忍殺TRPGリプレイ小説【ザ・ガール・アウェイクス】01
邦題:少女の目覚め(The Girl Awakes)
ドーモ、三宅つのです。これは、しゅう=サンのシナリオ案「フー・イズ・ラスト・スタンディング?」および原作小説「ラスト・ガール・スタンディング」「リキシャー・ディセント・アルゴリズム」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意下さい。
ヤモト・コキを巡って、ソウカイヤとザイバツのニンジャが戦うシナリオです。つの次元での彼女はスパイダーリリィとは別個に存在しており、まだキョートにいます。つまり、彼らの出番です。
◆ハウスバーナー(種別:ニンジャ)
カラテ 10>11 体力 13>14
ニューロン 6 精神力 8>12
ワザマエ 10 脚力 6/E
ジツ 4>5 万札 57>33
DKK 0 名声 14
攻撃/射撃/機先/電脳 10(12)/10/6/6
回避/精密/側転/発動 11(13)/10/10/11
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:1
◇装備や特記事項
●連続攻撃2、ナイフ二刀流装備時のみ近接攻撃ダイス&回避ダイス+2
☆ヒツケ/サソリ・ニンジャクラン、ジツLV4
☆カトン・ジツLV3
☆◉◉タツジン:サソリ・ファイティング・スタイル(SFS)
連続攻撃2、射撃不可、連続側転難易度+2
二刀流攻撃の出目6成功時に痛打+1、装備ペナルティなし
☆◉ヒサツ・ワザ:サソリ・キック 二刀流装備時のみ使用可能
回避判定時に出目66を含んで成功した場合に発動、1ターンに1回のみ
迎撃ダメージD3、回避U-HARD
命中した敵のニューロンとワザマエに2ダメージ(戦闘中のみ)
◉頑強なる肉体:体力+2
◉◉グレーター級ソウルの力:ニューロン+ジツで精神力を換算
★カトン・エンハンス:手番開始フェイズに精神力1消費し瞬時発動(NORMAL)
戦闘終了まで、自分の武器1つに近接攻撃ダイス+1、火炎ダメージ+1
◉常人の三倍の脚力:脚力+1、連続側転難易度-1
◉忠誠心:ソウカイヤ 精神力+1
◆ナイフ二刀流
●戦闘スタイル:フェイント
イニシアチブ値が自分より低い敵だけを攻撃する場合「崩れ状態」とみなし、
カラテ/ワザマエどちらで攻撃判定してもよい
◆パーソナルメンポ:精神力と緊急回避ダイス+1
◆タクティカルスーツ:体力+1
◆ZBRアドレナリン注射器(使い切り):気絶者を蘇生、自分に使えば脚力+1
○生い立ち:錠前破り 物理錠前や物理罠の解除判定ダイス+1
◉知識:ストリートの流儀、ドラッグ
◉交渉:煽り、共感
能力値合計:34>37
前回の冒険で万札30、名声2、余暇2日を獲得しました。知識・交渉以外の自由選択スキル(◉)が6ありますので、ジツ値を5に伸ばして「◉◉グレーター級ソウルの力」を獲得します。万札15を支払い3D6[333]、割って繰り上げ2+2+2=6>4=成功。「★カトン・エンハンス」か「★★カトン・ウェポン生成」でも取りたいところですが、ウェポン生成は「☆◉火炎武器制御」を取っていないとカタナしか出せないようです。「★★カトン・ジャンプ」にしてもいいですが、SFS時は難易度HARDとはいえ、連続側転すれば同じく12マス動けますし、回避ダイスも増えます。
とりあえず「★カトン・エンハンス」を入れます。「◉頑強なる肉体」を記憶スロット送りにし「★★カトン・ウェポン生成」「☆◉火炎武器制御」を取ればいいかも知れませんが、カラテをもう少し上げるまで待つことにします。彼は慎重です。エンハンスしてSFSすれば連続攻撃4が2ダメージで飛んで来るわけで、全て当たれば8ダメージです。ウェポン生成だと近接攻撃ダイスが+2され「赤熱貫通」も可能になりますが、連続攻撃上限が2になります。残り1日は万札9でカラテを鍛錬し3D6[455]=14>10=成功。合計能力値の成長上限を40とすると、あと3しか伸ばせません。
