忍殺TRPGリプレイ【グロウイング・アップ・ネオサイタマ】01
邦題：ネオサイタマ育ち（Growing Up Neo-Saitama）
ドーモ、三宅つのです。これは、まっさん＝サンのシナリオ案「ザ グロウ アナザー」、および原作小説「ザ・グロウ」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意下さい。
セレモニーの場でヤクザ・オヤブンのタバカ＝サンを護衛し、敵対ヤクザクランの襲撃を撃退するというミッションです。初期作成から16スクラッチ程のPC3-5人程度を想定していますが、今回は彼らが挑みます。
◆ボーンピッカー（種別：ニンジャ）
カラテ ６ 体力 ６
ニューロン ６＞８ 精神力 ６＞８
ワザマエ ６ 脚力 ４/Ｅ
ジツ ０ 万札 ３３＞５
ＤＫＫ ３ 名声 ６
攻撃/射撃/機先/電脳 ６/１２（集中時１５）/１０/１０
回避/精密/側転/発動 ９/８/８/０
即応ダイス：４ 緊急回避ダイス：１
◇装備や特記事項
●時間差、マルチターゲット
▶生体LAN端子LV１：ニューロン判定ダイス＋２、イニシアチブ＋１
▶サイバネアイLV１：ワザマエ判定ダイス＋２
◆LAN直結型ハンドガン：連射２、時間差・マルチターゲット可
●射撃スタイル・論理トリガ（集中時）：ニューロンで射撃判定
時間差・マルチターゲット使用可能
◆テック・ガントレット：射撃ダイス＆緊急回避ダイス＋１
◆伝統的ニンジャ装束：回避ダイス＋１
◆軍用サイバーサングラス：射撃ダイス＆イニシアチブ＋１
◆ウイルス入りフロッピー：ハッキング判定ダイス＋３（使い捨て）
◆オーガニックスシ：体力３回復（使い捨て）
◆トロ粉末：精神力２回復（使い捨て）
◉常人の三倍の脚力：脚力＋１、連続側転難易度－１
◉シャープシューター：集中射撃で射撃ダイス＋３
◉ウィークポイント射撃：出目６が２つ以上ある射撃に痛打＋１
モータルが食らえばヘッドショットで即死
○生い立ち：サイバネ賞金稼ぎ 重サイバネの死体から万札＋１、ボス級なら＋５
◉知識：サイバネティクス、ストリートの流儀、ヤクザの流儀
◉交渉：駆け引き
能力値合計：１８＞２０前回の冒険で万札20、名声3、余暇4日、およびニューロサージ＝サンが乗り回していた真っ赤なターボ・リンカーンを報酬として獲得しました。名声が5を超えたので成長の壁をひとつ超えます。あまり前に出てカラテするタイプでもないのでニューロンにし、万札9で[551]＝11＞6＝成功。時間差とマルチターゲットが集中なしで可能になりました。もう一度ザゼンし[425]＝11＞7＝成功。スキル「シャープシューター」「ウィークポイント射撃」を入れて、消費万札は18+10＝28。まあまあ手練れです。
◆アズラーイール（種別：ニンジャ）
カラテ ６ 体力 ７
ニューロン ７＞９ 精神力 ７＞９
ワザマエ ６ 脚力 ４/Ｅ
ジツ １ 万札 ６４＞２８
ＤＫＫ ０ 名声 ８
攻撃/射撃/機先/電脳 ６/８（集中時１２）/１０/１１
回避/精密/側転/発動 １１/６/８/１０
即応ダイス：４ 緊急回避ダイス：１
◇装備や特記事項
●時間差、マルチターゲット
▶生体LAN端子LV１：ニューロン判定ダイス＋２、イニシアチブ＋１
▶サイバネアイLV１：ワザマエ判定ダイス＋２
▷全方位監視アイ：回避ダイス＋２
◆LAN直結型ハンドガン：連射２、時間差・マルチターゲット可
●射撃スタイル・論理トリガ（集中時）：ニューロンで射撃判定
時間差・マルチターゲット使用可能
◆タクティカルスーツ：体力＋１
◆トロ粉末：精神力２回復（使い捨て）
◆ウイルス入りフロッピー：ハッキング判定ダイス＋３（使い捨て）
☆カナシバリ・ジツLV１
◉常人の三倍の脚力：脚力＋１、連続側転難易度－１
◉シャープシューター：集中射撃で射撃ダイス＋３
◉ウィークポイント射撃：出目６が２つ以上ある射撃に痛打＋１
モータルが食らえばヘッドショットで即死
○生い立ち：キラーマシーン教育
◉知識：銃器、犯罪
◉交渉：超然
