【FGO EpLW:2018年エイプリルフール企画】四月馬鹿与太話・ブラグダコ
7:30
オレンジ色の髪の少女が、ガチャで有り金を全部溶かしたような、おかしな目つきで。
「ハッピー・イースター。今回は、狂気山脈に来てます。狂気山脈、来たことありますか?」
「いや、カルデアが、まさにそこにあるんだけど……って、なにこれ」
銀色の髪の女性が、胸の前で腕を組みながら。ちらちら後ろにカメラクルーが写ります。
「どうしたの近江ちゃん、お腹空いてるの。撮影終わったら食べに行きましょ」
「近江ちゃんって誰よ! 私はオルガマリー・アニムスフィアでしょ!? オしか合ってなくない!?」
「じゃあオルガちゃん」「そう略すと、こう、アレだから。いつも通り、所長って呼びなさいよ」
「はいはい、ゼロのルイズ」「所長」「レモンちゃん」「所長よ」「シオニーちゃん」「所長。……ボケはいいから、なんでなの」
「それはディレクターの方に聞いて下さい。ダーツ投げて決めてるわけじゃないんで、前所長」
「新しい所長が来たからって、前所長って呼ばないでよう……それにあっちもすぐ前所長になったじゃない」
「いやーしかし、今日も見事にブリザードですねえ。さすがブラグダコ。晴れていれば、こんな絶景だったんですが……」
【絶景パネル】
「どうでもいいわよ」
♪ドルドルドルドル イッツショータイム レディース・エン・ジェントルメン パッパパッパ!
「……あ、もうグダコバコ来ちゃった。進行もグダグダだな」
「いつもの宝箱じゃないの。なんかあんたの顔がついてて気持ち悪いけど」
「お題はなんだろー。『エドガー・アラン・ポーとアルビノペンギン』とかそんなんでしょうか」
「なんでもいいわよ、説明……は、もう期待しないわ」
「あ、違いますね」
宝箱の中には巻物。それを開くと……【南極にはなぜ超古代文明が栄えたか?】
「ああ、旧支配者だか古のものだとかいう連中ですね」
「どうでもいいわよ」
所長は全く興味なさそうです。偽の人間性番組に異動されたいのでしょうか。
「しかし懐かしいですねえ、こういう版権キャラ使った会話文ばっかりの対談形式のイタい与太話。横に顔画像出せると良かったんですが、一度やってみたかった」
「ああうん、随分前に一時期流行ったみたいね。私は詳しくないけど」
【マニア同士の会話】
「あ」
「はじめましてグダコさん、所長さん。よろしくお願いします。エルダーシングです」
「ドーモ、はじめまして。グダコです」
「アイエエエ!?」
やって来たのは、エルダーシングさん。この狂気山脈で長らく生活しておられた旧支配者(下級の独立種族)です。体長は8フィート(2.4m)、樽状の胴体の上に球根状の首と五芒星形の頭部があり、胴体から放射状に触手や翼を伸ばしています。
真名判明
狂気山脈のパイオニア 真名 エルダーシング
「南極では何十万年も前に滅んでるとお聞きしましたが……」
「さすぐだ、鋭いですねー。生き残りは大部分が海底にいますけどね。今日は種族として英霊化してみました」
「いや、普通に会話しないでよ!? あとさっきからナレーション入れてるの誰!?」
「え、いつものクサナギさんですが」
「誰!?」
◆
始まりました、ブラグダコ! 今回の舞台は、南極大陸の狂気山脈。
南緯82度・東経60度から、南緯70度・東経115度にわたって、大きな弧を描いて南極を横断する山脈で、高さ3万4千フィートに達します。
今ではカルデアの立地する、この荒涼無惨な大山脈に、なぜエルダーシングの超古代文明が栄えたのか? グダコさんがブラブラ歩いて解き明かします。今日は狂気山脈で、ブラグダコ!
