忍殺TRPGリプレイ【チャクラ・ディスティニー】04
前回のあらすじ:中国地方の山岳地帯、長野県。ここに、オーガニック・ソバを生産するブディズム系カルト教団の根城「ソード・オブ・アスラ・テンプル」がある。このテンプルからザイバツへのソバ納入が滞っているとの連絡を受け、三人のニンジャチームが派遣された!カラダニキヲツケテネ!
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「「イヤーッ!」」ゴールデンクイーンはカラテミサイルを伴いながらトビゲリ!シルバーナイトは壁を蹴って二頭へトビゲリ!KRAAAASH!「「「アババババーッ!」」」三頭のヘラジカヤクザは即死!ナムアミダブツ!
『『『ワメッコラー仏敵!』』』だが管制塔入口にはさらなる増援が到着!「面倒じゃな。さっさと進もう」「……待って」ゴールデンクイーンが耳を澄ます。「こっちの奥から、声がするわ。苦しそうな……」「助けに行く気か?」シルバーナイトは眉根を寄せた。「恩を着せておくだけよ」
ゴールデンクイーンはキョート人らしく建前を述べた。他の二人は顔を合わせて頷く。「わかった。急ぐぞ」三人は廊下を駆け抜け、奥の部屋へ!
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「「「イヤーッ!」」」三人は追手から逃げつつ、苦しげな声の漏れ聞こえる奥の部屋へ突入した。そこには数人の奴隷ニンジャが鎖に繋がれ、巨大な奴隷労働バーを回し続けている。中央には巨大なミル・ストーン(回転式の石臼)があり、上から注ぎ込まれるソバの実を挽いて粉にしているのだ。
「アイエエエ……ナムアミダ・ブッダ……」「サンゲ・サンゲ・ロッコン・ショージョー……」奴隷ニンジャたちは口々にマントラを唱えながら、一心不乱に奴隷労働バーを動かしている。なんたる……なんたるニンジャ性への冒涜!「こやつらを全員解放するのか?」「……ええ。戦力になるわ」
ゴールデンクイーンは頷き、彼らに呼びかける!「みんな!デヴォーティタン=サンは倒したわ!貴方達は自由よ!」「「「アバー……?」」」奴隷ニンジャたちはうつろな目を向けただけだ。戦う気力も奪われている……!「アイエエエ……どこのどなたか存じませんが……」一人、反応した。
サムエを着せられ、頭を剃り上げられているが、女ニンジャだ。「助けて下さい。私は……テンピデッドと申します……」「ドーモ、テンピデッド=サン。ゴールデンクイーンです」「シルバーナイトです」「エッジビショップです」アイサツを返す。ニンジャネームを上書きされていないようだ。
◆テンピデッド(種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 3 精神力 4>0
ワザマエ 4 脚力 3/E
ジツ 1 万札 0
攻撃/射撃/機先/電脳 4/ 4/ 3/ 3
回避/精密/側転/発動 4/ 4/ 4/ 4
即応ダイス:0 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆ヴードゥー:精神力+1
◇ジツやスキル
☆ヘンゲヨーカイ・ジツLV1
◉常人の三倍の脚力
能力値合計:13
三人は彼女の足枷を外した。足首は痛々しく擦り切れ、サムエは薄汚れている。「ブッダスレイヴ、ではないのだな。では」「ハイ……ここに調査のため潜入して、囚えられ……このザマです」「ザイバツのニンジャかしら」「いえ、違います」「傭兵か、ソウカイヤかのう」「依頼主は言えません」
研修を受けたものの、自我は保っているようだ。「他のニンジャたちも解放しましょう」「ハイ」四人は手分けして奴隷ニンジャを解放するが、腑抜けのように座り込んだだけだ。「戦力になりそうなのは、テンピデッド=サンだけか。疲労もしていようし、無茶はさせられんな」「スミマセン……」
テンピデッドは頭を下げた。「いいのよ。ところでスシとかないかしら」「確か、あっちにデヴォーティタン=サンの控室が」「よし」追手はここまでは追跡して来ないようだ。今のうちに少し休むとしよう。
???
