忍殺TRPGリプレイ【ステイン・アライヴ】04
前回のあらすじ:謎のニンジャ・アシッドウルフの部下として活動するアースハンドとサイバーメイヘム。暗黒組織ソウカイ・シンジケートに目をつけられた二人は、次々と襲い来る刺客に追い詰められるも、同じボスを頂く仲間に助けられた。だがそこへさらなる敵が襲来!カラダニキヲツケテネ!
◆
「「イヤーッ!」」アースハンドとサイバーメイヘムは、アジトの隣の部屋へ飛び込んだ!ブルームキャットからの秘匿IRC通信によれば、メガヒンジはこの部屋に潜んでいる!「ドーモ、メガヒンジ=サン!アースハンドです!追われている!助けてくれ!」奥の小部屋からアイサツが返って来た。
『……ドーモ、メガヒンジです』
『ブルームキャット=サンと、ライトニンググローブ=サンは?』「別行動だ。後で合流する!」「早く!」『少し待て。二人が我々の真下まで移動した時にジツを発動する』「了解!」彼がいる小部屋は壁に囲まれ窓もなく、ドアは一箇所のみの密室だ。メガヒンジは床に掌をあてて集中する。
「「「イヤーッ!」」」ドラゴンベインたちは通路を駆け抜け敵を追う!「「「「イヤーッ!」」」」ブルームキャットたちも敵をあしらいながらベランダを駆け抜け、階下に飛び降りてメガヒンジたちと合流せんとす!戦闘ヘリからはオナタカミ・トルーパーが降下!果たして逃げ切れるか!?
戦闘継続
マップ
3ターン目
「「イヤーッ!」」アースハンドとサイバーメイヘムはメガヒンジのいる小部屋のドアを開け、机や椅子で内側から封鎖した。あのニンジャのカラテや武器の前では気休め程度だが、時間稼ぎにはなるだろう。いざとなればメガヒンジのジツで脱出できる!『逃がしはせんぞ!』『ネズミ袋だ!』
ドラゴンベインは巨大な槍を担いだまま隣の部屋に突入し、ドアの前に到達!そして!「イイイ……イイイヤァアアアーーーッ!」BOOM!ゴウランガ!巨大な槍「ツラナイテタオス」をドアに向けて投擲した!SMAAASH!ドアはひとたまりもなく破壊され、サイバーメイヘムへ穂先が迫る!
「い、イヤーッ!」紙一重でブリッジ回避!「イヤーッ!」メガヒンジもとっさに跳躍回避!ツラナイテタオスは小部屋の壁に突き刺さる!「ドーモ、ネズミども。ドラゴンベインです」ドアに空いた大穴から、彼は威圧的にアイサツした。「ドーモ、代表のサイバーメイヘムです!」代表アイサツ!
「「イヤーッ!」」ヒステリシスは入口手前まで、バードライムは小部屋の手前まで到達!このままでは!……その時!
???
『なあ、お取り込み中悪いンだけど』ベランダから声。ドラゴンベインとバードライムはそちらへ目をやった。新手か。……そこにいたのは……一羽のフクロウであった。それはニンジャアトモスフィアを纏っており、若い男の声で告げた。『ダメもとで訊くンだけど、"鷲のニンジャ"って、どいつだ?』
「「……!」」ドラゴンベインとバードライムは、特にドラゴンベインは驚愕した。穴の空いたドアの向こう、アースハンドたちもそれを聞いている。「質問に答える前に……何者だ。ドーモ、ドラゴンベインです」『ドーモ、俺はフィルギアです』フクロウはアイサツを返した。ニンジャなのだ。
◆フィルギア(種別:ニンジャ) フクロウに変身中
カラテ 4>1 体力 11
ニューロン 12 精神力 19>18
ワザマエ 12>6 脚力 16(飛行移動)
ジツ 7 万札 30
攻撃/射撃/機先/電脳 1/12/12/12
回避/精密/側転/発動 12/12/12/19
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品:特になし
◇ジツやスキル
☆リアルニンジャ、ジツLV7
☆コヨーテ変身(ヘンゲヨーカイ・ジツLV3扱い)
◉◉グレーター級ソウルの力、◉◉アーチ級ソウルの力
★融合変身(アクマヘンゲ・ジツ扱い、グレーターも可)
★★フクロウ変身(発動中)
★★★ニンジャ神話知識:ジツの抵抗・回避難易度-1
◉挑発、◉魅了、◉疾駆、◉空中制動
●連射2、時間差、マルチターゲット
能力値合計:42>33
『質問に答えてくれるかい。アンタなのか?』フィルギアは場違いなほどに飄々とした声で訊ねる。ドラゴンベインはフルメンポの隙間から鋭い眼光を投げかける。「……鷲のニンジャ、とは?」『ダメか。じゃあ、そっちか』フクロウは首を傾げた。「バードライム=サン、奴を牽制しろ」「了解」
4ターン目
「イヤーッ!」アースハンドはメガヒンジをかばいつつ遠隔ハッキングを行い、周囲の状況を把握する!あのフィルギアと名乗ったニンジャは謎だが、少なくとも敵ではなさそうだ。ブルームキャットたちは……負傷しつつも、もうじきこの部屋の真下に到達するようだ。それまで持ちこたえればいい!
『ホーホーホー!』フィルギアは音もなくベランダから室内に飛び込み、翼を振るってバードライムへスリケン投擲!「グワーッ!」命中!『ホーホーホー!お名前は?』「ドーモ、バードライムです!この野郎!」「シューッ……!」サイバーメイヘムはジュー・ジツの構えをとり、攻撃に備える!
