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忍殺TRPGリプレイ【オーバーライド・ア・ファンクション】02

 前回のあらすじ:ウットコ建設のサラリマンが路上でカツアゲを受け、オムラ・インダストリから預かった機密フロッピーを奪われた。オムラは提携関係にあるソウカイ・シンジケートに奪還を依頼し、駆け出しのニンジャチームが派遣された。カツアゲ犯にインタビューし、フロッピーを取り戻せ!

「ファック?」「チャメ?」フードを被ったストリートギャングたちが、見慣れぬ侵入者を見咎める。「テメエらどこのアホ?ここは俺ら『チャメシーズ』のアジトよ?」「マブ連れてンじゃん。置いてけよ!」「マブ!」「前後!」下卑た笑い声とともに、彼らは腰のチャカガンに手を伸ばす。

「ドーモ、ソウカイ・シンジケートです」サイコダガーは冷たい声で代表アイサツした。「あんたらがサラリマンからフロッピーディスクをカツアゲしたって聞いたわ。大人しく返してくれたら、許してあげる」「ファック?」「チャメ?」「フロッピーディスク?」「アレか?」一同はざわめいた。

「そう、それ。みんな迷惑してンのよ。引き渡しなさい」サイコダガーは手招きするが、ギャングたちは下卑た笑い声をあげた。「タダで?アホか?」「カツアゲしたブツをいちいち返してられっかよ!」「俺らはナメられたらオシマイなんだよ!」『そういうことだ』アジトの奥から電子音声が響く。

『俺はボスのフアトだ。フロッピーはもうここにはねえ』彼は巨大なヒートチェーンソーを担ぎ、しゃがれた電子音声で告げる。「ドーモ。それじゃ、どこへやったか聞かせてもらおうかしら」『それより、俺が心配なのは……テメエらが持ってる万札の額だ。いくら持ってる?ヒィーヒヒ!』不敵!

「カネは出せないわね。じゃあ、拷問インタビューしてあげる」サイコダガーたちはカラテを構えた。「チャメセ!」「チャメスゾ!」「ブッチャメす!」ギャングたちはストリートスラングを叫びながら一斉にチャカガンの撃鉄を起こす。もはやマッタナシだ。一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

マップ

黄色マスがPCの初期配置。Fはフアト、gはレッサー・ギャングスタ。

1ターン目

イニシアチブ:サイコダガー/PD&デッドローニン/DR&フアト/FT(4)→キツネビ/KB(3)→レッサー・ギャングスタ/LG×6(1)

PDは…とりあえず雑魚から片付ける。G9で集中して手前のLG3体へカラテミサイル(精神力5>4)[362635]成功。残りLG3体。
DRはF9から3マス動き、G7からF6のLGへカタナで攻撃。6D6[235333]1成功。残りLG2体!

「イヤーッ!」サイコダガーは青白いオーラを纏う投げナイフを3本投擲!「「「アバーッ!」」」ギャングスタ3人を薙ぎ払う!『キリステ・ゴーメン!イヤーッ!』デッドローニンは前に進み出てイアイ!SLASH!「アバーッ!」ギャングスタ1人を斬り殺す!たちまちギャングスタは残り2人に!

FTは2マス前進し、G6からG7のDRへヒートチェーンソー攻撃![2414]失敗!

『テメエ!イヤーッ!』フアトは激昂し、自慢のヒートチェーンソーを振り上げてデッドローニンへ斬りかかる!『フン』だがデッドローニンは見切って躱す!『良い得物だが、惜しいことにカラテもワザマエも、サイバネも足りておらぬな』彼はサイバネ賞金稼ぎらしく品定めした。実際安い敵だ。

KBはH9からH5のLGへ集中しスリケン[6361]成功。残りLG1体!
F5のLGは…一番近い敵であるDRへチャカガンを撃つ!3D6[652]成功。
DRは6D6[542364]回避!