◆ポイズンバタフライ(種別:ニンジャ)
カラテ 10 体力 11
ニューロン 6 精神力 9
ワザマエ 12 脚力 6/N
ジツ 3 万札 36>26
DKK 4 名声 14
攻撃/射撃/機先/電脳 11(13)/12/6/6
回避/精密/側転/発動 12(13)/12/12/10
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:1
◇装備や特記事項
●連射2、連続攻撃2
◉◉タツジン(イアイドー)
カタナ攻撃の出目6成功時に痛打+1、装備ペナルティなし
●戦闘スタイル
強化精密攻撃:ワザマエで攻撃判定 殺伐(66)、ナムアミダブツ(665)発生可
強化強攻撃:攻撃判定難易度+1、基本ダメージ2 連続攻撃上限3
●移動スタイル:カスミ 回避ダイス1を獲得しつつ移動可能(脚力+2まで)
●イアイ反撃:回避判定出目に6を含んだ迎撃のダメージが2となる
◉ヒサツ・ワザ:ムーンシャドウ 精神力1か回避ダイス2を消費し発動
カタナによる近接攻撃で「ナムアミダブツ」が出た場合にも選択可能
痛打+2D3、回避U-HARD、迎撃不可 回避の可否に関わらず、
使用者は攻撃後に標的の後方へ最大3マスまで追加移動可(ナナメ可)
◉ヒサツ・ワザ:タイノサキ 回避判定の出目66で迎撃を発生させた時に選択可
迎撃ダメージ3、回避難易度U-HARD ターン中1回まで
☆カナシバリ・ジツ:LV3
◉魅了(ゼゲン・ジツ):ニューロン+ジツで発動判定(NORMAL)、精神攻撃
6マス以内で視線が通るモブ敵モータル1体を戦闘不能に 出目66でもう1体
◉忠誠心:ソウカイヤ 精神力+1
◆タクティカルスーツ:体力+1
◆パーソナルメンポ:精神力と緊急回避ダイス+1
◆ブラッドカタナ:使用時に攻撃ダイス+1
◆ウイルス入りフロッピー:ハッキング判定ダイス+3(使い捨て)
○生い立ち:言いくるめ モータルハント時に万札+1
◉知識:ヤクザの流儀、高級嗜好品
◉交渉:威圧、欺き、駆け引き
能力値合計:34
前回の冒険で万札30、名声2、余暇2日を獲得しました。知識・交渉以外の◉が4つしかなく、ジツ値も低めなので伸びしろがあります。ヴァンガード=サンと一緒に戦ったので、彼から「◉ヒサツ・ワザ:ムーンシャドウ」を学びます。またイアイドーの研鑽を積み、「◉ヒサツ・ワザ:タイノサキ」も習得します。オイランを斬ったことで何かに覚醒めたのでしょうか。
シックスゲイツの「六人」に選ばれても不思議はない実力と実績ですね。二人揃えばニンジャスレイヤーやグランドマスターとも渡り合えそうです。では、始めます。
◆◆◆
序
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眩しい太陽、バイオセミのけたたましい鳴き声。
その日、キョートの空は雲ひとつない快晴で、たいへんな暑さであった。
女子生徒はゴミ箱を抱えて歩き出た。ふと、空が暗くなった。影。
「危ない!」と叫ぶ間などありはしなかった。
"アタイの力。シ・ニンジャの力。さあ使え。私の力。存分に使え。さあ使え。考える必要なんて無い。さあ。これでさようならだ。今から私はアタイだ。さあ。サヨナラ。"
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◆
「日刊コレワ・キョート版」の三面記事
【怪奇?死んだと思ったら生きていた!】もはや非常事態宣言レベルの年間自殺者数を抱える我が国において、またしても悲痛な事件である。とある進学校で校舎屋上から飛び降り自殺をはかったXXが、下で掃除をしていたYYにぶつかったのである。なんたるいたましい偶然!