♪チャッチャチャーチャラチャラチャチャーチャチャ スチャラカチャラチャカチャッチャッチャチャー
♪ハァローハロー おっげんっきぃー? こーんやーなにっしってぇるぅーのー? 【驚愕! 動く南極大陸】
♪テッレビぃなぁんかー みってないーでー どぉこかへいっしょにっゆっこーおー あーあー 【続々到来! 異次元モンスター】
♪だっからもーおっおー アイラビュッソーオッオー アイラビュッビバッインヤーハーアー 【エルダーシング文明の光と闇とは?】
♪スチャラカチャラチャカチャッ ビーン
(ドローンカメラが狂気山脈を俯瞰)
【ブラグダコ】#4643893 狂気山脈
◆
エルダーシングさんが、ウミユリ状の触手をうねうね動かしながら。
「えーまずは、いつから私たちが地球に棲み着いたかってことですけども。所長さん、わかります?(うねうね)」
「わ、私? ええと確か、何億年も前だったわよね。……5億年?」
「その倍。10億年前ですね」
「なそ
にん」
【ジュウオクネン!】
「まあ、あなたの父上はいろいろ知ってる可能性が高いですが……」
「おいおいFGOでもやるでしょうねえ。フォーリナーやシャンタクも出てるし、エルダーシングさんもエネミーとして……」
「まあ、オールドワンとして昔メガテンにも出ましたし……ラフムみたいなアレってわけじゃないんですけどね……」
エルダーシングさんの表情、どこか寂しげです。何であれ、彼?は人間なのですから。
「いや、表情わかんないから。頭部ヒトデ状だから」
「所長は薄情ですねえ」
「しかし、まさか南極でレッドスプライト号に乗ってストレンジジャーニーすることになろうとは」
「魔術礼装デモニカスーツほしいですよね。やべえよメムアレフとかシェキナー倒さなきゃ」
「英霊が金子デザインになる世界、いいですねえ。なるほど鳩の戦記……クー・フーリン……私、上田さんの漫画だとバロックが好みで」
「アリスちゃんカワイイですよね」
「はいそこまで」
流石に所長がツッコミました。
◆
♪プワプワプワプワプワッパパ プワプワプワワプワッパパパ
♪プワプワプワプワプワッパパパ パパパパパパパパラッ チャチャチャ!
「……で、なんでしたっけ。10億年前、我々が地球に降り立ったわけなんですけど。そこがここ、南極だったんですね」
「当時はどんなでした?」
「海に覆われていました。我々は強靭な肉体を持ってるので、海底に普通に棲めるんですよ。で、南極大陸になってるこの辺の陸地は、実は赤道近くにありました」
「プレートテクトニクスね」
「そう。現在ではロディニアと呼ばれている超大陸の一部で。それで、これがこう、ぐーっと動いていくわけです。何億年もかけて」
「全体的に、南半球から北半球へ向けて動いたんですね。さらに分裂したり」
「そうです。でも結構長らく赤道近くにありまして。温暖だった。それで生物種が繁栄できたんです。そんなこんなで、我々の聖地なんですよ、ここは」
◆
一行はヘルメットを着用して、山脈の地下深くへ降りていきます。もうお約束ですね。
「この岩、何で出来ているかわかりますか、グダコさん」
「これは……粘板岩ですね」
「さすぐだ。含まれる化石などから、先カンブリア紀に遡る時代のものとわかります。粘板岩はどうやって出来ると思いますか、所長さん?」
「え? ……あー、確か堆積岩の一種よね。海底とかに沈殿した泥が、固まって……」
「正解です。それが地上に、まあいま地下ですけど、あるってことは……」
「あー、海底から隆起したと」
「そうです。白亜紀の初期に大地殻変動があって、狂気山脈とその北の領域が海底から隆起したと考えられています。このへん諸説ありまして、カダ01010かレ01010高原だとか101010010ベット高10100リアと次元の連01010ドリ010010101001010……まあ、後にしましょう」
「「アッハイ」」
所長も目つきがおかしくなってきました。きけんなしんじつに触れすぎたようですね。
「それでですね、地球上の全ての生命は我々が作ったと伝承されますが。実は多細胞生物の起源、という程度なんですよ」
「「アッハイ」」
「地球に外宇宙から来たのは、我々が最初ってわけではなくて。クトゥグアとかツァトゥグアとかの神々は、もっと前に来てたらしいんです。その中にウボ=サスラっていう、ぼこぼこ生命を生み出すのがちょうどいたもんですから。これを利用して、いっぱい生物を作ったんです。食糧とか使役用に」
「あー、それっていわゆる、ショゴスのもとですね」
「そう。まだ全然原始的で、知能もないような奴でした。で、我々は地球上に勢力を広げたんです。8億年前には地上にも進出しました。ところが……」
◆
地下都市に出ました。付近の壁面には、なにやら奇怪な壁画や文字が刻まれています。
