忍殺TRPGリプレイ【ザ・ニンジャズ・オブ・ザ・ショーグン】12
前回のあらすじ:ドラゴン・ドージョーの忘れ形見ユカノはザイバツ・シャドーギルドに拉致され、キョート城の何処かに幽閉されている。彼女を救出しザイバツを滅ぼすため、ニンジャスレイヤーたちはついにキョート城へ突入した!その頃ユカノはあるニンジャと対峙!カラダニキヲツケテネ!
◆
「ドーモ、ネペンテスです」
ドージョーの奥の弓道場でナガユミの鍛錬をしていた女ニンジャは、こちらを振り向いてアイサツした。「ドーモ、パラゴンです」「……ドラゴン・ユカノです」アイサツを返す。「良く似ておられる。まるで双子のように。では一つ、互いに手合わせして見られよ」パラゴンはうっそりと告げた。
ドラゴン・ニンジャの記憶の手がかりを探していたパラゴンは、ザイバツニンジャ・アラクニッドの占いにより、ネオサイタマにいた女ニンジャ・ネペンテスに目をつけた。そして傭兵ニンジャ・ブラックヘイズと、ネオサイタマ駐留部隊の生き残りのフェイタルに命じて、彼女を誘拐させたのだ。
イッキ・ウチコワシのエージェントとして彼女が活動を始めた時期は不明だが、ユカノと何らかの関係があるであろうことは見るからにうかがえた。あるいはドラゴン・ニンジャの片割れかも知れない。パラゴンにとって彼女たちの自我や人格などどうでもよいことだ。彼は後ろ手でフスマを閉じた。
「……いいでしょう。腹ごなしの運動をします」ユカノはうなずき、備え付けの高級ジュー・ウェアに着替えて準備運動を始めた。見たところワザマエは互角だが、カラテはこちらが上だ。それにスリケンやナガユミで殺し合うわけではない。あくまで鍛錬だ。しかし、なぜ彼女とカラテをさせるのか。
それはやはり、自分に記憶を取り戻させるためであろう。……両者は武器を持たず、ドージョーのタタミで向かい合う。ネペンテスの瞳はぼやけ、自我の薄さを感じさせる。ジツによって洗脳状態にあるようだ。ならばむしろ彼女の自我を取り戻させ、協力関係を結ぶことができればよかろう。
パラゴンは居住まいを正し、組手を見守る。果たしてドラゴン・ニンジャのカラテ記憶は取り戻されるか。「よろしいか。……では、ハジメテ!」
戦闘開始
1ターン目
「キエーッ!」ユカノから仕掛ける!彼女の現状最強の攻撃手段、トライアングルリープキックだ!「イヤーッ!」ネペンテスは華麗にブリッジ回避!「キエーッ!」ネペンテスもトライアングルリープキック!だがカラテはユカノに及ばない!「イヤーッ!」迎撃のキック!「イヤーッ!」回避!
「「キエーッ!」」2人はほぼ同時にバック転し、壁を蹴り、トライアングルリープキックを繰り出す!SMASH!両者は互いの足を蹴ってカラテ相殺!ワザマエ!タイミングがずれれば実際危険だ!「やはりトビゲリか。ドラゴン・ニンジャも得意としたと伝え聞く……」パラゴンは低くつぶやく。
2ターン目
「「キエーッ!」」2人は短いパンチやチョップを応酬しつつタイミングを推し量り、ほぼ同時にトライアングルリープキック!だが両者これを躱す!カラテではユカノに分があるが、ワザマエは互角だ!双方の髪の毛が数本切れて舞い落ちる!「……やりますね」「そちらも」互いに油断ならぬ相手!
3ターン目
「「キエーッ!」」またもトビゲリだ!ユカノはネペンテスのみぞおちを、ネペンテスはユカノの肩を狙う!食らえば極めて危険!どくん……!両者はほぼ同時にアドレナリンを過剰分泌し、ソーマト・リコールを垣間見る。サラマンダー、アンサラー、そして……ドラゴン・ゲンドーソーの姿を!
SMAASH!「ンアアアーッ!」痛烈!ユカノのトビゲリがネペンテスに命中!急所は外されたが無視できぬダメージだ!「ドラゴン……!」パラゴンがつぶやく。両者のカラテやワザマエは、ザイバツニンジャで言えばアデプト位階程度。否、ユカノならばマスター位階までは手が届くであろう。
「あなたが誰なのか、私は問いません。あなた自身が思い出し、決めることです」ユカノはドラゴンじみた蒸気を体から立ち昇らせ、ネペンテスを凝視する。カラテとは武道であり、その鍛錬であり、呼吸とともに体内で錬成され循環するエネルギーそのものだ。大気に漂うエテルをユカノは呼吸する。
「スゥーッ……!ハァーッ……!」ユカノのアトモスフィアが変化した。ネペンテスの放つカラテを、ユカノが呼吸によって吸収しているのだ。これぞドラゴン・ドージョー奥義「チャドー呼吸」!パラゴンは刮目した。ユカノの白いジュー・ウェアが赤く染まり、全身の筋肉がパンプアップする!
4ターン目
「キエーッ!」ユカノは目をギラギラと輝かせ、トライアングルリープキック!その威力は先程までとは比較にならぬ!ドラゴン・ドージョーの奥義「ドラゴン・トビゲリ」だ!ネペンテスは躱そうとするが間に合わぬ!ドラゴン!SMASH!「ンアアーッ!」頭部に命中!脳震盪を起こしよろめく!
