忍殺TRPGリプレイ【ゼアズ・ナッシング・トゥ・フィア】
邦題:怖いものなんてない(There's nothing to fear)
ドーモ、三宅つのです。これはトラッシュ=サンのソロシナリオ「カラテ誘拐犯を追え」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。
フリーランスの駆け出し傭兵ニンジャ、あるいはモータルの重サイバネ傭兵が、誘拐された闇カネモチの子息/子女を救出するシナリオです。つの次元にはフリーランス傭兵も増えて来ましたが、今回は彼にしましょう。
◆フクト・ウサイダ(種別:モータル)
カラテ 3>4 体力 3>4
ニューロン 3>4 精神力 3>4
ワザマエ 3>4 脚力 3
ジツ - 万札 19>1
名声 1
攻撃/射撃/機先/電脳 4/ 6/ 5/ 6
回避/精密/側転/発動 5/ 5/ -/ -
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆ショットガン:小銃、ダメージ2
▶サイバネアイLV1:ワザマエ判定+1、射撃時さらに+1
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
▶︎ヒキャクLV1:脚力と回避+1
◇スキル
○生い立ち:危険生物ハンター
◉知識:危険生物、銃器
能力値合計:9>12
前回の冒険で万札19を獲得しました。余暇は3日とします。サイバネを増やしたいところですが、能力値の最大値が3しかないのでこれ以上入れられません。鍛錬しましょう。万札6ずつでカラテ[16]=7>3=成功、ニューロン[26]=8>3=成功、ワザマエ[61]=7>3=成功。残り万札1。
モータルとしては相当の手練れですね。では、始めます。
◆◆◆
序
ネオサイタマ、タマ・リバー埠頭、ウシミツ・アワー。闇の中、一人の男がバイクから降りた。彼の名はフクト・ウサイダ。フリーランスの傭兵である。「ここか……」彼は油断なくサイバネアイを光らせ、周囲を警戒する。彼は今、闇カネモチからの依頼を受けて誘拐犯を倒しに来たところだ。
情報屋「タキ」によれば、その闇カネモチの息子が屈強なカラテカに誘拐され、法外な身代金を要求されているという。リミットはわずか数時間。それが過ぎれば、息子は死体となってタマ・リバーに浮かぶ。だが後ろ暗い生業ゆえ、マッポに頼るわけにもいかず、傭兵を雇ったというわけ。
『いいか、オレがナビゲートする。身代金の代わりに、お前のカラテを叩き込んでやれ!』タキはノリノリだ。「カラテするのは俺だぜ。ブッダにでも無事を祈ってくれや」『デジタル・オーディン様を信じろ!』「アイアイ」マッポーのネオサイタマでは、この程度の事はチャメシ・インシデントだ。
通路
だが、その時。「グワーッ!痛え!」「ア?」すれ違った通行人が、不意に大仰な叫び声をあげた!「アニキ!ドシタンス?」「痛え!チクショウ!骨が折れちまったかも知れねえ……!入院費用が要る!」ナムサン!ヤクザが肩を抑えてうめき声をあげているが、あからさまに無傷だ!
「謝罪!」「賠償!」「暴力!」取り巻きのヤンクあがりらしきレッサーヤクザたちが一斉に現れ、ナイフやドス・ダガー、チェーンなどを構えて威圧した。因縁をふっかけてたかろうとしているのだ!「おいおい、カネならねえぞ」「サイバネ!」「臓器!」「銃!」一触即発アトモスフィア!
カラテかワザマエで判定、難易度N。ただしショットガンは誘拐犯を警戒させるので使えない。カラテあるのみだ。失敗すると体力-1。交渉や逃走などで切り抜けたとして、ワザマエやニューロンで判定できてもよさそうではあるが…4D6[5156]成功。万札2を獲得する。
「イヤーッ!」「グワーッ!?」フクトはサイバネ化した脚でリーダーと思しきヤクザの顎を蹴り上げる!ハヤイ!「ムン」ヤクザは後頭部を地面にぶつけ昏倒した!「アッコラー!?」「テメッコラー!?」「おいおい、やろうってのか。死ぬぜ」フクトはショットガンの銃口を気絶ヤクザに向ける。
「アイエッ」「アニキ!」「あんまり殺しはしたかねェが、やろうってンならやるぜ」レッサーヤクザたちは顔を見合わせ、気絶ヤクザを見捨ててそそくさと逃げていく。「ソンケイのねェこったなァ、アニキ=サン」フクトは肩をすくめ、気絶ヤクザを踏みつけると、悠然とその場を立ち去った。
廃倉庫
フクトは人質交換の場所として指定された、埠頭の廃倉庫に到達する。扉は錆びついており、開く様子はない。「ここだよな」『ここでいいはずだ。裏口だがな。アンブッシュ重点』「アイアイ」さて、この扉をカラテでこじ開けるか、ハッキングや鍵開けでやるか。どれも少々難しそうだ。
カラテ・ハッキング・ワザマエとも難易度H。失敗すると精神力-1して再挑戦可能。精神力0になれば諦めるしかない。ここは…一番振れるダイスが多いハッキングだ。6D6[351456]成功!
