忍殺TRPGリプレイ【パラノイア・エージェント】03
前回のあらすじ:ネオサイタマ南部、ドリームランド埋立地。ここに最近オイランドロイドのゾンビーが夜な夜な集団で現れ、住民や廃品回収業者を襲撃しているという。ソウカイヤが派遣した二人の手練れニンジャは、謎の尼僧ニンジャ・スマイターと協力し、事件の黒幕を追い詰める!決戦だ!
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「キテハァーッ!」クグツシェンは謎めいたシャウトを発し、側転しながらナウクラテーへ遠隔ハッキング!ZZTZZT!「い、イヤーッ!」必死で回避!クグツシェンの肉体には生体LAN端子が備わっていないが、彼女は超自然的なジツの力でIRC接続し、自在にハッキングを行えるのだ!実際強敵!
「キエーッ!」だがナウクラテーもダイダロス仕込みの凄腕ハッカーだ!クグツシェンめがけカウンターハック!「イヤーッ!」クグツシェンはオフダを振るって回避!「やるね!」「そちらも!」この勝負互いに譲らずだ!
「TAKE THIS!」BLAMBLAM!スマイターはよろめくナウクラテーをかばいつつ、ジョルリキョンシーへ銃撃!SMITE!『ピガーッ!』ジョルリ一体が機能停止!「そいつを頼む!シューシュシュシュ!」ブラックマンバは敵陣へ色付きの風と化して駆け込み、ジョルリキョンシーたちへトビゲリ!
SMAASH!『『ピガーッ!』』命中!一体の頭部をオフダごと切断、弾き飛ばす!だがもう一体はギリギリで動く!『『『『ピガーッ!』』』』ジョルリ化されたモーターヤブたちが凶悪なガトリングガン・アームを向ける!BRTTTTTTTT!「イヤーッ!」ブラックマンバは跳躍回避!ワザマエ!
「セイヤッサー!」キキキキン!スマイターはナウクラテーをかばい、鋼鉄の鎖を巻いた拳で銃弾を全て叩き落とす!『AARGHHH!』生き残りのジョルリキョンシーがブラックマンバに飛びかかる!「シュシューッ!」柔軟に回避し迎撃のキック!SMASH!『ピガーッ!』頭部が破壊され機能停止!
「ヌウーッ、なかなかやるね!けど負けないよ!」クグツシェンはジツの力を強める。彼女とキョンシーヤブ四体は健在!真のイクサはここからだ!
戦闘継続
2ターン目
「kill-9 U!」ZZZTTT!ナウクラテーはヤブめがけ遠隔ハッキング!『ピガーッ!』機能停止!「キエーッ!」クグツシェンはナウクラテーめがけて遠隔ハッキング!「イヤーッ!」ナウクラテーは回避し迎撃!「キエーッ!」回避!ハッキング能力自体はこちらが上だが、油断ならぬ強敵だ!
「TAKE THIS!」BLAMBLAM!スマイターはナウクラテーをかばいつつ、残る一体のジョルリキョンシーを射撃!『ピガーッ!』オフダごと頭部を破壊され機能停止!「シュシュッ!」ブラックマンバはヤブへ駆け寄りコブラ・カラテ!SMASH!『ピガーッ!』命中!だが致命傷ならず、なおも動く!
『ピガーッ!』ヤブがジャンク・サスマタを振るいブラックマンバへ襲いかかる!「シューッ!」油断なく回避!リーチが長くカウンターならず!『『ピガーッ!』』二体のヤブがガトリングガンアームを動かし、再びナウクラテーとスマイターへ銃弾の雨を降らせる!BRTTTTT!「ンアーッ!」
スマイターはナウクラテーをかばうが、躱しきれず銃弾を食らう!「スマイター=サン!」「かすり傷です。ご心配なく!」「俺がそいつをかばったが良さそうか?」ブラックマンバは状況判断する。ヤブは硬く、ナウクラテーは脆弱だ。スマイターは二挺拳銃だけでなくカラテがある!「ハイ!」
3ターン目
「kill-9 U!」ZZTZZTZZT!ナウクラテーはヤブたちへ遠隔ハッキング!『『ピガガーッ!』』一体が機能停止!「キエーッ!」クグツシェンは超自然IRCポートを閉じスリケン乱射!「イヤーッ!」ナウクラテーは見切って躱す!「ヤブを頼む!」「ハイ!」スマイターはヤブへ駆け寄る!
鎖を巻き付けた彼女の拳が強く輝き、カラテを叩き込む!「ボンジャンハイ!」SMITE!『ピガーッ!』BOOM!輝く光がオフダを焼く!「これがボンジャン・カラテです!」だがなおも動く!「トドメ!」ブラックマンバはナウクラテーの傍らへ跳び戻り、スリケン投擲!『ピガーッ!』破壊!