「い、イイイヤァアアアーーーッ!」ネペンテスは闘志を燃やし、トライアングルリープキックを放つ!だが動きが鈍い!「イヤーッ!」ユカノは蹴りをマワシウケ防御し、天井まで跳躍!「キエーッ!」天井を蹴って急降下トビゲリ!ネペンテスはクロス腕ガード!SMAAASH!「ンアアーッ!」
サツバツ!ユカノのトビゲリはガードを砕き、ネペンテスの腕を叩き折って、足元に踏み倒した!なんたる無慈悲!「それまで。お見事でござった」パラゴンが手旗をあげ、試合終了を告げた。だが!
???
『GRRRRRR……AARGHHHHH!』ネペンテスは即座に覚醒し、跳ね起きた!だが様子がおかしい!「待てッ、ネペンテス=サン!」パラゴンが制する。しかしネペンテスはパラゴンとユカノを睨み、アイサツした。『GRRRRR……ドーモ……我こそは……ドラゴン・ニンジャです……!』ナムアミダブツ!
◆ドラゴン・ニンジャ(種別:ニンジャ/リアルニンジャ)
カラテ 8 体力 18
ニューロン 10 精神力 16
ワザマエ 9 脚力 5/E
ジツ 6 万札 -
攻撃/射撃/機先/電脳 8/ 9/11/10
回避/精密/側転/発動 11/ 9/11/14
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:8
◇装備や所持品
◆アーチ級生成装束(俊敏な):体力+4、緊急回避+8、
射撃・機先・回避+1、側転+2
◇ジツやスキル
☆ドラゴン・ニンジャ(本人の片割れ、暴走状態)、ジツLV6
◉チャドー呼吸
◉◉グレーター級ソウルの力:ニューロン+ジツ=精神力
◉◉アーチ級ソウルの力:カラテ+ジツ=体力
★◉アーチ級装束生成
◉ランスキック
◉トライアングル・リープ
能力値合計:39
ナムサン!ニンジャソウルの暴走めいた現象か!?おそらく神代のドラゴン・ニンジャ本人ほどのカラテではないが、先程までのネペンテスとはまるで別人!「……ドーモ、ドラゴン・ユカノです」「パラゴンです」両者はアイサツを返す。「……パラゴン=サン。これは」ユカノは脂汗を垂らした。
「ギルドとしては、必要な情報が手に入ればどちらでも構わぬ」パラゴンは無慈悲に告げた。「そうでしょうね。……あの状態の彼女から、必要な情報が聞き出せれば、ですが」「ならば、鎮めてみせるがよろしい。私なら可能だが、これはそもそも貴女が立ち向かうべき試練ではないかな?」
パラゴンは理路整然と協力を拒んだ。「……ごもっともです」ユカノは微笑む。『相談はおしまいか、モータルども。先程のお返しをしてくれようぞ』ドラゴン・ニンジャはジゴクめいた声音で宣告した。……大気が歪み、怒れるドラゴンのカラテがみなぎる!一撃必殺アトモスフィア!
5ターン目
『イイイヤァアアアーーーッ!』ドラゴン・ニンジャが先に動き、壁を蹴ってトビゲリ!先程と同じ「ドラゴン・トビゲリ」だ!ユカノは躱そうとするが……SMAASH!「ンアアーッ!」な……ナムアミダブツ!みぞおちに痛烈な蹴りを受け、ワイヤーアクションめいて吹っ飛び壁に激突!ドラゴン!
「ゴボッ……キエーッ!」ユカノは血を吐きながらもトライアングルリープキック!だが軽い!『イヤーッ!』SMASH!「ンアーッ!」対空ポムポム・パンチを食らい、空中へ吹き飛ばされる!『キエーッ!』ドラゴン・ニンジャはトドメのトビゲリ!SMASH!「ンアーッ!」急所を外すが一撃命中!
6ターン目
『イヤーッ!』「イヤーッ!」『イヤーッ!』「イヤーッ!」ユカノとドラゴン・ニンジャはほぼ同時に駆け寄り、ミニマルな木人拳めいたショートパンチを応酬!応酬!応酬!そして反動を利用してバック転し、壁を蹴ってトライアングルリープ・キック!SMAASH!「『ンアーッ!』」互いに命中!
だが、ユカノはもはや満身創痍!ドラゴン・ニンジャは呼吸とともに負傷を急速に癒やしつつある!パラゴンは固唾をのんで勝負の行方を見守る!
7ターン目
「『イイイヤァアアアーーーッ!』」ドラゴン!2頭の龍はドージョーを竜巻めいて縦横無尽に荒れ狂う!SMAAASH!「ヌウウッ!」パラゴンは目を瞠った。最後に立っていたのは……ドラゴン・ニンジャ!ユカノはタタミの上に倒れ伏した!「……それまで」パラゴンは深々とオジギした。
戦闘終了
???
『パラゴンとやら。ここはどこじゃ』「キョート城、本丸。貴女がお作りになられた城でござる」『さようか。ならば、マッポーカリプスが近いということよな』ドラゴン・ニンジャは倒れたユカノを抱き上げた。『湯浴みがしたい。案内せい』「ハイ。その娘は」『我が半身じゃ。こうする』
ドラゴン・ニンジャは、昏倒したユカノを抱きしめ、肉体ごと吸収した。
……な、ナムアミダブツ!ユカノはこのまま神代のニンジャの中に消えてしまうというのか!? そして迫りくるマッポーカリプスとは!? 急げ!ニンジャスレイヤー! 急げ!
【ザ・ニンジャズ・オブ・ザ・ショーグン】中編終わり:続く
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