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忍殺TRPGリプレイ【ユートピア・オア・ディストピア】05

 前回のあらすじ:ネオサイタマ上空、現世とオヒガンの狭間に浮かぶキョート城は、キョジツテンカンホーの残滓によってキンカクの降臨を防ぎ止めている。だがジツを保つ地上の結界は弱まり、マッポーカリプスは近づきつつある!今こそ再びキョート城へ向かい、とにかくなんとか解決せよ!

「片手間では無理か!イイイヤァアアアーーーーーッ!」ヴィジランスは全身全霊全カラテをハッキングに注ぎ込む!01010101バチチチッ!火花がエーリアスの、ヘッジホッグの生体LAN端子と腕に走る!「イヤーッ!」エーリアスは腕を振って弾き、これを跳ね返す!「ヌウッ!」とっさに防御!

「イイイヤァアアアーーーーーッ!」だがエーリアスはそのままヴィジランスのニューロンに潜入!半透明の霊体と化して無防備股間にKICK!SMASH!「グワ、アバーッ!」ヴィジランスは激痛に悶絶!なんたる恐るべきハッキング攻撃の応酬!「スゥーッ……ハァーッ……」フェイスフルが動く!

「キエーッ!」跳躍!天井や壁を蹴って勢いをつけ、繰り出すのはヤリめいたトビゲリだ!ドラゴン!SMAASH!「アバーッ!」ヴィジランスはくの字になってワイヤーアクションめいて後ろへふっ飛ばされ壁に激突!KRASH!「アバーッ!」しかし、彼はまだ爆発四散していない!「まだやりますか」

 フェイスフルはザンシンしつつヴィジランスに呼びかける。「無益な殺生は好みません。降伏しなさい」「断る……ロード……千年王国……」「ロード・オブ・ザイバツは死にました。キョジツテンカンホーも解けています。あなたがこれ以上戦う必要はないはず」「甘っちょろいぞ小娘!私は……!」

 ヴィジランスは血反吐を吐いて嘲笑う。だがエーリアス……シルバーキーは、その姿にいたましさを覚えた。相手はワーカホリックの病人なのだ。善良なサイコ鍼灸師として多くの患者を診てきたシルバーキーはそう感じた。せめて彼の狂気を癒やし、治療してやらねば!「……カカッテコイ!」

戦闘継続

9ターン目

イニシアチブ(電子一騎打ち):ヴィジランス/VL(17)→エーリアス/AD(13)→VL(8)→AD(7)

ウルトラハードモード継続!

 010101010101……距離をとって睨み合うヴィジランスとエーリアス。2人の間の空間が歪み、01の風で覆われた。「これは!?」フェイスフルは訝しんだ。ここはオヒガンと現世の狭間。2人の凄腕ハッカーニンジャ同士の超常的な攻防により、カラテが、エテルが高まっている!「「行くぞ!」」

VLは集中してkill-9を3連発、電脳値16、難易度H>UH2>UH!
[22641][36246][554334]1成功、2成功&殺伐[5]脚部破壊!
ADは回避N、回避ダイス13![536][4434]回避&カウンターハック!
VLは回避N>UH、回避ダイス11![52436]回避!

「「イイイヤァアアアーーーーーッ!」」ZZTZTZTZTZT!ZGTOOOOOOM!01の烈風が竜巻となり、2人の論理肉体は稲妻となって激突!激突!激突!激突!衝撃波が予備電算室のUNIXや机、ハッカーニンジャらを薙ぎ払う!「ンアーッ!」フェイスフルは腕をクロスさせて防御!勝負の行方は!?

ADは集中してユメミル・ジツ(精神力10>9)[132453334][365164416]2発成功、時間差、回避H>UH>UH3!VLは[156][634]2発命中!精神力0>-2!

