忍殺TRPGリプレイ【オーバーライド・ア・ファンクション】03
前回のあらすじ:ウットコ建設のサラリマンが路上でカツアゲを受け、オムラ・インダストリから預かった機密フロッピーを奪われた。オムラは提携関係にあるソウカイ・シンジケートに奪還を依頼し、駆け出しのニンジャチームが派遣された。裏にいたのはハッカーだ!フロッピーを取り戻せ!
◆
ターン!部屋の入口のフスマが勢いよく開け放たれた!「ドーモ、我々はソウカイ・シンジケートです。オムラ社のフロッピーを返してもらうわ!」サイコダガーが代表アイサツ!「アイエエエ!?」不測の事態にヒロシは取り乱した!ソウカイヤがこんなにも早く、ここを嗅ぎつけるとは!
「フアト=サンに全部聞いたぜ。観念しな!」キツネビとデッドローニンも部屋に乗り込む。小柄な人影はソウカイニンジャたちに向き直り、アイサツを繰り出した。ニンジャだ!「……ドーモ、スターチェイサーです」
「お引取り願おうか!」屈強なトンファー傭兵たちがヒロシ・ヤスオをかばい、たちはだかる。プロテクト解除まで少しでも時間稼ぎをせねば!
「こ、こいつらを叩き出せ!」ヒロシ・ヤスオはクレーン装置で部屋の隅に逃げながら金切り声で指示を飛ばす!「「「ヨロコンデー!」」」傭兵たちはトンファーを構えた!一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
マップ
1ターン目
「アハー!アハー!」ヒロシは異形の甲殻類めいたクレーン装置で身を守りつつ、UNIX椅子に備え付けられた護身用ミニガンをブラインドタッチで動かす!BRTTTTT!『イヤーッ!』デッドローニンは見切って回避!だがヒロシは周囲の監視カメラとリンクし、味方とナビ情報を共有して支援する!
「イヤーッ!」サイコダガーは跳躍し、ヒロシめがけて青白く光るクナイを連射!PASHSHSH!KABOOM!「グワーッ!」命中!否、クレーン装置で身を守った!『イヤーッ!』デッドローニンも跳躍し、ヒロシめがけて斬りかかる!「イヤーッ!」キィィン!スターチェイサーが二刀でかばう!
「スキアリ!イヤーッ!」キツネビが動く!カトンを叩き込めばフロッピーもアブナイ!ここはカラテだ!SMASH!「グワーッ!」クレーン装置がトビゲリを食らい火花を散らす!「オノレ!イヤーッ!」スターチェイサーはキツネビへ二刀流で斬りかかる!SLASHSH!「イヤーッ!」見切って迎撃!
「ウオーッ!」傭兵のリーダー・モチナガはキツネビへ駆け寄り攻撃!そのトンファー捌きを見れば分かる通り、彼はかなりのカラテ高段者だ!「イヤーッ!」見切って回避!「ウオーッ!」もう一人の傭兵はサイコダガーへ駆け寄りトンファーで攻撃!こちらはさほどでもない!「イヤーッ!」回避!
「「ウオオーッ!」」残る傭兵たちのうち、一人はトンファーでデッドローニンへ殴りかかり、もう一人は駆け寄りながらチャカガンを撃つ!恐るべき殺人コンビネーションだ!並大抵のヤクザなら即死は必至!だが!『イヤーッ!』デッドローニンはサイバネアイで見切って回避!ニンジャだからだ!
2ターン目
「アハー!アハー!アイエエエ!」ヒロシは必死で身を守りつつ高速タイピングを行う!ウイーン……アジトの床が割れてせり上がり、クローンヤクザが1体出現した!「ドーモ。今から侵入者に対処します」クローンヤクザはオジギした。サイバーサングラスには『侵入者を銃で撃つ』の文字!
「イヤーッ!」サイコダガーは跳躍して距離を取りクナイを連射!「アバーッ!」クローンヤクザが即死!「グワーッ!」スターチェイサーはヒロシをかばい負傷!『キエーッ!』デッドローニンがヒロシへ斬りかかる!「アハー!アハー!」ガキィン!クレーン装置が瞬時に反応し防御!ワザマエ!
「スキアリ!イヤーッ!」キツネビはヒロシへトビゲリ!「アハー!」ヒロシは必死で高速タイピングし、クレーン装置で反撃!「イヤーッ!」側転回避!「チッ、ちょっとめんどくせえな!」ヒロシを昏倒させればハッキングは止められるが、クレーン装置やニンジャ、傭兵たちが邪魔だ!
