忍殺TRPGリプレイ【ハーヴェスト・ムーン】02

　前回のあらすじ：キョート共和国、アンダーガイオン某所。ウシミツ・アワー。電子系小規模コーポ「ショーキボナ」の事務所に、三人の傭兵ニンジャが侵入した。中堅メガコーポからの依頼は破壊工作と社員の殺戮だ。三人は首尾よくセキュリティを突破し、殺戮を開始！カラダニキヲツケテネ！

◆

「あ……アイエエエーッ！？ニンジャ！？ニンジャナンデ！？」ナムサン！オーエルが血塗れの三人や死体を直視し絶叫！NRS（ニンジャ・リアリティショック）を起こした！「チッ、うるさいね！イヤーッ！」「アバーッ！」ジョイクリスタルはスリケンを投擲し、彼女を黙らせた。ナムアミダブツ！

「「イヤーッ！」」「「アバーッ！」」残る二人もフレグランスとフリーマンスに殺され、オフィスルームに生きている者はいなくなった。だが！「何事だーッ！」ドカドカドカドカ！先程の絶叫を聞きつけ、警備員たちが駆けつける！「ズラかるね！」「ああ」KRAASH！非常口のドアが蹴破られた！

　駆けつけた警備員は計七人！そのチーフは……ニンジャである！「悪党どもめ！私はクストス！古代ローマカラテのタツジンだ！覚悟するがいい！」

「「「御用！御用！」」」「「「射殺重点！」」」警備員たちは左右に展開し、チャカガンを構える。「ドーモ、フレグランスです」「フリーマンスです」「ジョイクリスタルです」三人はアイサツを返す！「遅かったわね。仕事は終わったわよ」「社員たちの仇討ちだ！皆殺しにしてくれるわ！」

　クストスは油断ならぬ構えをとった。相手は手練れ、多勢に無勢。ここは牽制しつつ全力で撤退すべし！一触即発アトモスフィア！

戦闘開始

1ターン目

イニシアチブ：ジョイクリスタル/JC（6）→フレグランス/FG&フリーマンス/FM（4）→クストス/CT（3）→レッサー警備員/LK×6（1）

JCは側転&LKへスリケン[26][61]成功。FGは側転&負傷LKへスリケン[32611][11366]成功、1体を倒しDKK+1。弾幕発生はなくなる。FMは側転&LKへスリケン[52][13]投擲失敗。CTはDKKが最も高くなったFGへ側転&カラテ、[12166661][412143]攻撃失敗。LK5人はFGへ一斉射撃、[535][253][326][326][135]5発成功。FGは[6234323]まとめて回避。「統率」でまとめて回避できない場合でもムテキがある。あと2回側転成功すれば脱出！

「ズラカルゾー！イヤーッ！」「「イヤーッ！」」三人は色付きの風と化して側転しながらスリケン投擲！「アバーッ！」レッサー警備員一人が死亡！ナムアミダブツ！「オノレ！イヤーッ！」クストスは側転でフレグランスに追いつきカラテ！「イヤーッ！」フレグランスは側転の勢いで回避！

「「「「「御用ーッ！」」」」」レッサー警備員たちも仲間の仇であるフレグランスへチャカガンを一斉射撃！BLAMBLAMBLAMBLAMBLAM！「イヤーッ！」フレグランスは難なく側転回避！ニンジャに銃弾は滅多に当たらぬ！三人はオフィスルームを飛び出し、窓へ向かってひた走る！……その時！

Wasshoi判定、2D6[34]＝7＝7、成功。エントリーは1D6[4]。次ターンの終了時まで、その場にいるDKK1以上のニンジャ全員は側転難易度+1。

「Wasshoi！」KRAAASH！天井を突き破って何者かが出現！フレグランスの前に立ちはだかった！「え」ナムサン！新手のニンジャだ！赤黒い装束をまとい、鋼鉄のメンポをつけたニンジャである！そしてそのメンポには見る者の恐怖を煽る字体でこう刻まれていた……「忍」「殺」と！「ドーモ」

　新手のニンジャはアイサツを繰り出した。「ニンジャスレイヤーです」

◆ニンジャスレイヤー（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　　　１３　　　　体力　　　　　　　１４
ニューロン　　　　　７　　　　精神力　　　　　　　９
ワザマエ　　　　　１０　　　　脚力　　　　　　　　７/Ｎ
ジツ　　　　　　　　３　　　　万札　　　　　　　１０

