忍殺TRPGリプレイ【フライ・ミー・トゥ・ザ・ネオサイタマ】04
前回のあらすじ:ネオサイタマで緊急事態が発生した。キョート城が突如市街地中心部の上空に現れ、殺人光線を乱射し始めた。すなわち、ロード・オブ・ザイバツがナラクを介してギンカクを動力源とし、地上にマッポーカリプスをもたらしたのだ。止めねばならない!カラダニキヲツケテネ!
◇
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「茶器!ヨウヘン・テンモク茶碗!」ドラゴン・ニンジャは上を見上げた。「そうじゃ!あれを手に入れねばならぬ!行くぞ!」「「「アッハイ」」」3人は上を見上げた。その時!……何かが、上から落ちてくる。赤黒い火が。
『アバーッ!』ナムアミダブツ!キョジツテンカンホーの直撃を受け、最上階から再び奈落へ落下したナラク・ニンジャは、今度は背中から銀色オベリスクに突き刺さった!たちまち彼を介してギンカクからモータルソウルが吸収され始める!『アバババババーッ!』無慈悲!なんたる無慈悲な機構か!
『オノレ……ニンジャ……殺スベシ……!』ナラクは血涙を流しながらもがき、最上階のロードへ、その先のキンカクへ手を伸ばす。だが彼が憎悪を燃やせば燃やすほど、キョート城には膨大なエネルギーが注ぎ込まれ続けるのだ!「に、ニンジャスレイヤー=サン!」ディテクティヴが呼びかける!
罪罰罪罰罪罰罪罰……だが真上からキョジツテンカンホーが降り注ぐ!「「グワーッ!」」ディテクティヴとディプロマットは直撃を受け悶絶!しかしアンバサダーとドラゴン・ニンジャは見切って躱す!「う、ウカツに近づけば危険じゃ!あれはニンジャスレイヤーの内なるニンジャソウルぞ!」
◆ドラゴン・ニンジャ(種別:リアルニンジャ/不完全な覚醒)
カラテ 10 体力 21
ニューロン 10 精神力 21
ワザマエ 13 脚力 7/N
ジツ 6>7 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 10/14/11/10
回避/精密/側転/発動 14/13/15/17
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:8
◇装備や所持品
◆アーチ級生成装束(全身、俊敏な)
体力・精神力+4、緊急回避+8、脚力ダメージ軽減1
射撃・機先・回避+1、側転+2
◇ジツやスキル
☆ドラゴン・ニンジャ(本忍、不完全な覚醒)、ジツLV6>7(キンカク接近バフ)
☆チャドー呼吸LV3:移動や攻撃せずジツ発動判定を行い、出目6の個数だけ体力回復
回復上限は体力の最大値の半分(端数切り上げ)まで
出目6が1個もなかった場合、シナリオ中のチャドー呼吸による回復は不可能となる
◉◉グレーター級ソウルの力:ニューロン+ジツ=精神力
◉◉アーチ級ソウルの力:カラテ+ジツ=体力
★★★◉アーチ級装束生成
◉◉タツジン:ジュージツ 近接攻撃回避判定難易度-1(素手・スリケン装備時のみ)
マウントタックル 出目66で発生、痛打+1、回避H
マウントをとった敵に対する残り連続攻撃は回避不能(殺伐発生せず)
フランケンシュタイナー 出目666で発生、殺伐出目2(頭部痛打)
回避H マウント状態に入る
受け流し 回避判定に出目66を含み迎撃を発生させた場合、
1ダメージの代わりに回避不能の回避ダイスダメージ2を与える
◉常人の三倍の脚力:脚力+1、側転難易度-1
◉トライアングル・リープ:側転直後の攻撃難易度ペナルティなし、一撃目に痛打+1
◉ランスキック:脚力で攻撃判定(N)、連続攻撃2を選択可能
基本ダメージ1、命中すると殺伐出目1(痛打+1&弾き飛ばし)か出目D6
◉ヒサツ・ワザ:ポン・パンチ 出目666で発動、回避ダイス2か精神力1を消費
痛打+2D3(回避UH)、弾き飛ばし
◉ヒサツ・ワザ:サマーソルトキック
回避判定に出目66を含み迎撃を発生させた場合に発生(ターン中1回のみ)
