【FGO EpLW アルビオン】ランサー・マジェスティ
【クラス】
ランサー
【外見】
金色の甲冑と緋色のマントに身を包んだ長身の男。金髪で黄金の瞳。髭はないが壮年。歴戦を経た思慮深げな顔。頭の後ろには光輪が輝いている。
霊基再臨LV1:体が一回り大きくなり、十字架のついた黄金の帝冠が頭上に輝く。そのオーラは常人を畏敬させ、跪かせる。
霊基再臨LV3:顔が太陽のように輝き、白い衣をまとう。背後にはキリストを象徴するギリシア文字が浮かぶ。
最終再臨:?
【真名】
コンスタンティヌス大帝
【性別】
男
【属性】
秩序・善
【ステータス】
筋力:B 耐久:B 敏捷:A 魔力:A 幸運:B 宝具:EX
【クラス別スキル】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。事実上、現代の魔術師ではランサーに傷をつけられない。
【固有スキル】
聖大帝:EX
「聖王」「聖騎士帝」の上位スキル。絶大なカリスマ、魔性への特攻、神性への特防、聖性を持つ武器への適応、皇帝特権、聖人、古代ローマカラテなどを含む複合スキル。そして、このスキルにより宝具『真の聖槍』の発動を可能にする。統治範囲、歴史上の重要さ、集めた崇敬ではシャルルマーニュもユスティニアヌスも足元にも及ばない。彼がいなければキリスト教そのものが滅んでいたはずだが、本人は宗教を統治の道具程度にしか考えていなかった。パラディンとは皇帝の「宮廷(palatium)」に仕える侍従や護衛兵が語源であり、彼の同時代に皇帝ディオクレティアヌスによって設置されている。
真名看破:B
本来は「ルーラー」のクラス特性。直接遭遇したサーヴァントの真名・スキル・宝具などの全情報を即座に把握する。あくまで把握できるのはサーヴァントとしての情報のみで、対象となったサーヴァントの思想信条や個人的な事情は対象外。また、真名を秘匿する効果がある宝具やスキルなど隠蔽能力を持つサーヴァントに対しては、幸運値の判定が必要となる。
神明裁決:-
本来は「ルーラー」としての最高特権。サーヴァント単体を確率で行動不能状態にする。今回は使用不能。
【宝具】
『真の聖槍(ヴェルム・サンクトゥス・ランチェアム)』
ランク:EX 種別:対界宝具 種類:Buster
【マテリアル】
平和を作り出す者は幸せだ。
天国は余のものであろう。
身長:4キュビトゥム3ウンキア(185cm、可変)
体重:250リブラ(81.75kg、可変)
時代:4世紀前半
地域:ローマ帝国
属性:秩序・善 性別:男
ガイウス・フラウィウス・ウァレリウス・コンスタンティヌス(272-337)。古代後期のローマ帝国の皇帝(在位:306-337)。混乱した帝国を再統一し、専制君主制を発展させた。またミラノ勅令を発布してキリスト教を公認し、その後の発展の政治的・社会的基盤を用意したことから「大帝」と呼ばれ、聖人とされている。
父コンスタンティウスはモエシア(現セルビア)出身の軍人で、酒場の女ヘレナを妻として息子コンスタンティヌスを儲けた。父はやがて軍で頭角を現し、293年には西方副帝となり、ガリア・ヒスパニア・ブリタニアの防衛を担った。若きコンスタンティヌスは東方正帝に引き取られて戦場で実績を積み、のち西方正帝に昇格した父のもとへ戻って手柄をあげ、兵の心を掴んだ。306年に父が逝去すると、コンスタンティヌスは西方副帝となり、乱立した皇帝たちと同盟・戦闘を重ねて勢力を広げ、312年に西方全土を支配下に収めた。翌年ミラノ勅令を発布してすべての宗教に対する寛容を宣言、325年には東方正帝リキニウスをも倒して帝国全土を再統一した。
