忍殺TRPGリプレイ【パーティー・フォー・ユー!】01
ドーモ、三宅つのです。これはゴルダ=アルカトラス=サンのソロシナリオ「オーガニックハッパを死守せよ」を元にしたリプレイ小説です。ネタバレにご注意ください。
成長の壁を1つ以上超えたニンジャがソロで挑むことが想定されていますが、調整も可能でしょう。今回は……彼を派遣します。
◆ファイアコーラル(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 6
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 9>11 脚力 6>7/E
ジツ 3 万札 20>2
DKK 2 名声 6>7
攻撃/射撃/機先/電脳 6/13/ 6/ 6
回避/精密/側転/発動 12/12/12/ 9
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶サイバネアイLV1:ワザマエ判定+1、射撃時さらに+1
◆オーガニック・スシ
◆伝統的ニンジャ装束:回避+1
◇ジツやスキル
☆キノコ・ニンジャクラン、ジツLV3
☆ドク・ジツ(カナシバリ・ジツ読み替え)LV3
◉◉タツジン:ジュージツ
◉常人の三倍の脚力:脚力+1、側転難易度-1
◉トライアングル・リープ:側転で壁に触れて移動した時、
直後の近接攻撃の難易度上昇を無視し、1発目に痛打+1を加える
●連射2
○生い立ち:ピンハネ シナリオ終了時やモータルハント時に万札+1
◉交渉:卑屈
能力値合計:27>29
かなり手練れになりました。彼はイエローバンデッド、ブラックマドンナという2人の女ニンジャとチームを組んでいますが、彼女らと組めば楽勝なので、今回は何らかの事情によりソロで挑みます。ピンチになれば駆けつけてくれるかも知れません。では、始めます。
◆◆◆
ダンゴウ
ネオサイタマ某所、カオスエンペラードラゴン・ヤクザクランの事務所。
「カネが充分に用意できなかっただと?ウチをナメてンのか?」オヤブン室の机にふんぞり返って座るのは、赤いニンジャ装束を纏った邪悪ニンジャ、ファイアコーラル。彼はジュー・ジツのタツジンにして、ネオサイタマの裏社会を牛耳る暗黒組織ソウカイ・シンジケートのエージェントである。
「それが……シノギであるオーガニック・ハッパが何者かに盗まれ、収入が激減しており……」オヤブンはドゲザしながら事情を告げる。「倉庫はヤクザ一個小隊に警備させていましたが、全員ネギトロに変えられていたと」「先にそれを言えや。こういう時のために、俺たちがいるンだろうが」
ソウカイ・シンジケートことソウカイヤは、傘下に置いたヤクザクランや暗黒メガコーポからミカジメを徴収している。その見返りとしてニンジャ・エージェントを高額で貸し出し、圧倒的な暴力で難事件を解決するのだ。「ソウカイヤの収入を減らす不届き者は許しちゃおけねェ。案内しろ」
調査
ネオサイタマ南部、湾岸埠頭倉庫地域。オヤブンに案内され、ファイアコーラルはヤクザリムジンに乗って問題の倉庫までやって来た。倉庫のセキュリティは並大抵のスラッシャーなら入る前にオタッシャする程に厳重であったが、それをあっさりと破り警備を皆殺しにするとは、人間業ではない。
破壊された扉は弾痕だらけだ。ショットガンを何十発もブチこまれ、スイスチーズのようになっている。敵対ヤクザクランがかなりの兵隊を投入したのか、あるいは……「監視カメラの映像をよこせ」「は、ハイ」ファイアコーラルは自らのサイバネアイと監視カメラをリンクさせ、情報を収集する。
……そこに映っていたのは、ズタズタのロングコートを纏い、山高帽を被った人影だ。彼はチョッパーバイクに跨って倉庫に突入し、二挺のソードオフ・ショットガンを撃ちまくってヤクザたちをネギトロに変えると、ありったけのハッパを奪ってバイクの後ろのカンオケに詰め込み、去っていった。
「完全にニンジャだな」ファイアコーラルは眉根を寄せた。姿かたちをIRC端末でソウカイヤ電脳部門に送ると、『エルドリッチ』というゾンビーニンジャに外見特徴が一致する、とレスポンスがある。ソウカイヤに協力するマッドサイエンティスト、リー先生のラボから脱走した凶悪なニンジャだ。
相手がニンジャ、それも脱走者というなら、倒して連れ帰れば追加で報酬がもらえる。ただファイアコーラルはそれなりの手練れだが、単独でニンジャを行動不能に追い込むほどには強くない。イエローバンデッドやブラックマドンナらとチームでやれば楽勝だが、彼女らは別の要件があるという。
とすると……増援の手配を頼みつつ、相手が来るのを待ち、迎撃することになろう。単独で倒せれば報酬は独り占めできるが、欲をかきすぎても危険だろうか。ファイアコーラルは状況判断した。「別のハッパ倉庫はあるか」「は、ハイ」「そっちで待ち構えるとするぜ。案内しろ」「アッハイ」
???