「「イヤーッ!」」スターチェイサーとモチナガはキツネビへ駆け寄り攻撃!さらにトンファー傭兵も殴りかかる!「「ウオーッ!」」SMASH!「グワーッ!」キツネビがトンファーを食らい負傷!「死ねーッ!」BLAM!サイコダガーへ銃弾が飛ぶ!「イヤーッ!」ブリッジ回避!なんたる乱戦!
3ターン目
「アハー!アハー!」ヒロシは高速タイピングを行い、サイコダガーめがけミニガン発射!BRTTTT!「イヤーッ!」サイコダガーは見切って回避し、側転しながらクナイをばらまく!狙うはヒロシ!「イヤーッ!」スターチェイサーがかばう!だがクナイは異様な軌道を描き、防御をすり抜ける!
SMASH!KABOOOM!「グワ……アバーッ!」ウカツ!スターチェイサーはクナイをまともに食らい、仰向けに倒れ戦闘不能!『好機!イヤーッ!』「イヤーッ!」デッドローニンとキツネビは跳躍して包囲を飛び越え、ヒロシへミネウチ攻撃!SLASH!「グワーッ!」モチナガが防御するが負傷!
「ウオオーッ!」モチナガは怒り狂い、キツネビへトンファー連続攻撃!彼はニンジャではないが相当の高段者だ!SMASH!「グワーッ!」命中!ウカツ!「「ウオーッ!」」傭兵2人が囲んで殴る!『イヤーッ!』デッドローニンがかばう!「死ねーッ!」サイコダガーへ別の傭兵が殴りかかる!
「しつこいね!イヤーッ!」SMASH!「グワーッ!」迎撃のキックを食らい傭兵がのけぞる!サイコダガーは呼吸を整える。スターチェイサーとかいうサンシタにはインタビューする必要がある。カイシャクはあとだ!
4ターン目
「アハー!アハー!」ヒロシはクレーン装置で必死に逃げつつミニガンでキツネビを狙う!BTTTTTT!「イヤーッ!」側転回避!「イイイ……イイイヤァアアアーーーッ!」サイコダガーは渾身のカラテを込め、流星めいたトビゲリを繰り出す!「ウオーッ!」モチナガがトンファーをかざしてかばう!
SMAAASH!「グワ、アバーッ!」ナムアミダブツ!青白い光を纏ったトビゲリはトンファー防御を打ち砕き、モチナガを弾き飛ばす!KRAAASH!「アバーッ!」上半身が壁に突き刺さり活動停止!昏倒!「アイエエエ!」ヒロシは高速タイピングを継続しながら泣き叫ぶ!相手はニンジャ3人組!
『キリステ・ゴーメン』デッドローニンはカタナを振り上げ、ヒロシを守るクレーン装置を叩き切る!SLAASH!「アバーッ!」ヒロシは床に投げ出され昏倒!マザーUNIXとフロッピーは……無事だ!「よし!ボスは倒したぜ!まだやるか傭兵ども!」キツネビはフロッピーを回収し威嚇する!
「「「オミソレ・シマシタ」」」傭兵たちはハンズアップしドゲザ!強い者には従うのが裏社会で生き残るための流儀だ。「これにて一件落着!」キツネビは芝居じみて見得を切る。デッドローニンとサイコダガーは、ヒロシとスターチェイサーをそれぞれ捕縛する。「壁の傭兵も回収して」「了解!」
現在のソウカイヤの鉄則は『人材活かすべし』だ。手足や眼球をケジメしようが、サイバネ化すれば問題ない。首と胴体を繋げたまま持ち帰れば、情報源や戦力として再利用し、活用できる。ニンジャもモータルも人は資源、有効活用するに越したことはない。フアトもすでに回収班が回収済みだ。
戦闘終了
エピローグ
『ドーモ、オツカレサマデシタ』モニタ越しにマインドシーカーがオジギした。ここは現場に駆けつけた家紋リムジンタクシーの中だ。一同は捕虜を別の回収トラックに載せ、スシを食べながら99マイルズ・ベイの仮本部まで移動する。『今回は捕虜も大漁でしたね。これなら査定も上がりますよ!』
「それはチョージョー」サイコダガーはトロ・スシをつまみ、ニューロンの疲れを癒やす。『裏はどうせオナタカミだろうが、詳しいインタビューは専門家に任せよう』「そッスね」デッドローニンとキツネビも奥ゆかしくスシを食べ、チャを飲んでいる。幸いにもこれは経費だ。味わわねばなるまい。
……窓の外には、蛍光緑色の01と「罪罰」の黒い文字が、重金属酸性雨に混じって飛び交っている。雲の上には黒い渦が在り、地上に謎めいた威圧感を与えている。それはカスミガセキ・ジグラットに近づくほど強まり、離れるほど弱まる。異変は終わっていない。仮初めに蓋がされただけなのだ。
【オーバーライド・ア・ファンクション】終わり
リザルトな