二人の高校生は頭蓋骨と脳幹に損傷を負い、もはやいかなるサイバネティクスを用いても蘇生は不可能と思われた。だがしかし、ボンズが病院に到着した時、二人は同時に意識を取り戻し、翌日には揃って退院したというのだ。なんたる奇跡!だがしかし、こんな痛ましい事態を引き起こさぬ為には政権交代だ。
◆
「……ニンジャソウル憑依現象ね」カライ社地下、ソウカイ・シンジケートのキョート支部事務所。ポイズンバタフライは、三ヶ月ほど前の新聞記事を見て、断言した。「ああ。調べによると、XXはショーゴー・マグチという少年。YYはヤモト・コキという少女」ダストスパイダーが情報を補足する。
「二人は直後に行方をくらました。まあ、家にも学校にもおれまいて」「けど三ヶ月も前なら、とっくにザイバツが捕捉して、捕まえるか殺すかしてるんじゃない?」「それか、ネオサイタマにでも亡命してるかだな。保護者がいねえなら野良ニンジャになるしかねえし、野垂れ死んでるかも知れん」
ハウスバーナーが腕組みしてつぶやく。「それなら、あんたらに話しなどせんよ。ショーゴーはそのまま行方知れずだが、ヤモトらしき少女が、最近見つかった。アンダーガイオンだ」キョートの首都ガイオンは地下へ拡大して、逆ピラミッド状になっている。アンダーの治安はネオサイタマ並だ。
「ほう」「ソウカイヤの密偵はアンダーにも潜んでいる。そいつがこちらへ連絡し、拉致しようとしたが……返り討ちに遭った。ニンジャを殺せる程度には強いというわけだ」「なるほど。俺らの出番だ」「ザイバツニンジャは気位が高く、アンダーにはあまり手を伸ばしていない。狙い目だな」
「了解した。そいつの顔写真とか、詳しい情報を」「よし。これだ」ダストスパイダーは二人のIRC端末にデータを送る。二人は、驚いた。見覚えがある。だが、本人のはずはない。「……こいつは」「ええ」
「ン、知ってるのか」「いや……他人の空似だ。たぶんな」「そうか。居場所は、第八階層のタコ区画。危険を察知して、どこか別の場所へ動いている可能性もある。劣悪な環境の工業地帯で、治安は実際悪い。狂言強盗団とかも出て来る」「なにそれ」「狂言用のオメーンを被ったサイバネ強盗団だ」
「ヒョットコみてえなもんか」「店主も客も皆殺しにした上で、自分の義手や義足を撃ち抜いて、強盗に襲われたと偽って逃げおおせるんだとよ。まあアンダーの治安はクソだし、マッポやケビーシもいねえ。出遭ったら殺しとけ」「了解。アッパーガイオンよりゃ動きやすそうだ」「そうね」
事前調査
調査判定。ハッキングかワザマエで難易度U-HARD。ともにワザマエで調べる。10D6[3264363342]12D6[434251622654]成功。
二人は慎重に情報を集め、精査する。ザイバツのお膝元ゆえおおっぴらな調査は難しいが、ダストスパイダーは地道に情報網を広げており、アンダーガイオンやスラムに関しては特に詳しい。まさに土蜘蛛だ。『……ヤモト・コキは、善良で奥ゆかしい少女。同級生のミナト・アサリとは特に親密』
ミナト・アサリはカチグミの娘で、ネオサイタマからの転校生だが、ガイオンの高校でムラハチにされかけ、ヤモトに助けられたとのこと。オリガミが縁でナカヨシとなり、アンダーガイオン上層部のカラオケ・バーに遊びに行ったところ、暴漢の群れに襲われる。彼らは別の暴漢に殺されている。
二人は顔を殴られたが無事。しかしその後、ヤモトがショーゴーの投身自殺に巻き込まれる。ショーゴーは別クラスで、彼女らとの面識なし。アッパーガイオン出身だが、親がヤクザに莫大な借金を負わされて夜逃げし、ショーゴーだけが残された。そして……「数奇な運命だこと」
ポイズンバタフライは無感情につぶやく。ネオサイタマでも掃いて捨てるほどあるケースだ。「ショーゴーは、ザイバツにスカウトされてる可能性もあるな」「ええ。アサリ=サンは……その後、悩みながらも学校に通っているみたいね。そっとしておきましょ」事前調査はこんなものだろう。
◆
アンダーガイオン