能力値合計：２１＞２３前回の冒険で万札35、名声2、余暇4日を獲得しました。シナリオ2つぶんボーンピッカー＝サンより出番が多く、名声もカネも多くなりましたが、能力値は大差ありません。ジツを伸ばしてもいいですが、今回はニューロンを伸ばします。万札9×4＝36を消費し3D6を4日。[313]＝7＝7＝失敗、[525]＝12+1＝13＞7＝成功、[116]＝8＝8＝失敗、[125]＝8+1＝9＞8＝成功。ニューロンが2伸びました。まあ良しとします。2つ目の壁超えはワザマエにして「タツジン：ミリタリーカラテ」でも入れましょうか。
久しぶりのコンビ再結成です。アズラーイール＝サンはアサシンとしてバリバリやっているため、ヤクザクランのヨージンボ兼集金係としてぼちぼちやってるボーンピッカー＝サンよりは華々しく、名声も高まっているようですね。では、始めます。
◆◆◆
序
BRATATATATATATA！BRATATATATATATATA！機銃一斉掃射！工業用フラッシュライトを後ろに、モーターヤブ三機とマシンガンヤクザが、ほとんど無限に近い弾丸を浴びせて来る。マッポなど来はしない。ウシミツ・アワーのネオサイタマ港湾倉庫は、ほとんど無法地帯だ。
◆モーターヤブ（種別：戦闘兵器）×３
カラテ ６ 体力 １２
ニューロン ３ 精神力 －
ワザマエ ６ 脚力 ２
ジツ － 万札 ５
攻撃/射撃/機先/電脳 ６/６/３/３
◇装備や特記事項
◆ショック・サスマタ：テック近接武器、ダメージ１＋電磁１
◆ガトリングガン・アーム：銃器、連射６、ダメージ１、チェーンターゲット
●射撃スタイル：銃弾の雨１ ３×３の範囲全員に１ダメージ（回避HARD）
●跳躍移動：３マス以内の好きな場所に跳躍して移動（飛行扱い）◆クローンヤクザ（種別：モータル/バイオ生物/クローンヤクザ）×６
カラテ ２ 体力 １
ニューロン １ 精神力 １
ワザマエ ３ 脚力 ２
ジツ － 万札 １
攻撃/射撃/機先/電脳 ２/３/１/１
◇装備や特記事項
◆マシンガン：連射３「どうだ、テメェら！ナメやがって！」機銃掃射集団の後ろから拡声器で啖呵を切るのはソードオブブラッド・ヤクザクランのオヤブン、カチモトだ。クレーン車がリフトを上げ、防弾ゴンドラにずんぐりした醜いシルエットが浮かび上がった。「いつまでそんなとこでクソみてえに隠れてやがる！」
「俺がヘーコラ頭下げて命乞いをするとでも思ってやがったんだろうが。ナメるんじゃねえ……こちとら一代でソードオブブラッド・ヤクザクランを築き上げた真のタフヤクザよ。ワカガシラの一人二人の首獲られたぐらいでビビッてられるかッてンだよ！」「クソが」ボーンピッカーが吐き捨てた。
「あいつめ。どっかから借りた兵隊で気を大きくしちゃってさ」アズラーイールが溜息をついた。ボーンピッカーは唸った。「あいつ一匹殺せば、決着だ。クレーン車をどうにか……」「イヤーッ！」コンテナを飛び越え、二人の側に、回転ジャンプで着地した者があった。その者は……ニンジャだ。
銃撃が止んだ。ニンジャは堂々とオジギを繰り出した。「ドーモ。アームストロングです」カチモトが手を叩いて喜ぶ。「や、ヤッタ！センセイ！やっちまって下さい！ニンジャにはニンジャだ、このニュービー野郎どもめ！本物のプロのカラテを喰らってアノヨへ行きやがれ！ザマァ見晒せ！」
◆アームストロング（種別：ニンジャ）
カラテ ７ 体力 １０
ニューロン ５ 精神力 ５
ワザマエ ６ 脚力 ５/Ｅ
ジツ ０ 万札 １０
攻撃/射撃/機先/電脳 ８/６/５/５
回避/精密/側転/発動 ８/６/６/０
即応ダイス：５ 緊急回避ダイス：０
◇装備や特記事項
●連続攻撃２
▶テッコLV１：カラテ判定ダイスと回避ダイス＋１
◉ランスキック：脚力で攻撃判定、命中すると痛打＋１＆弾き飛ばし 迎撃回避不可
◉常人の三倍の脚力：脚力＋１、連続側転難易度－１
◉頑強なる肉体：体力＋２
◆タクティカルスーツ：体力＋１
能力値合計：１８アームがストロングそうな傭兵ニンジャです。ニュービーニンジャのデモンハンド＝サンをボコれるぐらいには手練れでしょう。
「ドーモ、ボーンピッカーです」「アズラーイールです」互いにアイサツ。一触即発アトモスフィア！
