忍殺TRPGリプレイ【ソウル・ハッカーズ】01
邦題:魂をハックするものたち(Soul Hackers)
ドーモ、三宅つのです。これは2022年4月23-24日にDiscord上で行われたニンジャスレイヤーTRPGの初心者講習会イベントでのサンプルシナリオを元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。
親の顔より見慣れたヤクザの事務所へのカチコミですが、応接室にキヨシがいたり、警報を聞きつけたヤクザやニンジャが一斉に動き出したり、応接室に窓から飛び込んで囚われた誰かを救出することが目的だったり、アレンジが加えられています。一斉に動いて襲ってくるやつは前にやりましたね。
今回挑むニンジャはこいつらです。
◆キリングウォーカー(種別:ニンジャ)
カラテ 2 体力 3
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 3 脚力 2/UH
ジツ 0 万札 0
DKK 0 名声 1
攻撃/射撃/機先/電脳 3/ 4/ 4/ 4
回避/精密/側転/発動 4/ 3/ 3/ 0
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆カタナ二刀流:側転難易度+2、攻撃難易度H、連続攻撃1
●戦闘スタイル:防御構え 連続攻撃上限1、殺伐なし 次の手番まで回避難易度-1
●戦闘スタイル:回転斬撃 連続攻撃上限1、痛打・殺伐なし、迎撃不可
ワザマエHで判定、成功すると隣接敵全員に1ダメージ
◇ジツやスキル
◉ニンジャソウルの闇(1):体力および攻撃・射撃・ジツ発動ダイス+1
○生い立ち:刀剣マニア 刀剣類売却時に万札+1
◉知識:ソウカイヤ、伝統的アート
○背景タイプ:反抗心や嫌悪
能力値合計:9
恐るべき殺人への意気込みを感じさせる邪悪ニンジャです。闇持ちの刀剣マニアで二刀流ですし、名前からして確実にツジギリストでしょう。カラテやワザマエは高くありませんが、鍛えればものになりそうです。ディマカエルス=サンと少々キャラが被りますが。
◆ファイアキラー(種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 6 脚力 3/N
ジツ 0 万札 -12
DKK 0 名声 1
攻撃/射撃/機先/電脳 4/ 6/ 7/ 8
回避/精密/側転/発動 6/ 6/ 6/ 0
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定ダイス+2、イニシアチブ+1
▷電脳戦用デッキ:ハッキング系スキル発動判定ダイス+2(複数可)
◇ジツやスキル
○生い立ち:サイバーゴス
◉知識:サイバネティクス
◉kill-9:ハッキング(H)に成功すると軽減不可2ダメージ(回避N)
能力値合計:16
ファイアウォールをキルするほうのハッカーニンジャです。電脳戦用デッキは生い立ちで、kill-9はジツなしのため無料で獲得しましたが、生体LAN端子はローンが残っています。能力値が実際高く、油断なりません。
キリングウォーカーはソウカイニンジャとしてカチコミをかけ、ファイアキラーはフリーランスとしてオイラン奪還に来ています。危険な男と危険な女が、ヤクザの事務所でハクスラするわけですね。人数が少ないので調整しましょう。では、始めます。
◆◆◆
序
ネオサイタマ、ツチノコ・ストリート、ウシミツ・アワー。ここはゴーストオブツチノコゾンビー・ヤクザクランの事務所だ。ソウカイ・シンジケートのニュービーニンジャ・キリングウォーカーは、ここにカチコミをかけてオヤブンを殺せと命じられた。一人でだ。ニンジャなら可能だろうが……。
「せめて相方がいればよかったが……」キリングウォーカーはブツブツとつぶやいた。彼は諸事情により所属前からソウカイヤには詳しい。こうしたミッションにはだいたい三人か四人のチーム、少なくともコンビで派遣されるものだ。情報では傭兵ニンジャもいるというのに、一人ではやや不安だ。
「まあ、人斬りが思う存分できるならよし」キリングウォーカーは気持ちを切り替え、目の前のミッションに集中することにした。為せば成る。ソウカイヤの下で働くのはどうも気に食わないが、事ここに至ればやるしかあるまい。ニンジャを殺さずとも、オヤブンの首を持ち帰れば良いのだ。
「ドーモ、キリングウォーカー=サン」突然アイサツされ、彼は狼狽した!「アイエッ!?」「アタシはファイアキラー。フリーランスよ」「ど、ドーモ、キリングウォーカーです」アイサツを返す。見るからにサイバーゴス。そして、ニンジャだ。「これから、あの事務所にカチコミするんでしょ」
「……なんで知ってる」「秘密。一緒にカチコミしようよ。アタシはあの事務所からオイランを救出しろってビズ受けたの。オヤブンの首はあんたにあげるからさ」ファイアキラーはケタケタと笑った。ザイバツニンジャの罠、でもなさそうか。「……よかろう。戦利品は?」「山分け」「了解」
入口右下のランダムトレジャー、1D6[2]=万札1。
曲がり角には、ミニマルだが見事なボンサイがある。持ち帰ればそれなりになろう。キリングウォーカーは伝統的アートには詳しい。しかし、角の向こう……応接室の手前のドアには、屈強な見張りヤクザが一人立ち、チャカを手に油断なく周囲を警戒している。まずはあれを排除せねばなるまい。
◆見張りヤクザ(種別:モータル/ヤクザ)
カラテ 2 体力 2