キョート共和国の厳格な建築基準法により、アッパーガイオンには基準を超える高層ビルや、景観を損ねる猥雑な施設を建設することは禁止されている。そのため、ガイオン中心部の企業は地下へ自社ビルを拡張し、それらを繋ぐ地下道や大規模な地下街を作った。アンダーガイオンの始まりである。
サラリマン向けの商業施設、歓楽街、コフィンホテルなどが築かれ、アッパーではおおっぴらに開業できない、いかがわしい店舗も受け入れられた。その後も政府の介入を受けつつ野放図な拡張を続け、混沌とした多層サイバー都市へと成長したのだ。観光客も第五階層までは訪れ、猥雑さを愉しむ。
上層部の天井にはペンキで青空が描かれ、LEDが陽光めいて照らし、道路を車が通るなど、地上と大差ない。アッパーには住めないまでも、そこそこの暮らしを送ることは可能だ。だが下へ行くほど貧困層は増え、工場労働者が苛酷な末端労働に従事する。第八階層ともなれば、中層の最下層に近い。
アッパーガイオン各地には、アンダーガイオンへ通じる入口が存在する。ハウスバーナーとポイズンバタフライは布で顔を覆い、大型リフトに乗って一気に第五階層まで下る。そこから下へは、労働者が使う業務用のリフトに乗り換える。第十階層より下は、もはや上には戻れぬ最下層だ。
ガゴーン……。巨大な業務用リフトが陰鬱に鳴り、第八階層に到達する。もはや欺瞞的な青空パネルもLED照明もない、僅かな電灯があるばかりの常闇の世界だ。無言で降りる労働者たちに混じり、二人は足早にリフトを降りた。目的のタコ地区は、ここから西に位置する。
閉鎖された地下アーケード街を思わせる、無数のシャッター。強盗などを防ぐための重い防犯シャッターだ。これとショウジ戸を開けると、廊下があり、左右に部屋が一つずつ。アンダーの「中流階層」が暮らす、ごく一般的なファミリー物件である。地下都市の宿命として、窓は存在しない。
「つっても、どう探す」「まずは、聞き込みね。こんな下層にこんな美少女がいたとなれば、噂になってもおかしくないわ」「どこもシャッター閉めてて、通行人どころか狂言強盗団とやらも出そうにねェぞ。工場かヤクザクランでも探すか?」「深夜営業のコケシマートも、なさそうねェ」
「浮浪者にでも出会えりゃいいんだがな……ン?」周囲の住宅や商店が軒並みシャッターを下ろす中、灯りの燈ったカンバンがひとつあった。そこは、タコ区画の第19番地。その鉄製のカンバンには、ブルズアイ・ランタンじみた照明道具を持って飛ぶ鴉が描かれていた。
これは「ガンドー(龕燈)」と呼ばれる、古代の懐中電灯である。高度な文明を有していた日本は、平安時代には既に懐中電灯を発明していたのだ。その絵の下には、こう記されている。「タカギ・ガンドー探偵事務所」と。
「探偵?カトゥーンとかに出て来るアレか?」二人は訝しんだ。ニンジャがいるなら探偵もいるかも知れないが、こんな地の底で。「アレだろ、『サムライ探偵サイゴ』。アニメ版はちょっと子供向け過ぎてなァ」「そういや、アレも原作小説はキョートが舞台だったかしら。それに憧れてとか?」
解錠判定、難易度HARD。HBは11D6[63251161453]成功。
このような場所に堂々と探偵事務所を構えるような人間だ。ろくな者ではあるまいが、付近の情報に通じている可能性は高い。二人は怪しみながらもブザーを鳴らす。……返事がない。とりあえずハウスバーナーがドアを手早く解錠した。ショウジ戸を開け、ノレンを潜って中へ足を踏み入れる。
応接室
部屋は散らかっている。革張りのソファとテーブル、UNIX机、資料ファイルが雑然と納められた戸棚。基盤や書類、瓶の類がそこかしこに積まれ、タンスの上のタヌキ・オブジェの上には埃。壁に「探偵」と書かれたショドーが数枚、スモトリの手形色紙、骨董レコードなどがいくらか飾られている。
机の上には灰皿があり、ZBRタバコの吸い殻がある。「なんともまあ、薄汚いわね」「へへ、カトゥーン版の『サイゴ』そのままだなァ。で、探偵はどこだ」見回すと、壁際の別のソファで大男が横になっている。身長190cmはあろうか。短く刈り込んだ髪は、ZBR中毒の影響と思われる完全な白。