「イヤーッ!」キツネビは後列からスリケンを投擲!「アバーッ!」ギャングスタの眉間に命中し即死せしめる!残るギャングスタは1人!「え?……ちゃ、チャメッソコラー!」生き残ったギャングスタはデッドローニンめがけチャカガンを撃つ!BLAM!『イヤーッ!』当たらぬ!ニンジャだからだ!

2ターン目

イニシアチブ:サイコダガー/PD&デッドローニン/DR&フアト/FT(4)→キツネビ/KB(3)→レッサー・ギャングスタ/LG(1)

PDは…E5へ側転&LGへカラテ![54326][1125]1成功、倒す。
DRは集中してFTへ強攻撃[131631]1成功&痛打。FTは回避H、回避ダイス4![245]回避!FTはDRへヒートチェーンソー攻撃[1355]2成功。

「イヤーッ!」サイコダガーは残るギャングスタへトビゲリ!SMASH!「アバーッ!」たちまち昏倒!残るはボスのフアトのみ!『イヤーッ!』デッドローニンはカタナで斬りかかる!SLASH!『ウオオーッ!』ガキィン!フアトはヒートチェーンソーでカタナを受け、反撃!『クタバレーッ!』

DRは6D6[666246]5成功回避&迎撃!FTは[6]回避!スゴイ!
KBは…H5へ側転&FTへカラテ![5366][356]2成功。FTは残り体力7>6。

『イヤーッ!』デッドローニンはカタナを灼かれる寸前に刃を外し、迎撃のイアイ!SLASH!『イヤーッ!』ガキィン!堅牢なサイバネボディが防ぐ!だが!「イヤーッ!」キツネビが常人の三倍の脚力で跳躍し、体勢を崩したフアトにトビゲリ!SMASH!『グワーッ!』命中!しかし手応えは浅い!

3ターン目

イニシアチブ:サイコダガー/PD&デッドローニン/DR&フアト/FT(4)→キツネビ/KB(3)

PDは…F6へ移動しランスキック!4D6[1353]1成功。FTは[13]命中!痛打&弾き飛ばし発生!K6まで吹っ飛ぶ!
FTは[6]激突回避!だが2ダメージを受け体力6>4!
DRはJ7へ移動しFTへ強攻撃![121361]1成功。FTは[2]命中!体力4>2!

「チャンス!キエーッ!」サイコダガーはサイバネの脚でヤリめいたキックを繰り出す!SMASH!『グゥワーッ!』命中!フアトは廃工場の壁に激突!蜘蛛の巣めいた亀裂が走る!『イイイヤァアアアーーーッ!』デッドローニンが追い打ちのイアイ!SLASH!『グワ……アバーッ!』命中!もはや瀕死!

FTは…DRへ集中しヒートチェーンソー攻撃、即応ダイス2をつぎ込む!6D6[254655]5成功&「切断攻撃」発生!1D6[4]脚部破壊!
DRは6D6[661554]5成功回避!

『アバッ……!クソが……!』『話したくなって来たか』『ザッケンナ……チャメッソコラー!』SLASH!フアトはヒートチェーンソーを横薙ぎに振るい、デッドローニンの脚を切断せんとす!『イヤーッ!』跳躍回避!「殺しちゃダメッスよねェ。情報吐かせねェと」キツネビは状況判断し、壁へ走る!

KBは…カトンを叩き込むと殺してしまうので、H5からJ5へ駆け寄りミネウチのカラテ。[445]3成功。FTは残り体力2>1。

「オラァッ!」フアトめがけて常人の三倍の脚力でヤクザキック!SMASH!『アバーッ!』無慈悲!「とっとと情報を吐けや!」『アバッ……断る!』

4ターン目

大気にカラテが満ちる!ハードモード突入!