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ - 万札 1
攻撃/射撃/機先/電脳 2/3/2/2
◇装備や特記事項
◆チャカガン
スリケン投擲。6d6[532235]4D6[1114]=成功。万札1獲得、現有2。
二人は角から姿を現し、スリケンを投擲!「「イヤーッ!」」「アバッ」命中!見張りヤクザは眉間からスリケンを生やし、声もなく倒れた。キリングウォーカーは見張りヤクザに駆け寄りトドメを刺す。問題はここからだ。二人は任務のために、手持ちの情報をある程度は共有している。
情報によれば、このゴーストオブツチノコゾンビー・ヤクザクランのオヤブン・ゴンダワナは、今宵スピリットオブエルダーツチノコ・ヤクザクランと麻薬密売ルートを巡って何度目かの交渉を行うため、応接室にいるはずだという。傭兵ニンジャも一人雇っており、実際油断ならない。
「応接室にオヤブンがいる。そいつに襲いかかり、首を刎ねて、ニンジャとはなるべく戦わずに脱出する。倒せればボーナスだ」「OK」彼女は自分より強そうだが、傭兵としてそこそこ手練れであろうニンジャを倒すのは、二人がかりでも難しかろう。二人はドアの前で息をひそめ、中の様子を伺った。
……ニンジャアトモスフィアは、感じられない。中にはクローンヤクザが八人と、もうひとり。おそらくオヤブンのゴンダワナだ。ならばいける!二人は応接室へ足を踏み入れた。クリスタルテーブルの奥にオヤブン。「ドーモ初めまして。キリングウォーカーです」「ファイアキラーです」
「……ドーモ、ゴンダワナです」
◆ゴンダワナ(種別:モータル/重サイバネ、ボス級)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ - 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 4/ 3/ 3/ 3
回避/精密/側転/発動 4/ 3/ -/ -
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0
◇装備や特記事項
▶テッコLV1:攻撃ダイスと回避ダイス+1
◆チャカ・ガン
◆ヒートカタナ:ダメージ2(1+火炎1)
能力値合計:9
イメジはフザワノ=サンの使いまわしです。
◆クローンヤクザY-11型(種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)×8
カラテ 1 体力 1
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ - 万札 1
攻撃/射撃/機先/電脳 1/3/1/1
◇装備や特記事項
◆チャカガン
オヤブンは訝しみながらもアイサツを返した。「スピリットオブエルダーツチノコの使者か?」「ハイ」二人はつかつかと歩み寄る。クローンヤクザたちは懐に手を入れて立ち上がった。「伝言です。交渉は決裂。ゴンダワナ=サンの首を我々が貰いに来ました」「……ザッケンナコラー!」
ゴンダワナはヒートカタナを抜き払い、二人を指し示す!「テメエらの首を刎ねてスピリットオブエルダーツチノコに送り返すぞ!ヤッチマエー!」「「「「スッゾコラー!」」」」一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
イニシアチブ:ファイアキラー/FK(7)→キリングウォーカー/KW(4)→ゴンダワナ/GW(3)→クローンヤクザ/CY(1)
FKとKWは戦闘配置として、応接室ドアから3マス上にいる。FKは奥のCY1体へkill-9、10D6[4256155216]成功。倒す。
「雑ァ魚」ファイアキラーは目を細め、ゴンダワナの隣のクローンヤクザの埋込式サイバーサングラスにハッキングを仕掛ける!「kill-9 U!」「マ!マーッ!」クローンヤクザが突然痙攣し、自分のこめかみにチャカガンを当てて引き金を引いた!BLAMN!「アバーッ!」即死!ナムアミダブツ!
KWは2マス前に進み回転斬撃!即応ダイス1をつぎ込み(残り2)[22452]ギリギリ成功!CY6体が1ダメージを受け即死する。
「イヤーッ!」キリングウォーカーは二本のカタナを抜き払い、回転斬撃を繰り出す!SLASH!「「「「「「アバーッ!」」」」」」ナムアミダブツ!クローンヤクザ六人の首が飛ぶ!「アイエッ!?」ゴンダワナは驚愕!「テメエら、ニンジャか!」「いかにも。カカッテコイ!」
GWは2マス進み出てヒートカタナ攻撃!3D6[146]2成功!KWは3D6[241]回避。CYはKWへ射撃、3D6[565]成功。KWは1D6[6]回避!
「ウオーッ!」ゴンダワナはヒートカタナでキリングウォーカーへ斬りかかる!「イヤーッ!」回避!「テメッコラー!」クローンヤクザがチャカガンを撃つ!BLAM!「イヤーッ!」回避!ニンジャにモータルの攻撃や銃弾は滅多に当たらぬ!だが彼はニュービー、回避はギリギリ、当たれば危険だ。
「クセモノダー!」ゴンダワナが叫び、懐の警報ボタンを押す!ヴィー!ヴィー!ヴィー!事務所中に警報が鳴り響く!「ちいッ!」「アハハ!ダイジョブよ!アタシがハッキングでなんとかしてあげるからさァ!」ファイアキラーはケタケタと笑う!果たして二人は生きて還れるのか?
【続く】
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