迎撃ダメージD3、回避UH ニューロンとワザマエに2ダメージ
●連続攻撃2、連射3、時間差、マルチターゲット
能力値合計:45>47
ドラゴン・ニンジャは警告する。だが「ニンジャスレイヤー」の名を聞き、口にしたことで、彼女の内なる「ユカノ」が動き出す!「フジキド!」彼女は、名を呼んだ!「フ……フジキド……!フジキドーッ!大変です!」……どくん。串刺しにされたナラクは、大きくのけぞる!『アバババーッ!』
010101010101
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01010101……フジキド・ケンジはフートンの中で覚醒した。ここは彼の自我の内に存在するチャノマ、ローカルコトダマ空間だ。だがフートンは黒い鎖で縛られ、壁も窓も黒く塗りつぶされている。旧式テレビの画面には、彼の妻子が殺される様子が無限ループする。ジゴクだ。ここは彼のジゴクだ。
窓や壁を塗りつぶしているのは、無数の罪罰紋だ。それは犠牲者たちが加害者を見る目で、フートンに横たわるフジキドをさいなむ。『あの時、ああしていれば……』『ニンジャに殺された』『苦しい』『助けて』『おとうさん』『おかあさん』『おにいちゃん』『おねえちゃん』……無数の声。
それは、彼が常に聴いている声。ナラクの奥底から、ギンカクから響いて来るジゴクの亡者たちの声だ。彼はそれゆえ狂気に陥り、無限にニンジャを殺し続ける殺忍鬼と化した。仇討ちをせねばならぬ。復讐をせねばならぬ。燃え尽きるまで。ニンジャが殺したモータルの数だけ。ナムアミダブツ。
「フユコ……!トチノキ……!」ああ、彼はまだ、妻子の仇討ちさえできていない。ラオモト・カンも、ダークニンジャも、ロード・オブ・ザイバツも。ダークニンジャは大恩ある師匠、ドラゴン・ゲンドーソー=センセイの仇でもある。幾度となく戦い、追い詰めたが、トドメを刺すには至らなかった。
ラオモトにはカラテを届かせることもできず、手下に敗れた。ゲンドーソー=センセイに託されたユカノを救うためにロードに立ち向かえば、ジツに敗れてこの有様だ。なんたるブザマ。『全くだぜ』銀色の影が、枕元に立った。『ドーモ、俺は……俺だ。思い出してくれや』影は朦朧としている。
「ドーモ……シルバーキー=サン」彼はフートンの中からアイサツした。銀色の影はやや明瞭な形となり、若い男の姿になる。『やれやれ。随分遠回りしちまったが、ここからだ。あんたのカラテが必要になる時だ』窓や壁を覆う罪罰紋が退き、消えていく。フートンを縛る黒い鎖も消えていく。
『ハッキングなら任せて』シルバーキーの傍らに、金色の女性が出現し、ウインクした。「ドーモ、ナンシー=サン」彼はフートンから起き上がった。『ドーモ、ライトウォッチャーです!』見慣れぬ黒髪の女性が現れ、アイサツした。彼はアイサツを返す。「ドーモ……ニンジャスレイヤーです」
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『アババーッ!』串刺しにされたナラクから、黒い炎が四方八方に伸びた。それはディテクティヴとドラゴン・ニンジャに絡みつく!「アイエッ!?」ディテクティヴは慌てた。ニンジャソウルの暴走か!否!炎は強靭なロープと化し、2人を引っ張る!『Wasshoi!』ナラクは再起動し、飛び上がった!
ナラクは……ナラクと共振状態になったニンジャスレイヤーは、黒い炎のドラゴンと化し、再び最上層へ駆け上る!2人をロープで引きずりながら!「グワーッ!?」「アナヤ!?」琥珀ニンジャの間を、本丸天守閣の下層・中層・上層を突き抜け、一気に上昇!上昇!上昇!上昇!上昇!
上から絶え間なく降り注ぐキョジツテンカンホーの網目は、シルバーキー、ナンシー、ライトウォッチャーにより次々と破壊されていく。肉体を捨て、コトダマ体となった彼らにも、キンカク接近による能力のバフがかかっているのだ!『Wasshoi!』SMAAASH!超自然の白いタタミを突き破る!