戦闘開始
イニシアチブ：ボーンピッカー/BP＆アズラーイール/AZ（10）→アームストロング/AS（5）→モーターヤブ/MY（3）→クローンヤクザ/CY（1）
1ターン目
「こいつを連れて、あっちへ突っ込むぞ」「了解！イヤーッ！」ふたりは連続側転で機銃掃射集団へ近づき、クローンヤクザ部隊へ銃を連射！
BPは8D6[11244554]6D6[411556]6D6[156616]2発成功、1発はヘッドショット。AZは8D6[36431522]4D6[5552]4D6[5634]2発成功、CY残り2。ASは連続側転、6D6[234455]成功、脚力4で追いつく。AZへ連続攻撃、[1564][3313]1発2成功。AZは5D6[22551]回避、残り回避ダイス11+2-5＝8。
BLAMBLAMBLAMBLAM！「「「「アバーッ！」」」」LAN直結型ハンドガンが火を噴き、クローンヤクザ四人が即死！「イヤーッ！」アームストロングは連続側転でふたりへ追いつき、アズラーイールへ連続カラテ！「イヤーッ！」回避！だが！『『『皆様の安全を守るオムラのガトリングガン』』』
モーターヤブたちが動き、銃弾の雨を降らせる！BRRRRRRRRTTTTTTT！
MY3機が銃弾の雨、[363426][256551][522456]成功、回避難易度HARDだがニンジャなのでまとめて回避可能。BPは8D6[22161635]回避成功、AZは5D6[14633]回避！ASは10D6[1165445325]回避！
「「「イヤーッ！」」」回避！「おいおい、テメエごと殺す気だぜ」「覚悟の上よ！俺のニンジャ耐久力は貴様らより上だ！」「「スッゾコラー！」」残るふたりのクローンヤクザがマシンガンを向ける！BRATATATATA！
[311][644]3発成功、AZを狙う。3D6[443]回避！
「イヤーッ！」アズラーイールは銃弾の軌道を事前に見切って回避！
2ターン目
「TAKE THIS！」ボーンピッカーはさらに連続側転し、クローンヤクザを射撃！BLAMBLAM！
8D6[13426636]5D6[52315][65146]2発成功、1発ヘッドショット。CY全滅。
「「アバーッ！」」マシンガンヤクザ全滅！だが傭兵ニンジャとモーターヤブ三機が健在だ！アズラーイールは連続側転してボーンピッカーと距離をとり、モーターヤブへ射撃！「TAKE THIS！」BLAMBLAM！
AZは8D6[43124515]4D6[3524]4D6[1214]1発命中。MY1機の残り体力11。
『ピガーッ！』命中！しかしヤブの装甲は堅牢！ハンドガンでは火力が足りない！「イヤーッ！」アームストロングがアズラーイールへ追いすがる！
6D6[531316]4D6[5413]4D6[3656]1成功、3成功＆殺伐！出目[1]痛打＆弾き飛ばし！AZは3D6[621]5D6[36423]回避！残り回避ダイス5！MYは1機がBP、2機がAZへ連射6。[443153][264143][165334]成功。BPは11D6[51315412436]回避、AZは5D6[43212]ギリギリ回避！アブナイ！
「イヤーッ！」側転回避！『『『モーターヤブは賢く強い』』』チチチ……BRTTTTTT！三機の戦闘兵器が銃弾を撒き散らす！「「イヤーッ！」」ボーンピッカーとアズラーイールは跳躍回避！ニンジャに銃弾は滅多に当たらぬ！だが、このままでは！「大したカラテだな！ソウカイヤに来ねえか？」
ボーンピッカーがアームストロングへ呼びかける。「あのイカレたオヤブンはソウカイヤに楯突いてンだぜ。勝てるわけねェだろ」「断る！」アームストロングは一言で切り捨てた。彼はザイバツニンジャではないようだが、ソードオブブラッドがザイバツの支援を受けている可能性は高い。
急激かつ強引に勢力を広げたせいで敵は多いものの、カネと暴力で無理やり理不尽を押し通している。ここで止めねば！
3ターン目
「「TAKE THIS！」」二人は連続側転で距離をとりながらアームストロングへ射撃！BLAMBLAMBLAMBLAM！