フクトは生体LAN端子にハッキング用LANケーブルを挿し込み、扉の近くにあるLAN端子に接続する。ジジジ……パシン。電子ロックが外れ、扉は静かに開いた。『お見事。これもデジタル・オーディンのご加護だな』タキは自分の手柄のように笑う。酔っ払っているのか、ヤクでもキメているのか。
フクトはタキを無視し、しめやかに廃倉庫へ忍び込む。中は意外に広い。暗くはあるが、サイバネアイがあれば問題なく視える。「……いたぜ」フクトはタキに映像を送る。闇カネモチの息子は柱のひとつに縛り上げられ、その前に屈強なカラテカがひとり、座り込んでいる。奇襲のチャンスだ!
遠隔距離から射撃(難易度H)、潜伏して人質に接近(脚力で難易度N)、堂々と真正面から挑む(判定なし)。当然ショットガンで奇襲だ!失敗しても難易度Nで再挑戦できるが、2回連続で失敗すると人質は流れ弾にあたって死ぬ。6D6[362655]成功!
フクトは息を潜め、敵の死角からショットガンを構える。彼はもと危険生物ハンターであり、実際狙撃はお手の物だ。「TAKE THIS」BLAMN!「グワーッ!?」ブルズアイ!だが屈強なカラテカは一撃では死なぬ!血を流しながら立ち上がり、銃弾が飛んできたあたりを睨んだ!「クセモノ!」
カラテカの体力は残り3。つまりもとの体力は5もあり、スモトリ以上の屈強さだ。とはいえ相手は素手、こちらはショットガンを装備している。圧倒的有利!否、カラテカは回避難易度Hでカラテ!フクトは[46362]回避!
フクトはすでに狙撃した場所から移動し、次の弾丸を装填している。バイオパンダやバイオゴリラを狩るのと同じだ。混乱させ、人質を肉の盾に使う前に殺す!「イヤーッ!」だがカラテカは獣めいた嗅覚で硝煙のにおいを嗅ぎつけたか、連続側転を繰り出してフクトにカラテ踵落としを放つ!
「い、イヤーッ!」KRASH!紙一重回避!「シューッ……貴様、サイバネ者か。惰弱!」カラテカは拳を胸の前で打ち合わせ、アイサツした。「おれの名はキヨク!名乗るがいい!」「ど、ドーモ、キヨク=サン。フクトです」フクトはアイサツを返した。カラテカ・キヨクはおかしな目つきだ。
イメジはタダシイ=サンの使いまわしです。ニンジャではありません。
「ここにおれを狙って来た……ということは、この少年を取り戻しに来たというわけか」「あ、ああ。身代金は支払えねえとさ。アンタを殺すか、再起不能になってもらう。それが俺の仕事だ」フクトは油断なくショットガンを向ける。「誰の差し金だ?それとも、あのガキの親に恨みでもあるのか?」
キヨクはカラテをみなぎらせる。「恨みはない。カネが目的でもない。カラテこそがおれの目的だ!」「そうかよ。残念だが、アンタはショットガンで死ぬことになりそうだぜ」だがキヨクはワン・インチ距離へ飛び込み、ショットガンを無造作に裏拳で弾き飛ばした。「カラテだ。カラテあるのみ」
「……クソが!テクノカラテを見せてやるぜ」「来い!」大気にカラテが満ちる!一撃必殺アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
イニシアチブ(一騎打ち):フクト/FU(5)→キヨク/KY(4)→フクト(3)→キヨク(2)
KYのカラテと回避ダイスは5(回避H)、残り体力は3。FUはカラテ4で回避ダイス5(回避H)、残り体力4。即応ダイス4。
FUは先制カラテ、4D6[1246]2成功。KYは[565]3成功回避&迎撃!FUは[5]回避!残り回避ダイス4!KYは攻撃、[12464]3成功、FUは[64]回避!