攻撃/射撃/機先/電脳　１３/１０/　７/　７
回避/精密/側転/発動　１５/１０/１０/１０
即応ダイス：６　緊急回避ダイス：４

◇装備や所持品
◆家族の写真：精神力＋１
◆伝統的ニンジャ装束一式（ブレーサーはドウグ社製）
　体力・精神力・即応＋１、回避＋２、緊急回避＋４、脚力ダメージ軽減１
　部位防御（腕部）：シナリオ中最初に与えられた殺伐出目５の付属効果を無視
◆フックロープ：遠隔武器、ダメージ１、拘束、連射可
　カラテ値対抗判定に勝利すると引き寄せ

◇ジツやスキル
☆ナラク・ニンジャソウル（休眠中、使用不可）
　☆◉即死耐性：即死効果を無視し、痛打２D６とみなす　超過ダメージを受けても気絶のみ
　☆◉ナラク・ウィズイン：体力０以下でも爆発四散せず、カイシャクできない
　　行動不能状態からD３ターンが経過するとナラク・ニンジャとして復活
　☆◉ヘルタツマキ：精神力１を消費しワザマエ判定（H）、２ターン連続使用不可
　　自身を中心とした５×５マス以内の全員にスリケンによる１ダメージ（回避N）
　　射撃ではなく特殊範囲攻撃で、出目６６ならダメージ２（回避H）

☆ドラゴン・ニンジャクラン、ジツLV３
　☆チャドー呼吸LV３：移動や攻撃せずジツ発動判定を行い、出目６の個数だけ体力回復
　　回復上限は体力の最大値の半分（端数切り上げ）まで
　　出目６が１個もなかった場合、シナリオ中のチャドー呼吸による回復は不可能となる
　☆◉ヒサツ・ワザ：タツマキケン
　　シナリオ中１回限りの使用、移動したターンには使用不可
　　近接攻撃の出目６６６６で精神力２を消費し発動、２D６＋６回の１ダメージを与える
　　回避H、時間差あり　１発でも食らうと最後に「弾き飛ばし」を受ける

●連続攻撃３、連射２、マルチターゲット、時間差
◉◉憎悪：ニンジャソウルの闇、ソウカイヤ、ザイバツ

◉◉タツジン：ジュージツ　近接攻撃回避判定難易度－１（素手・スリケン装備時のみ）
　●ワザ：マウントタックル　出目６６で発生、痛打＋１、回避H
　　マウントをとった敵に対する残り連続攻撃は回避不能（殺伐発生せず）
　●ワザ：フランケンシュタイナー　出目６６６で発生、殺伐出目２（頭部痛打）
　　回避H　マウント状態に入る
　●ワザ：受け流し　回避判定に出目６６を含み迎撃を発生させた場合、
　　１ダメージの代わりに回避不能の回避ダイスダメージ２を与える

◉ランスキック：脚力で攻撃判定（N）、連続攻撃２を選択可能
　基本ダメージ１、命中すると殺伐出目１（痛打＋１＆弾き飛ばし）か出目D６
◉鉄拳：素手による近接攻撃に痛打＋１＆装甲貫通１（現在は使用不可）
◉スリケンの見切り：スリケンや弓矢の回避判定難易度－１
◉ツヨイ・スリケン：精神力１を消費しワザマエ判定（UH）、２ターン連続使用不可
　非移動時のみ使用可能　視線が通る敵へスリケン射撃（回避UH）、ダメージD６

◉ヒサツ・ワザ：ポン・パンチ　出目６６６で発動、回避ダイス２か精神力１を消費
　痛打＋２D３（回避UH）、弾き飛ばし
◉ヒサツ・ワザ：サマーソルトキック
　回避判定に出目６６を含み迎撃を発生させた場合に発生（ターン中１回のみ）
　迎撃ダメージD３、回避UH
　体力ダメージを与えた敵のニューロンとワザマエに２ダメージ
◉狂気：暴走するプロ意識、異常執着

能力値合計：３６

　死神です。勝てません。幸いにも弱体化はしています。

「「「アイエッ！？」」」三人の足がすくんだ！「アイサツせよ！」「ど、ドーモ、ニンジャスレイヤー＝サン。フレグランスです」「フリーマンスです」「ジョイクリスタルです」「クストスです」各々アイサツ。「なんだ貴様は！？新手の盗賊か！？」クストスは訝しんだ。「通りすがりの者だ」

