忍殺TRPGリプレイ【トゥインクリング・アッシュ】01
ドーモ、三宅つのです。これはゴルダ=アルカトラス=サンのソロシナリオ案「騒音トラブルを解決せよ」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意下さい。
自宅の隣の騒音トラブルを解決する、私的なミッションです。成長の壁を突破していないソウカイヤかストリートのサンシタニンジャ、もしくはモータルでの挑戦が可能です。ソウカイヤで行けそうなのは…いました。
◆マインドシーカー(種別:ニンジャ)
カラテ 2 体力 2
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 2>5 脚力 2>3/N
ジツ 1 万札 24>0
DKK 0 名声 3
攻撃/射撃/機先/電脳 2/ 5/ 7/ 8
回避/精密/側転/発動 6/ 5/ 5/ 7
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
◆トロ粉末
◆ZBRアドレナリン注射器
◇ジツやスキル
☆カナシバリ・ジツLV1
◉kill-9
◉知識:ハッカーの流儀、ドラッグ、オイランドロイド、
犯罪、現代的アート(音楽) 記憶
○生い立ち:元ハッカーカルト
能力値合計:12>15
申し分のないサンシタですね。では、始めます。少々改変します。
◆◆◆
序
『アーーーーーーーッ! 蟻!蟻!蟻!俺達は!蟻!蟻が!象を!殺す!』
ネオサイタマ某所、ウシミツ・アワー。オンボロアパートの一室から、突如凄まじい轟音が放たれた!『象を噛む蟻!アンタイセーーーーーイ!』「ウルッセーゾコラー!」「ついに発狂したのかコラー!」「死ねコラー!マッポ呼ぶぞコラー!」たちまちアパート住民や近隣住民から罵声!だが!
『アーーーーーーーッ! 蟻!蟻!蟻!お前らは!蟻!』ZZOOOOOOM!
「「「アバーッ!」」」ナムアミダブツ!再び轟音がほとばしるや、住民たちは目・鼻・耳・口から血を噴き出して昏倒!意識不明!『アン・タイ・セェーーーイ!』絶叫とともにドアを蹴り開けて廊下に飛び出したのは、死神めいたドクロのマスクを装着し、異様な形状のベースギターを構えた男!
『アーーーーーーッ! 俺は死神!俺は死神! 俺は……ニンジャ!』
「アイエエエ!?ニンジャ!?」廊下に甲高い悲鳴が響いた。小柄で華奢なその姿は少女か、あるいは女装趣味の少年か。『そおうだあああああああ!俺はああああああ!ニンジャ!ニンジャ!ニンジャあああああああああ!』なんたる騒音!「ヒィーッ!」小柄な少女ないし少年は涙目で耳を塞ぐ!
だが……ニンジャであれば、別のニンジャに出会った時はアイサツしなければならない。ニンジャの掟だ。「ど、ドーモ!マインドシーカーです!」小柄な少女ないし少年は必死でアイサツした。非力ながらニンジャなのだ。そして、ニンジャにアイサツされれば、アイサツを返さねばならない!
彼は……少し考え、アイサツした。『ドーモォォ!俺はァ!今からァァ!シュライエン(叫ぶ)だァァァァ!』ギャィィィン!ベースが鳴り響く!
ケ二チロ・シミヤ=サン、おまえはニンジャになった
◆ニンジャネーム:クレイジートゥース
【カラテ】6【ニューロン】2【ワザマエ】1【ジツ】1(カナシバリ・ジツLv1)
【体力】6【精神力】2【脚力】3【回避】6 【交渉】1【名声】1【万札】0【DKK】0
生い立ちは『○元ヒキャク・パルクール』。知識スキルは『◉知識:危険生物』。
初期装備は『トロ粉末』。初期サイバネは『生体LAN端子(ローンあり)』だ。
背景タイプ『心酔や従順』
◆シュライエン(種別:ニンジャ)
カラテ 10 体力 11
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 3 脚力 5/N
ジツ 3 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 11/ 4/ 5/ 6
回避/精密/側転/発動 10/ 3/ 3/ 8
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
◆アンタイセイ・ベース(チェーンソー扱い)
ダメージ2、攻撃H、側転難易度+2 集中時のみ出目65+で殺伐発生
◆トロ粉末
◇ジツやスキル
☆コダマ・ジツLV3:手番攻撃時に精神力1消費し発動(N)
術者を中心とする5×5マス以内の全員に2ダメージ、回避H、貫通1
◉滅多斬り:回避ダイス2個消費し連続攻撃2(固定)、殺伐なし
回避ダイス4個消費すると次の手番開始まで不覚状態となるが連続攻撃+1 殺伐なし
◉ニンジャソウルの闇:体力・攻撃・射撃・発動+1
●連続攻撃2
◉知識:現代的アート(音楽) 記憶
○生い立ち:アンタイセイ・パンクス(ABBM読み替え)
◇憑依直後暴走状態
能力値合計:23
???
