忍殺TRPGリプレイ【ゲット・ミー・アウト・オブ・マイ・ケージ】02
前回のあらすじ:アンダーガイオン第九層。ここに巣食う奴隷商人、マンテイマーはニンジャである。彼はヤクザクランのひとつを支配下におさめ、邪悪な商売によって身を肥やしているのだ。私立探偵タカギ・ガンドーから情報を仕入れたニンジャスレイヤーは、彼を殺すべく駆けつけた!
◆
事務所奥
その頃、事務所の奥では。「アーハーハー!」ピシィ!ピシィ!「アイエエエ……!」「アーハーハー!痛ェかよ!オレは痛くねェぞ!アーハー!」ナムサン……小柄な少女を、凶悪なヤクザが下卑た声をあげながら、残虐なムチでいたぶっている。ヤクザの眼は邪悪さに濁り切り、堕落している。
「オレに従う気になったかよ、ガキが!このマンテイマー様によォ!」
◆マンテイマー(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 6
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 8 脚力 4/N
ジツ 0 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 7/ 9/ 6/ 6
回避/精密/側転/発動 8/ 8/ 8/ 0
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆ムチ:リーチ+1、攻撃難易度H、側転難易度+1、殺伐なし
●戦闘スタイル
拘束攻撃 連続攻撃上限1、拘束(脱出H)
回転斬撃 連続攻撃上限1、痛打・殺伐なし ワザマエHで判定
隣接する敵全員に1ダメージ(迎撃不可)
精密攻撃 ワザマエで攻撃判定、痛打・殺伐なし
◇ジツやスキル
◉◉タツジン:ムチ・ドー
2マス離れた敵へのムチの基本攻撃難易度N、殺伐発生、装備時ペナルティ無視
●戦闘スタイル
強化精密攻撃 ワザマエで攻撃判定
2マス離れた敵にのみ出目66で殺伐、665でナムアミダブツ発生
オロチ:近接攻撃で体力を1以上減らした敵1体を自分の隣接マスに引き寄せる
追加で1ダメージ(回避N、迎撃不可)
オボロゲ:イニシアチブが自分より低い敵だけを攻撃する場合「崩れ状態」とみなし、
カラテでもワザマエでも攻撃判定可能 殺伐発生せず、回避難易度+1
●連射2
◉ニンジャソウルの闇(1):体力および攻撃・射撃・ジツ発動+1
◉邪悪なサディスト:カルマ善の敵への攻撃ダイス+2
ボス級の敵1人を殺すか殺伐出目2以上の効果を与えるたび精神力1回復
(敵がカルマ善なら2回復)
◉特殊近接ステップ:1マスだけ移動して集中可能
能力値合計:20
「アイエエエ……」鞭打たれている少女は、弱々しく可憐な悲鳴をあげた。「せっかくニンジャになったンだからよォ!オレの下僕として働けや!こうして自我を研修してやるぜ!」「アイエエエ……」「名前をつけてやるぜ!オレ様がゴッドファーザーだ、チウ=サン!テメエはケージマウスだ!」
◆ケージマウス(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 4
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 4 脚力 2/N
ジツ 3 万札 0
攻撃/射撃/機先/電脳 3/ 4/ 3/ 3
回避/精密/側転/発動 4/ 4/ 4/ 6
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆拘束衣:体力+1、側転・射撃不可
◇ジツやスキル
☆ヘンゲヨーカイ・ジツLV3:精神力1消費し発動(N)
カラテ+3、脚力+2(3ターン)
◉ツジギリ:移動しながら攻撃可能(迎撃を受けない)
◇カルマ:善
●衰弱した精神:精神力0以下になると死亡
●救助対象:ミネウチ可能
能力値合計:16
「アイエエエ……私は……ケージマウス……」「そうだ!ガキが!テメエは幸運な、檻の中のネズミだ!ありがたがれ!」マンテイマーは下卑た声を吐き散らしながら、サディスティックにムチを振り下ろす!「「GRRRR……!」」部屋の奥では、二頭のメキシコライオンが檻の中でよだれを垂らしている。
ALAS!このまま彼女は邪悪なニンジャに自我を研修され、従順な奴隷となってしまうのか?……その時だ!「Wasshoi!」KRAASH!赤黒いニンジャが事務所のドアを蹴破ってエントリーした!「ア?」「アイエエエ!?」彼は二人と二頭を睨みつけて状況判断すると、恐るべきアイサツを繰り出した。
「ドーモ、ニンジャスレイヤーです。ニンジャ殺すべし!」
マンテイマーは訝しんだ。「カチコミかけて来たのはテメエか。ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。マンテイマーです」「アイエエエ……ケージマウスです」「ニンジャを?殺す?テメエがか?」「そうだ。私はニンジャを殺すニンジャだ」ニンジャスレイヤーはジュー・ジツを構えた。
「要はどこかのテッポダマか!ネズミ袋だ!おいケージマウス=サン、あいつをヤッチマエ!」「は、ハイ!」さらにマンテイマーは壁のレバーを操作し、檻から二頭のメキシコライオンを解き放った!「ライオンども!餌だ!あのクソ野郎を食っちまえーッ!」一触即発アトモスフィア!