若干くたびれた肉体は、それでもよく鍛え上げられている。顔は若くも老人でもないが、頬に深いほうれい線があり、30代なのか40代なのか、はっきりしない。「モシモシ、探偵さんよ。客だぜ」コンコンと壁を叩くと、男はすぐに目を覚ました。「ン、ああ。寝てたか。ようこそ、お客さん」
「不用心だな。強盗に入られたりしねえのか」「盗るモンもそんなねえし、俺のところからモノを盗むような野郎は、この界隈にゃいねェンだよ。ドアの鍵は閉めたと思ったんだがな……」大男は立ち上がった。
「ドーモ、タカギ・ガンドーです」
◆タカギ・ガンドー(種別:モータル)
カラテ 5 体力 8
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 7 脚力 4
ジツ - 万札 5
攻撃/射撃/機先/電脳 5/7/7/8
回避/精密/側転/発動 7/7/-/-
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0
◇装備や特記事項
●連射2
◉頑強なる肉体:体力+2
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定ダイス+2、イニシアチブ+1
▶サイバネアイLV1:ワザマエ判定ダイス+2
▶強化頭蓋:体力+1
◆ZBRアドレナリン注射器
◆トロ粉末
◆ウイルス入りフロッピー
◆49マグナム×2:連射+1、ダメージ2、マルチターゲット、射撃HARD
◉◉タツジン:ピストルカラテ(ミリタリーカラテ読み替え)
装備銃器が基本射撃難易度HARD以上であれば射撃難易度-1
拳銃・二挺拳銃装備を「素手状態」とし、装備ペナルティ無視
隣接した敵にも射撃可能
●戦闘スタイル:射撃反動カラテ
射撃と近接攻撃(HARD)の連続行動可能、次ターンの回避ダイス-1
二挺拳銃使用時は近接攻撃を「連続攻撃2」に変えられる 次ターンの回避ダイス-2
●戦闘スタイル:セイケンヅキ射撃
近接攻撃(HARD)が命中した時、殺伐出目1(痛打&弾き飛ばし)を発生させる
射撃反動カラテとは同時使用不可、移動後の使用も不可
●ワザ:ロウレス・フロンティア ターン中1回まで
回避出目66で迎撃発生時、迎撃を2ダメージ(回避HARD)とする
◉ウィークポイント射撃:出目66で痛打+1、モータルのモブ敵なら即死
◇カルマ:善
能力値合計:18
モータルといえど、狂言強盗団を苦もなく皆殺しにする程度にはタツジンです。そこらのサンシタニンジャより強いかも知れません。
「ドーモ、俺はヤケミだ」「アタシはカワヒラ。ちょっと人を探してるの」「ほう。シツレイだが、見たところ、どっかのヤクザだな」「まあな。探してるのは、こいつだ」写真を見せる。「名前はヤモト・コキ。カワイイなりだが、ウチのモンを殺してる。この地区でな。知らねえか、探偵さん」
ガンドーは、二人と写真を値踏みするように見たあと、「知らん」と答えた。「こんなカワイイ娘が、こんな下層でうろついてりゃ、変態どもがほっておかねえぜ。噂に聞いたこともねえ」「そうかい。邪魔したな」「でも、待って。何か隠してないかしら?」ポイズンバタフライはすごんだ。
ジツ判定、難易度U-HARD。5D6[13614]3D6[336]成功。
二人はニンジャ第六感、ニンジャ感覚を研ぎ澄ませ、事務所内のアトモスフィアを嗅ぎ回る。ニンジャのカラテが、微量ながら残存している。それにこの場にそぐわぬ少女の香り。「……匿ってたわね、この娘を」「知らん」「俺たちにはわかるんだよ。なんとなくな。で、どこへやった?」
「知らんものは知らん。それに、もしそうだとして、あんたらに教えると思うか?」ガンドーは冷や汗をかいた。「それもそうだな。じゃあ、ちょいとインタビューさせてもらうか」二人はカラテを構えた。「オイオイオイ、乱暴はよせ。ヤクザ二人がかりでも、結構やっちまう自信はある……ぜ……」