隣接する別のハッパ倉庫。セキュリティは先程と同じレベルで、ヤクザ一個小隊が警備に当たっている。オヤブンに案内され、ファイアコーラルは警備室へ向かう。「ドーモ」警備クローンヤクザが深々とオジギする。ファイアコーラルはアイサツを返さず、警備室の椅子にどっかりと腰を下ろした。
複数のモニタには、倉庫の内外に設置された監視カメラの映像が表示されている。今のところ異常はないが、いつ『エルドリッチ』が攻め込んで来るかわからない。「長期戦になるかもな。スシやサケを用意しとけ」「ハイ」オヤブンはIRC端末でクラン事務所に連絡をとる。存亡をかけた戦いだ!
時刻はウシミツ・アワー。しばしばチンケなモータルのハック&スラッシュ・チームが倉庫へ襲撃を行って来るが、堅牢なセキュリティとヤクザ一個小隊の迎撃を受けてネギトロとなり、死体を晒すばかりだ。これほどの堅牢さであっても、あのニンジャの前にはショウジ戸に過ぎないというのか。
……その時!
ドルルルルル……ガリガリガリ……! エンジン音、鉄がコンクリートを引っかく音、そして大音量のストーナー・ロック音楽。「オウイエー……オウイエー……」胡乱な歌声とともに、ハッパ倉庫へチョッパーバイクが近づいてくる!『き、来ました!』レッサーヤクザから警備室へ連絡!どうする?
「……待機しろ。撃つな」ファイアコーラルは状況判断し、ヤクザたちによる迎撃を制止した。返り討ちに遭って彼らが全滅すればヤクザクランの損、巡り巡ってソウカイヤの損だ。援護射撃も期待できるし、エルドリッチを油断させられる。交渉する際にも数が多いほうがよい。『ヨロコンデー!』
「オウイエー……今日はお迎えがねェぜェー……?」エルドリッチは周囲を見回しながら倉庫の扉へ近づく。ヤクザたちは物陰に潜み、様子をうかがう。ガガガガガガ……! 轟音を立てて倉庫の正面扉が開いた!「オウイエー……ハッパのにおいだぜェー……!」エルドリッチは訝しみながら中へ突入!
「イヤーッ!」ファイアコーラルは上の警備室から飛び降り、エルドリッチの前に立ちはだかる!同時に背後の扉が閉まり、逃げ道を塞ぐ!「ドーモ、エルドリッチ=サン。俺はソウカイ・シンジケートのエージェント、ファイアコーラルです!」「ドーモォ……俺はエルドリッチだぜェー……!」
◆エルドリッチ(種別:ニンジャ/ゾンビー)
カラテ 7 体力 22
ニューロン 1 精神力 4
ワザマエ 9 脚力 5/UH
ジツ 3 万札 20
攻撃/射撃/機先/電脳 7/ 9/ 1/ 1
回避/精密/側転/発動 9/ 9/ 5/ -
即応ダイス:2 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆鎖鎌(ムチ扱い):ダメージ1、攻撃難易度H、リーチ+1、殺伐なし、側転難易度+1
戦闘スタイル:拘束攻撃(攻撃回数1、脱出H)、回転斬撃、精密攻撃(ワザマエで攻撃)
◆ソードオフ・ショットガン×2:連射1、弾薬使用不可、側転難易度+1
範囲射撃:視線が通っている6マス以内の2×2マスへ範囲射撃(難易度N)
敵味方全員に1ダメージ、出目66で2ダメージ
散弾エイム:2マス離れた敵1体へ射撃(難易度N)、ダメージ2
出目66でヘッドショット、666でヘッドショット+回避H
接射:隣接敵1体へ射撃(難易度H)、ダメージ2
出目66で回避H、2マス弾き飛ばし 666で回避UH、4マス弾き飛ばし
◇ジツやスキル
☆謎めいた(ゼツメツ)ニンジャソウル、ジツLV3:体力と精神力+3
◉ゾンビーニンジャ:即死耐性、脆弱性:火炎(2)、交渉・知識・側転ダイス半減
カラテ×2+ジツ=基本体力(7×2+3=14+3=17)
◉頑強なる肉体:体力+2
◉ランスキック
◉回転斬撃強化
◉回転銃弾薙ぎ払い:2ターン連続使用不可、回転斬撃強化との同時使用不可
回転斬撃使用直後から次の手番開始時まで射撃ダメージ軽減2
◉ショットガン二挺撃ち:戦闘中1回限り、1ターン中に1回のみ使用可能
精神力1か回避ダイス2を消費し、手番攻撃開始時に使用宣言
攻撃終了直後にショットガンで追撃 射撃難易度+1、射撃ダイス数は本来の半分
使用するとそのショットガンはこの戦闘中に射撃不可となる
●連続攻撃2、連射2
◉知識:ドラッグ、現代的アート、ビークル、銃器
能力値合計:23
エルドリッチはアイサツを返し、ハッパのにおいをプンプンと漂わせながら手を差し出す。「オウイエー……大人しくここのハッパをよこせェー……」「断る!」「めんどくせェー……そんならテメエをブッ殺して、奪い取るまでだァー……!」両者はカラテを構えた。一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
【続く】
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