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忍殺TRPGリプレイ【レッツゴー・シー・ア・ニュー・ライト】(全テキスト版)

 これは、つのの忍殺TRPGリプレイ「レッツゴー・シー・ア・ニュー・ライト」のうち、あらすじやステータス表、ダイスロールやコラム書き、イラストなどを除去した小説テキスト部分のみをまとめたものです。文字数カウントで見たところ、4579+1895+3686+2448=1万2608字でした。


01

 ネオサイタマ南東部、ヤマ山地。新たなドラゴン・ドージョーはその奥、ラマですら到達できぬ切り立った崖を越えた先にある。ニンジャか、それに相当する超人的な身体能力を持ったモータルにしか辿り着けない場所だ。

 平安時代以前から、ヤマ山地は異界へ繋がる強力な霊場として畏れられている。日本語「ヤマ」は「山」そのものを指すとともに、ブディズムにおけるジゴクの支配者エンマ(ヤマ)の呼び名でもある。ドラゴン・ドージョーのあるじ、ドラゴン・ニンジャは、瞑想と探索の末にそれを思い起こした。

 すなわち、ここは現世にありながらアノヨに、オヒガンに近い場所だ。8月中旬のオールド・オーボンから1ヶ月余りが経過し、時あたかも9月下旬、秋分の日……「秋のオヒガン」であった。ドラゴン・ニンジャは新たな弟子イエローフィストとともに、静かにドージョーでアグラ瞑想していた。

 ドラゴン・ニンジャ……ユカノは何事かを察知し、北へと意識を向けた。魔都ネオサイタマの上空には常に重金属酸性雲が垂れ込め、その上には罪罰罪罰罪罰黒い渦罪罰罪罰がある。エーリアスはそう告げた。彼女……彼のようなコトダマ適性の高い者だけが、それを認識できる。罪罰罪罰罪罰罪罰

 罪罰罪罰罪罰キョジツテンカンホー・ジツ。ロード罪罰罪罰が、ソガ・ニンジャが用いた、人々の認識を転換する恐るべきジツ。その残滓が今、ネオサイタマの上空に在る。罪罰罪罰キョート城罪罰罪罰を守るため。それは次第に弱まりつつある。この距離ならば、集中すれば振り払えるほどには。

 ザイバツがネオサイタマ各地に仕込んだ、ジツを増幅する魔術的ビーコンを相当数破壊したためだ。ガイオンほどに歴史的景観が残されていない混沌の都ネオサイタマにおいては、ジツの効力は制限される。だがジツが弱まれば、また別の問題が生じる。キンカク・テンプルが再び接近しかねない。

 あの後ユカノは仲間たちと調査や議論を重ね、再びキョート城に潜入する方法を模索した。弟子の一人バンブーエルフが城内におり、彼女を奪還せねばならないし、キョート城やキンカクが接近している現状は、現世に対して悪影響を及ぼしている。ニンジャソウルのディセンションも増えた。

 ニンジャスレイヤーの力の源泉であるギンカクも、ジツの影響によるのか力を失っている。これらを解決するには、オヒガンと現世の狭間に浮かぶキョート城に赴いてジツの発散を抑え、キンカクごと彼方へ遠ざけたのち、現世へ帰還するしかない。可能なのか。やるしかない。方法は見つかった。

「「スゥーッ……ハァーッ……」」ユカノとイエローフィストは向かい合い、アグラ瞑想とチャドー呼吸を継続する。2人はこの地の霊脈に接続0101010

◇◇◇

 010101ネオサイタマの東、オムラ本社要塞と物理的に癒着したソウカイヤ仮本部。IRCコトダマ空間で必死の電子防衛を行う電脳部門筆頭・ダイダロスとその部下ナウクラテーの前に、彼女は突然現れた。

『ドーモ、お久しぶり。YCNANです』

『ドーモ、ダイダロスです』『ナウクラテーです。アンタも火事場泥棒に来たってわけ?』ナウクラテーは気色ばむ。YCNAN……ナンシー・リーは電子肩をすくめた。『さあね。そっちは大変みたいね』『ええ、とても。残念ですが貴女とダンスをする余裕もありません。どうしたものでしょうねえ』

 ダイダロスは電子防壁に穿たれた穴を即座に修復し、サイバー攻撃をKICKしつつ対話に入った。2人がかりなら倒せない相手ではないが、他の防衛が手薄になる。何か重要な話があるようだ。『オナタカミからの降伏勧告は受け取った?』『ええ、先ほどチバ=サンとヨルジ=サンから届きました』

