忍殺TRPGリプレイ【ビー・ユア・トゥルー・マインド】03
前回のあらすじ:ネオサイタマ上空、現世とオヒガンの狭間に浮かぶキョート城。ロードを失い、崩壊したザイバツの残党は、なおも戦いを続けていた。取り残された女ニンジャ・フローライトは3人の仲間たちと合流し、事態の打開を図らんと動き出す。だがそこへ無軌道ニンジャコンビが襲撃!
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「イヤーッ!」ドゥームアイズが先手をうって飛びかかる!狙うはトップスピード!「イヤーッ!」違法改造バイクを巧みに操り曲乗り回避!「イヤーッ!」フローライトは銀のアームレットをムチめいて伸ばしトップスピードへ攻撃!拘束せんとす!「イヤーッ!」バイクを旋回させ拘束回避!
「「イイイヤァアアアーーーーッ!」」ポイズンアサシンとイエローソードは瞬時にアイコンタクトし、ティーブレイカーへ飛びかかる!狙うは脚と腕だ!どくん……ティーブレイカーはアドレナリンを過剰分泌し、これを「イヤーッ!」連続バック転回避!だが黄色く輝く刃が追いすがる!「え」
SLASH!「グワーッ!?」命中!イエローソードの刃が斬撃を飛ばし、追撃を食らわせたのだ!無視できぬダメージ!「ブッダファック!仕方ねえ、このまま文化財を燃やすぞトップスピード=サン!」「了解!」ティーブレイカーはトップスピードのバイクの後部座席に飛び戻る!「サラバ!」
KABOOOOOM!トップスピードは全速力でバイクを発進させ、ティーブレイカーを載せたまま屋敷の奥へ逃走!「ケヒャヒャヒャヒャ!お宝を奪ってから、この屋敷を燃やしてやる!キョート城ファックオフ!伝統ファックオフ!」ナムアミダブツ!なんたる非文明的無軌道サンシタニンジャか!
「よくもまあ、あんな連中がキョート城に来れたものね」ポイズンアサシンは肩を竦める。「追いかけて、わからせますよ。伝統の重みというものを」フローライトは怒りに震え、目を据わらせている。3人は無言で頷いた。
戦闘継続
マップ
2ターン目
「待ちやがれ!イヤーッ!」ドゥームアイズはトップスピードを常人の三倍の脚力で追跡しながらスリケン投擲!「イヤーッ!」回避!「待ちなさい!イヤーッ!」フローライトも追跡しながら蛇めいた流体金属を投擲!「イヤーッ!」回避!ニンジャといえどこの距離と速度では追いつけぬ!ならば!
「どこへ逃げても無駄です、文化も敬意も礼儀作法も知らぬ野蛮人ども!」フローライトは怒りをコトダマに乗せトップスピードのニューロンへ放つ!「私たちの数が多く手練れだからとて、たちまち尻尾を巻いて逃げるとは、恥を知らないのですか?たとえ勝ち目がなくとも、潔く戦いなさい!」
「テメエ……!」トップスピードのこめかみに血管が浮かぶ。彼はアッパーガイオンの名家の出身だが、抑圧的な家庭教育の影響で無軌道な生き方に強い憧れを持っていた。ザイバツでも抑え込んでいたその欲望をティーブレイカーに唆され、ついに爆発したのだ。「黙れェ!マナー講師女がァ!」
「「イヤーッ!」」ポイズンアサシンとイエローソードは常人の三倍の脚力で追いすがり、スリケンとカラテ斬撃を放つ!狙うはティーブレイカー!SLASH!「グワーッ!」命中!高速で移動していようと直進する後部座席にとどまっていれば、ニンジャにとっては止まっているのと同じだ!
「ザッケンナコラー!」ティーブレイカーは懐からバクチク・グレネードを取り出し投擲!KABOOOM!「グワーッ!?」イエローソードが被弾!「今だ!もっと奥へ行け!トップスピード=サン!」「だが……クソッ」「この屋敷のショージをぶち破り、タタミをバイクで蹂躙するンだよォ!」
ティーブレイカーはトップスピードの耳元で囁く。この屋敷の奥には、何か重要なお宝がある。彼のニンジャ感覚はそれをとらえていた。「挑発に乗るな!マナー講師は捨て置け!無軌道に生きてやれ!」「了解!」ガオオオオオン!トップスピードはフスマをぶち破り、屋敷の奥へ駆け出した!
3ターン目
「「「イヤーッ!」」」ドゥームアイズ、ポイズンアサシン、イエローソードは常人の三倍の脚力で追いすがり、スリケンやカラテ斬撃で攻撃!攻撃!攻撃!SLAASH!「グワ、アババーッ!」ティーブレイカーは集中攻撃を受けて重傷!もはや瀕死だ!「アバッ……だが……お宝はすぐそこに……!」
「イヤーッ!」SMAASH!ティーブレイカーはなにかに衝き動かされるように跳躍!屋敷の奥の茶室へショージ戸を突き破ってエントリーした!そこにあるのは010101010101茶室の中には水晶のショージ戸があり、その彼方に台座があった。台座の上には、手のひらほどのサイズの黒い立方体がある。
それは、台座から数インチ浮き上がった状態で静止していた。恐るべき情報密度をもって、この茶室を、廊下を、タタミを、屋敷を定義したもの……力あるオヒガンの物質、「ジュエル・オブ・リアリティ」であった。キョート城はオヒガンに揺蕩う力を抽出し、これを精製して航行に用いるのだ。
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どくん。どくん。どくん。ティーブレイカーの心臓が強く拍動し、彼の目や耳、鼻や口からどす黒い血液が溢れ出す。「アバッ」彼にはコトダマに対する素養も耐性もない。このジュエルの力は並大抵のニンジャには強すぎ、危険すぎる。負傷していた彼は衝撃に耐えきれず、血を吐いて倒れた。
「AARGHHH!」トップスピードは獣めいて咆哮!違法改造バイクを跳躍させて強引に真後ろを向き、イエローソードめがけて突進!SMAASH!「グワーッ!?」ナムサン!またも跳ね飛ばされ宙を舞う!「クタバレ!」追撃のマシンガン掃射!BRTTTT!「い、イヤーッ!」かろうじて見切って躱す!
「ハァ、ハァ、ハァ……」フローライトはバイクにも3人にも追いつけず、廊下を駆け抜け、ようやくタタミの部屋に到達した。バイクの轍の跡や弾痕、バクチクによる炎、ニンジャの投擲したスリケンやカラテ斬撃の跡。貴重な伝統的文化財が傷つけられ、彼女は強く舌打ちした。だが、その時だ。
01010101……傷つけられた壁が、床が、タタミが蛍火めいた01に覆われ、瞬く間に修復されていく。「これは!?」フローライトは蛍石めいた目を見張った。彼女にオヒガンやコトダマ空間に関する知識はあまりないが、ニンジャのジツとも思えない。キョート城を覆う歪みゆえか、それとも!?
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倒れ伏すティーブレイカーの肉体が、低俗な自我とともに01分解され、ジュエルへ吸い込まれていく。否。ジュエルからは再び01が噴き出され、ティーブレイカーのいたあたりに、新たな黒い人影を「生成」した。それは茶室の天井に頭がつくほど高く、闇の中に輝く邪悪な2つの目を有していた。
『俺……は……誰……だ……?』
【続く】
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