 エーリアスの、シルバーキーの論理肉体はヴィジランスの電子猛攻を潜り抜け、彼のニューロンに到達した。ヴィジランスは、手のひらを額に当てられた感覚を受ける。『こいつがあんたに会いたがってたぜ』0101010101……朧げな視界に、眼鏡をかけた黒髪の女性が現れる。「ストーカー=サン」

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『ドーモ、室長。お迎えにあがりました』ストーカーはペコリとオジギし、ヴィジランスの手をとった。彼女の輪郭は01グリッチで歪んでいるが、彼女に違いない。ヴィジランスは頷いた。『わかった。ロードのみもとへ行くとしよう。だが、私たちのデスマーチは終わらない。アノヨでもな』『ハイ』

 2人は向かい合って手を取り、優雅なダンスを踊りながら飛翔していく。キンカク・テンプルへ向かって。

01010101010101010101

 ……01の暴風がやみ、煙が晴れる。そこに立っていたのは……エーリアスとヴィジランス。やがて、エーリアスががっくりと膝をつく。「!」フェイスフルは慌てて駆け寄り、助け起こす。ヴィジランスは……立ったまま、息絶えている。その口元は微かに微笑んでいた。「カウンセリングしてやった」

 エーリアスはつぶやく。「そして、ブッ殺した」「ナムアミダブツ」フェイスフルはヴィジランスの抜け殻にオジギし、合掌して冥福を祈った。

戦闘終了

エピローグ

 2人は予備電算室を漁り、ZBRアドレナリン注射器などを調達して応急手当を行う。ともに疲労が激しく、負傷も大きい。ヴィジランスはザイバツ・グランドマスターの名に恥じぬ恐るべき強敵であった。1人ずつなら、あるいは味方を呼ばれていれば、こちらが返り討ちにされていた。だが殺した。

 敵に同情はしてもいい。だが容赦は禁物だ。ニンジャの死因の何割かは、カイシャクのタイミングの読み違いだ。それは追い詰められた相手に憐れみをかけ、情に心を揺らすことによる。サイコ鍼灸師のシルバーキーは、相手に共感し過ぎないことに注意を払ってきた。それが治療者のスタンスだ。

「……ユカノ=サンは、無事に到着できたでしょうか」フェイスフルはつぶやく。「連絡はありませんか」「ああ、待ってくれ。ここは霊的にも切り離されてたみたいだ」エーリアスはこめかみに指をあて、通信確立を試みる。城はオヒガンの影響を受けて歪み、現世にあった時とは様相が異なる。

 UNIX、IRC、インターネットのたぐいは通じない。オヒガンでの通信にはコトダマに働きかけるジツが不可欠だ。アンバサダーとディプロマットはテレパス・ジツが使えるが、基本的にお互い同士でしか通じない。それに彼らは現世にとどまり、オヒガンからの帰り道を確保するという役割がある。

 ゆえにキョート城へ突入するのは、ニンジャスレイヤー、ユカノ、自分たち、それに……010101010101『ドーモ』「!」エーリアスはビクリとした。突然コトダマ通信が繋がり、向こうから話しかけられたのだ。声はアイサツした。『アラクニッドです』『ドーモ、エーリアスです』アイサツを返す。

『アラクニッド。仲間たちから事情は聞いたぜ。城内のホウリュウ・テンプルに囚われているとか』『然り。アラクニッドは囚われの身だ。そして、バンブーエルフ=サンもここにいる。助けに来て欲しい011010010通信は切断された。これは罠か、それとも。とにかくまずは行くしかなかろう!

【ユートピア・オア・ディストピア】終わり

リザルトな

現世からキョート城に到達。ヘッジホッグの肉体を奪い、ヴィジランスを倒し、予備電算室を陥落させた。ヴィジランスの所持万札50、ヘッジホッグの所持万札12を山分けし、62を2で割って1人頭31。FFは名声1を獲得。休みようがないため余暇は得られないが、負傷や疲労、部位損傷は全回復する。

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