PDはF6からK7へ側転、FTへミネウチ・カラテ。[35541][1136]1成功。
FTは回避H>UH![51]命中!体力1>0、戦闘不能。

「イイイ……イヤーッ!」サイコダガーは跳躍し、フアトめがけてトビゲリを放つ!SMAAAASH!『ゴバッ……アバーッ!』痛烈!吐血!さしもの頑強な肉体も、もはや動かぬ!「三度断るとブッダも怒る、だったかしら。こっちはブッダじゃないからね。あんたのニューロンに聞いてやるわ」

戦闘終了

???

代表者1名が行方を聞き出すため交渉判定。難易度NORMAL。成功数に応じてボーナス。PDはワザマエ5、「欺き」「誘惑」で+2され7D6[4555112]4成功。だいたいわかった。即応ダイスと緊急回避ダイスを全員に+1。

 サイコダガーたちは、フアトや生き残りのギャングに拷問を行い、生体LAN端子にアクセスして情報を訊き出す。ことは急を要するのだ。慈悲や時間を掛けてもいられない。その結果……フロッピーディスクは、少し前にアジトを訪れたケツモチのエージェントに売却されていることが判明した。

 フアトら「チャメシーズ」のケツモチは、この近辺に住む凄腕ハッカーのヒロシ・ヤスオだ。ハッカーの中でもとりわけ野心的で処世術に長け、途方もないカネを生み出し、犯罪集団などを従えて自らの小さな王国を築き上げた者をハッカー・バロンと呼ぶ。彼はその一人であり、特に悪名高い。

「十中八九、そいつね」サイコダガーは鼻を鳴らした。ヒロシ・ヤスオはニンジャではないが、コーポやヤクザの襲撃に備えて私兵を複数抱えているという。背後にはオナタカミなどオムラの敵がついているのだろう。由々しき事態だ。「タイガーの尾を踏んだわけッスね。ナメられたらオシマイだ」

 キツネビは拳を鳴らした。『ASAPで参ろう』デッドローニンも頷く。プロテクトを解除され、情報を抜き出される前に奪還せねば。一同はマインドシーカーにこれまでの状況を手短に報告し、色付きの風と化して駆け出す!

???

イメージは元シナリオから。以下同じ。

 エンガワ・ストリートには、開発計画から取り残されたカビ臭い雑居ビルと電柱が立ち並び、無数のケーブル類が張り巡らされて、重金属酸性雨をしのぐアーケード的役割を果たしている。その雑居ビルの上層の一角に、悪名高きハッカー・バロン「ヒロシ・ヤスオ」の秘密アジトがあった。

 部屋の最奥にはフロッピーディスクを挿入され、冷却ファンをうるさく鳴らす大型マザーUNIXがあり、ディスプレイではプロテクト解除状況を示す進捗バーが順調に伸び続けている。ヒロシ・ヤスオは小型クレーン装置の先端に備わったUNIX椅子に腰掛け、三個のキーボードを高速タイプしている。

◆ヒロシ・ヤスオ(種別:モータル/ボス級)
カラテ       1    体力        4
ニューロン     6    精神力       6
ワザマエ      5    脚力        3
ジツ        -    万札        5

攻撃/射撃/機先/電脳  1/ 5/ 6/ 7
回避/精密/側転/発動  6/ 5/ -/ -
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0

◇装備や所持品
◆UNIX椅子付き小型クレーン装置:体力+3、●脆弱性:電磁(1)
◆UNIX椅子搭載ミニガン:連射2(電脳値で射撃判定)
◆キーボード・オブ・ゴールデン・エイジ:ハッキング判定を1回だけ振り直せる
◆ウイルス入りフロッピー

◇スキル
◉エコノミック・カラテ
 生体LAN端子を持たずともペナルティなしでハッキングスキルを取得・使用可能
 常に「ハッキングターゲット」であるとみなされる(ポート遮断は可能)
 近接攻撃は行わず、「エコノミック・カラテの構え」は使わない
◉kill-9
◉レッサー・サモン・クローンヤクザ
◉戦略視界ナビ
◉ステルス・ノイズ
◉爆発物スキャン
○ブラインドタッチ 物理タイピングによるハッキングダイス+1