　ニンジャスレイヤーはジュー・ジツの構えをとった。ニンジャに殺されたモータルの魂の叫びが、彼のうちで眠るナラク・ニンジャを僅かに呼び覚ましたのだ。「ニンジャ。殺すべし」「ナンデ！？」フレグランスは怯えた！「オヌシがニンジャだからだ」「「ナンデ！？」」「説明などせぬ」

「アイエエエ！助けて！私には帰りを待つ家族が！」フリーマンスはとっさにハンズアップし、わざとらしく家族の写真を見せた。さっきもスリケンを外したし、他の二人よりは罪が軽いはずだ。「貴様！我々を売る気か！？」「アイエエエ！？」フレグランスとジョイクリスタルはパニック状態だ！

「家族の写真」を消費してもいいが、どうせDKKが一番高いFGを狙うはず。ならばこのままDKKを持ち帰り、カルマロンダリング重点！

2ターン目

イニシアチブ：ニンジャスレイヤー/NS（7）→ジョイクリスタル/JC（6）→フレグランス/FG&フリーマンス/FM（4）→クストス/CT（3）→レッサー警備員/LK×5（1）

大気にキリングオーラが満ちる！ハードモード突入！

NSはFGへ駆け寄り連続攻撃3、[4134][1322][44342]2成功、3成功。FGは[633][56]回避！JCは即応ダイス3をつぎ込み側転[14456]成功！FGは側転[14364]成功。FMは即応ダイス3をつぎ込み側転[14235]成功。

「イィヤーッ！」ニンジャスレイヤーはフレグランスへ恐るべきカラテを放つ！「イヤーッ！」フレグランスは辛うじて回避！「「「イヤーッ！」」」三人は側転して飛び離れる！窓まではあと少しだ！「なにかわからんが、我らの味方だな！イヤーッ！」クストスはフレグランスへ飛びかかる！

CTはFGへ側転&カラテ、[22453226][22656]3成功&殺伐[4]脚部破壊！痛打によりムテキでは防げない！FGはアドレナリン・ブーストし（残り精神力2）緊急回避ダイス1を消費して全力回避！[432]紙一重回避！

　狙うは脚！古代ローマカラテで関節を破壊し、逃げ足を封じる気だ！どくん……！フレグランスはニンジャアドレナリンを過剰分泌し、これを「イヤーッ！」紙一重回避！アブナイ！「「「「「御用ーッ！」」」」」だがレッサー警備員が再びフレグランスへ一斉射撃！BLAMBLAMBLAMBLAMBLAM！

[455][545][655][231][652]4発成功！ムテキ発動（残り精神力1）[1555]成功！あと1回側転に成功すれば脱出だ！

「ムテキ！」フレグランスは拳を打ち合わせ、全身を覆う装束にカラテをみなぎらせる！これぞ平安時代より伝わるジュー・ジツのひとつ、ムテキ・アティチュード！ガキキキキィン！弾丸が金属にぶつかる独特の異音が響く！「コシャク！」クストスは舌打ちする！だがこちらが圧倒的に有利だ！

3ターン目

NSはFGへ駆け寄り連続攻撃3[2214][5665][46346]1成功、4成功&殺伐[2]頭部痛打、4成功&殺伐[4]脚部破壊。FGはムテキ継続中で回避不可！ダメージ軽減1はあるが、2ダメージと部位破壊が通る！カラテとワザマエに1ダメージ（残り2と4）、ニューロンと脚力に2ダメージ（残り1と1）！残り体力1！

「イイイヤァアアアーーッ！」そこへニンジャスレイヤーが駆け寄り、凄まじいカラテをフレグランスへ叩き込む！SMAAAAASH！「アババーッ！？」サツバツ！ムテキを突き破った鉄拳がフレグランスの脳を揺らし、キックが片脚をへし折った！「アバッ……！」だがフレグランスはギリギリで生存！

JCは即応ダイス2をつぎ込み側転[3355]成功！FGは即応ダイス4をつぎ込み側転[34136254]成功！FMは即応ダイス2をつぎ込み側転[5526]成功！全員生還！ゴウランガ！

「「「イイイヤァアアアーーッ！」」」三人は全力を振り絞り、ビルの窓へ飛び込んだ！KRAAAASH！アンダーガイオンの闇へとダイブ！「逃がすか」ニンジャスレイヤーは後を追おうとするが……！カッ！カッ！カッ！「ヌウーッ！？」強烈な光が窓から飛び込む！これは漢字サーチライトだ！