BPは8D6[63465556]6D6[516445]6D6[312653]2発成功、AZは8D6[65232364]4D6[3213]4D6[3246]1発成功。ASは[33][25][21]2発命中！残り体力8、回避ダイス2！
「グワーッ！」アームストロングは避けきれず二発食らう！「なんのこれしき！イヤーッ！」コンテナ壁面を跳ね渡りアズラーイールへ攻撃！
ASは連続側転&AZへ攻撃、6D6[532233]4D6[1326]4D6[2316]1成功2つ。AZは4D6[6236]4D6[1561]2成功回避2つ&迎撃2発！ASは[35][31]1発命中、残り体力7、回避ダイス0！AZの回避ダイス5！
「イイヤーッ！」「グワーッ！」だがアズラーイールは冷静にこれを捌くと迎撃を繰り出す！ゴウランガ！『『『投降受付時間は終了しました！』』』モーターヤブ三機が銃弾の雨を降らせる！BRTTTTTTT！
[322563][461434][562145]成功。BPは13D6[5223315436651]、AZは5D6[63555]回避！ASは回避ダイスなし！3発食らって残り体力5！
「グワーッ！？」フレンドリーファイア！体勢を崩したアームストロングに命中！「ザマミロ！」「ブッダファック！」……その時だ！
「オイ！そっちだ！畜生！何だ！殺れッ！」不意に、ゴンドラの中のカチモトが叫んだ。下に向かってなにやら喚いている。「センセイ、こっちです！別働隊が！モーターヤブもこっちに来い！」「なんだと？」アームストロングが驚愕した。こちらに注意をひきつけておいて、オヤブンの方を！
「だとよ。俺らのことはほっといたがいいんじゃねえの」ボーンピッカーが肩をすくめる。別働隊のことは聞いていないが、たぶんソウカイヤの援軍だろう。このニンジャはともかく、ヤブ三機は厄介だ。助かった。「けど、オヤブンのところへは行かせないよ」アズラーイールはカラテを構えた。
4ターン目
大気にカラテが満ちる！ハードモード突入！
「「イヤーッ！」」二人は連続側転でアームストロングへ飛びかかる！
BPは8D6[43626646]6D6[636223]2成功＆殺伐！出目[4]＝脚部粉砕！ASは4D6[1321]回避失敗！体力2ダメージを受け残り3、カラテに1、脚力に2ダメージ！カラテ6、脚力3に低下！回避ダイスも1減って残り3！AZは8D6[66464251]6D6[565541]4成功。3D6[426]回避！
「グワーッ！」ボーンピッカーのキックがアームストロングの右アキレス腱に命中！断裂せしめる！「お、オノレ！」アームストロングは離脱もままならず、アズラーイールへカラテ！「イヤーッ！」
6D6[224636]4成功＆殺伐！出目[6]即死！AZはMYが引き上げていくため全力回避可能！さらにアドレナリン・ブーストし13D6[1423123154454]6成功回避＆迎撃！ASはまともに食らい残り体力2！AZの残り精神力8。
死物狂いの渾身の一撃！食らえば致命傷！アズラーイールはアドレナリンをみなぎらせ、ブリッジ回避からの迎撃キック！「イヤーッ！」「グワーッ！」ワザマエ！『『『モーターヤブはあなたのオヤブンを守ります』』』三機のモーターヤブはアームストロングを見捨て、カチモトのもとへ！
「フーッ、フーッ……」アズラーイールは息を乱している。「まだやるか。マジで死ぬぜ。降伏しろ」ボーンピッカーは改めて降伏勧告する。
降伏勧告、ワザマエで難易度U-HARD。「駆け引き」で+2。BPは10D6[4445311364]ギリギリ成功。
「……わかった、降伏する」アームストロングは状況判断し、形勢不利を悟ってハンズアップした。手練れの傭兵は生存を優先し、死ぬまで戦うことはしない。「OK。アズラーイール＝サン、こいつを縛っとけ」「アイアイ」
戦闘中断
BRRRTTTT……BLAMBLAMBLAM……BRATATATATATA……！モーターヤブが向かった先から、激しい機銃掃射や銃撃の音が聞こえてきた。「イヤーッ！」「イヤーッ！」そして二つのカラテシャウト。「イヤーッ！」「「「「アババーッ！」」」」BRATATATA……BRATATATA……「イヤーッ！」KA-BOOOM！
