忍殺TRPGリプレイ【オペレイション、オペレイション・レスキュー】02
前回のあらすじ:ネオサイタマの北、中国地方に広がるタマチャン・ジャングル。ヨロシサンに追われてここに逃げ込んだサヴァイヴァー・ドージョーは、バイオインゴット不足と分断工作により追い詰められていた。ドージョーの長フォレスト・サワタリの前に、恐るべきニンジャが立ちはだかる!
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「ドーモ、フォレスト・サワタリ元研究員」声は前方の木々の中だ。名を呼ばれた編笠ニンジャは二人にまだ応戦せぬよう無言で指示し、声の方向を見やる。彼のニンジャ聴覚はドップラーセンサーめいて、声の方向を精細に特定する事が可能なのだ。……敵ニンジャは、枝の上にいた。
ニンジャは樹の幹に片手を添え、悠々と立つ。濃緑に金の渦巻き模様を刺繍されたニンジャ装束は、ただそれだけで恐るべき強者のアトモスフィアを漂わせる。その下の地面を次々に完全武装のクローンヤクザが進んで来る。ニンジャは言った。「私はヨロシサンのニンジャ。サブジュゲイターです」
戦闘開始
1ターン目
「3……2……1……モッチャム!」サワタリはアイサツ前に茂みから飛び出し、ヨロシ・トルーパーの喉笛へ毒矢を放つ!「アバーッ!」ナムアミダブツ!即死!「イヤーッ!」ハイドラもほぼ同時にアンブッシュ!やや離れたトルーパーに空中回し蹴り!SMASH!「アバーッ!」トルーパーの首が飛ぶ!
「イヤーッ!」水銀ニンジャは肘から先を鎌状の刃に変形させ、トルーパーたちへすれ違いざまに斬りつける!SLASHSH!「「グワーッ!」」命中!だがトドメの一撃はギリギリで防具に阻まれ、致命傷ならず!「ちいッ!」「アイサツしなさい、無礼者ども」サブジュゲイターは冷酷に言い放った。
やむなく三人はオジギし、彼にアイサツを返す。「ドーモ、フォレスト・サワタリです」「ハイドラです」「ディスターブドです」サブジュゲイターは樹の上から傲然と彼らを見下ろし、サワタリに告げた。「貴方はヨロシサンの恥部です。これまで放置されてきたのは、単なる社の都合でした」
「けっ」ハイドラが唾を吐く。「今回、社の都合により、貴方を抹殺する。それだけの事です。これまで長いバカンスを楽しんだことでしょう」「自由なきヨロシサンの犬にはわかるまい」サワタリは言った。「我らサヴァイヴァー・ドージョーは、自由のために不断に闘争し、生存する!」「哀れな」
サブジュゲイターは眉根を寄せ、嘲笑う。「貴方の妄念は、典型的な憑依ニンジャソウルの拒否反応、あるいは暴走か。貴方を筆頭に、貴方のペットたちも不良品ばかり。役立たずなりに、有意義な戦闘データを残して死んで頂きたい」彼は親指を下向けるバッドサインを突きつけた。一触即発!
「「「ザッケンナコラー!」」」BRTTTTTT!ヨロシ・トルーパー五人がアサルトライフルを一斉射撃!「「イヤーッ!」」サワタリとハイドラは樹木を遮蔽物にして躱す!「「「スッゾコラー!」」」BLALALALALAM!別のトルーパー五人がディスターブドへショットガンを一斉射撃!「グワーッ!」
命中!流体金属ボディを持つといえど防ぎきれぬ打撃!「クソ、厄日だぜ!」ディスターブドは舌打ちした。バイオ生物に特効の火炎放射器やバクチクを装備している者が見当たらないのが救いだが、あのニンジャが持っているかも知れない。あるいはカトン・ジツの使い手かも知れない。危険!
