忍殺TRPGリプレイ【ユナイテッド・ウィー・スタンド】30
前回のあらすじ:謎の荒野で次々と目覚める、すでに死んだはずのニンジャたち。周囲には不可視の壁が張り巡らされ、磁気嵐が荒れ狂う。駆け引きと殺し合いの果てに、主催者も想定外の乱入者が次々と現れる!
◆
『GRRRRR……AARGHHHH!』ナラク・ニンジャがチャドー拘束を振り切り、獣めいて咆哮する!『ニンジャ!殺ス!ベシ!』
「ヒッ!」シルバーキーはヤモトを抱え上げる!だがここはコトダマ空間と物理空間が複雑に入り混じった、ジゴクめいた場所だ。コトダマ体が物質化し、非力なニンジャに戻っている!「い、急がねえと……!」精神を集中して逃げようとするが、すぐには……01010101010101「「Wasshoi!」」
シャウトが響くや、虚空に01が集まり、そこから二人の影が飛び降りた!「ドーモ、ハウスバーナーです!」「ポイズンバタフライです!」ゴウランガ!チーム・ヒップの二人のエントリーだ!「ドーモ、ヤモト・コキです」「シルバーキーだ!ちょっとだけ持ちこたえてくれ!」「「了解!」」
『ドーモ、ナラク・ニンジャです!よかろう!ここで遭ったが百年目!まとめてくびり殺してくれるわ!』ナラク・ニンジャは怒り狂う!大気にカラテがみなぎる!一撃必殺アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
「イイイ……イイイヤァアアアーーッ!」シルバーキーは精神を集中させ、ナラク・ニンジャに遠隔精神攻撃を放つ!ZZTZZT!『グゥワーッ!』命中!ナラクはガクガクと頭を振って悶え苦しむ!カラテは乏しくともジツは凄腕だ!『オノレ!ジツ頼みのサンシタめが……!』ヌンチャクが黒炎を纏う!
『イイイヤァアアアーーッ!』ナラク・ニンジャはヌンチャクを振り上げ、シルバーキーへ襲いかかる!当たれば即死だ!ハウスバーナーが進み出てかばう!「……イイイヤァアアアーーッ!」ギャリリリィン!ハウスバーナーはアドレナリンを過剰分泌し、血涙を垂らしながらも防ぎ切る!タツジン!
さらに!『……グワーッ!』ハウスバーナーのサソリめいた迎撃が、ナラクの肉体を切り裂いていた!ダメージはわずかだが体勢を崩す!「相変わらず凄まじいカラテだぜ」「そのヌンチャクも厄介そうねェ。けど、今回も勝たせてもらうわよ」ポイズンバタフライは油断なくイアイを構えた。
「イアイ!」SLASHSHSH!刃の嵐がナラクを襲う!剣との合一により刀身はカラテ・エンハンスメントされ危険!『グワーッ!』ナラクといえど躱し切れぬ!「イイイヤァアアアーーッ!」すかさずハウスバーナーがカトン・エンハンスされた刃で斬りかかる!サソリ・ファイティング・スタイルだ!
SLASHSHSHSH!『グワーッ!』命中!だがナラクは猛攻を受けてなおも健在!『ナメおって!コワッパどもが!』「シ・ニンジャ!」ヤモトはシルバーキーに抱えられたまま、瞳を桜色に光らせジツを発動!彼女の周囲に超自然のオリガミが舞い飛び、白銀のスワンと化した!「……行けッ!」
BOOOM!オリガミ・スワンは羽毛めいてオリガミ・ミサイルを撒き散らしつつナラク・ニンジャへ飛びかかる!KBAMKBAM!『グワーッ!』ナラクはブリッジ回避で直撃を避けるが数発が着弾!「ハァ、ハァ、ハァ」ヤモトは目から血を流し、息を切らす。あれを撃てるのはもう一回だけだろう。
2ターン目
「イイイ……イイイヤァアアアーーッ!」シルバーキーは精神を集中させ、ナラク・ニンジャに遠隔精神攻撃を放つ!ZZTZZT!『グゥワーッ!』命中!ナラクはガクガクと頭を振って悶え苦しむ!「スゥーッ!ハァーッ!」『グワーッ!』さらにフジキドがチャドー呼吸を行い、ナラクを苦しめる!
『おのれフジキド!血迷うたか!眼の前にいるのはニンジャぞ!それも儂を封じたシ・ニンジャと、オヌシの妻子の仇であるソウカイヤのニンジャだ!あの時ラオモトまでたどり着けなかったのは、彼奴らのせいではないか!』ナラクは内なるフジキドを罵りつつ、憎悪と怨嗟の炎を燃え上がらせる!
『イイイヤァアアアーーッ!』ナラクは黒炎ヌンチャクを振り上げ、再びハウスバーナーへ襲いかかる!狙うは脚と股間だ!「……イイイヤァアアアーーッ!」ハウスバーナーは再びアドレナリン・ブーストし、これを……回避して迎撃!SLASH!『ヌウッ!』ガキィン!ナラクはヌンチャクで防御!