同年、彼はビュザンティオンを拡充して新都コンスタンティノポリス(現イスタンブル)を設営し始め、またニカイア公会議を開催して「三位一体」をキリスト教の正統教義とした。コンスタンティヌス自身は太陽神を崇めており、洗礼すら受けていなかったが、まあ彼にとっては宗教など「統治の道具」である。326年、長子クリスプスを継母ファウスタとの不義密通の容疑で処刑。数ヶ月後にファウスタも処刑された。伝説によれば、母ヘレナは326年頃にエルサレムを巡礼し、聖十字架・聖釘・聖槍を発見したという。彼女は330年に逝去した。328年、ライン川でアレマン族と、332年にはドナウ川でゴート族と、334年にはサルマティア族と戦い、勝利を収めた。337年、サーサーン朝ペルシアへの遠征に出発したが、間もなく病気になり、ニコメディアで崩御した(65歳頃)。臨終の時ニコメディア司教エウセビオスから洗礼を受けている。遺体はコンスタンティノポリスに運ばれ、聖使徒教会に埋葬された。人々は彼を(歴代皇帝と同様に)神格化し、大帝と讃えた。
なお12世紀の偽史『ブリタニア列王史』によれば、アーサー王の祖父は「ブリテン王コンスタンティン2世」という。これは407年にブリタニアで帝位を僭称したコンスタンティヌス3世のことらしいが、411年に敗北して処刑されている。また同書ではヘレナを「ブリタニア王コールの娘」だとし、コンスタンティヌス大帝をなんとかブリタニアに結びつけようとしている。
『真の聖槍(ヴェルム・サンクトゥス・ランチェアム)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
例の槍。Fate世界における「聖槍」の詳細な説明はめんどいので省く。ああいうやつです。なんか英霊のソウルを抜き取る能力、周囲から魔力を吸い上げる能力もついている。本体は「塔」で、手元にあるのは端末的なもの。
『ヨハネによる福音書』19:31-37に記された、十字架上のイエスの脇腹を突き刺した槍(lonkhe)。共観福音書(マルコ、マタイ、ルカ)には見えない。十字架刑はゆっくりと窒息死させる刑罰であり、脛の骨を折ることで体の支えを失わせ、即死させることができた。兵士らはイエスの脛を折る前に死んでいるかどうか確かめるため、槍で脇腹を刺した。すると「血と水が出て来た」という。これが何を意味するのかは不明だが、後世のキリスト教徒は奇跡であるとし、血は人、水は神を意味するとした。ミサにおいても葡萄酒には少量の水が注がれる。また4世紀末に編纂された新約外典『ニコデモの福音書(ピラト行伝とも)』では、兵士の名をロンギヌス(Longinus)とする。彼は白内障を患っていたが、槍を刺した際に滴ったイエスの血がその目に落ちると視力を取り戻した。それを契機として彼は洗礼を受け、後に聖者と言われるようになったという。
この聖なる槍、またはその一部であると主張されているものは、主要なものだけでも3つ存在する。ローマのサン・ピエトロ大聖堂にあるものは、15世紀末にコンスタンティノポリスから遷されたもので、もともとエルサレムに存在したという。6世紀後半の巡礼者アントニヌスが最初に目撃証言を残している。615年、ペルシア皇帝ホスロー2世がエルサレムを占領した際、その尖端部分がニケタスに託された。ニケタスはこれをコンスタンティノポリスへ持って行き、ハギア・ソフィア大聖堂に安置。80年後には本体も届いた。10世紀中頃、この聖槍は「灯台の処女」教会に遷された。
1204年、第四次十字軍がコンスタンティノポリスを征服し「ラテン帝国(フランス人によるロマニア帝国)」を建国。その最後の皇帝ボードゥアン2世は1261年イタリアへ亡命し、シチリアの支配者シャルル・ダンジューを頼った。この時シャルルの兄ルイ9世は聖槍の尖端を買い取り、パリに持ち帰ったという。聖槍の大部分はその後もコンスタンティノポリスにあり、14世紀のジョン・マンデヴィルや15世紀のペドロ・タフールによって報告されている。1453年、コンスタンティノポリスは陥落し、オスマン帝国に征服された。1492年、オスマン帝国皇帝バヤジット2世は、ローマ教皇インノケンティウス8世に聖槍を送り届けた。18世紀中頃、パリのものとローマのものを比較した結果、それがもともと一つであったことが証明された。しかしパリのものはフランス革命の騒ぎで行方不明になっている。