 ダイダロスは電子肩をすくめた。『やぶさかではありませんが、ならば攻撃をやめて欲しいですね』ナンシーは頷く。『あなたたちが戦っても降伏しても、オムラ本社要塞はオシマイ。そしてたぶん、ここにもハイデッカーたちのガサ入れが入る。ラオモトとの関係を掴むためにもね』『やれやれ』

『その前に、ここをオムラ本社要塞から切り離して』ナンシーは人差し指を上に向けた。『いつぞやのように上空へ脱出しろ、と。ニンジャスレイヤー=サンの仲間で、ソウカイヤの敵である貴女に言われると、罠を疑うところですが……』ダイダロスは状況判断する。『それしかなさそうですね』

 ゴゴゴゴゴゴ……! ダイダロスのハッキングにより、ソウカイヤ仮本部は再び天守閣を載せた憤怒の形相の黄金鬼瓦ツェッペリン形態に変形していく!『貴女はオナタカミに思うところでも?』『情報を掴んだの。オナタカミは日本国政府や市役所・市議会と結託して、世界征服を企んでいるって』

 ナンシーは電子情報を投げ渡した。『ついさっき国会と市議会で承認されたけど、彼らは「アマクダリ・セクト」という治安維持機関を設立したわ。オナタカミとハイデッカー、湾岸警備隊を中核として、ネオサイタマおよび日本国の統一と法的秩序を取り戻すとかどうとか』『迷惑な話ですね』

『正直、迷惑度合いじゃソウカイヤとかラオモト・カンと同程度だけど……オムラはともかく、ソウカイヤがこのままアマクダリに取り込まれるのは捨て置けないわ。強力過ぎて潰せなくなっちゃうから』『結局潰す気ですか』『共倒れして欲しいってところね。とにかく、今は味方になってあげる』

『でも、どこへ逃げれば……?』ナウクラテーは眉根を寄せる。『案内するわ』ナンシーはタフに笑い、上を指差す。黄金立方体を覆う黒い渦を。そしてもう一方の手は、下を指差していた。

◇◇◇

 現在ネオサイタマと呼ばれる領域は、かつて「関東地方」と呼ばれた領域とおおむね重なる。その中央にカスミガセキ・ジグラット、かつての江戸城があり、マルノウチ・ギンカクがあり、上空にはキョート城とキンカクがある。その周囲には、ヤマ山地をはじめとするいくつかの霊地が存在する。

 南西には霊峰フジサン。北西には諏訪湖。北には、徳川エドワード家康の霊廟。そして東には、オムラ・インダストリ本社要塞がある。極めて人工的な重工業地帯と化した99マイルズ・ベイに霊地とは奇妙だが、れっきとした謂れがある。オムラがここに本社要塞を築いたのも決して偶然ではない。

 平安時代以前より、ここには雷神を祀るシュラインが存在した。オムラの紋章はまさに雷神をあらわす三つ巴紋である。彼らのルーツは平安時代末に織田信長に仕えた異端の鉄砲鍛冶集団「御村衆」とされるが、さらに古く遡る可能性も……これ以上歴史の闇に触れるのは危険ゆえ、避けるとしよう。

 そしてこのシュラインには「要石かなめいし」と呼ばれる霊石が存在する。地中のドラゴンを抑えて暴れるのを防ぎ、地震を鎮めているとされるが、つまり大地を流れる霊脈、地脈の要所の一つなのだ。徳川エドワード家康もザイバツ・シャドーギルドも、これを利用して結界を作り上げていた。

 01010101010101……今、その要石に膨大なエテルの流れが注ぎ込まれつつある。北の日光東照宮から、西の諏訪湖とフジサンから、南のヤマ山地から、霊脈を介して。この5つの霊地を地図上で繋げば……関東地方を覆い江戸城を中心とする、五角形・五芒星形の巨大結界が形作られるのだ!

 江戸には多数の結界の網が張り巡らされており、これはその一つをいびつになぞっただけかも知れぬ。しかしそれでも、これだけの有力な霊地を繋ぎ合わせるならば、そこにはコトダマ的な意味が生じる! 遥か宇宙空間からネオサイタマを見下ろすことができる者は見るがいい! 光輝く五芒星を!

