忍殺TRPGリプレイ【リーヴ・オール・ビハインド】02
前回のあらすじ:99マイルズ・ベイ、ソウカイ・シンジケート仮本部、スカウト部門事務所。カロウシ寸前のソニックブームは、ヘルカイトの策略で昏倒させられ、オンセンに送られる羽目になった。だが彼が目を覚ますと、目の前には自らの別の姿、フマトニがいた!カラダニマジキヲツケテネ!
◆
「スッゾコラー!」BOOMBOOMBOOM!ソニックブームが一瞬ハヤイ!距離を保ちながら恐るべきジェット・ツキを三連打!SMASH!「グワーッ!」命中!だがフマトニは笑いながらジェット・ツキで反撃!「イヤーッ!」BOOMBOOMBOOM!「グゥワーッ!」ソニックブームは弾き飛ばされる!
「スッゾ……コラー!」BOOMBOOMBOOM!反撃のジェット・ツキだ!「イヤーッ!」回避!フマトニは中腰に構えてジェット・ツキ!「イヤーッ!」BOOMBOOMBOOM!「ウオーッ!」ソニックブームはかろうじて回避!「ハハハハ!私の方が強いようですねェ!」フマトニは嘲笑う!
「テメッコラー……ザッケンナコラー!」ソニックブームは流血を拭いながら、マントラめいたヤクザスラングを吐き散らす。我ながらなんたる強さ!ダメージはこちらの方がやや大きい。このままではジリー・プアー(訳注:徐々に不利)だ!そして彼は一体何者なのか?答えは、カラテあるのみだ!
戦闘継続
2ターン目
「ザッケンナコラー!」BOOBOOMBOOM!ソニックブームは一定の距離を保ちつつジェット・ツキ三連打!「イヤーッ!」BOOMBOOMBOOM!フマトニも同時にジェット・ツキ三連打!SMAASH!「「グワーッ!」」命中!痛烈!だが二人はニンジャ耐久力で耐える!この勝負互いに譲らずだ!
「スッゾコラー!」BOOMBOOMBOOM!ソニックブームは渾身のカラテを込め、ジェット・ツキ三連打!だが同時にフマトニも動く!「ワドルナッケングラー!」BOOMBOOMBOOM!迫り来る必殺のソニックカラテ衝撃波!どくん……!二人は同時にアドレナリンを過剰分泌し「イヤーッ!」回避!
ナムアミダブツ……まさに実力伯仲!この二人の拳の間に生じる真空状態の圧倒的破壊空間は、まさに歯車的砂嵐の小宇宙!もしここにマグロを投げ込めば、たちどころにネギトロに変わるであろう!
3ターン目
「ザッケンナコラー!」BOOBOOMBOOM!ソニックブームは一定の距離を保ちつつジェット・ツキ三連打!「イヤーッ!」BOOMBOOMBOOM!フマトニも同時にジェット・ツキ三連打!SMAASH!「グワーッ!」フマトニにのみ命中!ソニックブームは紙一重でしゃがみ回避していた!ワザマエ!
「スッゾコラー!」BOOMBOOMBOOM!ソニックブームは追撃のジェット・ツキ三連打!「ソマシャッテコラー!」BOOMBOOMBOOM!フマトニも同時にジェット・ツキ三連打!SMAASH!「グワーッ!」今度はソニックブームにのみ命中!フマトニはしゃがみ回避!ワザマエ!「クソが……!」
ダメージはソニックブームの方が僅かに大きい。このままでは押し切られてしまう。ソニックカラテの弱点はワン・インチ距離で撃てないことだが、相手もそれを熟知している。懐に飛び込んだが最期、恐るべきボックス・カラテ連打が飛んでくるだろう。今の自分ではそれを……躱しきれない!
4ターン目
「イイイ……イイイヤァアアアーーーッ!」ソニックブームは連続側転を繰り出しながらジェット・ツキ三連打!BOOMBOOMBOOM!フマトニはこれを躱そうとするが……大気にみなぎる両者のカラテが、飴めいて空気を粘つかせたゆえか……僅かに動きを鈍らせる!それが致命的な隙となった!
SMAAAASH!「グワ……アバーッ!」ゴウランガ!フマトニは恐るべきジェット・ツキを二発食らい、ボロ雑巾のようになって吹っ飛ぶ!彼は天井に突き刺さり吐血!戦闘不能!「ゴバッ……バカな……!」「シューッ……!テメェは決して弱くねェ……俺だからな……紙一重の勝利ってところか……!」
戦闘終了
???