◆メキシコライオン(種別:危険生物)×2
カラテ 8 体力 8
ニューロン 1 精神力 3
ワザマエ 4 脚力 4
ジツ - 万札 3
攻撃/射撃/機先/電脳 8/ -/ 1/ -
◇装備や特記事項
◉連続攻撃2、突撃
能力値合計:13
戦闘開始
1ターン目
「イイイヤァアアアーーッ!」ニンジャスレイヤーは赤黒の風と化してマンテイマーへ飛びかかる!ハヤイ!どくん……マンテイマーは死の危険を察知し、アドレナリンを過剰分泌KRAASH!「アバーッ!?」ナムアミダブツ!痛烈なキックが股間を破壊!「一撃では殺さぬ」「アバッ……クソが!」
マンテイマーはバックステップで距離を取りつつムチを振るう!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはジュー・ジツの構えで回避!「GRRRRRR……AARGHHH!」ケージマウスはメキメキと肉体を変化させ、凶悪なネズミじみた姿をとる!ヘンゲヨーカイ・ジツだ!「AAARGHHH!」
ニンジャスレイヤーへ飛びかかる!「イヤーッ!」回避!だがケージマウスは素早く距離をとっており迎撃ならず!そして!「「AAARGHHHH!」」血に飢えたメキシコライオン二頭がニンジャスレイヤーへ襲いかかる!「グゥワーッ!」ナムサン!恐るべき爪と牙が死神の脇腹をえぐる!「ゴボッ」
メンポの隙間から吐血!いかにニンジャスレイヤーといえど多勢に無勢!このままでは!「ハハハハ!いいザマだな、ニンジャスレイヤー=サン!」マンテイマーは血みどろの股間をおさえ、脂汗をにじませながら嘲笑う!
2ターン目
「イイイヤァアアアーーッ!」ニンジャスレイヤーは色付きの風と化し、マンテイマーへ飛びかかる!マンテイマーはムチをSMAAAAASH!「アババババーッ!?」ナムアミダブツ!ニンジャスレイヤーのチョップ突きがマンテイマーの胸の真ん中を突き破り、無慈悲に心臓を摘出した!「殺すべし!」
ニンジャスレイヤーは即座に心臓を握りつぶす!「アバ……サヨナラ!」KABOOOOOM!マンテイマーは爆発四散!インガオホー!だがケージマウスとメキシコライオンたちはやる気まんまんだ!「「「GRRRRRRR!」」」ニンジャスレイヤーはジュー・ジツを構えた。少女の顔が脳裏に浮かぶ。
「「「AAARGHHHHH!」」」三頭の猛獣がニンジャスレイヤーに飛びかかる!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは紙一重で回避!タツジン!「オヌシらを拘束していたニンジャは死んだ。イクサは終わりだ」ニンジャスレイヤーはそう呼びかけるが、獣たちに会話は通じぬ!倒すしかないのか?
3ターン目
「イイイヤァアアアーーッ!」ニンジャスレイヤーは……メキシコライオンの一頭に飛びかかる!KRAASH!「AARGHHH!」サツバツ!チョップで後脚を一本切断した!だが手負いの獅子はなおも吼え猛る!「GRRRRR!」ケージマウスが致命的な心臓チョップを放つ!「イヤーッ!」ブリッジ回避!