「スキアリ!イアイ!」ポイズンバタフライは再びブラッドカタナを鞘走らせ、渾身のイアイを繰り出す!SLASHSHSH!『ヌウーッ!』ギャリリィン!ナラクはドウグ社製の堅牢なブレーサーで腕への斬撃を弾く!だが!「キエーッ!」SMAASH!『グワーッ!』みぞおちへの痛烈な鞘突きが命中!
ナラクはくの字になって弾き飛ばされるが、離れた位置へウケミをとって着地!しかし相当なダメージを受けた!「いいぞ!イヤーッ!」ハウスバーナーは息を荒げつつ、ポイズンバタフライの傍らからスリケン投擲!『グワーッ!』命中!ナラクも相次ぐ連戦とフジキドの妨害で思うように動けぬ!
「行けッ!」ヤモトが必死にカラテミサイルを射出!PASHSHSHSH!『イヤーッ!』パパパン!ナラクは必死にヌンチャクを振るい全弾撃墜!だが桜色の鱗粉めいたカラテエネルギーの残滓がナラクに纏い付く!『グワーッ!』ナラクは狂い悶え大きく体勢を崩す!怨念を鎮めるシ・ニンジャの力だ!
3ターン目
「イイイ……イイイヤァアアアーーッ!」シルバーキーは精神を集中させ、ナラク・ニンジャに遠隔精神攻撃を放つ!ZZTZZT!『グゥワーッ!』命中!ナラクはガクガクと頭を振って悶え苦しむ!その手からヌンチャクが落ち、鎖が縮んで、ひとりでに腰にしまい込まれた。意志があるかのように!
『オノレ……!ヌンチャクなくとも、我がカラテあらば!イイイヤァアアアーーッ!』ナラクは凄まじいシャウトをあげ、ハウスバーナーへと飛びかかる!鉄拳には黒い炎が纏い付き、威力はヌンチャクとも遜色なし!狙うは両脚だ!「アタシが相手よ!」ポイズンバタフライが進み出てかばう!
「……イイイヤァアアアーーッ!」アドレナリンを過剰分泌し、ナラクのカラテを……見切り、反撃!SLASH!『ヌウウーッ!』ナラクは空中で身をひねり、紙一重でこれを躱す!だが体勢を崩した!「スキアリ!イイイ……イイイヤァアアアーーッ!」ポイズンバタフライが追撃のイアイを放つ!
SLAAAASH!ブラッドカタナが一閃し、ナラクの背後にポイズンバタフライが駆け抜ける!これはイアイドーのヒサツ・ワザ「ムーンシャドウ」だ!『グワ……アッバーッ!』ナムアミダブツ!ナラク・ニンジャは血しぶきをあげてのけぞり、仰向けに倒れた!ゴウランガ!ゴウランガ!
戦闘終了
なんたる強さか!四対一とはいえ、破壊のヌンチャクを装備したナラク・ニンジャ相手に、無傷で勝利してのけるとは!とはいえナラクの攻撃を一撃でも食らえば死ぬか、致命的な重傷は必至。味方の支援とカラテの限りを尽くして紙一重で躱しきった、というのが実際のところだ。そして……。
「スゥーッ……!ハァーッ……!スゥーッ……!ハァーッ……!」ナラク・ニンジャは倒したが、ニンジャスレイヤー、フジキド・ケンジは死んでいない。彼は死の淵から必死にチャドー呼吸を繰り返し、甦ろうとしている!「ハヤクイケ……!」「……ああ」ハウスバーナーたちは頷き、あとじさった。
エピローグ
「じゃあな、ニンジャスレイヤー=サン。どのみちザイバツは潰さなきゃならねェ。キョート城で会おう」シルバーキーは奥ゆかしくオジギし、ヤモトを抱えたまま空中にジツの力を解き放つ。01010101……現世へと通じる穴、ポータルがついに口を空けた。ニンジャスレイヤーは置いていくしかない。
「「「オタッシャデー!」」」ハウスバーナー、ポイズンバタフライ、ヤモトもニンジャスレイヤーにオジギした。ソウカイヤの敵ではあるが、ザイバツの敵でもあるのなら、一応の共闘は可能だろう。「行くぞ!」シルバーキーはジツの力を強め、銀色に輝いた。0101010101010101……!
◆
「スゥーッ……!ハァーッ……!」ニンジャスレイヤーはチャドー呼吸を継続しながら、ゆっくりと立ち上がった。ナラク・ニンジャは復活し、暴走し、再び封印された。荒療治ではあったが、手綱は再びフジキドが取り戻したのだ。そしてヌンチャクを手に入れた。諸刃の刃となり得る危険な武器を。
ここはジゴク。アンダーガイオン最下層よりさらに下、奈落の底だ。ここから脱出し、キョート城へ行かねばならぬ。ユカノやナンシーたちを救出して、ザイバツを滅ぼさねばならぬ。あのニンジャたちもキョート城へ向かうというなら、一応の共闘は可能だろう。「共に行くぞ、ナラク……!」
ニンジャスレイヤーは、磁気嵐の静まった戦場を見回した。四方に古代の墳墓が聳え立ち、リアルニンジャたちの気配がする。あれがヌンチャクを封印していたのだ。ならば、全員を殺せばよい!「ニンジャ……殺すべし!」死神はキリングオーラを燃やし、墳墓のひとつへと駆け出した!
【ユナイテッド・ウィー・スタンド】終わり
リザルトな