「むむ、まだ修行が足りませんね」スマイターは少ししょんぼりした。『ピガーッ!』残る一体のヤブがガトリング射撃!BRTTTTT!「イヤーッ!」スマイターは側転回避!「これで三対二だな。降伏するか?」「ファック!」クグツシェンはFワードを叫び、中指を立てる!大気にカラテが満ちる!
4ターン目
「kill-9 U!」ZZZT!『ピガーッ!』ナウクラテーの遠隔ハッキングで最後のヤブも機能停止!「ヌウーッ、キエーッ!」クグツシェンは物陰から飛び出しスマイターへスリケン乱射!「ボンジャン!」キキィン!スマイターは鎖を巻いた拳でスリケンを弾き落とす!「残りはあなただけ。観念なさい!」
「「イヤーッ!」」スマイターとブラックマンバがクグツシェンへ飛びかかる!「ハイヤーッ!」クグツシェンは紙一重で連続バック転回避!「GRR!私の自由脅かす、許さないね!」遠隔ハッキングは危険、オフダで新たなジョルリを作るには時間がかかるが、彼女自身の戦闘力も実際侮れない!
5ターン目
「イヤーッ!」ナウクラテーは距離をとりつつスリケン連射!SMASH!「ンアーッ!」一発命中!だがクグツシェンは痛覚を遮断して耐え、負傷したスマイターへ狙いを定める!「キエーッ!」アサシンダガーを抜き払い、恐るべきフェイント連続攻撃!「ボンジャンハイ!」スマイターは鎖拳で防御!
「セイヤッサーボンジャン!」スマイターはさらに拳にカラテを籠め、ボンジャン・カラテを放つ!BOOMBOOM!「キエーッ!」クグツシェンは紙一重で側転回避!だが大きく体勢を崩す!「もらった!シュシューッ!」ブラックマンバが飛びかかる!「キエーッ!」クグツシェンは転がって回避!
6ターン目
「イヤーッ!」ナウクラテーは距離をとりスリケン!「イヤーッ!」回避!「キエーッ!」クグツシェンはスマイターへ斬りかかる!SLASHSH!「ンアーッ!」一発命中!無視できぬダメージだ!だがスマイターはなおも戦意を燃やす!「なんたる邪悪……拙僧が打ち払います!セイヤッサー!」
BOOMBOOM!ボンジャン・カラテが唸る!「キエーッ!」クグツシェンは紙一重で回避!「これを食え!」ブラックマンバは懐のスシをスマイターへ投げ渡し、必殺のコブラ・カラテを繰り出す!「シュシュッ!」「キエーッ!」クグツシェンは紙一重回避!しかし三対一ではジリー・プアーだ!
7ターン目
「イヤーッ!」ナウクラテーは側転しながらスリケン投擲!だが命中せず!「くっ、ハッキングなら……!」クグツシェンは超自然IRCポートを完全遮断しており、互いに遠隔ハッキングできない!「SHHAAA!」クグツシェンはスマイターへ飛びかかる!ブラックマンバは彼女をかばう!「シューッ!」
SMASH!「ンアーッ!」迎撃命中!「イタダキマス!セイヤッサー!」スマイターはスシを食べ、聖なるカラテを籠めて掌打を繰り出す!SMITE!「ンアアーッ!」命中!だが浅い!「シュシュシュッ!」追撃のコブラ・カラテ!SMASH!「ンアアアーッ!」命中!痛烈!「まだやるか」「やる!」
クグツシェンはアドレナリンに目を血走らせ、ダラダラと涎を垂らしている。明らかに正気ではない。ニンジャソウルの暴走か!
8ターン目
「イヤーッ!」ナウクラテーは足を止めてスリケン連射!SMASH!「ンアーッ!」命中!「GRRRRR!」クグツシェンは眼を不気味に輝かせ、ナウクラテーへ飛びかかる!「い、イヤーッ!」回避し迎撃!「イヤーッ!」回避!「ええい、囲んで殴るぞ!」「ハイ!」二人のニンジャも飛びかかる!
「ボンジャンハイ!」SMITE!「ンアアアーッ!」ボンジャン・カラテがクグツシェンを打ちのめす!「シュシュシューッ!」さらにブラックマンバが飛びかかる!「キテハァーッ!」クグツシェンは緊急ブリッジ回避!迎撃のキックを繰り出す!「シューッ!」紙一重回避!「ハァ、ハァ、ハァ……」
9ターン目
ナウクラテーは……カラテを構えた。これまでのイクサで相手の攻撃を見切り続け、攻撃パターンが読めて来たのだ。「イイイ……!」周囲のエテルを吸い寄せ、カラテがみなぎる!「イイイヤァアアアーーーッ!」SMASH!「ンアアアーッ!」みぞおちに命中!内臓が砕かれ、もはや瀕死だ!