　三人の賊徒を捉えるために、アンダーガイオンのマッポたちがやって来たのか？……否！『あ、アー！ニンジャスレイヤー＝サン！そこにいるな！』ナムサン！投射される漢字には「罪罰」の二文字！『我々はザイバツ・シャドーギルド！貴様はネズミ袋の状態である！おとなしくお縄につけい！』

「な、なんだと！？」クストスは混乱！「……敵の狙いは私だ。オヌシは逃げよ、クストス＝サン」「アッハイ」向かいのビル屋上に備え付けられたサーチライトを背に、クローンヤクザやニンジャたちがこちらの様子をうかがっている。あの三人は囮というわけか。「……イヤーッ！」戦闘開始！

戦闘終了

エピローグ

「「「ハァ、ハァ、ハァ……！」」」三人はアンダーガイオンの闇を駆け抜け、恐るべき死神の追撃をどうにか免れた。なにはともあれ、最低限の任務は果たしたのだ。「アブナイだったね。依頼主に連絡するよ」ジョイクリスタルはIRC端末を操作した。「モシモシ、ドーモ……」『ご苦労でした』

　中堅メガコーポの下級エージェント『グラッジ』と名乗る人物から即座に返信が来た。音声通信はなく、文字だけだ。『よくやってくれました。では報酬を振込みます』キャバァーン！三人の電子口座に即入金！

評価：B　トラップを突破してオフィスの全員を殺戮ないし脅迫したが、警備ニンジャは倒せず撤退した。1人頭万札15、名声+1。余暇4日。カルマロンダリング可能。

サラリマンたちから万札25、レッサー警備員1人から万札1を獲得し、合計45+25+1＝71を山分け。警備員の1はFGがもらうが3で割り切れない。トラップ解除賃として1をJCが受け取り、残り69を23ずつ山分け。つまりFGとJCは24、FMは23を獲得。ただしFGは部位損傷治療費として万札10と余暇2日を差っ引かれる。

ザイバツでカルマロンダリングすると、FGはDKK7消費し2D6[64]割って5、「マキモノ・オブ・シークレット・ニンジャアーツ」を獲得。FMはDKK5消費し1D6[3]割って2+1＝3、万札5か「忠誠心：ザイバツ」をゲット。カネにしておこう。ワザマエ判定Hに成功すると追加で万札5、2D6[62]成功！合計万札10を獲得。JCはDKK5を消費し1D6[2]割って1+1＝2、ワザマエ判定Hに失敗すると名声-1。2D6[25]＝成功。望むなら「ニンジャソウルの闇」か「忠誠心：ザイバツ」を獲得。闇にしておこう。「狂気：偏愛（オイランドロイド）」を獲得。

「まあまあだな。あのニンジャスレイヤーとかいうのが乱入して来なければよかったが……フーッ」フレグランスは負傷を応急手当し、苦痛に顔を歪める。闇医者に行かねばなるまい。「アイサツしちゃったねぇ。目をつけられたらヤバイか……ナムアミダブツ」フリーマンスはブッダに手を合わせた。

　彼女は一応ボンズだ。傭兵稼業ゆえ悪行も働くが、然るべくカネを払えばブッダによって悪いカルマがある程度解消され、有象無象の恨みを買うことが少なくなることを経験的に知っている。ジゴクを生き抜くための知恵だ。ゆえに報酬のいくらかはテンプルに喜捨している。「次はもっと稼ぐね」

　ジョイクリスタルは肩を揺すって笑う。彼はオイランドロイドを偏愛する狂人であり、生身の女性に興味はないし、生身のモータルへの慈悲も大して持ち合わせない。彼がタリスマンとしている水晶球は、ネコネコカワイイのライブで獲得したネコチャンの眼球パーツだ。「サイバネもっと入れるよ」

　彼は水晶球を玩弄しながらよだれを垂らした。だが彼程度の狂人は、アンダーガイオンにはありふれている。常人を逸脱したニンジャともなれば多少の狂気は誤差の範囲だ。あのニンジャスレイヤーもかなり狂っていたが、そういうニンジャなのだろう。「ま、生還できてよかったね。オツカレサマ」

　三人は報酬を分配し、各々のねぐらへ去っていった。アンダーガイオンにおいて、この程度の殺戮はチャメシ・インシデントだ。だが、三人はニンジャ殺しの狂った死神に顔と名を覚えられた。過去はいつか必ず収穫に来る。三人が死神の鎌にかかるのは、いつのことになるであろうか……。

【ハーヴェスト・ムーン】終わり