「アバッ……ゴババババ!」フマトニは大量に吐血し、蛍光緑色の01に分解されていく!同時にドージョー全体が緑色に光る格子と化し、無数の01が光りながらホタルめいて飛び交う。「これは……!」賢明な読者諸君はお気づきであろう。ここは現実世界にあらず、いわば霊的世界、コトダマ空間だ。
フマトニから吐き出された血液は、タタミだった場所でぐじゅぐじゅとうごめき、不確かな悪霊じみた姿をとる。『アバーッ……ドーモ……ソニックブーム=サン……!』それはオジギし、アイサツした。『010101わ、私は……誰だったか……思い出せない……!ゴンベモン……ゴンベモン……です010101』
「……ドーモ、ゴンベモン=サン。ソニックブームです」アイサツを返す。彼は、この者のもとのニンジャネームは知っているが、正体や物理的な姿は知らない。「テメェのしわざ、ってわけか。カイシャクさせてもらうぜ!」『アバー……わ、私は……誰だ……?』「知るかよ!イイイ……!」01010101
0101010101010101
「イイイヤァアアアーーーッ!」BOOMBOOMBOOM!「「「アババババーッ!」」」ゴウランガ!ソニックカラテ衝撃波が、拘束クローンヤクザ部隊を薙ぎ払った!「えっ」デンパルスは驚愕した。昏睡状態にあったソニックブームが突然暴れ出したのだ!そして!「グワ……ンアーッ!?」
ヘルカイトにも命中!……否!それはヘルカイトではない!装束が、姿が歪み、正体を現したのは、若い女だ!「アバッ……バカな……!」「テメッコラー!ドーモ、デンパルスです!何処的鉄砲玉ラー!」とっさにアイサツ!ニンジャはアイサツされれば、返さねばならない!
女ニンジャは震えながらアイサツを返した。「アイエエ……ど、ドーモ、カメレオンです!」
カメレオンはガタガタと震え、怯えきっている。あるいはそれも演技か。彼女は湾岸警備隊に所属する秘密工作員であり、カラテは乏しいものの、他人そっくりに変身する特殊なジツを持っている。潜入工作を行うにはうってつけだ。彼女がヘルカイトに化け、ソニックブームに毒を盛ったわけだ!
「敵か!」「敵だと!?」「ソニックブーム=サン!ドシタンス!」事務所のあちこちからソウカイニンジャが立ち上がり、駆けつけようとする!このままではカメレオンは捕縛され、情報を搾り取られる!湾岸警備隊が、ハーヴェスターが、彼女を派遣したことを悟られてはならない!セプクの時か!
……その時!「イヤーッ!」BOMB!カメレオンは軍用スモークボムを床に投げつけ、姿をくらました!さらにジツで姿を変え、煙に紛れて脱走!「お、追え!逃がすなーッ!」「賊だ!」「ソニックブーム=サンが毒を盛られたぞ!」「許すな!」「捕まえろ!」ニンジャたちは急いで追跡!
しかし、カメレオンは単独で潜り込んでいたわけではない。姿を変えながら人混みに紛れ、何食わぬ顔で協力者と合流し、敵を置き去りにして見事に逃げおおせる。彼女の顔は一つではない。いずれまた、ソウカイヤを脅かすことがあるかも知れない。その恐怖と疑念も彼女の武器なのだ……!
エピローグ
……ソニックブームは、再びデスクに倒れ、気絶していた。急報を聞いて駆けつけたリー先生は、状況を整理し、調査にかかる。
「フゥーム、これは……タケウチ・ウイルスだねェー」スキットルに残った液体を調べ、リー先生は眉根を寄せる。いわばニンジャに特効の猛毒だ。スカウト部門でも凶暴なニンジャを捕縛・尋問する時などに、リー先生からごく少量を薄めて授かり、使用することが稀にある。「ち、治療薬を!」
「当然持って来ているねェー」リー先生が治療薬を投与すると、ソニックブームの容態は安定し始めた。だが、まだ目を覚まさない。「過労だねェ。ニンジャといえどもカロウシはする。適切に休んでこそパフォーマンスも最大限に発揮できるというものだ」「面目無いッス……有難ッした」
デンパルスは頭を下げる。「とにかく、休ませることだねェー。これもサイオー・ホースだ」「ハイ」……こうして、ソニックブームはオンセン送りとなり、またしばらく療養生活に入った。彼を乗っ取ろうとしたフマトニ、あるいはゴンベモン……そしてカメレオンの行方は、杳として知れない。
だが、この騒動でソウカイヤは警戒態勢を強めた。敵は仮本部の中枢にまで潜入し、シックスゲイツに毒を盛ることさえも可能なのだ。このまま敵を増やしていけば、オムラやソウカイヤといえど滅ぼされかねない。ゲイトキーパーはラオモト・カンと相談し、各方面と休戦協定の締結に動き出した。
デンパルスはキアイを入れ、拳を握りしめる。ソニックブームが療養に入った今、自分が……自分たちがスカウト部門を、ソウカイヤを担わねばならない。シックスゲイツの「六人」のうちの二人、ハウスバーナーとポイズンバタフライはキョート遠征から数ヶ月も帰らず、連絡も途絶えた状態だ。
おそらく殺されたか、最悪……寝返ったか。彼らの仲間のインパーミアブルは否定するが、名誉職とはいえ「六人」の枠をいつまでも空けておくわけにはいかない。候補生は大勢いるのだ。自分はまだ未熟ではあるが、いつかは……!様々な思惑を置き去りにして、情勢は刻一刻と動いていく!
【リーヴ・オール・ビハインド】終わり
リザルトな
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