忍殺TRPGリプレイ【ワッツ・ユアーズ・イズ・マイン】04
前回のあらすじ:総理大臣ラオモト・カンが失脚し、ソウカイヤ・オムラ連合はアマクダリ・セクトの一斉攻撃にさらされた!ラオモト・ヨルジとチバはオムラを裏切ってオナタカミと手を結び、オムラ本社要塞にはイッキ・ウチコワシの煽動による反乱労働者とオナタカミのニンジャが襲いかかる!
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「アーッ!オムラ!インダストリ!」エンジニアの一人がフリークアウト!掌を振り上げ、謎めいたボタンの上に……振り下ろす!SMASH!ビーッ、ビーッ、ビーッ、ビーッ……『オムラ血族指紋認証ポジティブ。モーターガッタイ改善、合体シーケンス承認されましたドスエ。カラダニキヲツケテネ』
ガゴンプシュー……!ガレージの奥に鎮座していた3体の戦闘兵器が動き出す!モーターカナリを中心に、2体のロボットはそれぞれ右半身、左半身と化し、KRAAAASH!接合!そこには歯車盾とドリルアームを装備する悪魔的殺戮ロボットが現出した!シーケンス完遂!ゴウランガ!ゴウランガ!
『ウオオーンン……!』モーターガッタイ改善は恍惚じみた呻きを漏らす。電子音ではない。接合したパーツ同士が軋み、怪物の声めいて聴こえるのだ!「も……モーターヤッター!」エンジニアが叫び、バンザイする!「「「モーターヤッター!」」」「「「オームーラ!オームーラ!」」」
狂気はエンジニアに、研究員に、作業員に、警備員に伝染し、割れんばかりのオムラ・チャントが秘密工廠に鳴り響く!彼らを降伏させるには、オムラの象徴であるアレを破壊しなければならない!一撃必殺アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
『♪力の限り/どこまでもツヨシ』モーターガッタイ改善に備わった電子音声スピーカーから勇壮なオムラ・インダストリ社歌が流れ出した!「「「イイイヤァアアアーーーッ!」」」デッドラットたちは一斉にモーターガッタイ改善へ飛びかかる!『♪我ら等しく/この世を機械』歯車の盾をかざし防御!
ガキキキィン!3人のニンジャによる凄まじい猛攻を、モーターガッタイ改善は……受けきった!多少のダメージはあるが問題なし!『♪歯車歯車尽くそう/歯車歯車働こう/幸せな一日を始めよう』「「「オームーラ!オームーラ!」」」オムラ社員たちは号泣しながら一斉にオムラ・チャント!
『♪ああパーツ一体感/迷いが実際ない』「「「モーターヤッター!」」」モーターガッタイ改善は全身から拡散小型ミサイルランチャー射出!メカゴリラドリルアームを振るって社敵をネギトロにせんとす!「い、イヤーッ!」デスブレイカーはジュー・ジツの構えで見切り紙一重回避!タツジン!
2ターン目
「「「イイイヤァアアアーーーッ!」」」デッドラットたちは一斉にモーターガッタイ改善へ飛びかかる!ガガガガッ!嵐のような猛攻!しかし、敵は堅牢かつ巨大!3人のカラテをもってしても致命的ダメージを与えられぬ!『♪カナリのオムラ/ワレラのオムラ/スゴサのオムラ/サスガのオムラ』
モーターガッタイ改善は勇壮なオムラ社歌を鳴り響かせつつ、竜巻めいて回転!ハニカム式ロケットランチャーから多数のミサイルを射出し、同時に歯車の盾でテクノカラテを繰り出す!あたかもデジタルクラッシャーの用いるピストルカラテのごとし!ニンジャといえど食らえば爆発四散あるのみ!
デジタルクラッシャーは死を覚悟した!しかし!「……イイイヤァアアアーーーッ!」デスブレイカーがインターラプト!アドレナリンの過剰分泌により彼女のニンジャ感覚は瞬間的に研ぎ澄まされ、時が淀んだかのように、周囲の全ての動きが緩慢となる!ミサイルを弾き、逸らし、躱し、飛ぶ!
KRAAAASH!KA-BOOOOOOM!互いのカラテが炸裂し、衝突!衝撃波があたりを薙ぎ払う!「「「オームラ!オムラ!オームーラー!」」」オムラ社員たちはNRSをものともせず、狂信的な愛社精神でオムラ・チャントを唱え続ける!モーターガッタイ改善に力を与えるように!……だが、その時!