◇◇◇

「スゥーッ……ハァーッ……!」ネオサイタマ中心部、マルノウチ・スゴイタカイビルの地下深く。そこに聳え立つオハカめいたギンカク・オベリスク。その前にアグラし、ニンジャスレイヤーはチャドー呼吸を行う。ギンカクと彼の間には、ドラゴン・ニンジャがキョート城から持ち帰った茶碗がある。

 ヨウヘン・テンモク。黒い釉薬と炎の奇跡的な反応により、宇宙に輝く星(曜)めいた斑紋と、虹めいた虹彩を兼ね備える。パラゴンやドラゴン・ニンジャはこれを用いてキョート城を操縦した。チャドーの鍛錬や知識にまだ乏しいニンジャスレイヤーだが、この茶器とギンカクがそれを補う。

「スゥーッ……ハァーッ……!」キョート城の地下には、これと類似した銀色のオベリスクが生えており、ニンジャスレイヤーを、ナラク・ニンジャを、ギンカクに眠るモータルの怨念を吸い上げてエネルギー源とした。ならば、ここから逆にキョート城へとアクセスすることも可能だ!繋がりはある!

 ズオオオオオ……! 五芒星魔法陣はネオサイタマ各地の霊地・霊脈を結びつけ、無数のモータルの怨念や想念を吸い寄せる! 東の要石に一度集められたそのエネルギーは、一連の紛争で流された血と怨念により増幅され、マルノウチ・ギンカクへと流れ込む!「フユコ……! トチノキ……!」

 ニンジャスレイヤー、フジキド・ケンジは、亡き妻子の名を呼んだ。2人の霊魂はニルヴァーナにはおらず、ギンカクに降り、ナラク・ニンジャの薪となって彼のイクサを支えてきた。フジキドとともに、地獄の苦しみを受け続けながら。なんたる悲劇か。なんたる……!『……ググググググ……』

 ギンカクから、おのれのニューロンの内から、邪悪な声が鳴り響く。ナラク・ニンジャが復活したのだ!『オハヨ!随分薪をくべてくれたな!よかろう!ソガ・ニンジャの残滓を焼き尽くし、ケイトー・ニンジャとサツガイ・ニンジャを殺し、キンカクのカツ・ワンソーをも殺してくれようぞ!』

「スゥーッ……ハァーッ……!」ニンジャスレイヤー、フジキド・ケンジは、血涙を流しながら深くチャドー呼吸を行い、古代の悪霊に、巨大なる憎悪に飲み込まれるのをこらえる。ナラクに完全に飲まれれば、彼はニンジャのみならずモータルをも躊躇なく殺す邪悪な殺戮者に堕ち、破滅するだろう。

『オヌシの妻子は死んだ。ニンジャが殺したのだ。オヌシ自身も死の淵にあったが、儂が繋ぎ止めた。オヌシに復讐の機会を与えるために!』ナラクの暴威は、フジキドのニューロンに再び憎悪の炎を注ぎ込む。妻子が殺される姿が無限に再生される。『チャドー呼吸をやめて、儂に身を委ねよ!』

「黙れナラク!」『黙らぬぞ!キョート城にいるサツガイ・ニンジャは、オヌシの妻子を殺したダークニンジャに、カツ・ワンソーの影が取り憑いたもの!オヌシにも儂にも因縁がある!』「ヌウッ……!」『ソガのダマシに脳をやられ、あの小娘を置き忘れるウカツ者に、殺せる相手ではないわ!』

「黙れ!」『黙らぬ!しかも今のキョート城には、あの忌々しいケイトー・ニンジャもおるはず!オヌシの惰弱な肉体のせいで何度か不覚をとったが、今度こそくびり殺してやらねばならぬ!』「……奴らは殺す。だが、オヌシに肉体は明け渡さぬ!」『なんたるワガママ!ええい、いずれそうなる!』

 ナラクはしびれを切らした。好都合!『キョート城とギンカクの繋がりはできておる!行くぞ!』「ともに!」フジキド・ケンジの肉体に、ナラク・ニンジャの力が再び湧き起こる!ゴウランガ!ゴウランガ!2人は重なってひとつとなり、赤黒い炎と化した!「『イイイヤァアアアーーーーッ!』」

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◇◇◇

 010101カブーム!ビルに正面から突入する家紋タクシー!ビルは支柱を砕かれたか、白煙を巻き上げてつぶれてゆく。安普請か!家紋タクシー車内に残された五人は全員死亡……否!彼らは衝突の直前に車外への脱出を成功させていた!「「ザッケンナコラー!」」「「スッゾコラー!」」010101

