忍殺TRPGリプレイ【ファイアーズ・オブ・ルビコン】03
前回のあらすじ:ネオサイタマ・キョート戦争は膠着状態に陥った。これを打開するため、ソウカイヤ・オムラ連合は湾岸警備隊とともにキョート共和国への全面攻勢に打って出る。チーム・ナイトフライトはヴォルテージとともにキョート側へ潜入、破壊工作を開始する!カラダニキヲツケテネ!
◆
ナイトフライトは素早く機関室へ飛び込み、UNIXをハッキングして情報を抜き取りつつ、監視カメラやモーターヤブもどきの情報を上書きして『問題なし』の信号を発信させ続ける。欺瞞工作だ。「……この上の司令室には、ザイバツニンジャが詰めているようです。名は『トゥールビヨン』と」
「そいつを囲んで殴って、ブッ殺せばいいわけだな」「ええ。ただ……他にもニンジャの気配があります。手こずれば戦闘兵器や共和国兵もやって来るかも知れません。気をつけましょう」「ああ」一行は司令室へ駆け上る!
3階:司令室
ゴギン!ガン!ゴギン!ガン!ゴギン!ガン!耳をつんざく機械音と、セントーめいた蒸し暑さ。恐ろしい騒音は司令室にも届いてくる。コブチャを手に、落ち着かなげに行ったり来たりするのは、真鍮色のニンジャ装束を着たニンジャである。「ええい!この劣悪環境!息が詰まる事このうえない」
真鍮色のニンジャは苛立たしげに吐き捨てた。司令室には彼の他、UNIXに向かう数人のエンジニアがいた。真鍮色のニンジャの癇癪を恐れ、彼らは一心不乱にタイピングを続けている。「何とか言わんか!」「アイ……ええ、息が詰まります……」「チッ!」真鍮色のニンジャは舌打ちした。
「下劣な下層民の吐き出した二酸化炭素がまだこの大気中に残っている事を考えるだけで虫唾が走るというのに」「ま、まったくでございますね……」タイピングを続けながらエンジニアが相槌を打つ。「無駄口を叩くな、下郎!」「アイエエエ!」理不尽!「入念かつ迅速にやれ!」「ハイ!」
彼の名はトゥールビヨン。ザイバツ・シャドーギルドに所属するニンジャだ。実際若い年齢だが、そのワザマエはギルドの覚えもめでたく、既にマスター位階を授かっている。年に似合わぬ実力と、鼻持ちならない自信、非ニンジャに対する憎悪と侮蔑が、彼の歪んだパーソナリティを形作っていた。
◆トゥールビヨン(種別:ニンジャ)
カラテ 10 体力 12
ニューロン 6 精神力 13
ワザマエ 11 脚力 6/N
ジツ 5 万札 15
攻撃/射撃/機先/電脳 11/12/ 6/ 6
回避/精密/側転/発動 13/11/11/13
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:3
◇装備や所持品
◆伝統的ニンジャ装束一式:体力・精神力・発動+1
回避+2、緊急回避+3、脚力ダメージ軽減1
◆オーガニック・スシ
◇ジツやスキル
☆アイキ・ニンジャクラン、ジツLV5
☆エスケープメント・ジツ(ムテキ・アティチュード)LV3
☆◉瞬時の解除
◉グレーター級ソウルの力:ニューロン+ジツ=精神力
★剛力:出目6を含む近接攻撃のダメージ+1
★グレーター・ムテキ:回避判定時に精神力2消費し発動(H)
次の手番開始までダメージ軽減4と即死耐性を得るが麻痺状態となる
麻痺中は移動・集中不能、行動難易度+2、敵からの攻撃/射撃難易度-2
発動時の出目666でダメージ軽減5、6666で軽減6
◉◉タツジン:ジュージツ 近接攻撃回避判定難易度-1(素手・スリケン装備時のみ)
●ワザ:マウントタックル 出目66で発生、痛打+1、回避H
マウントをとった敵に対する残り連続攻撃は回避不能(殺伐発生せず)
●ワザ:フランケンシュタイナー 出目666で発生、殺伐出目2(頭部痛打)
回避H マウント状態に入る
●ワザ:受け流し 回避判定に出目66を含み迎撃を発生させた場合、
1ダメージの代わりに回避不能の回避ダイスダメージ2を与える
◉ヒサツ・ワザ:ポン・パンチ 出目666で発動
痛打+2D3(回避UH)、弾き飛ばし 回避ダイス2か精神力1を消費
◉ニンジャソウルの闇:体力・攻撃・射撃・発動+1
◉忠誠心:ザイバツ 精神力+1
◉憎悪:非ニンジャ
●連続攻撃2、連射2、時間差、マルチターゲット
能力値合計:37
ここは前線からは遥か後方にあり、物資や人員を集積して送り出すだけの施設だ。防衛はさほど厳重ではない。多少の侵入者や暴動への対応なら、トゥールビヨンが出るまでもなく戦闘兵器やクローンヤクザで事足りる。そこにマスター級ニンジャが配備されているのには、ギルド側の理由があった。
「ン?」エンジニアの一人が訝しんだ。「どうした!」「2階の戦闘兵器の様子が少し……ああいえ、今復帰しました。ご安心下さい」「チッ!使えぬガラクタめ!」トゥールビヨンは苛立っている。「どうした、トゥールビヨン=サン」不意に、彼の傍らに別のニンジャが現れた。「アイエッ!?」
トゥールビヨンは目を見開き、深々とオジギした。「ど、ドーモ、ダークニンジャ=サン!」「2階には機関室があるな。侵入者か」彼の恐るべきニンジャ感覚と第六感は侵入者の存在を感じ取っていた。手練れのニンジャ、それも複数。確実に仕留めるには……「狙いはここだ。戦闘兵器を出せ」
「ハイヨロコンデー!」ブガー!エンジニアは緊急ボタンを押し、司令室前の通路に戦闘兵器を呼び出す!「迎撃するぞ、トゥールビヨン=サン!」「ハイヨロコンデー!」二人は駆け出した!
