忍殺TRPGリプレイ【アンダーグラウンド・ハリーアップ!】04
前回のあらすじ:姿を消した知り合いを探し、謎めいた「緑の土管」に飛び込んだ女ニンジャ・ファイアキラー。悪夢めいた異世界の先に待っていたのは、ピンク装束の奇妙なニンジャ「ザ・ヴァーティゴ」であった。何か大変な事が起きているらしいぞ。決戦の相手は……カラダニキヲツケテネ!
◆
010101010101……会議室の天井が突然真っ黒に染まり、そこから黒いものが滴り落ちて来た。それは……カートゥーン・アニメなどでしばしば見られる存在、「魔法少女」のように見えた。だがその口からは男の声が響いた。『ドーモ!溢れる下水のにおい!キュアドレインです!』
『ドーモ、ザ・ヴァーティゴです!』「ファイアキラーです」二人はアイサツを返す。ファイアキラーは訝しんだ。「アンタ、ボリス=サンじゃないか。ネオサイタマの傭兵ニンジャの。探したよ」『そうだよ、ボリスだぜ』キュアドレインは邪悪な笑みを浮かべた。『本名はゴトー・ボリスだ!』
『こ……これはまずいぞ』ザ・ヴァーティゴはたじろいだ。『こいつは、きみたちの世界では「デスドレイン」って呼ばれていた凶悪なニンジャだ。こんな恰好はしているけど、たぶん実力は同じ……』『そういうこと……ヒヒ!なあファイアキラー=サン、俺の仲間になろうや。タノシイぜ!』
『耳を貸すな!やつはマジで邪悪なんだ。たぶん例の丘の次元と、いつぞやの魔法少女次元がどっかで混ざってあんな感じに……そして実力でグンバ団を乗っ取ったというわけか』『御名答』ザ・ヴァーティゴはテツノオノをかざし、ファイアキラーをかばった。「……アンタ、これからどうする気?」
ファイアキラーは震えながらキュアドレインに問いかける。真正面から戦えば死ぬだろう。『ウヒヒヒ!』彼女は……彼は、邪悪に目を細めた。『そりゃおめえ、あの緑の土管からネオサイタマに戻るのさ。アンダーガイオンとか、他の場所にも通じてるらしいが、同じことだぜ。後は自由だ!』
『させるものか!』ザ・ヴァーティゴは敢然とキュアドレインに立ち向かう!『してやるぜ。テメエはなんかコソコソ俺たちを探ってた、デッカーめいたなんかだろ。ムカつく野郎だ……テメエも食って、取り込んでやる!』キュアドレインは暗黒物質を解き放つ!最終決戦アトモスフィア!
戦闘開始
敵戦力
◆キュアドレイン(種別:ニンジャ/魔法少女)
カラテ 1 体力 49
ニューロン 13 精神力 26
ワザマエ 5 脚力 3/N
ジツ 9 万札 0
近接/射撃/機先/電脳 7/12/14/13
回避/精密/側転/発動 14/11/ 7/28
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:8
◇装備や所持品
◆アーチ級生成装束(全身、俊敏な)
体力と精神力+4、緊急回避+8、射撃・機先・回避+1、側転+2
◇ジツやスキル
☆ダイコク・ニンジャソウル、ジツLV9
☆アンコクトン・ジツLV3:精神力1消費し発動(N)
カトンと同じ範囲の3×3マスにダメージ1&回避ダイスダメージ2(回避H)
◉◉グレーター級ソウルの力:ニューロン+ジツで精神力換算
◉◉アーチ級ソウルの力:カラテ+ジツで体力換算
★◉アンコクトン移動:精神力1消費し発動(H)
10マス以内の任意のマスへ移動
★◉死体吸収:アンコクトン・ジツでの殺害数と同じ体力か精神力を回復
発動時に手番終了フェイズに瞬時行動で欠損部位再生可能
★★★◉不滅:即死耐性、気絶状態でもペナルティありで移動可能、ロストしない
★★★◉欠損部位再生:即死耐性、部位損傷回復(精神力1と攻撃手番消費)
★★★◉アーチ級装束生成
★★★◉半神的存在:ニューロン×3で体力換算
★★★アーチ級アンコクトン・ジツ:精神力2消費し発動(UH)
視界内の敵(ジツ値半分まで)全員にダメージD3+1(回避H)
命中すると拘束(脱出H) 出目66なら時間差で2連発(拘束付与は2発目のみ)
出目6666なら、敵1体のみを対象にした時ダメージがジツ値と同じ(回避UH)
拘束付与の代わりに殺伐発生 出目66とは併用不可
●代償:油断 最初の手番では出目66の効果が使用できない
体力半分以下になるまで出目6666の効果が使用できない
★★★アンコクトン・ジゴク:精神力4と回避ダイス2を消費し発動(UH)
シナリオ中1回限り 術者を中心として49×49マス以内にアンコクトンを広げ、
毎ターン開始時に自動ダメージ(2ダメージ+回避ダイスダメージ2、回避H)
●時間差、マルチターゲット
●ニンジャ第六感:判定1個をシナリオ中1回だけ振り直せる
◉ニンジャソウルの闇(6):体力及び攻撃・射撃・発動+6
◉邪悪なサディスト:カルマ善の敵への攻撃+2
ボス級の敵1人を殺すか殺伐出目2以上の効果を与えるたび精神力1回復
(敵がカルマ善なら2回復)
◉ニンジャアドレナリン強化:アドレナリン・ブーストを2回発動可能
◉臨機応変:ターン開始時に同じマップの味方1人を選択し、その直後に行動可能
○生い立ち:凶悪指名手配犯
◉知識:犯罪
◉交渉:威圧、誘惑
能力値合計:37
1ターン目
『ヘァハハハハ!アン・コク・トン・ジ・ゴク!』KABOOOOM!汚泥じみた暗黒物質「アンコクトン」が広大な会議室を覆い尽くし、二人に襲いかかる!『「イヤーッ!」』ザ・ヴァーティゴとファイアキラーはカラテで弾いた!『そちらのステータス表は丸見えだ!行くぞ!ヒサツ・ワザ!』
ザ・ヴァーティゴはその場で集中し、眉間部分にシワを寄せてキアイを入れる!『アーチ級ネンリキ・ジツ!』ZGMMMM……!彼が掌をキュアドレインに向け、握りしめるような動作を行うと、不可視のエネルギーがキュアドレインを拘束した。『グ、グワーッ!?』巨大な手に掴まれるような感覚!
