忍殺TRPGリプレイ【ソング・フォー・エクスプローラー】03
前回のあらすじ:ネオサイタマ・キョート戦争の最前線、セキバハラ。その北に聳えるイブキ・マウンテンから、ガイオンめがけて巨大なスリケンが発射された!この作戦を指揮する謎のニンジャ・アシッドウルフは、若き三人のニンジャたちにキョート軍への迎撃を命じる!カラダニキヲツケテネ!
◆
「ちいッ!」ホロシューティングはアンブッシュで馬を失ったものの、無傷で岩場に着地!「ドーモ、ホロシューティングです!」「デッドリーパーです」「サイバーメイヘムです」互いにアイサツ!おお、彼女らの胸元には、これみよがしにクロスカタナ紋のバッジが!「貴様ら、ソウカイヤか!」
「ハハーッ!用心しろと言っただろうが!イヤーッ!」ナギナタのニンジャがサイバー馬で岩場に登り、サイバーメイヘムへ斬りかかる!SLASHSH!「イヤーッ!」回避し迎撃!「ハハーッ!」ガキィン!堅牢なサソリめいた構えで迎撃を弾く!かなりの手練れ!「ドーモ、ドットブレードです!」
「「「「スッゾコラー!」」」」ヤクザ騎兵と歩兵は一斉に北へ移動!遮蔽物を駆け抜けて接近、轢殺や射撃重点だ!ニンジャといえどサンダンウチ・タクティクスを食らえば危険!「数ではまだこちらが上だ!貴様らと、奥に隠れているヤツも倒し、連れ帰ってインタビューしてくれるわ!」
ホロシューティングは二挺拳銃を、ドットブレードはナギナタを油断なく構えた。彼らの胸元には菱形のザイバツ紋!「それはこっちのセリフよ、ザイバツ野郎」「……全員殺す」真のイクサはここからだ!
戦闘継続
5ターン目
BLAMN!「アバーッ!」馬を失ったクローンヤクザ歩兵がドローン射撃で死亡!アースハンドは岩場から岩場へ飛び移り、ヤクザ騎兵へ遠隔ハッキング!「EAT THIS!」ZZTZZT!『「アバーッ!」』ヤクザとサイバー馬のニューロンを焼き切り倒す!「ヌウーッ!」ホロシューティングは状況判断!
彼の脚力ならば、サイバー馬並みの速度で側転移動は可能!ハッカーを先に見つけ、仕留めるべし!「イヤーッ!」岩場へ飛び込みアースハンドを発見!「見つけたぞ!食らえい!」BLAMBLAMBLAM!オノミチ・カスタム二挺拳銃が火を噴いた!「イヤーッ!」アースハンドは見切って回避!
「ドーモ、ホロシューティングです!」「アースハンドです!」互いにアイサツ!「コソコソと隠れて小細工を!」「いいのか?そんなに突出して?」アースハンドは目を細め、ニヤリと嗤う!「「イヤーッ!」」デッドリーパーとサイバーメイヘムが飛び戻り、ホロシューティングへ襲いかかる!
どくん……ホロシューティングはニンジャアドレナリンを過剰分泌させ、迫り来る攻撃を回避しようとする。彼ほどのタツジンであれば、この程度の攻撃は……だがその時、足元の岩が崩れた!BLAMBLAMBLAM!SMAASH!ZZZTTT!「グワ、アバーッ!?」ナムサン!全ての攻撃がまともに命中!
「ば、バカな……!?」ホロシューティングは血みどろになって倒れ戦闘不能!なんたるウカツ!否、これがニンジャのイクサなのだ!「ホロシューティング=サン!あれほど気をつけろと言っただろうが!」ドットブレードは舌打ちし、カイシャクされる前に相棒を救い出そうと駆け出す!その時!
BOOM!大亀裂谷の彼方から銃弾が飛来!スナイパーだ!狙うは……アースハンド!「グワーッ!?」躱しきれず命中!ステルス・ノイズの加護もあってかすり傷ながら、まともに食らえば相当な威力だ!早めに撤収したいところだが……!「支援はありがてェが、ちょっと遅いぜ!イヤーッ!」
ドットブレードはホロシューティングの近くまで駆けつけるが、岩壁が阻む!救出も庇護も、攻撃も射撃もできぬ!「「スッゾコラー!」」残り二人となったクローンヤクザ騎兵が岩場に駆け登り、アースハンドめがけチャカガンを撃つ!BLAMBLAM!「イヤーッ!」アースハンドは見切って回避!