「なにッ!?」パラゴンがうろたえた。強化されたロードのジツは決して破れぬはず!『ドーモ、ニンジャスレイヤーです。ジゴクから戻って来たぞ』赤黒のニンジャはジゴクめいてアイサツを繰り出した。「ドーモ、ドラゴン・ニンジャです。忘れ物じゃ。この城を奪い返させてもらうぞ!」
さらに、新手。「いつつ……ドーモ、ディテクティヴです。シキベ=サンの仇をとらせてもらうぜ、パラゴン=サン」「……ドーモ、ロード・オブ・ザイバツです」「パラゴンです。ヒカエオラー、下郎ども!」「主君の虎の威を借りる死に損ないめが。まずはオヌシからジゴクへ送ってくれよう!」
罪罰罪罰罪罰……キョジツテンカンホーの網目が、3人のニンジャの周りを避けている。肉眼では視えぬものたちが防御しているのだ。ロードの目には視える。「随分大勢でやって来たものよ。ヤンナルネ」ZANKZANKZANK!ロードとパラゴンの周囲に、デミニンジャ3体が降り立ち実体化する!
「問題なし。真の支配者の前に三度屈するがいい」ロードはダブル・ドス・ダガーを構えた。一撃必殺アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
「「イイイヤァアアアーーーッ!」」ロードとパラゴンはディテクティヴへ飛びかかる!SLASHSHSHSH!「グワーッ!」命中!だが浅い!「キエーッ!」「イヤーッ!」ドラゴン・ニンジャとニンジャスレイヤーはパラゴンへ猛攻!「イイイヤァアアアーーーッ!」全て見切って回避!タツジン!
ディテクティヴ……タカギ・ガンドーは、流れるような動きで両手に49マグナムを構え、体勢を大きく崩したパラゴンに突きつけた。千載一遇のチャンスだ。BLAM!BLAM!SMAASH!「グワ……アバーッ!」サツバツ!銃弾がパラゴンの臓腑をえぐり、胴体に大穴を空けた!おびただしい出血!
「グランド・オモシロイでシキベ=サンを撃ったのは、テメエだ。同じ場所にブチこんでやったぜ」ガンドーはさらに反動を利用し、大きく身をひねって回し蹴りを繰り出す!パラゴンとロードめがけ!「イイイヤァアアアーーーッ!」「ヌウッ!」ロードは跳躍回避!だが!SMAASH!「アバーッ!」
パラゴンは回し蹴りをまともに受け、水盤に激突!ヨウヘン・テンモク茶碗が揺れ動く!アブナイ!「アバッ……テメエ……俺とオヤブンの……理想を!復讐を!くだらねえ感傷で邪魔しやがって……!」パラゴンはキョート貴族じみた演技をかなぐり捨て、ヤクザ口調で毒づく。「スッゾコラー……!」
瀕死の重傷。彼はもはや助かるまい。「ヤンナルネ」ロードは幾度目かの溜息をつきながら、ディテクティヴへ斬りかかる!SLASHSHSHSH!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーがジュー・ジツでかばい迎撃!「ヌウーッ!」ダメージを受けたのは……ニンジャスレイヤーだ!「クルシュナイ」
『『『イヤーッ!』』』3体のデミニンジャ、フェイスレスたちがロードを助けるべく飛びかかる!狙うはニンジャスレイヤー!「グワーッ!」2体の攻撃を受けよろめく!「キエーッ!」ドラゴン・ニンジャがインターラプトし、サマーソルトキックを繰り出す!ドラゴン!SMASH!『グワーッ!』
フェイスレス1体が直撃を受け、のけぞってよろめく!「そなたの頼みとする手下はこの程度か。なんともおぼろげで頼りないのう!」ドラゴン・ニンジャは不敵に笑う。だがパラゴンを倒し、茶碗を獲得してキョート城のシステムをハッキングしない限り、ロードは無限に回復し続ける。無敵だ。
ZANKZANKZANK……さらにフェイスレスたちが顕現!きりがない!1体ずつは弱いとはいえ、囲んで殴られれば不覚を取りかねぬ相手だ。実際厄介!「クルシュナイ。ニンジャの支配者、ヌンジャである余には、エイトミリオンのニンジャが従う。江戸時代のように。これぞ真の格差社会なり!」
ロードは水盤からモータルソウルを吸収し続ける。あれを破壊するわけにもいかない。エネルギーが溢れ、現世とオヒガンのバランスがゆらぎ、致命的な大爆発が起こりかねぬ。「骨董品め。博物館にでも眠っているがいい」ニンジャスレイヤーは怒りを燃やし、ジュー・ジツを構えた。
「何がヌンジャか。オヌシは神でもブッダでもない。そこの死にかけた男と同じ、ただ私欲のために数多の命を弄ぶ、一人の邪悪なニンジャに過ぎぬ。私は、ニンジャスレイヤーだ。ニンジャ殺すべし!」
戦闘継続
【続く】
◇