『ビンゴだ。こいつのカラテは弱い!』ザ・ヴァーティゴはさらに強く掌を握りしめ、圧力を強める!『グワ、グワ、グワ、アバーッ!?』キュアドレインは必死で拘束から逃れようともがくが、カラテが足りない!所詮はジツに頼り切った男!『ま、待て!助け……』『イイイヤァアアアーーーッ!』
『アバーッ!』ギュッと握り込まれ、キュアドレインは周囲の暗黒物質ごと真っ黒い野球ボール大の球体に変わった!ナムアミダブツ!「マ?」ファイアキラーはあっけにとられている。『マなのだ。そして!』010101……ザ・ヴァーティゴは虚空から野球バットを召喚した!『食らえ!必殺!』
彼はバットを大きく振りかぶり、振り抜く!『次元圏外本塁打!!!』SMAAAAAAASH!『アバババババーーーーッ……』SHINING-STAR-FLASH!キュアドレインは窓から空高く打ち飛ばされ、夜空の星となった!ゴウランガ!『フーッ……試合終了!』
戦闘終了
エピローグ
「……これで、片付いたの?」ファイアキラーは恐る恐るザ・ヴァーティゴに尋ねた。『あれでやつが滅んだとは思えない。不滅だからね。だが、しばらく行動不能だろうな』コロン。キュアドレインが立っていた場所に、ゲーミング発光する宝石が落ちていた。『これはマルチバース・クリスタルだ』
ザ・ヴァーティゴはそれを拾い上げる。クリスタルの表面にはマンゲキョめいて、無限に変化する光景が映し出されている。『やつがグンバ団から奪ったものだな。これを破壊すれば、クリスタルが記憶している範囲ではあるが、やつらが奪ったものを解放できる』彼は野球バットを再び振り上げた。
『イヤーッ!』SMASH!クリスタルは叩き割られ、無限の色彩に輝くエネルギーが解放された!『これでよし。ここまでよく付き合ってくれた、ファイアキラー=サン』野球バットは01分解し、再び虚空へ消えていく。ザ・ヴァーティゴとともに。『……おっと、私はこれまでのようだ。やれやれ』
「消えちゃうの?」『いいや。この世界での使命を終えたから、別の次元に移動するだけさ。私は次元旅行者だからね』ザ・ヴァーティゴは様々な姿に変化しながら微笑んだ。『ナムアミダブツ。これもインガオホーという事。これからもきみの行く手には苦難が尽きないだろうが、負けるなよ!!』
……ザ・ヴァーティゴは右手を上げて背を向け、光り輝くポータルの彼方へ、別の次元へ去っていった。ファイアキラーは光に包まれ……01010101
010101010101
……気がつくと、彼女はネオサイタマの酒場のカウンターで突っ伏していた。「お客さんダイジョブ?」バーテンダーが心配そうに覗き込んでいる。「あ、ああ、ダイジョブ……」ファイアキラーは泥酔状態から覚醒した。何か……わけのわからない悪夢を見たような気がする。財布とかは……無事だ。
「おかえり」隣の席から、聞き覚えのある声。「ヒヒ……無事でよかった。ドーモ、フィルギアです」「ドーモ……アンタが連れ帰ってくれたの?」「さあね。アンタはずっとここで眠っていた……たぶん、そういうことさ」フィルギアは肩をすくめた。果たして何があったのか……思い出せない。
いや、そうだ。ここは「ボリス」と出会った酒場だ。物憂げな少女のような姿をしていて、ヨタモノに絡まれたのを気まぐれに助けてやって。それから……「それより、俺が奢るよ。酔い醒ましに何かどう?」「お言葉に甘えるわ」ファイアキラーは氷入りのミネラルウォーターを注文した。
【アンダーグラウンド・ハリーアップ!】終わり
リザルトな