忍殺TRPGリプレイ【トゥインクリング・アッシュ】02
前回のあらすじ:ネオサイタマ某所。アンタイセイ・パンクバンドに所属する男ケニチロ・シミヤにニンジャソウルが憑依し、凶悪ニンジャ「シュライエン」となった。偶然居合わせたソウカイニンジャ・マインドシーカーは彼を勧誘するが失敗、暴走ニンジャに襲われる!カラダニキヲツケテネ!
◆
「イヤーッ!」『イヤーッ!』「イヤーッ!」『イヤーッ!』マインドシーカーは涙目で逃げ回りながら、IRC通信で電脳部門へ連絡!救援を要請せんとす!だがシュライエンのコダマ・ジツは周囲のエテルをかき乱し、磁気嵐を起こして通信を妨害する!なんたる恐るべきジツか!しかも脚がハヤイ!
とはいえ大きな武器を持つため、身軽なマインドシーカーよりは動きは遅い。少しずつ距離は開きつつある。せめてこのまま逃げ切れば!『逃がすかーァァ!イヤーッ!』ナムサン!シュライエンは雄叫びをあげながら跳躍!マインドシーカーの頭上からベースギターを振り下ろす!「アイエエエ!」
どくん……マインドシーカーは死の恐怖に怯え、アドレナリンを過剰分泌させる。脳内でソーマト・リコールが展開し、生き残るための方策を今までの記憶から必死で検索!全てが泥めいてゆっくり動き、死神の大鎌の軌道が……視えた!「イヤーッ!」サマーソルトキックめいた迎撃のキック!
『イヤーッ!』ガキィン!シュライエンはベースギターでこれを防ぐ!しかし彼はニンジャソウル憑依直後で暴走状態にあり、少なくともカラテではマインドシーカーに勝ち目はない。カナシバリ・ジツでニューロンを焼き切ることもできるが、果たしてうまく決まってくれるか……『AARGHHHH!』
戦闘継続
3ターン目
4ターン目
5ターン目
「イヤーッ!」『イヤーッ!』「イヤーッ!」『イヤーッ!』マインドシーカーとシュライエンはアパートを飛び出し、色付きの風と化してウシミツ・アワーの裏路地を駆け抜けながら熾烈なイクサを繰り広げる!マインドシーカーはベースギター斬撃と生成ピック・スリケンを躱してハッキング連打!
「き、kill-9 U!」ZZTZZTZTZZT!『アババーッ!』命中!シュライエンの生体LAN端子孔から白煙が立ち昇る!『AAARGHHHHHH!』シュライエンはジゴクめいたシャウトを放ち、コダマ・ジツを繰り出す!ZGYYYYWWWMM!「イヤーッ!」マインドシーカーは必死で躱す!一発食らえばオシマイだ!
6ターン目
『GRRRR……AAARGHHH!俺は象!貴様は蟻!俺は強い!貴様は弱い!踏み躙られるだけの弱者!』シュライエンは邪悪なシャウトを放ちながら跳躍!『アンタイセェーーーイ!』死神の大鎌を振るう!マインドシーカーは……SLAAASH!「ンア……アバーッ!」サツバツ!躱しきれずまともに喰らう!
KRAASH!!小柄で華奢な身体が、くの字に折れ曲がって宙を飛び、裏路地の袋小路の壁に叩きつけられた。「アバッ……ムン」ゴミ箱の上に落下して昏倒!意識不明!ニンジャ耐久力で即時爆発四散はこらえたものの、このままではカイシャクを待つばかりだ!『思い知ったか!弱者めがァァ!』
戦闘終了
シュライエンは口汚く騒ぎ立てる。もはや彼はマケグミでも弱者でも、アンタイセイ・パンクスでもない。圧倒的なパワーを手に入れた強者なのだ!『俺は!ニンジャ!この世の王!今日から!俺が!体制!』シュライエンは邪悪な勝利の曲を即興で奏で、シャウトする!『アンタイセイは!殺す!』
……その時。
???
「うるッせェーぞ、ヘタクソがァー!」シュライエンの背後から、不機嫌そうな女の声。「近所迷惑だろォが!静かにしろや!」『ア!?誰!?』シュライエンは演奏を妨害され、怒りの声とともに振り返る!そこにいたのは、やはり小柄な女。黒髪でオイランめいた服装だが、バストは平坦であった。
彼女は脚を開いて腰を落とし、片方の掌を上に向けて、ヤクザ流に仁義を切った。「オヒケエナスッテ!アタイはここらを仕切ってるデッドリーオイラン・ヤクザクランのオヤブン!スパイダーリリィだ!オミシリオキヲ!」
◆スパイダーリリィ(種別:ニンジャ)
カラテ 5>6 体力 11>12
ニューロン 8 精神力 14
ワザマエ 9>10 脚力 5/UH
ジツ 6 万札 40>9
攻撃/射撃/機先/電脳 6/10/ 8/ 8
回避/精密/側転/発動 10/10/10/14
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆カタナ二刀流:攻撃回数+1、攻撃H、側転難易度+2
●戦闘スタイル:防御的構え、回転斬撃
◆オーガニック・スシ
◇ジツやスキル
☆シ・ニンジャクラン、ジツLV6
☆カラテミサイルLV3
☆◉カラテミサイル触媒
★ラピッド・カラテミサイル
★グレーター・カラテミサイル
★キネシス迎撃
★カラテバリア
◉◉グレーター級ソウルの力
◉◉アーチ級ソウルの力
◉◉タツジン:二刀流 二刀流での攻撃難易度N
●ワザ:アキレス・カッター 出目665+で発動、殺伐出目4「脚部破壊」、回避H
●戦闘スタイル:強化防御構え 連続攻撃上限2、殺伐なし
次の手番開始まで回避判定難易度を-1するか、射撃ダメージ軽減1を獲得
●ワザ:捌き突き 迎撃成功時の出目5+で発動 回避難易度+1
敵が回避判定を行えない場合はダメージ2
●戦闘スタイル:連続回転斬撃 精神力1と回避ダイス2を消費し発動
カラテ値由来の連続攻撃回数ぶん「回転斬撃」を繰り出す 痛打・殺伐なし
●連射2、マルチターゲット、時間差
◉滅多斬り 記憶
◉回転斬撃強化
◉知識:ヤクザの流儀 記憶
能力値合計:34>36
『……ドーモ、シュライエンです』彼はアイサツを返した。マインドシーカーよりは強そうだが、カラテは強そうではない。ならば勝てる!『邪魔するなァァァ!今このガキの頭蓋骨を叩き割ってやるところだからよォォォ!』「させるもんか!ここはアタイのシマだ!」一撃必殺アトモスフィア!
