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『胡漢英雄記』名鑑01

※◎は胡人、○は漢人。

◎バイ

主人公。のちの石勒。漢字では句の中に背と書くが当て字であり、ここではただバイと呼ぶ。并州上党郡武郷北原羯室の出身。匈奴の別部である羌渠種の末裔・羯族の少年。目が深く窪み、鼻が高い。喉歌を好む。

"歌から始まる。おれは歴史(古代・中世)と神話と音楽をこのむ。舞台はエンシェント・チャイナだ。そこには多くのバーバリアンも暮らしていた。いわばキンメリアのコナン、スキタイのトラクス。そうした一人の少年の話だ。読めばわかるが、バイの正体は石勒だ。彼は実在した蛮人の英雄で、奴隷に落ちたが脱走して戦い、一代でのし上がり、帝王と成った真の男だ。おれは劉淵もすきだ。彼は匈奴と漢という、対立し共存してきた高貴なジーンとミームを担うクロスオーバー者だ。だがバイはただの胡だ。"
―――ライナーノーツより

○王衍

あざなは夷甫。琅邪王氏。父の王乂は平北将軍。五石散をキメて神秘的哲学の議論に耽る奇人。洛陽でバイを見出し、評価した。

◎周曷朱

バイの父。羯室の小帥(小部落の酋長、村長)。性格が粗暴であり、人望がない。貧乏で酒に溺れているダメおやじ。

◎劉淵

あざなは元海。匈奴の王族。一世の英傑であり、胡漢の世の象徴。

◎劉宣

あざなは士則。劉淵の従祖父にして右腕。高い教養と野心の持ち主。

○郭敬

あざなは季子。太原郡鄔県の人。農業を営む地主。バイの噂を聞いて非凡な人物だと認め、資金援助をした。バイは報恩に彼の畑を耕している。

○楊駿

あざなは文長。弘農楊氏。晋の外戚として権勢を振るう。弟たちは優秀だが彼には人望がなく、猜疑心が強くて小心。



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