忍殺TRPGリプレイ【オペレイション、オペレイション・レスキュー】08
前回のあらすじ:ネオサイタマの北、中国地方に広がるタマチャン・ジャングル。ヨロシサンに追われてここに逃げ込んだサヴァイヴァー・ドージョーは、バイオインゴット不足と分断工作により追い詰められていた。大将サワタリと客人ナーギニーは物資調達と捕虜奪還のためヨロシ施設へ潜入!
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「「イヤーッ!」」アサイラムとエルトリアトがナーギニーへ飛びかかる!「バイオ・イアイド!」四本の腕で二本のカタナを振るう異形のイアイ!「ブラッド・サッカー!」対バイオニンジャ用特殊ダガーでの連続刺突!いずれも食らえば致命的!「……イイイヤァアアアーーーッ!」紙一重回避!
「モッチャム!」サワタリは二人の敵を相手にせず、バイオインゴット保管庫めがけて駆け抜ける!周囲にトラップを設置しつつドアに到達、ニンジャ器用さで瞬時に解錠!「キエーッ!」ナーギニーはその傍らへ跳躍し、エルトリアトへ牽制のスリケン!「イヤーッ!」回避!「無駄だというのに!」
このままサワタリとナーギニーがバイオインゴットやメディキットを奪って逃げれば、一応の任務達成だ。だがハイドラの奪還はまだだ。それにそこの"プロトタイプ"も気になる。捨て置けぬ。サブジュゲイターのプロトタイプであるならば、やつのヨロシ・ジツにある程度は対抗できるのでは?
「ナーギニー=サン、物資を頼む。俺はあのバイオニンジャを救出する」サワタリはニンジャ第六感に導かれ、そう告げた。「了解」ナーギニーは頷いた。だが敵の援軍も迫っている。まさにファスト・アズ・ライトニング……電光石火で行動しなければならない!イクサはさらに加速する!
戦闘継続
2ターン目
「なかなかやるな。優先すべきは?」「当然、サワタリだ」アサイラムとエルトリアトは油断なく構える。「「イヤーッ!」」サワタリへ猛攻!「バイオ・イアイド!」SLASHSH!「サイゴン!」サワタリはイアイを躱し、アサイラムへ反撃を繰り出す!「ヌウッ!」回避!「ブラッド・サッカー!」
そこへ狙いすました特殊ダガーの刺突!狙うは脚だ!だがその時、エルトリアトの姿勢が僅かに崩れた。サワタリが仕掛けた簡易ロープトラップが作動し、彼の脚に絡みついて引っ張ったのだ!「ヌウッ!?」ロープには毒針が仕掛けられており、彼に僅かながら無視できぬダメージを与える!
……どくん。サワタリはアドレナリンを過剰分泌!迫り来る異様な形状の刃を視認し、紙一重で……!「サイゴン!」血液を両目から流しつつブリッジ回避!ワザマエ!「シューッ……」サワタリは息を荒げる。恐るべき手練れたちだ。まともにやりあえば危険。今は戦う余裕なし!「ジェロニモ!」
SMASH!KRAAASH!サワタリのカラテがバイオ水槽内の檻を一撃で破壊!"プロトタイプ"は仰天して跳ね起きる!「な、何をする気だ!?」「当然、お前を連れて行く。我々はサヴァイヴァー・ドージョー!お前がここにいる理由は何もない!」「そ、そりゃそうだけども……」「耳を貸すな!」
エルトリアトが呼びかける。「プロトタイプ=サン。貴様はなるべく殺すなとサブジュゲイター=サンから命じられているが、裏切るというなら痛めつけてやる」アサイラムも残虐な声音で彼を脅しつける。「どうせ貴様は用済みの実験体に過ぎぬ。サブジュゲイター=サンこそが完成品なのだ!」
「否!」フォレスト・サワタリは彼をかばいながら宣言する。「いいか。誰も、誰かの試作品や代用品ではない!こいつはこいつだ!"プロトタイプ"などという名は捨てろ!」「え、あの」"プロトタイプ"は困惑している。この狂った男は、いきなり飛び込んで来て何を言い出すのだ?なぜ自分を?
「イヤーッ!」ナーギニーは彼らに注目が集まっている隙に保管庫へ飛び込み、手当たり次第にバイオインゴットやメディキットを回収!バイオフロシキに包んで背負う!仲間たちを救うのには十分な量だが、俊敏な動きはやや制限される。敵の援軍が到達する前に、この場を脱出せねばならない!
3ターン目
「ちいッ!」アサイラムは状況判断する。優先すべきは……やはり、サワタリだ!「死ね!サワタリ=サン!死ね!」恐るべきバイオ・イアイドが迫り来る!SLASHSHSH!「ホーチミン!」サワタリは紙一重でブリッジ回避!「キエーッ!」エルトリアトが特殊ダガーを構え飛びかかる!狙いは目!