「「AARGHHHH!」」二頭のメキシコライオンがニンジャスレイヤーへ襲いかかる!「イヤーッ!」KRAAASH!「「AARGHHH!」」ニンジャスレイヤーはブリッジ姿勢のまま両脚を蹴り上げ、二頭のメキシコライオンの顎にダブルキックだ!タツジン!「「GRRRR……!」」手負いの二頭はよろめく!
4ターン目
「イイイ……イイイヤァアアアーーッ!」大気にカラテがみなぎる!ニンジャスレイヤーは残像を残してメキシコライオンの懐に飛び込み、ポン・パンチを食らわせた!KRAAASH!「アバーッ!」ナムアミダブツ!メキシコライオンは檻の中に叩き込まれ、壁に激突!頭蓋骨を砕かれて再起不能!
「GRRRRR!」ケージマウスはニンジャスレイヤーの脚に掴みかかる!長く伸びた前歯で足首を破壊、切断せんとす!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはジャンプ回避!「AAARGHHHH!」残るメキシコライオンが突進!「イヤーッ!」「AARGHHH!」ジュー・ジツで見切って躱し迎撃!タツジン!
5ターン目
ニンジャスレイヤーは、ケージマウスの息があがっているのを感知した。マンテイマーによる拷問、続く激しいイクサに、彼女の心臓がもたなくなって来ている。彼は状況判断しケージマウスへ飛びかかった!「イヤーッ!」タックルをかけて抑え込み、マウント体勢!「イイイヤァアアアーーッ!」
「アババババーッ!」ナムサン!凄まじいカラテラッシュを叩き込まれ、ケージマウスはたちまち昏倒!戦闘不能!ヘンゲヨーカイ・ジツが解除され、可憐な少女の姿に戻る!残るは……メキシコライオンだけだ!「GRRRRR……AAARGHHHHHH!」猛り狂った猛獣がニンジャスレイヤーに襲いかかる!
「Wasshoi!」KRAASH!「AARRGHH!」ニンジャスレイヤーはサマーソルトキックを繰り出し、メキシコライオンを天井へ弾き飛ばす!ゴウランガ!
6ターン目
「イイイヤァアアアーーッ!」「アババババーッ!」ニンジャスレイヤーは飛び上がり、メキシコライオンへトドメのカラテラッシュ!怒り狂った死神のカラテを叩き込まれ、メキシコライオンは即死!ナムアミダブツ!
戦闘終了
エピローグ
「スゥーッ……ハァーッ……!」ニンジャスレイヤーはチャドー呼吸を行い、負傷を癒やす。油断ならぬ相手であった。だが殺した。そして……彼はケージマウスを見下ろす。呼吸、心音、脈拍、あり。生きている。ナラク・ニンジャが休眠していたのは、彼にとって、彼女にとって、幸いであった。
ニンジャスレイヤー……フジキド・ケンジは、人間性を保っている。ドラゴン・ゲンドーソー、ユカノ、フェイスフル、バンブーエルフ。彼ら、彼女らはニンジャであるが、ニンジャスレイヤーは殺していない。人間性を持つ邪悪ではないニンジャも、極稀にだが……確かに、存在するのだ。
しかし、彼女をどうするか。解き放てばザイバツなどの暗黒組織に絡め取られ、邪悪なニンジャに堕ちる。かといって、連れて歩くわけにもいかぬ。ならばガンドーに預けるか。ともあれ、他の子供たちも救出せねば。そして奴隷商人のネットワークを掴み、ザイバツを攻撃する足がかりとすべし。
ニンジャスレイヤーはケージマウスを米俵めいて担ぎ上げ、その場を後にした。彼は事務所内の冷蔵庫からスシを回収し、護衛オイランドロイドを破壊して子供たちを救い出し、電算室のトラップを破壊してUNIXデッキを回収した。ヤクザたちは殺していないが、彼らはもはや再起不能であろう。
この世は弱肉強食。弱者は強者の餌食となり、あるいは檻の中の奴隷とされる。ニンジャとなってもそれは同じ。より大きな檻、より大きな鎖があるだけだ。だがカラテと幸運があれば、檻を破壊し、鎖を断ち切ることはできる。彼はザイバツという檻を壊し、人質たちを救出できるのだろうか……。
【ゲット・ミー・アウト・オブ・マイ・ケージ】終わり
リザルトな