「どうする？」「IRC端末になんか連絡来てねえか」「……いや、何もないけど。横取りかな」「しゃあねえな。俺らも二手に分かれりゃよかったか」「そっちがニンジャとヤブとクローンヤクザをひきつけて、僕がクレーンを襲う役ね」「逆だ」ボーンピッカーはソウカイ・ネットに連絡する。
『……そっちに別のソウカイ・ニンジャは向かっていない。そんな要請も受けていない』電脳部門所属のニンジャ、インパーミアブルから返信。「じゃあ、あっちでオヤブンを襲ってるのは？」『不明だ。お前らもボーッとしてないで加勢しろ。誰がやってるのか確認して来い』「アイ、アイ」
喧騒が止んだ。二人が見たのは工業用ライトに照らされた死体の群れと、鉄屑と化したモーターヤブ三機。その上に立つ柿色の装束のニンジャ。ソウカイヤではないとすれば、どこの所属か？別のヤクザクランからのアサシンか？「ヤメローッ！アバーッ！」叫び声がして、二人は視線を上に向けた。
クレーン車のゴンドラの上で、カチモトが別の一人に首を掴まれ、吊り上げられていた。取り落とした拡声器が、はるか下へ落ち、コンクリートに砕けた。「サヨナラだ」「アイエエエ！」カチモトを吊り上げている者は、手を離した。カチモトはもがきながら下に落ち、コンクリートに潰れた。
戦闘終了
「ワオ」ボーンピッカーは感嘆し、口笛を吹いた。「おーい！ドーモ、こちらソウカイ・シンジケートのボーンピッカーです！助けてくれて、ありがとよ！どこのどなたさんで！」大声で呼びかける。ニンジャならば、アイサツをされれば返さねばならない。「イヤーッ！」
ゴンドラの上の者は飛び降り、前転ウケミして優雅に着地した。西洋剣を手にした白騎士じみたニンジャだ。彼は立ち上がり、礼儀正しくオジギしてアイサツする。「ドーモ、アルトリウスです」
続いて、下にいる柿色の装束のニンジャが振り返り、やや粗暴な態度でアイサツする。「ドーモ、俺はモルドレッドです」
アルトリウスは二人を値踏みするように見回す。「どこの、とな。ソウカイヤやザイバツではない。俺たちは『ブラザーフッド』という、新興の傭兵集団だ」「へえ。ソウカイヤの敵じゃあねえんだな？」「今のところはな」モルドレッドが剣呑な目つきで答える。「まあ、敵対したくはないさ」
アルトリウスは目を細める。「ここのオヤブンは、我々のボスに狼藉を働いたので成敗した。君たちの獲物を横取りした形だな。すまない」「いやはや、大したもんだ。ぜひソウカイヤにお誘いしたい」「いや、我々は独立組織としてやっていきたい。そちらと利害が合えば協力しよう」
「そりゃどうも。あ、名刺です」互いに名刺を交換する。「オヤブンの死体はどうする？トマトソースになってるが」「特に要らん。欲しければ持っていけ」「アリガトゴザイマス」ボーンピッカーはオジギし、死体から首級らしき部分を切り取った。まさしく「骨拾い」だ。「では、オタッシャデ」
アルトリウスとモルドレッドは、じわりと闇に溶け込むように姿を消す。後には死体とジャンクが残るばかりだ。ボーンピッカーはせっせとジャンクを漁り、死体の財布を抜く。「みっともないな。これって、僕らの手柄になるの？」「目的は結果的に果たしたが、評価は、さあな。お前も手伝え」
アズラーイールは嘆息し、インパーミアブルに結果を報告する。『そんな手練れがいれば、ソウカイヤが把握してると思うがな。ザイバツから派遣されたエージェントじゃないか？』「可能性はあるけど、僕らを始末しようともしなかったよ」『まあ、調べておこう。ピラーに戻り、報酬を受け取れ』
評価：C+ カチモトを殺す目的は果たし、傭兵ニンジャを降参させたが、謎の二人組のニンジャに手柄を横取りされた。万札20を山分け。クローンヤクザ6体から万札6、アームストロングから万札10を獲得。1人頭万札18。名声・余暇なし。アームストロングはソウカイヤに強制加入させられた。死体やジャンクからかっぱいだカネは、ボーンピッカーが適当に使った。
……その、数日後。料亭「おなんが」で事件は起きた。
【続く】
◆
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