「7.5億年前に、外宇宙からフライング・ポリプという種族が来ました。こいつらは、後にオーストラリア大陸になるあたりの地上に住み始めたんですが、結構凶暴で。海にも進出しようとしたもんですから、我々と戦争になりました。なんとか勝ちましたが、まあ海の方に来なけりゃいいよってことで、地上ではこいつらが栄え始めます」
「ありゃりゃ」
「で、7億年ぐらい前ですか。氷河期が来ちゃいまして」
「来ちゃいましたかー、氷河期!」
【氷河期】
「スノーボールアース、全球凍結ですね。これが結構きつかった。あんまり寒いと冬眠しちゃうんですよー、私たち。暖房器具もいるぐらいで」
「大変でしたね」
「でも、この頃から化石に残る生物種が爆発的に増加し初めます。エディアカラ生物群ですね。原始的な多細胞生物です」
「あー、あのなんか、クラゲみたいなやつらがふよふよしてるやつ」
「あんたの答えもふよふよしてるわねえ」
「余談ですけど、なんか現代では、この時代の生物種の爆発的増加を『アヴァロン爆発』って呼ぶらしいですね」
【アヴァロン爆発】
「爆発するんですか、アヴァロン。凄いですね」
「カナダにニューファンドランド島ってとこがありまして、その南にあるのがアヴァロン半島。17世紀にカトリック教徒のカルヴァートって人が入植して、キリスト教が最初にブリテンに伝わった地と伝えられる『アヴァロン』の名を冠したんだそうです」
「そこが爆発するんですね」
「しないわよ。……ニューファンドランドって、アレよね、ヴィンランド」
「ええ。実はその頃、私らは関わってないんで、ほっといた食糧たちが勝手に進化したようです。あまりにもやばそうに進化したやつらは適当に狩ってましたけど」
◆
「で、6億年ぐらい前。この時に、南極大陸はここ、ゴンドワナ大陸の一部になりました。カンブリア爆発が起きるのは、5億年前ぐらいですかね」
「カンブリアが爆発!」
「ウェールズの古名よね、カンブリア」
「ええ。いわゆるバージェス動物群。アノマロカリスとかハルキゲニアとかピカイアとか、有名なやつですね。ようやく生物種が豊かになってきます」
ぴ、とエルダーシングさんが、奇怪な円錐形の生き物が刻まれた壁画を指差します。
「その頃に、これ。イスの偉大なる種族が地球にやってきます。彼らは精神的生命体で、オーストラリア大陸になるとこにいた、大きな円錐形の変な生き物に憑依しました。そしてフライング・ポリプたちを地底に封じ込めて、居座ります。我々とも小競り合いがあったようですが……文明レベルとしては彼らの方が高かったようで」
「エルダーシングさんたちには、憑依しなかったんですかね」
「彼らには陸上のほうが住みやすかったのかも知れませんが、よくわからないですねー」
「この頃、だんだん南極大陸は南へ動いていきます。気候はどんどん寒冷化し、3.6億年前には南極点に来てしまいます。でも、現代に較べれば相当暖かくて、シダ植物なんかが生い茂っていました。そこへ大変なことが起きたんです」
「それはいったい……」
「3.5億年前、巨大な地殻変動が起きて、我々の海底都市の多くが滅びました。海洋の中に大陸が突如浮上したんです。そこへ、外宇宙から恐ろしい連中がやってきました。クルウルウ……つまり、クトゥルフです。発音には諸説ありますが。かなり強くて、私たちとは全面戦争になります」
「邪神群と戦えるぐらい強かったんですね!」
「でも地上はほぼ全部取られちゃったんですよ。海底に逃げ込んでなんとかやり過ごしてたんです。イス人たちも何をやってたんだかわかりません」
「あらら」
「まあ一種の停戦を結びまして、南極を除く地上が彼らの領土になります。ところが幸い、彼らの栄華も5000万年しか続きませんでした」
「充分長いと思うけど」
「何らかの星辰の並びにより、再び大地震が起きて、彼らが住んでいた大陸が海底に沈みました。クトゥルフやその一族は眠りにつきました。しばらくすると、蛇人間たちがヴァルーシアという王国を築いたりしますが……」
それではここで、当時のエルダーシング文明の様子をちょっと覗いてみましょう。
【CGによる再現映像】
◆
♪チャッチャチャーチャラチャラチャチャーチャチャ 「ブラグダコ」
◆
と、地下都市の前に怪しい人影。
「……あ、怪しい人影だ。ここらへんでなんかイベントが起きるんですね?」
「……いや、何も仕込んでないですが」
「またまた。ひょっとしてショゴスかな……?」
「ククク……よくぞここまで来たな、グダコよ。だがオレを倒さぬ限り、先へは進めぬ!」
立ち上がったのは首輪をつけた全裸の男。首輪からは縄が伸び、一端は美少女めいた美少年の手に握られています。
「このグダオ・イブン=ターイーとアストルフォきゅんをな!!」
「嫌ーッ!」
「グワーッ!?」
ナムサン! 所長のアンブッシュ・ガンド・ミサイルがグダオの丸出しの股間に命中! ボールブレイカー! グダオは両手で股間を抑えて小さく跳躍したのち、白目を剥いてくずおれ爆発四散!