ガンドーは、二人から異常なアトモスフィアを感じ取った。彼のDNAに刻まれた根源的恐怖が、彼らがいかなる存在であるかを一瞬にして認識させ、49マグナムを抜かせる!「ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
イニシアチブ:タカギ・ガンドー/TG(7)→ハウスバーナー/HB&ポイズンバタフライ/PB(6)
1ターン目
TGは集中&ピストルカラテで射撃難易度EASY。49マグナムを3連射、攻撃対象は奇数ならHB、偶数ならPB。[245]=PBへ2発、HBへ1発。[323][525][366]成功、HBへは痛打+1。まとめて回避可能。迎撃を警戒して回避ダイスを残し、10D6[6216242114]10D6[2516224142]回避。
「TAKE THIS!」BLAMBLAMBLAM!49マグナム二挺拳銃三連射!命中すればスモトリさえ脳漿をぶち撒けて即死だ!だが二人は左右へ体を揺らして難なく回避!「ワッザ!?」「オイオイオイオイ、あぶねえじゃねェか」ハウスバーナーとポイズンバタフライはガンドーへ駆け寄りカラテを繰り出す!
HBは5D6[13423]6D6[331124]1成功2発。TGは2D6[15]2D6[23]1発命中!残り体力7、回避ダイス3!PBは5D6[54432]5D6[35663]3成功、3成功&殺伐!出目は[3]急所破壊!TGは[4][32]回避失敗!体力に3ダメージを受け残り体力4、ニューロン5、精神力4!「部位損傷:胴体」を付与される。
「「イヤーッ!」」「グワーッ!?」素手のカラテが情け容赦なくガンドーを打ちのめす!みぞおちを殴られ、体をくの字に折り曲げて苦悶!
2ターン目
イニシアチブ:ハウスバーナー/HB&ポイズンバタフライ/PB(6)→タカギ・ガンドー/TG(6)
HBは5D6[61165]6D6[236551]3成功&殺伐、3成功。TGは[16][14]殺伐を回避するが1発命中、残り体力3。PBは5D6[25452]5D6[16152]3成功、2成功。TGは[2][36]1発命中、残り体力2。
追撃!「「イヤーッ!」」「グワーッ!」ガンドーはモータルにしては相当な手練れのタツジンであるが、凄腕ニンジャ二人の連打には対応しきれない!次々とカラテを食らい、木人めいて打ちのめされる!「なかなか頑丈だなァ。カラテもある」「ブッダファック!ピストルカラテを食らえ!」
TGは集中&射撃反動カラテ、[5]=HBへ3連撃。射撃は7D6[3662411]成功&痛打、連続攻撃2D6[52]3D6[121]1発1成功。HBは7D6[4616611]4D6[11256]回避&迎撃。TGは回避ダイスなし、残り体力1。
「イヤーッ!」BLAMN!ガンドーは49マグナムを撃ち、その反動を利用して激しい連続攻撃を繰り出す!これぞ暗黒武道ピストルカラテだ!命中すればスモトリでも即死するであろう!だが!「イヤーッ!」ハウスバーナーは至近距離の三連撃を見事に捌き、カウンターパンチ!「グワーッ!」
ガンドーは叩きのめされ、床を舐めた。「いやはや、お見事。ニンジャみてえだなァ」ハウスバーナーはパチパチと拍手した。「別にあんたを殺したいわけじゃねェンだ。俺は奥ゆかしいしな。ヤモトについて教えりゃあ、悪いようにはしねェ。ウチのクランをガキにナメられたらオシマイだ」
「最近、アタシらも悪党が板についてきたわねェ。ブッダが怒るわよ」ポイズンバタフライはガンドーに顔を近づける。「いい?このヤモトって娘を、殺したいわけじゃないの。悪い組織に追われてるんでしょ?それより先に、彼女を庇護して、国外に亡命させてあげるわ。居場所を教えてちょうだい」
交渉、ワザマエで難易度U-HARD2。「ストリートの流儀」「共感」「威圧」「欺き」「駆け引き」などで+1(+2まで)。HBは12D6[322421635661]成功、PBは14D6[43655661111413]成功。ゴウランガ!これがバッドマッポ・グッドマッポ・メソッドだ!