通路
ブガー!ブガー!ブガー!施設全体に緊急事態を告げる警報が鳴り響く!「ちいッ、勘づかれたか!」「やっぱ、さっきの戦闘兵器をブッ壊したのがまずかったんじゃねェか?」「機密情報を手に入れるためには必要でした」「まあいい、『泥棒がバレたら家に火をつけろ』だ。派手にやるぞ!」
このまま全員で司令室にカチコミをかけるか、二手に別れて一方はジェネレーターを破壊するか。あるいは四人が分散して破壊工作を行い、最終的にジェネレーターや司令室に集まるか。「ジェネレーターを破壊すればUNIXも止まるだろ」「中枢UNIXには予備電源があるでしょう」「どうする?」
「このまま司令室だ!」リーダーのヴォルテージは状況判断する。最大戦力で敵主戦力を倒し、頭を破壊すればよい!「「「ハイヨロコンデー!」」」だが、その時!「「イイイヤァアアアーーーーッ!」」二つの色付きの風が階段を駆け下り、一行を襲う!ザイバツニンジャのアンブッシュだ!
電光石火で飛び来たったのは、オブシダン色のニンジャアーマーとフルヘルムに身を包んだニンジャと、真鍮色のニンジャ装束を纏ったニンジャだ!前者が狙うはフェリクローム、後者の標的はヴォルテージ!「イヤーッ!」オブシダン色のニンジャは空中で恐るべきカタナを抜き放つ!イアイ!
「ヌウーッ!」フェリクロームは目を瞠る。凄まじいカラテとワザマエ!だが……「イイイヤァアアアーーーーッ!」紙一重で見切って躱し、イアイ反撃!SLAASH!「イヤーッ!」オブシダン色のニンジャは連続バック転を繰り出して回避し、タタミ数枚離れた位置に着地!ともになんたるタツジン!
「イイイヤァアアアーーーーッ!」ヴォルテージも真鍮色のニンジャのカラテをいなし、反撃のパンチを繰り出す!BOBO!「イヤーッ!」真鍮色のニンジャは華麗な動きでこれを捌き、見切り、いなす!見事なジュー・ジツ!「シューッ……ドーモ、ダークニンジャです」「トゥールビヨンです!」
アンブッシュ者たちは距離をとり、アイサツを繰り出した。「ドーモ、ヴォルテージです」「ナイトフライトです」「フェリクロームです」「フレイムスローワーです。……あんた、死んだって聞いたが」フレイムスローワーは脂汗を流す。彼がニュービーだった頃、ラオモトの懐刀だった凄腕だ。
「見ての通り、生きている。故あってザイバツに拾われてな」「ヌケニンってわけかよ」「そうだ。知られたからには生かして返さぬ」ダークニンジャはカタナを揺らめかせた。「4対2だぜ。ニンジャの数ではこっちが有利だ」「敵地であることを忘れるな、下郎」トゥールビヨンは怒りを露わにする。
「お坊ちゃんの相手は俺だ。弱そうだからな」「貴様!」ヴォルテージはトゥールビヨンへ手招きし、挑発しつつ、秘密IRCを飛ばして作戦を伝える。二手に分かれ、二人で一人を相手取るべし!「相手にとって不足なし」フェリクロームは武者震いし、フレイムスローワーをかばってイアイを構える。
『『『ザッケンナコラー!』』』『『『スッゾコラー!』』』下の階からクローンヤクザたちが駆け上る!司令室前からは戦闘兵器が!ネズミ袋にされる前に、この場をなんとか切り抜けるべし!一撃必殺アトモスフィア!
戦闘開始
【続く】
◆