忍殺TRPGリプレイ【ブレイヴ・バーン!】02
前回のあらすじ:ネオサイタマ、オハヤシ・ストリートで多発する謎の銃殺事件を解決するため、ソウカイ・シンジケートは手練れのニンジャチームを派遣した。彼らの潜入調査により、下手人は狂ったニンジャ・ホライズンボージンと判明する。囲んで殴って打ち倒せ!カラダニキヲツケテネ!
◆
サイドスピアとストローマンは、ニンジャアトモスフィアの接近を察知した。遅れてハイパーボンバーも。3人は物陰に身を潜め、接近してくる気配を観察する。足音は……2つ。『……感じるぞ、チメヨ=サン。異なる次元からの来訪者の邪悪な気配を……!』『ハイ、ホライズンボージン=サン』
チメヨと呼ばれた女からは、ニンジャアトモスフィアは感じない。だが巨大なガトリングガンを軽々と背負っているところを見ると、重サイバネないし違法改造オイランドロイドであろうか。そして……ホライズンボージンと呼ばれた方は、明らかにニンジャだ。しかも危険な重サイバネでもある。
こちらはニンジャが3人だが、油断はならない。他の2人はともかくサイドスピアは、カラテやワザマエは比較的未熟なのだ。スシを確保しており、ある程度はダメージを受けても大丈夫だが、後方でサポートに徹するのが上策か。サイドスピアは油断なく状況判断し、アンブッシュの機会をうかがう!
戦闘開始
マップ
1ターン目
「イイイヤァアアアーーーッ!」サイドスピアは常人の三倍の脚力で壁を蹴ってトライアングル・リープ!色付きの風と化し、比較的弱敵であろうチメヨめがけてヤリめいたキックを繰り出す!SMAASH!『ピガーッ!』命中!チメヨは壁に叩きつけられる!一撃必殺とはいかなかったが実際重傷!
サイドスピアは華麗に着地しつつ、チメヨとホライズンボージンのサイバネアイに遠隔ハッキングを行い、ステルス・ノイズを流す。霞めいた01が2人の視界にちらつき、軌道計算を乱れさせ、正確なエイミングを邪魔する。これがハッカーニンジャの戦法だ!後は増援が来るまで回避あるのみ!
『チメヨ=サン!オノレ、邪悪なる異次元からの侵略者め!正義の銃弾を食らうがいい!』ホライズンボージンは油断なく後退し、チメヨをかばいながら銃口を向ける!ミハル・スナイパーカスタム!タツジン・ロングバレルと電磁誘導バレルつきの凶悪な狙撃銃だ!『死ね!』BLAMN!ZZZZZTTT!
「イヤーッ!」サイドスピアは冷静に弾道を見切って回避!当たればニンジャでも重傷は必至だが、当たらねば問題ない!「ドーモ、ホライズンボージン=サン。俺はソウカイ・シンジケートのニンジャ、サイドスピアです!」彼は威圧的にアイサツを繰り出した。アイサツをされれば返さねばならぬ!
『チッ……ドーモ、ホライズンボージンです!』『ピガ……私はチメヨです』2人はアイサツを返した。「テメエはタイガーの尾を踏んだってわけだ、アワレなサイコ野郎め!」『よくも私のパートナーであるチメヨ=サンを傷つけてくれたな、次元渡りのエイリアンめ!ジゴクへ送り返してくれるわ!』
その時!「「イイイヤァアアアーーーッ!」」ストローマンとハイパーボンバーがアンブッシュ!常人の三倍の脚力で飛びかかり、チメヨへコッポ・カラテとスリケンを放つ!『ウオオオーッ!』『ピガーッ!』両者は互いにかばい合い、手練れニンジャらの猛攻を防ぐ!防ぐ!だが無傷とはいかぬ!
「ドーモ、ストローマンです。いいオイランドロイドを連れていますねェ。ぜひとも破壊してそのパーツを私の肉体に組み込みたい……あなたの心のイタミを感じたいのです」ストローマンはクネクネとアイサツした。彼の狂気はホライズンボージンに勝るとも劣らぬ!「……ハイパーボンバーです」
もう1人もアイサツした。彼とサイドスピアは下劣なヤクザではあるが、比較的マシな精神性を持っている。「テメエらのアイサツは聞いたからいいとするぜ。多勢に無勢、さっさとハンズアップして逮捕されな」『断固として断る。私は貴様ら異次元存在を狩る使命を帯びた防人だ』
ホライズンボージンはそう告げると、マシンガンの銃口をハイパーボンバーに向けた。チメヨもほぼ同時にガトリングガンの銃口を向ける!『『ホノオ!』』BRTTTTTTTTTT!「うおおおッ!?」銃弾の雨が迫る!「い、イヤーッ!」紙一重でジャンプ回避!ワザマエ!「クソ、かなりやべえぞ!」
「でもこれで3対2ですし、ニンジャだけなら3対1。圧倒的有利ですね」ストローマンはクネクネと笑う。「どうかその攻撃は私に向けて下さい。ぜひともイタミを味わいたいのです!」狂気!『邪悪な異次元存在め!貴様らの思い通りにはさせぬぞ!』狂気!『ガガピー……敵を全部排除します』狂気!