彼は……彼が出て来た部屋に住んでいたのは、インディーズ・アンタイセイ・パンクバンド『赤き拳』のヴォーカル兼ベースであった男『ケニチロ・シミヤ』。マインドシーカーは思い出した。つい先日、ハイデッカーによるアンタイセイ者の一斉摘発から逃れ、このアパートに転がり込んできた。
マインドシーカーの羽織る透明な強化PVCジャケットには、マニアックな音楽ユニットや電子部品メーカーのロゴが散りばめられ、ブードゥーめいて着用者の精神を守っている。その中に『赤き拳』のロゴはないが、それなりにリスペクトしていたつもりだった。その彼が、突然ニンジャ化したのだ!
『カチグミ共が俺達の居場所を奪う!カチグミ共が俺達の居場所を奪う!奴らは象で俺達は蟻!俺達は!意にも介されず!ただただ踏み潰されるだけの存在!だが蟻とて!ただ踏み潰されるだけでは終わらない!団結して象を噛み!毒を流し込んでやれ!俺達の怒りという毒を!怒りという毒を!』
ドアを内側から蹴り開けられたケニチロの部屋からは、『赤き拳』のデビュー曲『カチグミ共は象』が爆音で鳴り響く。「アンタイセイ」とは伝説的マチヤッコ・パンク・バンド『アベ一休』を発祥とする造語だが、広まるにつれて変質して受け取られ、アナキストやマケグミの合言葉にもなった。
ケニチロら『赤き拳』の歌は、アナキスト集団『イッキ・ウチコワシ』にもてはやされていた。マッポやハイデッカーに目をつけられても不思議はない。追い詰められた彼は絶望の末に……こうなった、というわけだろう。マインドシーカーは状況判断する。逃げるべきか、それとも勧誘すべきか?
マインドシーカーは、こう見えて泣く子も黙る暗黒組織『ソウカイ・シンジケート/ソウカイヤ』の末端エージェントで、電脳部門に所属しているハッカーだ。非力ながら常人よりは強い。そしてソウカイヤの構成員は、野良ニンジャを発見したら可能な限り勧誘して仲間にするよう命じられている。
もし彼がソウカイヤに敵対する組織、イッキ・ウチコワシなどに勧誘されれば問題だ。「あ、あの……シュライエン=サン。ここで出会ったのも何かのご縁だと思うんです。一緒に来てくれませんか?」マインドシーカーは目をうるませ、上目遣いで媚びるように申し出る。なんたる可愛らしさか。
『ア!?どこへ!?』シュライエンは威圧的に叫ぶ。「あ、あの、私は、ソウカイ・シンジケートに所属していまして」『ア!?カチグミ!?』「え、ええと、あなたも働き次第でカチグミになれますよ。いい職場で」『ファック・ノー!アンタイセイ!俺は!俺は!俺は就職しない!』ナムサン!
シュライエンはベースギターを構えた!『職場があるだと?カチグミめ!そこで倒れているやつらのように、貴様の脳ミソをシェイクしてから、このベースギターでたたっ斬ってやるゥゥゥゥ!』GYYYYWWWMMM!恐るべき殺人音楽が鳴り響き、大気を激しく引き裂く!一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
「お、オタッシャデー!」マインドシーカーは涙目で連続側転を放ち飛び離れる!だがシュライエンは猛然と駆け寄る!「アイエエエ!き、kill-9 U!」ZZTZZT!シュライエンの生体LAN端子めがけ遠隔ハッキング!『無駄だァァーッ!』ポートを閉じて回避!『コダマ・ジツゥゥ!』ZGYYYYWWMMM!
「アイエエエ!」マインドシーカーは必死で躱す!一撃でも食らえばオシマイだ!「kill-9 U!」ZZTZZT!『無駄ァーッ!』遠隔ハッキングは通じぬ!シュライエンは追いすがりながらベースギターを掻き鳴らす!『俺の歌を!聴けェェェ!』ZGYYYWWWMMM!「い、イヤーッ!」必死で側転回避!
2ターン目
「イヤーッ!」『イヤーッ!』「イヤーッ!」『イヤーッ!』マインドシーカーは涙目で逃げ回りながら、IRC通信で電脳部門へ連絡!救援を要請せんとす!だがシュライエンのコダマ・ジツは周囲のエテルをかき乱し、磁気嵐を起こして通信を妨害する!なんたる恐るべきジツか!しかも脚がハヤイ!
とはいえ大きな武器を持つため、身軽なマインドシーカーよりは動きは遅い。少しずつ距離は開きつつある。せめてこのまま逃げ切れば!『逃がすかーァァ!イヤーッ!』ナムサン!シュライエンは雄叫びをあげながら跳躍!マインドシーカーの頭上からベースギターを振り下ろす!「アイエエエ!」
どくん……マインドシーカーは死の恐怖に怯え、アドレナリンを過剰分泌させる。脳内でソーマト・リコールが展開し、生き残るための方策を今までの記憶から必死で検索!全てが泥めいてゆっくり動き、死神の大鎌の軌道が……視えた!「イヤーッ!」サマーソルトキックめいた迎撃のキック!
『イヤーッ!』ガキィン!シュライエンはベースギターでこれを防ぐ!しかし彼はニンジャソウル憑依直後で暴走状態にあり、少なくともカラテではマインドシーカーに勝ち目はない。カナシバリ・ジツでニューロンを焼き切ることもできるが、果たしてうまく決まってくれるか……『AARGHHHH!』
戦闘継続
【続く】
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