか。何者なのか」

ヘロデが問うと、彼らは答えた。

「パルティアのさらに東にある国、ギリシア人がセリカと呼ぶ国から来ました。遠い道のりでした。わたしは名をリウ・ベイといいます」
「わたしはグァン・ユーです」
チャン・フェイです」

ヘロデはますます困惑したが、自分とその子孫以外にユダヤ人の王となる者がいては困るので、人を各地にやって探させた。

しばらくして、カルデアのマギたちが来たので尋ねてみると、ユダヤではなくガリラヤ地方のナザレにいることがわかった。リウ・ベイたちはヘロデの兵隊を伴い、喜び勇んでナザレへ向かった。

「兄者よ、まことにこんなところにおるのかのう」
「星が告げたことよ。おぬしも星であったろうに」
「しかし、三度目は随分と、遠くに生まれられたものじゃ」

リウ・ベイたちは馬を走らせ、ナザレへ向かう。大きな金色の星が頭上に瞬いて、彼らを導く。ヘロデの兵隊は眠らせてきた。

次第にリウ・ベイの体が縮み、毛むくじゃらになる。グァン・ユーの顔が歪み、牙をむき出す。チャン・フェイの口先が突き出し、腹が膨張する。彼らは遠く東の国から、西へ西へと旅してきた。

《行かせはせぬぞ、悪魔ども!》

金色の星が強く輝き、天使の群れが舞い降りる。背に六枚の翼がはばたき、手に手に燃える剣を持ち、口や目からは炎を噴き出す。

「おいでなすったな」「腕が鳴るわい」「どいたどいた!お嬢さんがた!」

三人が凶悪な顔つきで嗤う。たかが天使の百や二百で、この三人を止められはせぬ。リウ・ベイは耳の穴から鉄棒を取り出し、グァン・ユーは半月刃のついた宝杖をかまえ、チャン・フェイは九つの歯がついたマグワを振り回し、雄叫びをあげて天使の群れへと突撃する!

「「「お師匠様ァ! わしらがお助けに参りましたぞ!」」」

【完/1008字】

これはなんですか?

犯行動機:なんかこういう企画をTLで見かけたので、枠に入るのも気が引けていたら枠が埋まったので、ついカッとなって飛び入りで撃ちました。暇ならまたやるかもです。撃ちたい人はパルプを撃ち込んで見ましょう。

【以上です】

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