「イイイヤァアアアーーーッ!」BOBOBO!ドラゴンベインはサイバーメイヘムへ鉄拳を繰り出す!「イイイヤァアアアーーーッ!」サイバーメイヘムはジュー・ジツで捌く!捌く!捌く!ゴウランガ!だが大きく体勢を崩す!「「イイイヤァアアアーーーッ!」」残る二人の敵ニンジャが動く!
ヒステリシスは室内に飛び込み、ドラゴンベインの股の間からサイバーメイヘムへ鎖を射出!SMASH!「ンアーッ!」サイバーメイヘムはあえて受ける!彼女の強靭な肉体とサイバネの前ではかすり傷!一方バードライムは怒りに燃えてフィルギアへ麻痺毒タタミ針を射出!BOBO!『おっと』回避!
5ターン目
手練れニンジャが室内に三人。フィルギアでも厳しい状況だ。『それじゃ、オサラバ!』フィルギアは素早く屋外へ脱出!そして!「イイイ……イイイヤァアアアーーーッ!」メガヒンジはカラテを込めて床に掌をつけ、ドトン・ジツの一種であるグレーター・ドンデンガエシ・ジツを発動!
BAMN!KRAAASH!床が跳ね上がり、三人は瞬時に床下へ!そこには敵に追い詰められたブルームキャットとライトニンググローブが!「イイイヤァアアアーーーッ!」メガヒンジはもう片方の掌を一階の床に叩きつけ、ジツを連続発動!BAMN!KRAAASH!床が跳ね上がり、五人は地下へ離脱した!
戦闘終了
「ちいッ!」ドラゴンベインは鎖で手元にツラナイテタオスを引き戻し、小部屋に突入!床は元通りのコンクリート張りで、傷跡もない。「小賢しい!イヤーッ!」KRAASH!ツラナイテタオスで破砕し一階へ!だがもうそこにはいない!ジツによってさらに地下へ潜ったのだ!「オノレ……!」
ドラゴンベインは歯噛みする。僅かなダメージしか与えられず、敵を全員取り逃がした。なんたる不覚。「ドーモ、ドラゴンベイン=サン。首尾は」「見ての通りだ」「お、俺は少しばかりダメージを与えてやりましたぜ!あの女に!」「俺も!」「……ご苦労。血液を採取し、追跡する」「ハイ!」
エピローグ
ネオサイタマ、地下下水道。メガヒンジはジツを連続使用して脱出経路を作り出し、この広大な迷宮に一行を潜り込ませた。だが……「ハァーッ……ハァーッ!……しくじった!」ブルームキャットの肋骨は丸くえぐり取られ、幻惑的な装束に空いた穴から生々しい傷を晒していた。止血はしたが……。
彼女が立ち向かったバイオニンジャ・スクリーマーは、過剰生成バイオ骨質クナイバルカンを射出してくる難敵だった。極めて戦術的に範囲制圧射撃を行い、ブルームキャットのブンシン・デコイ群を瞬時に破壊し、彼女本体に手傷を負わせたのだ。ライトニンググローブもまた無傷ではない。
彼が立ち向かったビッグニンジャ・セスタスマスターは古代ローマ式ボックス・カラテのタツジンであり、さらにサイバネで耐久力とワザマエ、反応速度を強化した恐るべき相手だった。反撃の隙も与えられず、一方的にコーナーへ押し込まれたのだ。メガヒンジのジツがなければ全滅だったろう。
一行は下水道迷宮の底の物陰に潜み、今後の行動についてダンゴウする。ブルームキャットが提言した。「……私、アシッドウルフ=サンからの命令で、とある任務を遂行中だったの。けど、この負傷じゃ……」「手伝え、と言うのか」「そうしてもらえると嬉しいわ」「恩義はある。任務とは?」
「メイライ社の専務、シロウ・イスヒ氏の暗殺」ブルームキャットはそう告げた。「メイライ社はアシッドウルフ=サンが接収したはずだけど」「そうね。けど、オナタカミが横取りに来たの。ブラックサイトを襲撃したのも、たぶん」「……なるほど」オナタカミが、メイライ社を。となると……。
あの時、メイライ社の地下秘密基地にいた別のニンジャ・エージェント。すなわちニューロサージ!彼女たちが何らかのデータを奪っており、こちらを逆探知したということか!アースハンドは瞬時に状況を推察し、サイバーメイヘムやブルームキャットと生体LAN端子を介して情報を共有する。
『シロウ・イスヒ氏ねェ。なるほど!』サイバーメイヘムのサイバネに潜むニューロチップ自我「コスモクライム」が素っ頓狂な声をあげた。その声はアースハンド、ブルームキャットにも伝わる。「そういえばアンタ、メイライの偉い奴だったわね。知ってる?」『知ってるも何も!彼は私だ!』
「なんだと?」『正確には、私のニューロンパターンを上書きされたモータルの一人だ。自我や情報は共有していないが……とにかく、彼を始末してメイライを奪還しないと、君たちもマズいことになるのではないかね?』コスモクライムは他人事のように告げた。「……そうね。あまり時間はない」
ブルームキャットは頷く。「アシッドウルフ=サンからは『こちらから指示があるまで待機せよ』とIRCが来てたけど」「連絡がつかないなら、臨機応変に状況判断しなさい。子供じゃないんだから」「アイアイ!」かくて一行は、ブルームキャットの任務を引き継いで次なる任務に赴く!
【ステイン・アライヴ】終わり