6ターン目
BLAM!「アバーッ!サヨナラ!」KABOOOM!ホロシューティングがドローン射撃を受け爆発四散!ナムアミダブツ!「チクショウ!」ドットブレードが憤る!しかし新手の狙撃手がこちらを狙っており若干不利!「イヤーッ!」アースハンドはたまらず岩場を飛び出し、岩陰に身を伏せる!
「TAKE THIS!」ZZTZZT!ドットブレードの乗るサイバー馬へ遠隔ハッキングだ!『ギヒヒーン!』命中!しかしドットブレードはカラテで馬を抑え込み落馬せず!「ナメやがって!ホロシューティング=サンのアダウチだ!」彼に宿るサソリ・ニンジャクランのソウルが復讐の炎を燃やす!
「「イヤーッ!」」デッドリーパーとサイバーメイヘムも岩陰に飛び込み、姿見えぬ狙撃手から身を隠す!「イイイ……イイイヤァアアアーーッ!」ドットブレードはサイバー馬を駆けらせ、高い位置からナギナタでアースハンドに斬りかかる!迫りくる蹄と刃!「い、イヤーッ!」紙一重で回避!
「「スッゾコラー!」」BLAMBLAM!ヤクザ騎兵たちが遮蔽物から駆け出て射撃!サイバーサングラスに妨害ノイズが走るが意に介さず!狙うはアースハンドだ!「イヤーッ!」デッドリーパーがアースハンドの手首を掴んで岩陰に引き入れ、位置を入れ替えて守る!「ネズミ袋だ、クソどもめ!」
馬上のドットブレードは高所から谷間めいた岩陰を見下ろし、ナギナタを担いで威圧する。彼を囲んで叩くためには、狙撃手の射線に現れねばならないというわけだ。幸い彼はこちらに気を取られ、スリケンの発射位置へ向かおうとはしていない。ここで確実に始末すべし!大気にカラテがみなぎる!
7ターン目
BLAM!『ギヒヒーン!』ドローン射撃がクローンヤクザ騎兵のサイバー馬に命中!「TAKE THIS!」アースハンドは遠隔ハッキング!ZZTZZT!『アバーッ!』サイバー馬がニューロンを焼き切られ死亡!だが騎手は歩兵化して残る!「EAT THIS!」BLAMBLAM!デッドリーパーが二挺拳銃を撃つ!
「アバーッ!」『ギヒヒーン!』一発がヤクザ歩兵を倒し、もう一発はサイバー馬に命中!「イヤーッ!」サイバーメイヘムは岩陰から飛び出し、ヤクザ騎兵へタイガーめいて襲いかかる!ZZTZZT!『「アバーッ!」』サイバー馬と騎手ヤクザを同時に屠る!ナムアミダブツ!「さあ、来なさい!」
BOOM!スナイパーの銃弾がサイバーメイヘムへ迫る!「イヤーッ!」見切って回避!「ヌウッ!」ドットブレードは状況判断し……アースハンドへ飛びかかる!「キエーッ!」サイバー馬の蹄とナギナタの斬撃!SLASHSH!「グワーッ!」命中!サイバー馬はそのまま駆け抜け離脱せんとす!
8ターン目
「逃がすか!」BLAM!ドローンがドットブレードのサイバー馬を撃つ!『ギヒヒーン!』命中!そこへさらに!「TAKE THIS!」ZZTZZT!監視ドローン越しに遠隔ハッキング攻撃!「ヌウッ!」ドットブレードはとっさに馬のLAN端子穴を塞ぎ防御!「「イヤーッ!」」二人の女ニンジャが動く!
BLAMBLAMBLAM!『ギヒヒアバーッ!』「グワーッ!」デッドリーパーのピストルカラテがサイバー馬にトドメを刺し、ドットブレードを落馬せしめる!「シャアーッ!」サイバーメイヘムはテッコ内蔵パルスダガーを展開し、タイガーめいて襲いかかる!ZZTZZT!「グゥワーッ!」命中!
