忍殺TRPGリプレイ【ジ・インペリアル・マーチ】03
前回のあらすじ:ネオサイタマ、マルノウチ・スゴイタカイビル前に、ザイバツ・シャドーギルドの軍勢が出現した。率いるのはグランドマスター・ダークドメイン!迎え撃つソウカイニンジャたちは着実に敵ニンジャを打倒していき、援軍としてドラゴンベインも到着!カラダニキヲツケテネ!
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「ドーモ、シバタ知事の部下……ドラゴンベインです」
「ドーモドーモ、ソウカイヤのフューネラルです!心強い援軍のご到着だ!フォフォフォハハハハ!」フューネラルは両腕を広げて哄笑する。「ドーモ、ザイバツ・シャドーギルド、ダークドメインです」代表アイサツ。バラバラバラバラ……武装ヘリが接近している。さらなる増援だ。
「よかろう」ダークドメインは無感情に言い放ち、恐るべきカラテを解き放った。大気にカラテがみなぎる!一撃必殺アトモスフィア!
戦闘継続:4ターン目
「イヤーッ!」フューネラルが地面をステッキで殴りつける!黄緑色の雨はクナイ・ダートとなってインペイルメントに降り注ぐ!「フーンク!」一発命中!クナイが刺さった箇所からは狂笑するキノコ群が生え、ドロドロに溶けながら煙を撒き散らす!「フォフォフォハハハハ!」
フューネラルは、いつの間にかトレーラーの上に立っている。ダークドメインはフューネラルに視線を向ける。「そこか」
ダークドメインは先程足元にあけた暗黒の穴から、無造作に棒状の物体を取り出す。黒く放電しながら不安定に輪郭を変え続けるそれは、恐るべきジツによって「どこかから呼び寄せた」危険な物質……この世界に永く存在してはならないアンタイ・ウェポンである!「イヤーッ!」跳んだ!
ZZZZTTT!アンタイ・ウェポンが振り下ろされ、クロスカタナ紋トレーラーをトーフめいて両断!ナムサン!「い、イヤーッ!」フューネラルはニンジャ第六感で危険を察知し、間一髪で跳躍回避!「ホホ、コワイ!」アンタイ・ウェポンはトレーラーの大部分を消滅させ、ともに消え去った。
凄まじい威力。当たればフューネラルの四肢のどれか、あるいは頭部や胴体が消え去っていたであろう。当たれば、の話だが。「おお、恐ろしい、恐ろしい!けれども燃費は良くないご様子。躱せばいいだけの話ですな!」フューネラルは冷や汗をかきつつ、おどけてみせる。なんたる胆力か!
「「「イヤーッ!」」」三人はガーディアンが堅牢と見、インペイルメントへ集中攻撃!KRAAASH!「フーンク!?」ナムアミダブツ!シャープウォーカーのトビゲリがサイバー馬からインペイルメントを蹴り飛ばし、背後の装甲車に激突せしめる!ムーンライトスロースのカラテがみぞおちをえぐる!
「蛸を畏れよ!イイイヤァアアアーーーッ!」KRAAASH!「フーンク!?」ナムサン!凄まじいカラテがインペイルメントの腕を叩き折った!もはや瀕死!「ドラゴンベイン=サン、トドメを!」「よかろう」
「イイイヤァアアアーーーッ!」ドラゴンベインは超巨大槍を担いで跳躍!凄まじい質量をインペイルメントの頭上へ叩きつける!「フーーーンク!」KRAAAAAAAASH!KABOOOOOOM!インペイルメントは装甲車ごと叩き潰され、爆発四散!ナムアミダブツ!なんたる凄まじいカラテ!
「あ、ああ」ガーディアンは愕然とした。残るは二人。一人はグランドマスター、ダークドメイン。次に狙われるのは……自分だ!「その盾はテメエの身を守るだけか。かばってりゃ仲間も殺されずに済んだかも知れんのにな」シャープウォーカーは冷たくガーディアンに告げる。「う、ウオーッ!」
ガーディアンは怒り狂い、シャープウォーカーに巨大シールドで殴りかかる!シャープウォーカーは見切って迎撃!「イヤーッ!」「グワーッ!」ガーディアンはたたらを踏む!
5ターン目
「フォフォフォハハハハ!」フューネラルは再び内側から爆発!ガーディアンの足元から螺旋を描いて極彩色の巨大なムカデが出現、締め上げて押し潰しにかかる!ドクン!「う、ウオーッ!」ガーディアンは目から血を流し、この恐るべき精神攻撃を弾き返す!カラテだ!「な、ナメるな……!」
フューネラルはガーディアンのすぐ近くに出現している。「おやおや、精神防壁も堅牢とは。少々厄介」ダークドメインは振り向く!