能力値合計:12

 元シナリオのデータから少し強化しました。テンサイ級の物理タイピングハッカーで、甲殻類めいた外付け武装で身を守っています。

 彼はLAN直結によらず、物理タイピングのみで高度なハッキングをやってのけるテンサイだ。ゆえに敵対プログラムによってニューロンを灼かれることもない。「急いでもらいたい」彼の傍らに立って急かすのは、二本のカタナを腰に帯びた小柄な人影だ。「ヒキャクが慌てるとカロウシする」

 ヒロシ・ヤスオはコトワザを引用してたしなめる。他に部屋にいるのは、いかついスキンヘッドの傭兵モチナガとその3人の部下、鎖で繋がれた自我崩壊済み奴隷サイバーゴス女4人。「プロテクトを解除して送信したら、さっさと約束のカネを振り込んでよ」「わかっている!」……その時!

 ターン!部屋の入口のフスマが勢いよく開け放たれた!「ドーモ、我々はソウカイ・シンジケートです。オムラ社のフロッピーを返してもらうわ!」サイコダガーが代表アイサツ!「アイエエエ!?」不測の事態にヒロシは取り乱した!ソウカイヤがこんなにも早く、ここを嗅ぎつけるとは!

「フアト=サンに全部聞いたぜ。観念しな!」キツネビとデッドローニンも部屋に乗り込む。小柄な人影はソウカイニンジャたちに向き直り、アイサツを繰り出した。ニンジャだ!「……ドーモ、スターチェイサーです」

◆スターチェイサー(種別:ニンジャ)
カラテ       4    体力        5
ニューロン     3    精神力       4
ワザマエ      4    脚力        3/H
ジツ        3    万札       10

攻撃/射撃/機先/電脳  4/ 4/ 3/ 3
回避/精密/側転/発動  4/ 4/ 4/ 6
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:1

◇装備や所持品
◆カタナ二刀流:連続攻撃+1、攻撃難易度H、側転難易度+2
 戦闘スタイル:防御構え、回転斬撃

◆パーソナルメンポ:精神力と緊急回避+1
◆タクティカルスーツ:体力+1

◇ジツやスキル
☆カラテミサイルLV3
◉常人の三倍の脚力:脚力+1、側転難易度-1

能力値合計:17

 元シナリオのデータを整理するとこうなります。ヤモトを弱体化させたような性能で、背景や性別は定かでありません。

「お引取り願おうか!」屈強なトンファー傭兵たちがヒロシ・ヤスオをかばい、たちはだかる。プロテクト解除まで少しでも時間稼ぎをせねば!

◆モチナガ(種別:モータル/ボス級)
カラテ       4    体力        4
ニューロン     3    精神力       3
ワザマエ      3    脚力        3
ジツ        -    万札        5

攻撃/射撃/機先/電脳  4/ 3/ 3/ 3
回避/精密/側転/発動  4/ 3/ -/ -
即応ダイス:3 緊急回避ダイス:0

◇装備や特記事項
◆トンファー(カタナ二刀流):連続攻撃2
◉トンファー習熟:攻撃難易度-1
◉ランスキック
◉突撃

能力値合計:10
◆トンファー傭兵(種別:モータル)×3
カラテ       3    体力        3
ニューロン     2    精神力       2
ワザマエ      3    脚力        2
ジツ        -    万札        1

攻撃/射撃/機先/電脳  3/ 3/ 2/ 2

◇装備や特記事項
◆トンファー(カタナ二刀流):連続攻撃2
◆チャカガン

能力値合計:8

 元シナリオのデータを整理するとこうなります。モータルといえど油断ならぬ強敵です。先にヤスオを仕留めればいいのですが。

「こ、こいつらを叩き出せ!」ヒロシ・ヤスオはクレーン装置で部屋の隅に逃げながら金切り声で指示を飛ばす!「「「ヨロコンデー!」」」傭兵たちはトンファーを構えた!一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

【続く】

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