2ターン目
樹上のサブジュゲイターは戦況を観察する。サワタリはおそらく、周囲に複数のトラップを仕掛けている。ウカツに踏み込めば引っかかる。ならば!両こめかみに指をあて、ヨロシ・トルーパーに対しジツを発動!「イヤーッ!」ZZZZT!六人のトルーパーが瞬時に反応!ショットガンを構える!
狙うはディスターブド!「「「テメッコラー!」」」BLALALALALALAM!一糸乱れぬ一斉射撃!「グワーッ!」命中!流体金属ボディでいくらか防ぐが、実際無視できぬダメージだ!サワタリは目を血走らせる!「ヌウーッ、厄介なソ連兵どもめ……!まずはこいつらを皆殺しだ!」「「了解!」」
「サイゴン!」サワタリはバイオバンブー製のショートボウに再び矢をつがえ、負傷したトルーパー二人へ毒矢を発射!BAMBAM!「「アバーッ!」」命中!即死!「「イヤーッ!」」SMASH!SLASHSH!「「アバーッ!」」「グワーッ!」二人のバイオニンジャも次々とトルーパーを死傷させる!
「「「「ザッケンナコラー!」」」」BRTTTTT!BRTTTT!BLAM!残るトルーパーたちが射撃!「「「イヤーッ!」」」全弾回避!「こいつらを操っているのは、あのサブジュゲイター=サンというわけだな」サワタリは冷静に状況判断する。敵が半減した今、増援が来る前に指揮官を仕留めるべきか!
3ターン目
「イヤーッ!」ZZZZT!サブジュゲイターは再びジツを用い、ヨロシ・トルーパーを一斉に動かす!狙うはディスターブド!「「「ワドレザナッグラー!」」」BLALALALALALAM!「グワ……アバーッ!」三発命中!流体金属の肉体でも防ぎきれぬ!なんたる恐るべきジツか!「ディスターブド!」
サワタリは歯噛みする。部下を捨ててはおけぬ!「ジェロニモ!」弓に二本の毒矢をつがえ射出!BAMBAM!「アバーッ!」「グワーッ!」負傷した一人が死亡!「「ウオオーッ!」」SMASH!SLASHSHSH!「「アババーッ!」」バイオニンジャたちは死にものぐるいで敵を殺戮!ゴウランガ!
「フフフ……ある程度、時間稼ぎはできましたね」サブジュゲイターは不敵に笑う。やはり、あの三人で最も弱いのはディスターブドだ。ハイドラは異常再生能力を持ち、サワタリは最も強く危険なニンジャ。三人がかりで自分を攻撃されればアブナイ。ならば、分断して仕留めるべし!
4ターン目
「イヤーッ!」サブジュゲイターは初めて動き、ディスターブドの傍らに降り立つとジツを発動!ZZZZT!標的の体表面にさざなみが立つ!「い……イヤーッ!」ディスターブドは危うく側転回避!「フフフ、惜しい」「テメエ!クソ、なんかヤバいぞ!」「俺がかばう!」サワタリは油断なく構える!
「ホーチミン!」サワタリはディスターブドの近くへ駆け寄りつつヨロシ・トルーパーへ毒矢を発射!「ダオラー!」ガキィン!ライオットシールドで防御!だがハイドラが飛びかかる!「イヤーッ!」SMASH!「アバーッ!」トビゲリが命中、トルーパーの首が飛ぶ!残るは一人!「い、イヤーッ!」
ディスターブドは高速で低く地面を這い回り、サブジュゲイターへ切りつけながらサワタリの傍らへ動く!「イヤーッ!」サブジュゲイターは難なく回避!「テメッコラー!」ヨロシ・トルーパーがディスターブドへショットガンを撃つ!BLAMN!「サイゴン!」ガキィン!サワタリがかばう!
「グエン・グエン・グエン・グエン……!」サワタリは目を充血させ、口角からヨダレ泡を垂らし、危険な状態だ。彼に憑依したニンジャソウルが、高まるカラテと部下の危機によって暴走し始めているのだ!「た、大将ッ!」「撤退だ!指示通りに……!ベトコンの襲撃に気をつけろ……!」狂気!
戦闘継続
【続く】
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