「……よし、と。じゃあ、私たちは管制塔の上層部へカチコミをかけるわ。テンピデッド=サン、あなたはここのニンジャたちを連れて脱出しなさい」「アッハイ」テンピデッドは震えた。そして、ぽつりとつぶやく。「に、ニンジャは、罪……なのでしょうか。確かに、悪いこともしますが……」
エッジビショップは頭を掻いた。「ニンジャに限らず、あらゆる存在は、それぞれのカルマを背負っておるわ。モータルでもヤクザとか悪党は掃いて捨てるほどおろう」「は、ハイ」「……わしは、少なくとも罪や悪ではないと思うておる。ただの『力』じゃ。それをどう使うかは、自分次第よ」
ザイバツ・シャドーギルドの教義では、ニンジャは選ばれた存在であり、格差社会の上層部にいて、モータルを奴隷として支配すべきものだ。だが、スラム育ちの破戒僧、エッジビショップはやや違う。彼は様々な社会や地域を巡り歩き、人々と出会った末に、自分なりの答えを出していたのだ。
彼は善良というわけでもない。殺しもすれば盗みもし、肉食も飲酒も拒まぬ破戒僧だ。ザイバツに従い、ソウカイヤに降り、ヌケニンしてザイバツに復帰したのも、己が生き残りたいからに過ぎぬ。だが……「まあ、これもわしの狭い了見じゃ。どうしたいかは自分で決めればよかろう」「ハイ」
テンピデッドの瞳に光が戻った。適切なインストラクションによりエゴが強化され、研修が解けたのだ。「アリガトゴザイマシタ」「オタッシャデ」一行は奥ゆかしくオジギし、奴隷労働部屋を後にした。
???
ゴーン……ゴーン……管制塔の上層部からは、荘厳な鐘が鳴り響いている。『サンゲ・サンゲ・ロッコン・ショージョー……』謎めいた催眠マントラがスピーカーから四方に放たれ、聴く者をニルヴァーナじみた境地へと誘う。三人は耳を傾けることなく、しめやかにブッダ・タワーを駆け上る!
最上階には「ブッダホール」とショドーされた扉があり、左右に押し開かれている。両脇にはヘラジカヤクザとブッダスレイヴが各二体ずつ、ガーディアン・ブッダデーモンのごとく控え、正面にはオブツダンめいた黄金装飾を施されたヘヴィモーターヤブが一体。その上に、ニンジャが坐している。
ボンズ装束のニンジャはザゼン姿勢のまま合掌し、アイサツした。「ドーモ。拙僧はカイリク……またの名を、エタニティゴルドと申します」
◆エタニティゴルド(種別:ニンジャ)
カラテ 11 体力 14
ニューロン 8 精神力 15
ワザマエ 11 脚力 6/N
ジツ 5 万札 30
攻撃/射撃/機先/電脳 14/14/ 8/ 8
回避/精密/側転/発動 11/14/11/16
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆伝統的礼装:精神力・ジツ発動・交渉判定+1
◆ブードゥー:精神力+1
◇装備や特記事項
☆コンゴウ・ニンジャクラン、ジツLV5
☆ムテキ・アティチュードLV3
☆◉瞬時の解除
☆◉死の万力:素手時に近接拘束攻撃 連続攻撃上限2、殺伐・痛打なし、脱出H
拘束時にムテキ発動すると脱出難易度UHに
☆◉走り抜ける刃:ムテキ・ウェポン発動時に側転した際、轢殺1
ただしこの側転による回避ダイスを獲得できない
☆◉バリケード化:手番終了フェイズにムテキを瞬時発動し、
術者と隣接した味方1体に射撃ダメージ軽減1と回避ダイス2を与える
術者の次の手番が来るか、ムテキを解除するか、対象が隣接状態でなくなるかすると、
この効果はただちに失われる
★ムテキ・ウェポン:手番開始時に精神力1消費し瞬時発動(N)
戦闘中は素手時に近接攻撃+1、無属性ダメージボーナス+1
集中時のみ出目65で殺伐発生
◉◉グレーター級ソウルの力:ニューロン+ジツで精神力換算
★ムテキ・メイル:術者が回避可能かつ隣接する味方が回避を強いられた時、
精神力1消費し瞬時発動(N) 1ターンに1回まで
術者はムテキLV1を発動して味方をかばい、ダメージを肩代わりする
範囲攻撃の場合、最も強いダメージのみを食らう
出目666でムテキLV2、6666でLV3を発動
◉ニンジャソウルの闇(3):攻撃・射撃・ジツ発動判定+3
◉狂気:聖人、メガロ妄想、謎めいた儀式
◉挑発