ガンドーは、しばらく唸り声をあげていたが……二人のアトモスフィアが比較的穏やかなことを察知した。目を合わせ、善悪真贋を見極める。ニンジャの瞳を見るのは彼女以外初めてだが、焦りや複雑な感情が渦巻いているのは見て取れた。「……わかった。降参だ」ガンドーはハンズアップした。
戦闘終了
応接室
三人は革張りソファに座る。「アッパーガイオンで彼女が何をしてたか、おおよその調べはついてるの。アンダーで何をしてたかを、まず教えて」「あ、ああ。……あいつとは一週間前、第五階層のコインランドリーで出会ってよ。カタナと大きな荷物持って、打ちひしがれた目をしてた……」
ガンドーはZBRタバコをくわえ、火をつけた。ハウスバーナーが欲しがったので一本くれてやると、指先から火を出してつけた。「……ほっておけなくてよ。で、ニンジャだろ。事情を聞いたら、ヤバい組織に追われてるってよ。まあ取って食やしねェからっつって説得して、匿ってやってたワケだ」
「優しいわね」「マッポーの世だしな。助け合わなきゃだ。……あんたらはその組織のニンジャ、じゃあねェンだな?」「敵対してるほうよ。遥か東のネオサイタマの、結構でかい組織。まあ善良とは決して言えないけど、女の子ひとり匿うぐらいできるわ」「……そうか。学校に通わせたりは?」
「やれなくもないけど、アタシたちは慈善団体じゃないのよ。ニンジャになるってのは、人間じゃなくなるってこと。裏社会で生きていくしかないわ。いまのところはね」「……そうか。仕方ねえかもな……」ガンドーは天井を見上げ、煙を吐く。「それで、どこへ逃がした?早くしねえと……」
ハウスバーナーは貧乏ゆすりしている。「……ヤクザだかニンジャだかを殺したって、昨日言ってきてな。ここにはもう居られないから、出ていくと言い出してよ。どこへ行ったかは知らねえ。けど、上だと思う。上を向いて出て行った。下に出口はねェからな。アッパーへか、その外へか……」
「わかった。迷惑かけて悪かったな。こいつは情報代だ」ハウスバーナーは懐から札束を取り出し、机に置いた。「オイオイオイ、万札10はあるじゃねェか」「迷惑料と口止め料も兼ねてる。その、キョートの組織のニンジャが来たら、絶対に逃げろ。さっきみたいに戦おうとするなよ」「了解だ」
ニューロン判定、難易度U-HARD。6D6[451134]6D6[631361]PBが成功。
二人は探偵事務所を出て、リフトへ戻る。「けど、上ったって広いわよ。もうアッパーまで出てるかも」「ヤモトが、行きそうなところは?」「……アサリ=サンのところかしら。迷惑かけたくなきゃ、行かないかもだけど」「顔を見に、近くへ行くぐれェはするかもな。よし、行くぞ」
【続く】
◆
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