「イヤーッ!」先手必勝!フクトは脚部サイバネを用いて急加速し、強烈なキックを放つ!「イヤーッ!」キヨクはこれを見切り、紙一重で回避しつつクロスカウンターパンチ!「い、イヤーッ!」フクトは間一髪で躱すが追撃が来る!「イヤーッ!」「イヤーッ!」回避!油断ならぬ強敵だ!
FUは攻撃、[2143]1成功、KYは[41]命中!残り体力2!KYは攻撃、[43116]2成功。FUは[43]命中!残り体力3!
「イヤーッ!」フクトはブリッジ姿勢から巧みにキックを放つ!KRASH!「グワーッ!」命中!キヨクは大きくよろめく!「ハハハ、いいぞ!イヤーッ!」反撃の瓦割りパンチ!KRASH!「グワーッ!」命中!この勝負互いに譲らず、ゴジュッポ・ヒャッポだ!しかしダメージはキヨクの方が大きい!
2ターン目
FUは攻撃、4D6[3614]2成功。KYは[423]命中!残り体力1!KYは攻撃、[34231]1成功。FUは[431]命中!残り体力2!FUは即応ダイス4をつぎ込んで攻撃、8D6[25365655]6成功&痛打!KYは[25]回避!KYは攻撃、[16632]2成功&痛打!FUは[26]回避!アブナイ!
「「イヤーッ!」」KRASH!同時にカラテが命中!「「グワーッ!」」二人はのけぞる!「「イヤーッ!」」同時に追撃!「「イヤーッ!」」同時に回避!「「ハァ、ハァ、ハァ……!」」互いに負傷!あと一撃で決着だ!「おれのカラテと、貴様のカラテ……!勝つのはこのおれだ!」動く!
3ターン目
FUは攻撃、[1646]3成功&痛打!KYは[112]命中!残り体力-1!戦闘不能!
「……イイイヤァアアアーーーッ!」一瞬!フクトの脳内に埋め込まれたUNIXとサイバネアイ、脚部サイバネが同期し、恐るべきカラテカの動きのパターンを解析して、一瞬だけ速くフクトを動かした!そして!KRAAASH!「……アバーッ!」ナムアミダブツ!キヨクはみぞおちにキックを食らう!
そのまま彼はくの字になって背後へワイヤーアクションじみて吹っ飛び、廃倉庫の柱に激突した!KRAAASH!「アバーッ!」吐血!屈強なカラテカの肉体をもってしても耐えきれぬダメージだ!「ゴボッ……見、事、だ……!」キヨクはニヤリと笑い、首をうなだれてうつ伏せに倒れ、動かなくなった。
戦闘終了
エピローグ
「……終わったぜ」『フーッ、ご苦労さん。ヒヤヒヤしたぜ』タキは声を震わせている。もしフクトが敗れていたら……。「なかなか強敵だったが、俺のカラテには敵わなかったってことだ。デジタル・オーディン=サンよ!」フクトは会心の笑みを浮かべ、血の混じった唾を吐いた。「さて、と」
人質の少年はジュー・ウェアを着せられ、昏倒している。顔には殴られた跡がある。カラテを挑まれて殴られ、気絶させられたのだ。ネオサイタマの裏路地には、しばしばこのような狂人や変態が現れて犠牲者を出している。「殺されなくて幸運だったな」フクトは彼の縄目を解き、米俵めいて担ぐ。
『カラテカの方はどうする?』「さあな。タマ・リバーに放り込むか、首級でも持ち帰るか」『……そのままにしとけって、依頼先から連絡だ。後で始末させるとさ』「了解」生きているかわからないが、直接の殺しはしなくて済みそうだ。フクトは少年を担ぎ、口笛を吹きながら廃倉庫を跡にした。
「う……」少年はうめいた。「もうダイジョブだ。頑張ったな」「アリガトゴザイマシタ……」「どういたしまして」フクトは、やや感慨をおぼえた。自分のカラテにより、この少年は狂人の手から救われたのだ。「もっと、強く、なりたいです」「そうか。カラテだ。練習しろ。毎日だ」「ハイ」
【ゼアズ・ナッシング・トゥ・フィア】終わり
リザルトな
評価:カラテ誘拐犯キヨクを打倒し、誘拐された少年を無事に連れ帰った。万札10、名声1、余暇3日を獲得。
つのにサポートすると、あなたには非常な幸福が舞い込みます。数種類のリアクションコメントも表示されます。