「サヨナラ!」
「あ、マスターやられちゃった。じゃあ、サヨナラ!」
アストルフォも爽やかに笑いながら光の粒となって消え去りました。
「……なんですか、今の」
「あー、イブンタイとか言ってましたね。剪定(マケグミ)世界の連中がここへタイムシフトして来てるようで……」
「ケインですか」
言い終わる前に、地下都市のあちらこちらから魔力の高まりを感じます。
「イブッブッブッ(笑い声)……」「グダオ・イブン=ターイーが敗れたようだな……」「だが奴は我ら異聞帯七人衆のうちでは一番の小物……」
「所長ごときにやられるとはマスターの恥晒しよ……」「晒しちゃいけないものまで晒してたしな」「ピーボボッボピーボー」
「あ……あれは! ヒジキド=サン! JUKUASA! メカエリチャン! えーとあと誰か三人!」
「どうやらバトルロワイヤルが始まってしまったようですね、グダコさん。私だけでは手に余りそうですが……」
「なあに無問題。いでよ我が娘、バニヤンちゃん!」
グダコさんが地面にカラテを叩き込むと、光とともに地面がばくはつ! ゴウランガ! 大地を割って巨大なバーサーカーのエントリーだ!
「ウォォ行くぞぉォォォァ!」「「「さあ来いグダコ!」」」
◆
【気がつけば/あたり一面/焼け野原】
「えーと今回のテーマは、なんでしたっけ。【南極にはなぜ超古代文明が栄えたか?】」
「どうでしたかグダコさん。なぜでしたか?」
「まあ、温暖だったから……っていうか、あなたたちが特殊なだけでは」
「そうね。現生人類は生身で海底都市築いたり出来ないわよ。少なくとも、今はまだ」
「人体を改造して、ショゴスみたいなのを制御すれば出来るんじゃないですか? 最近はようやくips細胞とか……グダコさん?」
「……あっごめんなさい、今バラーラデーヴァのこと考えてました」
「誰!?」
アッハハハハ…… アッハハハハ……
ANTARCTICA
南 極 大 陸
♪みぃらいの あなたにぃ しやわせっを おくぅーるぅー
♪きぃおくとっもいでをぉ はなったぁばっにぃ そぉえぇってー
♪ひとときっのぉ ゆぅめぇをー…… ラララ ラララ ララ……
【ブラグダコ】#4643893 狂気山脈 終
◇CHK(カルデア放送協会)
――――――――――――――
【クラス】
パイオニア
【外見】
暗灰色をした大型の怪物。五つの膨大部を持つ樽状の胴部から五本のウミユリめいた触腕と複数の皮翼が生え、その上に鰓のある頚部が伸び、ヒトデめいた虹色の頭部が乗っている。頭部には五つの眼球と鋭い歯の並んだ五つの口があり、胴体の下部には五本の鰭脚がある。柔軟にして極めて強靭。放射相称の棘皮動物に類似する。
霊基再臨LV1:種族の古来の力に目覚め、さらに大型化する。
霊基再臨LV3:米俵めいた銀色の機械生命体の姿になる。情緒が乏しくなり冷酷化。「テケリ・リ」しか言わないが時々普通にしゃべる。
最終再臨:?
【真名】
エルダーシング
【性別】
無性。シダ植物めいて胞子で繁殖する。寿命が極めて長く、死の確率が低いため、繁殖の必要性は低い。DNAも持たない。
【属性】
中立・中庸
【ステータス】
筋力:B 耐久:B+ 敏捷:C 魔力:B 幸運:D 宝具:B
【クラス別スキル】
星の開拓者:EX
人類史においてターニングポイントになった英雄に与えられる特殊スキル。あらゆる難航、難行が“不可能なまま”“実現可能な出来事”になる。文字通りに星を開拓し、人類を含む多くの多細胞生物の起源となる存在を創り出した。
領域外の生命:EX
地球上で生命進化によって発生した存在ではなく、外宇宙から地球に飛来した知的生命体であることを示す。十億年も地球に棲んでいるのでガイアとの繋がりも深いが、神霊や人類とは異なる。魔術があまり使えないので神秘性は高くなく、「下級の独立種族」扱いである。
【固有スキル】
異形:B
地球上で誕生した生命体とは根本的に異なる種族であり、彼らを目撃した通常の人間や動物に激しい精神的衝撃を与える。
頑健:EX
生まれついての特別な頑強さを有する。冬眠状態に入れば宇宙空間をも移動でき、何十世紀もの眠りに耐え、陸上でも海底でも問題なく行動可能。自身の防御力をアップ&毒耐性をアップ。
道具作成:B
道具を作成する技能。魔術師ではないが高度な科学技術を持つ。しかし科学技術に頼ることをよしとせず、自分の力や使役生物で事を行う。かつて生命を創造したが、やがて知識や技術は失われ、既存の生物を操作・変形させることのみ可能になった。
【宝具】
『うちのメイドは不定形(ショゴス・イン・ブルーム)』
ランク:B 種別:渾沌宝具 種類:Buster
敵全体に強力な攻撃&防御力ダウン3T(OC対象)&低確率で即死
【マテリアル】
テケリ・リ! テケリ・リ!