『キィィィ……貴様……だけでも……!』クグツシェンは……クグツシェンに憑依し、クグツめいて操る邪悪なニンジャソウルは、憎悪に燃えてナウクラテーを睨む!超自然IRCポートを再び開きハッキング攻撃!『キテハァー!』ZZZZZTTTT!ナウクラテーはこれを、あえて受ける!「こっちの土俵よ!」
???
どくん……両者の自我がコトダマ空間で向かい合う。周囲は無限に広がるドリームランド埋立地。これがクグツシェンのローカルコトダマ空間というわけだ。クグツシェンの背中には超自然の糸があり、背後の邪悪な影、ニンジャソウルと繋がっている。憑依後も自我を持つソウルは極めて珍しい。
ナウクラテーは周囲のエテルを読み、彼女の事情を瞬時に理解する。だがあの糸を切断すれば彼女は死ぬ。ならば!『キエーッ!』クグツシェンがアサシンダガーを構えて斬りかかる!『イヤーッ!』ナウクラテーは紙一重で見切って躱し、背後のニンジャソウルめがけてトビゲリ!『Wasshoi!』
SMITE!『グワーッ!?』ゴウランガ!01を纏ったトビゲリがニンジャソウルそのものに作用し、糸が緩んだ!『今よ!自分の手綱を……!取り戻して!』『了解!』クグツシェンは振り向いて糸を掴む!『キテハァー!』『グワーッ!グワーッ!グワーッ!オノレーッ……!』0101010101010……
……ナウクラテーは、倒れ伏すクグツシェンの前に立っている自分を見出した。ハッキング勝負にギリギリで勝利し、戦闘不能に追い込んだのだ。「ダイジョブですか」スマイターが心配そうにナウクラテーを支えている。「ハイ」ナウクラテーは鼻血や血涙を拭い、サムアップして笑った。
戦闘終了
エピローグ
「シューッ……手強い相手だったな」ブラックマンバは気絶したクグツシェンを抱き起こし、持参した契約書を懐から取り出す。そして彼女の白目からカナシバリ・ジツの力を注ぎ込んだ!「ううう……」「お前は敗北した。後はどうしようと俺たちの自由だ。だが俺たちは慈悲深い。殺しはしない」
「ま、マッタ」ナウクラテーが駆け寄り、ブラックマンバを止めた。「無理強いは良くないですよ」「俺たちはヤクザだ。自覚しろ」「でも……」「こいつを野放しにすれば、また無力なモータルどもが襲われる。ザイバツにスカウトされれば油断ならない敵となる。それでもいいのか」「うう……」
スマイターが進み出た。「では、拙僧が引き取りましょう。ブッダの教えをもって、彼女を鍛え直してみせます」「じょ、冗談じゃないね!」クグツシェンは目を覚まし、首を横に振った。「私カルト大嫌いよ!」「カルトではありません。ブディズムは自由なものです」「そっちにも渡せんなァ」
ブラックマンバはスマイターを睨む。ナウクラテーはここでクグツシェンの手をとり、友好的に笑った。「じゃあ、ソウカイ・シンジケートに来て下さい。あなたは優秀なハッカーとして厚遇されます。毎月給与が出ますし、福利厚生も充実しています。ここで暮らすより遥かにマシですよ!」
ナムサン……これは典型的なグッドマッポ・バッドマッポメソッドだ。一方が威圧的に出て相手を怯えさせ、他方が友好的に接して信頼させ、情報を引き出す。クグツシェンは流石に察したが、このまま断り続ければ死ぬ。スマイターを選んでブディズムを学ぶのも、あまり気が進まない。ならば。
「……じゃあ、まあ、仕方ないね。私ソウカイヤに入るよ」「アリガトゴザイマス!」「よし。契約書はこれだ」「アイアイ」クグツシェンは力なく笑う。頭がすっきりし、自分を縛り付けていた恐ろしい何かから解放されたのは感じたが、今度は暗黒組織ソウカイヤのジョルリ人形となるのだ。
「じゃあ、荷物整理するね。私都会のストレスに弱いから御手柔らかにね」「わかりました」「では、拙僧はしばらくここにとどまり、貧民たちのお世話をしましょう」スマイターは微笑んだ。「クグツシェン=サン、これもブッダの縁です。ヤクザ稼業が嫌になったら、いつでも相談に来て下さいね」
「ウェー、考えとくね」クグツシェンは嫌そうな顔をした。「ハイ、考えて下さい。ブッダはあなたをジゴクから救い出すため、蜘蛛の糸を垂らして待っていますよ」「ブッダはゲイのサディストだからね!」「あ、さっきの市場まではご一緒します。方向音痴なもので」「それでよく人を導けるね!」
ザアッ……夜のドリームランド埋立地に一陣の潮風が吹き抜けた。重金属酸性雲の隙間からは髑髏めいた月が顔を覗かせ、地上の有様を見下ろして、「インガオホー」と呟いたようであった。
【パラノイア・エージェント】終わり
リザルトな
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