再びアンタイ・ウェポンを暗黒空間から取り出し、瞬時にフューネラルへ接近!「イヤーッ!」だがゲン・ジツにより攻撃が甘い!「フォフォフォハハハハ!」フューネラルはアンタイ・ウェポンに貫かれるが、そのまま無数のムカデと化してダークドメインに絡みつく!コワイ!「ヌウーッ!」
傍らには無傷のフューネラル!「これもゲン・ジツですか?おかしいと思いませんか?あなた。フォフォフォハハハハ!」なんたるタツジン!「さてさて、やっておしまいなさい!」「「「ヨロコンデー!」」」
「イヤーッ!」シャープウォーカーは装甲車を蹴り、ダークドメインめがけヤリめいたトライアングルリープキック!「ムテキ!」ガーディアンが巨大シールドでかばう!KRAAAASH!「グワーッ!」ゴウランガ!ガーディアンは衝撃を防ぎきれず、遥か離れた装甲車へ激突!キックは盾より強し!
「チャンス!死ねーッ!」ムーンライトスロースはカラテを振り絞り、盾役を失ったダークドメインへトビゲリ!KRAAAASH!「グワーッ!」命中!恐るべきグランドマスター、ダークドメインに痛烈な一撃を食らわせ、装甲車に激突させた!「蛸は宇宙……宇宙は蛸!イイイヤァアアアーーーッ!」
パープルスプラッシャーの凄まじいタコ・カラテがダークドメインに迫る!当たれば即死!だが……ダークドメインは躱しすらしない。彼の輪郭がぼやけ、攻撃はすり抜けた。「うッ!?」パープルスプラッシャーには覚えがある。これはメイレインの……!「イヤーッ!」ドラゴンベインが動く!
超巨大槍を片手で振るい、ダークドメインへ突進!KRAAAASH!「グワーッ!」装甲車ごと貫通!否……ダークドメインは致命的な一撃をギリギリで回避!しかしフルフェイスメンポが割れ砕け、かなりのダメージだ!「惜しい」「フシューッ……そろそろ潮時か」ダークドメインは息を吐いた。
忌々しいことに、これもロード・オブ・ザイバツの勅命。ムーホンの疑いあるネオサイタマ駐留部隊を率いてスゴイタカイビルを襲わせ、戦死させよとの。モータルが多く死ねばなお良いと。「行くぞ、ガーディアン=サン。撤退だ」「は……ハイ!」ニンジャスレイヤーは……やって来ない。
「おやおや、お早いお帰りで。御用はもうよろしいのかな?」フューネラルはおどけた声で挑発した。「用は済んだ。貴様らをここへ引き付けることが目的だ」ダークドメインはマントを翻し、踵を返した。「これで終わりではない。駐留部隊は俺が率いる。貴様らもキョートとの戦争を続けるがいい」
「承知いたしましてございますよ。ザイバツニンジャたちはほぼ全滅、グランドマスター・ダークドメイン殿は重傷を負って這々の体で逃げ帰ったと、ラオモト=サンにご報告させていただきます」フューネラルは頭を下げた。ダークドメインとガーディアンは闇に消え、あたりには死体が残るばかり。
バラバラバラバラ……武装ヘリやマグロツェッペリンからニンジャたちが降下し、ダークドメインたちを追撃する。「追わなくていいんですか?」「あとは彼らに任せよう。ふーっ、疲れたね」フューネラルは息を吐いた。追い詰め過ぎれば、こちらに死人が出る。それはうまくない。
戦闘終了
エピローグ
「ムッハハハハハ!見事であった、フューネラル=サン!そしてチーム・シャープウォーカーよ!」99マイルズ・ベイ某所、ソウカイ・シンジケートの仮本部、天守閣・謁見の間。ソウカイヤ首領ラオモト・カンは高笑いした。「グランドマスター・ダークドメイン=サンを撃退するとは流石である!」
「いやはや、なかなか難敵でした。追撃してトドメを刺しておくべきでしたが、逃げ足が早く、取り逃がしました。失態でございますよ」フューネラルは飄々としている。「やつは『キョートとの戦争を続けよ』と申しておりました。どうしますか、ボス?」「言われずとも、やってやろう!」
ラオモトは脂の滴るようなオーガニック・トロマグロ・スシを一度に2つ食べ、金髪オイランの胸を揉む。「マルノウチやカネモチ・ディストリクトをはじめ、治安良好な地域を狙っての同時多発テロであった。カネモチが大勢死に、株価にも悪影響が出た。報復せねばおさまらぬ!」
ラオモトは、名誉職とはいえ日本国の総理大臣だ。カネモチや暗黒メガコーポなどへの損害を抑えなければメンツとソンケイに関わる。「休戦協定は無効だと伝えろ!ザイバツの駐留部隊を皆殺しにし、グランドマスターを討ち取り、ザイバツを滅ぼし、キョートを征服する!天下統一だ!」
彼は高々と盃を掲げ、壮大な野望を宣言する。彼こそはネオサイタマの、否……いまや日本国の帝王、ラオモト・カンである!
【ジ・インペリアル・マーチ】終わり
リザルトな