SMASH!「グワーッ!」サワタリは紙一重で致命的な刺突を躱すが、一撃を食らう!ダガーに塗られた毒液が肉体を蝕む!「シューッ、手間取らせるなよ……!」「その失敗作を連れて行こうというのか?好都合だな。足手まといになり、貴様の動きを鈍らせてくれるだろう」アサイラムは嘲笑う!
「問題なし!」サワタリは周囲にマキビシ・トラップを仕掛けつつ"プロトタイプ"の傍らへ駆け寄り、背負う!「イヤーッ!」ナーギニーはバイオフロシキを背負って一目散に出口へ駆け抜ける!さらに牽制のスリケンをエルトリアトへ!「ヌウッ!」回避!だがツー・ラビッツ、ノー・ラビットだ!
「チッ、ストームタイガー=サンやラハブ=サンはまだか!」エルトリアトが苛立つ。通路に撒かれた毒のため、耐毒装備をしていないクローンヤクザはここに辿り着けない。ニンジャ四人がかりなら確実に勝てるが……「俺がここに来るまでに、いくつのトラップを仕掛けて来たか考えてみるがいい」
サワタリは低く呟く。「お、俺は一緒に行くなんて……」「一蓮托生だ。俺はお前を発見し、檻の外に出し、自由を与えたぞ。名は後でつけてやる」サワタリは聞く耳を持たぬ。「どうしてもヨロシサンに痛めつけられ、失敗作として処分されたいなら、好きにしろ。お前の自我を尊重しよう」
4ターン目
「やらせるかーッ!バイオ・イアイド!」アサイラムがマキビシ・トラップを躱しながら凄まじいイアイを放つ!サワタリは……その姿に、かつての仲間であったノトーリアスの姿を重ねた。……SLASHSHSH!「グゥワーッ!」ナムサン!致命的ではないが無視できぬダメージだ!「ハハーッ!弱敵!」
「や……やめろよ」"プロトタイプ"は……アサイラムの顔へ掌を向け、何らかのジツを放った。それは、いわばプロト・ヨロシ・ジツ……ヨロシDNAをレーダーめいて感知し、ある程度の干渉を行うジツだ。だがサブジュゲイターのように対象を直接コントロールしたり、洗脳したりすることはできない。
アサイラムは一瞬不快感をおぼえ、ニューロンをざわめかせた。何かに気付かされたような……自我研修により植え付けられた、ヨロシサンに対する絶対的な忠誠心を揺さぶられるような感覚だ。サブジュゲイターとは逆に、彼はヨロシサンの洗脳を……ビョーキトシヨリヨロシサンビョーキトシヨリ
「う、ウオーッ!」アサイラムはカラテを高め、ヨロシニューロン防壁によってジツを弾き返す!危険なジツだが手練れニンジャには効きが悪い!「どうした、アサイラム=サン」「チッ、この野郎……裏切りやがったか」「問題なし。サワタリを倒し、捕縛する!イヤーッ!」エルトリアトが動く!
彼はバイオニンジャではないためヨロシ・ジツは無効!狙いすました特殊ダガー刺突攻撃がサワタリを死角から襲う!SMASH!「グワーッ!」命中!毒液が注入されてサワタリの肉体を苛むが、頑強な肉体と不屈の精神力で耐える!そしてこの負傷は……メディキットがあれば治療可能だ!
「サヴァイヴする!サイゴン!」「イヤーッ!」サワタリとナーギニーは色付きの風と化し、"プロトタイプ"とバイオフロシキを背負って実験室から飛び出した!ひとまず負傷を治療し、次はハイドラを救出して脱出せねば!「逃がすか!」「追え!」アサイラムとエルトリアトも必死で追跡する!
戦闘終了
???
……サワタリたちは物陰に潜伏し、メディキットで負傷を応急処置する。彼らが全力でニンジャ野伏力を発揮すれば、相手がニンジャといえどそうそう発見されるものではない。「……よし。残る目的は一つ。ハイドラはどこだ」「最深部の一番奥、第三電算室だな。サブジュゲイターもいる」
"プロトタイプ"は周辺のヨロシDNA反応を感知できる。つまりクローンヤクザやバイオニンジャ、バイオインゴットなどの居場所を突き止められるのだ。サヴァイヴァー・ドージョーにとっては得難い人材と言える。「結局、あいつをどうにかしなきゃならんか」「殺す必要はない。無力化する」
「だいぶキツいぜ。それにそのハイドラ=サン、洗脳されちまったんだろ」「お前のジツでなんとかしろ。できなければ仕方ない」「救出されちまったからには頑張るけどよ、あんまり期待しないでくれや」"プロトタイプ"は頭をかく。「だがまァ、寝る・死ぬ以外に、俺にやる事があるとはな!」
彼はヒヒと笑った。「バイオ手術を受けてここに来る前のことは全部忘れたし、やる事もなかったしな。こうなるって発想は全くなかった。発見(ディスカバリー)だ」「ディスカバリー!」サワタリは言った。「名前が無いなら、今からそれが名前だ。ディスカバリー=サン!」
【続く】
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