もう一つはウィーンにあり、神聖ローマ皇帝のレガリアであった。伝説によれば、3世紀にエジプトのキリスト教徒マウリキウスがこれを手に入れたという。彼はローマ軍の隊長として現スイスのレマン湖に遠征したが、反乱軍はキリスト教徒だったので皇帝マクシミアヌスに助命を嘆願した。怒った皇帝はマウリキウスとその部隊全員を処刑した。その後、彼の槍はコンスタンティヌスのもととなった。さらにカール大帝の手に渡り、10世紀になって神聖ローマ帝国のレガリアとなったとされる。1084年、ハインリヒ4世によって「我が主の釘」と刻まれた銀の鞘が追加された。この槍の尖端には聖釘が埋め込まれていると信じられていたからである。1273年、聖槍はハプスブルク家最初の皇帝ルドルフ1世の戴冠式で最初に用いられた。1350年頃、ルクセンブルク家の皇帝カール4世は、銀の鞘の上に黄金の鞘をつけ、「Lancea et clavus Domini(主の槍と釘)」と刻んだ。彼は聖槍を自らの首都プラハに置いた。1424年、彼の息子ジギスムントは聖槍をニュルンベルクに遷した。1796年、フランス革命軍がニュルンベルクに迫ったため、市議会は聖槍をウィーンへ遷した。20世紀にはナチスドイツがオーストリアを併合し、聖槍を手に入れた。現在、聖槍はウィーンのホーフブルク宮殿に安置されている。
なお科学的には、槍も釘も8世紀から9世紀初頭(カール大帝時代)の金属である。
アルメニアのエチミアジン大聖堂に保存されている聖槍は、現在のゲガルド修道院がある場所で発見されたと言われている。逸話によると、聖槍を持ち込んだのは十二使徒の1人タダイである。タダイは聖槍を持っていたために、地元の異教徒に恐れられ首を刎ねられた。キリスト教徒たちはタダイの死後、聖槍を秘密の洞窟に隠した。現在のゲガルド修道院がある場所である。 聖槍はそこに200年間眠り続けた。次にこの聖槍を手にしたのは、アルメニアで福音の教えを広めようとしたグレゴリウスであるとされる。しかし、グレゴリウスは異教の権力者に捕らえられ、ホルヴィラップ修道院の地下牢に13年間閉じ込められてしまう。グレゴリウスは奇跡的に生き延び、聖槍を取り戻すと、王と民衆をキリスト教に改宗させ、301年にアルメニアは世界初のキリスト教国家となった。アルメニア教会は槍がローマのものでは無い事は認めており、イエスの時代のユダヤ人兵士が使っていたものとしている。
『世界継ぎ接ぐ凱旋門(アルクス・コンスタンティーニ)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
ランサーに捧げられた門。異なる世界・次元を繋いで瞬間移動する。同次元では短距離の移動にとどまる。また『真の聖槍』と接続することで、そこに蓄えられた英霊の情報を投影し、影法師(シャドウサーヴァント)として召喚・使役できる。
ローマに現存する有名な凱旋門。パリの凱旋門のモデルである。312年のコンスタンティヌスの戦勝を記念して建設され、315年に完成した。実は凱旋門本体もその装飾品の大部分も、2世紀頃のローマ皇帝たちが作らせた建築物や装飾から引っ剥がして継ぎ接ぎにしたものである。実際にコンスタンティヌスの時代に造られた部分は、他の時代のものに比べて明らかに稚拙で中世のものに近く、技術の退化が見て取れる。
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アルビオン、ブリタニア繋がりということで塩野七生の『ローマ人の物語』から引っ張ってきた。宝具はユカタンのランサーの強化版+妖刀ベッピン。よくある暗黒秩序系悪役ではあるが、曲がりなりにもパクス・ロマーナを取り戻した功績はある。