●連続攻撃2、連射2、時間差、マルチターゲット
能力値合計:40
◆黄金ヘヴィモーターヤブ(種別:戦闘兵器)
カラテ 6 体力 6/-1
ニューロン 3 精神力 -
ワザマエ 6 脚力 2
ジツ - 万札 6
攻撃/射撃/機先/電脳 6/ 6/ 3/ 3
◇装備や特記事項
●火炎放射器アーム:連射2、カトンLV1(3×3)、時間差、マルチターゲット
●ダメージ軽減1
能力値合計:15
「ドーモ、エタニティゴルド=サン。ザイバツ・シャドーギルドのゴールデンクイーンです」「シルバーナイトです」「エッジビショップです」三人は鄭重にアイサツを返す。「話はデヴォーティタン=サンに聞いてだいたいわかったわ。速やかにドゲザして謝罪し、ソバをザイバツに再び納めなさい」
ゴールデンクイーンは挑発的に手招きした。少々ミニオンは多いが、三人でかかれば……「断ります。ニンジャとは罪悪。それを償わぬ限り、ソバを納めるわけには参りませぬ」エタニティゴルドは穏やかな口調で告げた。「その教義がわからないわね。あんたもニンジャでしょ」「贖罪中ゆえ」
エッジビショップは鼻を鳴らした。「ロード・オブ・ザイバツにここにお出ましになって、ブッダに帰依せよというのか」「その通り。ザイバツが我らの外護者となられればよい」「断固断る」シルバーナイトが断言した。「貴様がカイリク=サンなら、ドンチ大僧正はどうした」「拙僧の背後に」
エタニティゴルドは、背後の強化バンブー防弾フスマを示した。「この事は大僧正もお認めになられた。文句があれば押し通り、ジキソなされい!」「モンドムヨーのようじゃな」エッジビショップはマニ車メイスを、シルバーナイトはジュー・ジツを構えた。……大気にカラテが満ちる!一触即発!
その時だ!「Wasshoi!」KRAAAASH!西側の窓を蹴破って女ニンジャ・テンピデッドが突入!アンブッシュだ!
戦闘開始
1ターン目
「イヤーッ!」ゴールデンクイーンは西側へ側転しつつカラテミサイルを発射!KBABABABAM!「アバーッ!」ヘラジカヤクザ一頭が即死!「イヤーッ!」だがブッダスレイヴはしゃがみ回避!「ハハハ!多勢に無勢、援軍も到着だ!ブッダの軍門に降りなさい!」エタニティゴルドの全身が発光!
「オーミートーフォー!」BOOOM!エタニティゴルドは黄金の風と化し、瞬時にゴールデンクイーンの懐へ飛び込む!「ンアーッ!」トビゲリを食らいよろめくゴールデンクイーン!だが!「イヤーッ!」「グワーッ!」続く恐るべきカラテ連打を紙一重でブリッジ回避し、迎撃のキックを食らわす!
「キエーッ!」シルバーナイトは状況判断し、壁を蹴って黄金ヘヴィモーターヤブへトビゲリ!KRAASH!『ピガガーッ!』ヤブは強固な装甲を砕かれワイヤーアクションめいて横っ飛び!KRAASH!キモンの壁に突き刺さる!「念彼観音力!」エッジビショップは左のブッダスレイヴへ飛びかかる!
SMAASH!「アバーッ!」サツバツ!マニ車メイスが振り下ろされ、ブッダスレイヴの片腕をへし折った!だがなおも動く!「ちいッ!」その時!
「い、イヤーッ!」テンピデッドは常人の三倍の脚力で北側へ側転し、負傷したブッダスレイヴめがけスリケンを投擲!「アバーッ!」ブッダスレイヴは昏倒!ナムアミダブツ!「うむ!」エッジビショップは笑い、テンピデッドへ向かってサムアップした。彼女はこちらの味方だ!これで四対四!
「「イヤーッ!」」『仏敵焼却!』だがシルバーナイトへブッダスレイヴ、ヘラジカヤクザ、ヘヴィヤブが一斉攻撃!カラテ、蹄、サスマタ、火炎放射が飛ぶ!「……イヤーッ!」「グワーッ!」紙一重で回避しヘラジカヤクザへ迎撃!しかし火炎放射を躱しきれぬ!「グワーッ!」なんたる猛攻か!
「ハハハハハ!我がテンプルは無敵です!ブッダの加護によるものです!」エタニティゴルドは嘲笑う!「悪霊に憑かれた哀れなニンジャたちよ!私が救済して差し上げましょう!」「ブッダファック!」ゴールデンクイーンはブッダをも恐れぬ罵倒とともに唾を吐き捨てた!イクサは加速する!
戦闘継続
【続く】
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