戦闘再開:7ターン目
「イヤーッ!」先手必勝!スパイダーリリィが多数のバタフライナイフを空中にばら撒くと、それらはネオン色の燐光を帯びて浮遊!カラテ・エンハンスメントだ!「行けッ!」命令一下、バタフライナイフの群れはシュライエンへ襲いかかる!SLASHSHSH!『グゥワーッ!?』命中!相当の負傷だ!
『アバッ……ザッケンナコラー!俺が……体制だァーーッ!』シュライエンは絶叫しながらベースギターを振り上げ、バタフライナイフの群れを切り払いながら突進!「!」高まったカラテがスパイダーリリィに泥めいてまといつき、一瞬動きを……SLAAASH!「ンアアーッ!」サツバツ!片肘切断!
『AARGHHHH!俺は強い!貴様らは弱い!』シュライエンは勝ち誇る!なんたるニンジャソウル暴走による強化か!おそらくネオサイタマ上空の罪罰罪罰罪罰ケンナ……ワドルナッケンゴラー!」スパイダーリリィは自らの斬り飛ばされた片腕に燐光を纏わせ、瞬時に呼び戻して接合!ゴウランガ!
「ナマッコラー!オトシマエつけさせッゾコラー!」彼女は口汚いヤクザスラングで罵りながら、両腰のカタナを抜いて構える!二刀流!「イイイヤァアアアーーーッ!」SLASHSH!『グワーッ!』命中!だが浅い!腕が治りきっていないのだ!『VAARGGHHH!』シュライエンはコダマ・ジツで反撃!
VOOOOMM!ソニック衝撃波が周囲を薙ぎ払う!「イヤーッ!」スパイダーリリィは跳躍回避!タツジン!この勝負、互いに譲らずだ!
8ターン目
「『イイイヤァアアアーーーッ!』」SLASHSHSHSHSH!スパイダーリリィの二刀流とシュライエンのベースギターが闇に閃き、しのぎを削る!腕を負傷したスパイダーリリィの方が若干不利!しかし!『アバーッ!?』シュライエンは突然よろめいた。背中に、バタフライナイフが突き立っている!
「手こずらせやがって……」スパイダーリリィは不機嫌に睨む。彼女がジツでバタフライナイフを操作し、反撃を食らわせたのだ!『アバッ……バカな……!』シュライエンはガクガクと震え、吐血し、崩れ落ちた。「バカはテメエだ。じゃ、その首もらうぜ」SLASH!カイシャク!『サヨナラ!』
KABOOOOM!シュライエンは爆発四散した。その体は生首を遺して灰となり、キラキラと輝きながら裏路地に降り注いだ。
戦闘終了
エピローグ
「……ンアーッ!?」
マインドシーカーは激痛を感じ、覚醒した。ぼやける視界。眼の前には、見慣れない小柄な女ニンジャ。「起きたか」「アッハイ」「アタイは、スパイダーリリィだ。アンタは?」「ど、ドーモ、マインドシーカーです……」ここは……路地裏ではない。室内だ。タタミに敷かれたフートンの上だ。
傷口は包帯が巻かれ、応急処置が施されている。「ここはアタイのアジトだ。アンタ、あのシュライエンとかいうクソに殺されるとこだったぜ。アタイが助けに入って、ブッ殺してやった。ちょっと手こずったけど」スパイダーリリィは目を細める。彼女の片腕にも包帯が巻かれ、血が滲んでいる。
「あ、アリガトゴザイマス。スミマセンデシタ」マインドシーカーは痛みをこらえつつ、できる限り深々とオジギした。命の恩人というわけだ。「このご恩は決して忘れません!どうお返しすればよいか」「アンタが持ってたトロ粉末とZBRアドレナリン注射器は、治療に使わせてもらったよ」「ハイ」
「それと、クロスカタナ紋のバッジ。ソウカイヤか」「……ハイ」マインドシーカーはうなだれた。「アタイはヤクザクランのオヤブンでソウカイヤじゃねェが、一応は相互中立の協定を結ばせてもらってる。アンタが誰でも助けるつもりだったが、これでソウカイヤに貸しを作れたってわけだなァ」
マインドシーカーは……目に悔し涙を浮かべた。ウカツだった。シュライエンなどほっておいて逃げればよかった。ブザマに敗北し、命は助かったものの、ソウカイヤに迷惑をかけてしまったのだ。「泣くなって。アタイが手こずるほどの相手に、死ななかっただけでも儲けもんだろ」「アッハイ」
スパイダーリリィは顔を近づけ、コツンと額を合わせて優しく微笑んだ。化粧のにおい。マインドシーカーは頬を赤らめた。「しっかりしなよ。ま、少し休んでいきな。スシを奢ってやるからさ」「……ハイ」
【トゥインクリング・アッシュ】終わり
リザルトな