身長:2.4m(8フィート)
体重:?
出典:ラヴクラフト神話
地域:南極及び海底、その他
属性:中立・中庸 性別:無性
古のもの。オールドワンとも。十億年前に宇宙から飛来し、地球を最初に支配した種族。初出はハワード・フィリップス・ラヴクラフトの『狂気の山脈にて』。「テケリ・リ!」という奇妙な鳴き声を発するが、彼らの言語体系について詳しいことは不明である。
旧支配者や異次元の存在ではなく、この宇宙で誕生した、通常の物質で出来た生物。起源は不明だが、どこか遠い星で発生し、数多の星々に勢力を広げていた。かつては機械生命体であった時期もあったが、情緒面で満足が得られないため撤回したという。現在知られている彼らの肉体も作り物である可能性もある。この肉体は極めて強靭で、宇宙空間を渡ることも深海に居住することも可能であり、寿命も極めて長く、自然死することは少ない。ただし長い地球暮らしで軟弱になっていったらしく、後年には氷河期に適応するため暖房器具を必要とすることもあった。社会の構造は社会主義的で、五芒星形の貨幣を使用していた。
彼らが地球に到来したのは10億年前ともいい、原初の生命を食料や使役用に創り出したとされる。ただ研究の進展により、現代では40億年近く前には最初の生物がいたことがわかっており、アヴァロン爆発やカンブリア爆発に関わっているだけの可能性も出て来た。フライング・ポリプ、イスの偉大なる種族、クトゥルフとその落とし子たち、ミ=ゴなど様々な外来種族と地球の支配を巡って争った末、高度な科学技術は失われ、種としても退化していった。南極の狂気山脈に残る都市遺跡が彼らの地上における最後の居住地と考えられているが、海底や外宇宙には今なお生き延びており、意外と繁栄し続けているのかもしれない。彼らが創造した使役生物がショゴスであり、しばしば反乱することもあった。クトゥルフの眷属である「深きもの」どももショゴスを使役しているが、その経緯は詳らかでない。恐竜時代には、陸上では恐竜、空中では翼竜を使役しており、人間めいた猿人を食用や娯楽用に飼育していた形跡も見られる。
『うちのメイドは不定形(ショゴス・イン・ブルーム)』
ランク:B 種別:渾沌宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
エルダーシング達によって何億年も前に無機物から合成された(あるいはウボ=サスラから作られた)漆黒の粘液状生物。非常に高い可塑性と延性を持ち、必要に応じて自在に形態を変化させ、さまざまな器官を発生させる。主人と同じく「テケリ・リ!」という鳴き声を上げる。大きさは地下鉄の車両ほどもあり、力や生命力は非常に強いが、知性は本来低く、呪文やテレパシーによって操ることが出来る。主人たちからは非常に重宝され、無数の海底都市・陸上都市の建設に用いられたが、2.5億年ほど前に高い知能を持つ個体が出現し始め、主人に反抗して戦争を起こした。これは発生させた脳を自ら固定化したものとされ、壁画にはエルダーシング達の頭部をショゴスが貪り食ったらしき図が見られる。最終的に、頭脳が発達したショゴスたちは地底深くに封印され、「安全な」ショゴスたちは引き続き使役された。その後も何度か反乱は起きたらしい。ラヴクラフトの小説『インスマウスの影』では、「深きものども」がショゴスを使役しているらしいことが仄めかされている。バイオスモトリめいている。またマイクル・シェイの小説『ファットフェイス』には、高い知能を持ち人間に擬態できる上位種ショゴス・ロードが登場する。
◆鮑◆これは四月馬鹿特別企画与太話であり、本編やその他のなんかとは一切関係がない◆ごあんしんください◆海鞘◆