……吹き払われた爆煙の彼方に彼らが視たのは、モーターガッタイ改善の歯車の盾に生じた亀裂であった。絶対に壊れることのない無敵の盾が、3人のオナタカミニンジャの猛攻に耐えきれず……KRAAASH!破壊され、落下!「「「アイエエエ!?」」」「「「オムラ!ガンバレ!オムラーッ!」」」
3ターン目
最終決戦!「「「イイイヤァアアアーーーッ!」」」」『ゼンメツゼンメツゼンメツだ!』ガガガガガガッ!BLALALALAM!KBABABABAM!3人のオナタカミニンジャは一心同体の如く連携し、恐るべきオムラの秘密戦闘兵器と互角以上に渡り合う!実際強敵だが、あのネブカドネザルに比べれば!
4ターン目
ゴゴゴゴゴゴォォォ……!KBABABABABABAM!オムラとオナタカミ、2つの巨大な鋼鉄の竜巻が激しくぶつかり合い、爆炎と火花を散らす!オムラの地下秘密工廠はモーターガッタイ改善の放つミサイルの流れ弾により火の海と化す!オムラ社員たちは逃げずに踏みとどまり、必死で社歌を歌う!
5ターン目
『ピガ……ピガッ』だが……モーターガッタイ改善はもはや満身創痍!対するオナタカミのニンジャ3人も激しく消耗し傷つき、サイバネから火花を散らし、血とオイルを流してはいるが……致命的ではない!「「「イイイヤァアアアーーーッ!」」」全身全霊全カラテを振るい、強大な敵に立ち向かう!
SLAAAASH!『ピガーッ!』ナムアミダブツ!モーターガッタイ改善の右膝が破壊され、崩れ落ちる!BLALALALAM!SMASH!『ピガーッ!』ナムアミダブツ!モーターガッタイ改善の左膝が破壊され、崩れ落ちる!「キィィエエエエーーーッ!」デスブレイカーのトビゲリが、巨人の心臓部を貫通!
『SA・YO・NA・RA!』KA-BOOOOOOOM!モーターガッタイ改善は完全に破壊され爆発四散!ナムアミダブツ!インガオホー!
戦闘終了
エピローグ
「「「アバババババーッ!」」」生き残っていたオムラ・エンジニアたちは一斉に昏倒!だが最奥に残る一人、この秘密工廠のチーフ・エンジニアは、必死に制御UNIXのキーボードを叩く!モーターガッタイ改善の戦闘データをどこかへ送信したのち、この施設を自分たちごと爆発させて闇に葬る気だ!
「オムラ……オムラ……V字ッ!回復ッ!イイ!オムラ!オムラ!イイ!オムラ!イイーッ!」狂気!「オムラ!……フー」彼はデスクに両手を突き、うなだれた。モニタに「完了」の文字。「後は任せたぞ、君たち。ガンバロ」KA-BOOOOOOM!UNIX爆発!チーフ・エンジニア爆死!ナムアミダブツ!
それだけではない!秘密工廠のあちこちで爆発!崩落!「「「オームラ!オムラ!オームラ!」」」「「「オームラ!オムラ!オームラ!」」」「「「オームラ!オムラ!オームラ!」」」エンジニアたちの末期の叫びめいたオムラ・チャントは鳴りやまぬ!狂気!『ICカードを回収し、脱出を』
残念ながら、彼らをオナタカミに引き渡すことは不可能だ。オムラへの忠誠心と狂信が強すぎる。しかし、回収したICカードや機密データは役に立ってくれるだろう。オムラ・インダストリのミームは存続する。オナタカミによって!「「「イヤーッ!」」」デッドラットたちは急いで外へと脱出!
BOOOOOOOM!BOOOOOOOOOOM!KABOOOOM!
KRA-TOOOOOOOOOOOOOOM!DOOOOOOOOOOOOOOM!
オムラ秘密工廠が爆発炎上し、地面から火が噴き出す。地上施設が地下へと崩落していく。防衛を突破されたオムラ本社要塞には、オナタカミのニンジャチームや戦闘兵器、暴徒の群れが突入し、各地で戦闘と掠奪が繰り広げられている。『実際危険なミッションでしたが、よくやってくれました』
オナタカミの電子ナビゲーターからの通信。3人は激戦に勝ち残り、生き延びたのだ。『しかし、オムラ本社要塞は宝の山です。まだ多くの機密データが残っているでしょう。弊社が制圧した社内施設へ向かい、スシや医療パック等を補給して回復し、さらなる回収任務に当たってください』「了解」
続く報告によれば、ネブカドネザルが本社要塞上部から出撃した。しかし彼の戦闘能力をもってしても、この反乱と襲撃を全て鎮圧することは難しかろう。オナタカミ本社要塞へ向かったとしても返り討ちだ。社長室はもぬけの殻、モーティマーCEOは行方不明。オメガに伴われて脱出したか。
オムラはすでに死んだも同然。あとは海底に沈んだクジラじみて食い荒らされ、他者の栄養になるだけだ。掠奪の宴は続く……!
【ワッツ・ユアーズ・イズ・マイン】終わり
リザルトな