ドットブレードは砂まみれになり悶絶!無視できぬダメージだ!だがニンジャ耐久力で耐え、立ち上がる!「これで馬はゼロ、三対一ね。アンタをこのまま帰しはしないわ」サイバーメイヘムは目を細める。「しっぽを巻いて逃げてもいいよ。追いついて殺すだけ」デッドリーパーは冷たく告げる。
「ヌウウーッ……!ならばせめてもうひと暴れしてくれるわ!」ドットブレードは死の覚悟を決め、ナギナタを構える!「キエーッ!」SLASHSHSH!デッドリーパーへ刃が迫る!どくん……アドレナリンを過剰分泌し「イヤーッ!」ブリッジ回避!だが狙撃手もいる以上、早めに仕留めねば危険だ!
9ターン目
BLAM!「グワーッ!」ドローン射撃がドットブレードに命中!アースハンドはドローンを目として周囲をスキャンし、地雷を見つけ出した!デッドリーパーとサイバーメイヘムは呼吸を整え、ドットブレードに……攻撃!「「イイイヤァアアアーーッ!」」BLAMBLAMBLAM!ZZZTZZZZT!
どくん……ドットブレードはアドレナリSMAASH!「ゴボッ……!」ナムアミダブツ!ピストルカラテが彼の体勢を崩したところへ、サイバーメイヘムの必殺のパルスダガー突きが心臓を貫通!「アバッ……キョート共和国/美しい/我が祖国よ……」彼は奥ゆかしくハイクを詠んだ。「サヨナラ!」
KABOOOOM!ドットブレードは爆発四散した。BOOMBOOM!直後に狙撃!「イヤーッ!」デッドリーパーはサイバー馬の死体に隠れて回避!「よし!」その時、三人のIRC端末にアシッドウルフからの極秘通信!『作業は完了した。撤収だ』「「「了解!」」」三人は急いで撤収を開始する。
戦闘終了
『日本を守るオムラ社のモーターヤブ!』「「「地雷敷設急げ!」」」一行と入れ替わりに日本側から戦闘兵器と兵士たちが到着し、地雷を射出してバラ撒いていく。キョート側からは散発的に狙撃が続き、兵士たちが数人死んだが、大規模な動きはない。大亀裂谷のこちらは日本側なのだ。
エピローグ
……アシッドウルフに担がれたサイオコールは、巨大スリケン投擲の余波を全身に浴び、相当なダメージを負っていた。アシッドウルフは彼をキルナインに背負わせると、イブキ・マウンテンのキモン(北東)へ一行を向かわせた。そこには険しい山脈が連なり、探索の手は容易には届かない。
その中の洞窟に、小型の自家用ジェット機が隠されていた。一行は急いでそれに乗り込む。デシグネーションがUNIXをハックして操縦する。「我々はこのままネオサイタマへ戻る。対キョート戦争はさておき、オムラとオナタカミはぶつかる。そのように仕組んだ」アシッドウルフは冷酷に告げた。
「お前たちはオムラ側につき、オナタカミ本社要塞への攻撃に加われ」「「「ハイ!」」」三人は頷いた。相当に危険な任務となろう。「オムラとソウカイヤは、当面こっちの味方にしておくのがよい。オナタカミとは手を組ませずにな」ZZZZZGGGGGG……ジェットエンジンが始動し始めた。
『シートベルト着用!』「帰り道も数時間はかかる。しばらく休んでおけ」アシッドウルフはシートに身を委ね、目を閉じた。一行もそれに従う。
◆
……その頃。遠く離れた空の上で。
『010101010101……ピガッ』旧世紀の軍事衛星が、制御UNIXを起動させた。遠隔ハッキングを受けたのだ。周囲にはピラミッド型の小型衛星が四つ漂っており、そこから電波が出ている。これはイブキ・マウンテンからサイオコールが射出した巨大スリケンから分離したものだ。あれは、何なのか?
単なる超遠距離狙撃用兵器ではない。ロケット推進力とニンジャのカラテにより、宇宙空間の衛星軌道上までビーコンを到達させるための秘密兵器。名付けてASATS(アンタイ・サテライト・スリケン)、すなわち対衛星スリケンである!サイオコール、そしてアシッドウルフの真の目的とは……?
【ソング・フォー・エクスプローラー】終わり
リザルトな