2ターン目
「kill-9 U!」ZZTZZTZZT!サイドスピアは遠隔ハッキング攻撃!ホライズンボージンは無防備なチメヨをかばう!『グワーッ!』命中!『お返しだ異次元存在め!ホノオ!』BLAMN!ZZTT!強力な狙撃弾が迫る!狙うは股間!「イイイヤァアアアーーーッ!」紙一重で見切って回避!ワザマエ!
「「イイイヤァアアアーーーッ!」」ストローマンとハイパーボンバーがチメヨへ駆け寄り一斉攻撃!チメヨは必死でホライズンボージンをかばう!SMAAASH!KRAASH!『ピガ……ガガピガガガーッ!』凶悪な猛攻を浴びたチメヨが砕け散る!『SA・YO・NA・RA!』KABOOOOM!爆発四散!
『チメヨ=サン!アアアアーーーッ!』ホライズンボージンは絶叫!『許さない!許さないぞ悪党ども!アダウチあるのみだ!死ねーッ!』血涙を流しながら包囲を飛び越え、ハイパーボンバーめがけマシンガン連射!BRTTTT!「イヤーッ!」銃弾軌道を見切って跳躍回避!「残るはテメエだけだ!」
3ターン目
「kill-9 U!」サイドスピアは連続側転を繰り出し、ストローマンを盾にしてホライズンボージンへ遠隔ハッキング!ZZTZZT!『グワーッ!』命中!無視できぬダメージだ!『オノレ!死ねーッ!』BLAMN!ZZTT!強力な狙撃弾がストローマンへ!「お待ちしていました!アーッ!」イタミ吸収の構え!
SMAAASH!直撃!「イイーッ!」ストローマンはみぞおちに電磁誘導狙撃銃弾を受け、くの字になって後ろへ吹っ飛ぶ!KRAASH!壁に激突!だが彼は苦痛をエナジーに変え、負傷をたちどころに回復させていく!「素晴らしいイタミです!もっとしてください!」狂気!『狂人めがーッ!』狂気!
「キャハハハ!カワイイは正義!あなたにもイタミを分けてあげたい!」ストローマンは哄笑しながら飛びかかり、ホライズンボージンの股間めがけてすくい上げるようなコッポ掌打を繰り出す!暗黒コッポ・ドーの殺人技「ボールブレイカー」だ!『い……イヤーッ!』緊急ブリッジ回避!ワザマエ!
「スキアリ!イイイヤァアアアーーーッ!」ハイパーボンバーは壁を蹴ってトライアングルリープし、火を噴くようなボックス・カラテ連打!SMASH!『グワ、アバーッ!』痛烈!ホライズンボージンはもはや瀕死だ!「カラテが足りねえぜ!」『オノレ……!せめて一矢報いてくれるわ!』覚悟!
『イイイヤァアアアーーーッ!』銃器を納め、常人の三倍の脚力で跳躍!背後のサイドスピアめがけて渾身のトビゲリを放つ!ヤバレカバレだ!「無駄なあがきよ!イヤーッ!」サイドスピアは見切って躱し、カウンターキックを叩き込む!SMASH!『アバーッ!』吐血!しかしまだ動く!しぶとい!
4ターン目
「kill-9 U!」サイドスピアはまたもストローマンを盾として遠隔ハッキング攻撃!ZZTZZT!『イヤーッ!』ホライズンボージンはポートを遮断して防ぐと、スナイパーライフルの銃口を向ける!ラストショット!『死ねーッ!』BLAMN!狙うはハイパーボンバー!「イヤーッ!」軌道を見切って回避!
「キャハハハーーーッ!」ストローマンはよだれを撒き散らしながら飛びかかる!コッポ!SMAAASH!『アバーッ!』命中!ホライズンボージンは血反吐を吐いて倒れた!「アーイイ……!私はあなたのパーツも剥ぎ取って、チメヨ=サンのパーツと一緒に身につけたいですよ……!」狂気!
「どうします。スカウトしますか?」サイドスピアは兄貴分のハイパーボンバーに問う。「いや……無理そうだな。殺しとこう」「了解」ハイパーボンバーはストローマンをどかせ、ホライズンボージンを仰向けにさせる。「テメエにどんな正義があろうが、俺たちの敵だ。ハイクを詠みな」
『アバッ……我が聖戦の使命/未だ終わらず/再び来たるべし』ホライズンボージンは異形のハイクを詠んだ。ハイパーボンバーは無言で脚を振り上げ、踵を顔面に叩き下ろす。カイシャク!『サヨナラ!』KABOOOOOM!ホライズンボージンは爆発四散した。インガオホー!
戦闘終了
エピローグ
3人はソウカイヤに状況を報告し、後始末部隊に引き継ぎを行うと、しめやかにその場を後にした。回収されたUNIXや書類を電脳部門が解析したところ、ホライズンボージンはパラディン(訳注:単独でハック&スラッシュを行う手練れの強盗)が過剰サイバネ化で発狂した単独犯と結論づけられた。
異次元、異世界……カートゥーンやパルプ小説でもあるまいし、そんなものの実在を信じるのは狂人だけだろう。否、多くの人間が信じている異次元はある……ジゴクだ。ニルヴァーナはあるかどうかわからないが、ジゴクはおそらく確実に存在する。アノヨではなく、このマッポーの世に。
「フフフ……彼らの戦いは無駄にはなりません。私のサイバネボディの一部となり、永遠に生き続けることでしょう……」ストローマンはニルヴァーナに到達したボンズめいた顔つきで微笑んだ。彼は狂っていた。
【ブレイヴ・バーン!】終わり
リザルトな
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