 4人のクローンヤクザはアサルトライフルやチャカ・ガンを構えて一斉射撃!BRTTTTTTT!BLAMBLAM!運転手は仁王立ちのまま銃弾の嵐を受け、スーツと帽子がズタズタに破けてゆく。破け去った制服の下から現れたのは、01010101赤黒のニンジャ装束である!当然のごとく無傷!だが……01010

 彼は訝しんだ。ここは。眼の前にいる男は。しかしすぐに理解し、アイサツを繰り出した。「ドーモ、アーソン=サン。ニンジャスレイヤーです」

「ニンジャスレイヤー=サンだと!?貴様がそうだというのか!?」アーソンは目を見開く。極めて不吉な予感がニューロンをよぎるが振り払い、手を合わせ、アイサツを返す。「……ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。アーソンです!」二者の間に、のっぴきならぬ殺気が瞬時に膨れ上がる。

 当然、この後始まるのは凄惨な殺し合いだ。しかし、アイサツは決しておろそかに出来ないニンジャの礼儀だ。古事記にもある。「まさか実在していたとは。負け犬どもがでっち上げたケジメ逃れの方便とばかり」アーソンは鼻で笑った。ニンジャスレイヤーはジュー・ジツの構えをとった。

「……安心せよ。オヌシもこのあと負け犬となる。私がオヌシのカラテを破り、殺すからだ」ネオン看板の明かりが、彼のメンポに彫り込まれた「忍」「殺」の二文字を照らし出す。なんたる恐怖をあおる字体!「……ニンジャ殺すべし」彼は死神そのものの声で宣告した!一触即発アトモスフィア!

「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはアーソンの背後へ跳躍しながらスリケンを投擲!「「アバーッ!」」アサルトライフル持ちヤクザ2人の後頭部にスリケンが突き刺さり即死!「イヤーッ!」アーソンは振り返り、ジグザグに駆けながら拳を振り上げる!殴った相手を燃やして殺す残虐な暗殺技だ!

「イヤーッ!」速い!おそるべき拳速!だがそこにニンジャスレイヤーの身体はない!瞬時に上体をそらしてブリッジ回避!「何!?」そしてこれは攻撃の予備動作でもあった!「イヤーッ!」SMASH!「グワーッ!」逆立ちしながら両脚を振り上げ、アーソンの顎を斜めに蹴り上げた!タツジン!

「ザッケンナコラー!」「スッゾコラー!」すかさず2人のクローンヤクザがニンジャスレイヤーを銃撃!BLAM!「イヤーッ!」「「アバーッ!」」ニンジャスレイヤーは見切って躱し、回転しながらスリケンを2人の眉間に投擲して殺す!これで残るはアーソンのみ!「バカな、バカな……!?」

 手負いのアーソンはよろめきながらも構え、捨て身めいて殴りかかる!「ウオオオーッ!」だがニンジャスレイヤーは最小限の動作で躱し、反撃のキックを放つ!「イヤーッ!」「ヌウッ!」ガキィン!アーソンはかろうじて防御するが体勢を崩す!当たらねば彼のカトン・ジツは意味がない!

「グワ、アバッ……」アーソンが身体を折り曲げ、震えた。前屈みになった彼の背中からは、ナムアミダブツ……ニンジャスレイヤーの腕先が生えている。ジゴクめいたチョップ突きがアーソンの胴体を貫通し、心臓を破壊したのだ。「き、救援が向かって来ている……死ぬのは貴様だ」「望むところ」

 ニンジャスレイヤーは心臓を握りつぶした。「サヨナラ!」KABOOOM!アーソンは爆発四散した。0101010110110

 01010今や鬼瓦ツェッペリンは遠目でもわかる黒煙を幾筋か噴き上げ、時折傾いてはバランスを取り直していた。ニンジャスレイヤーはビルを飛び移りながらいったい何十枚、何百枚のスリケンを投げただろう?そのイナズマめいた勢いは止まらない!「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」

 チュン!チュン!さらに散る火花!ついにエンジン付近が炎を噴き上げる!……と、その時!何かが鬼瓦ツェッペリンから飛び出し、ハチドリめいて旋回しながらニンジャスレイヤーに接近してきた。ナムサン!それは機械ではない。ニンジャだ!背中にジェットパックを背負ったニンジャである!

 新たな敵はニンジャスレイヤーにぴったり張り付くように浮遊しながらアイサツした。「ドーモ。クラウドバスターです」ゴウ!ジェットパックが火を吹く!ニンジャスレイヤーは走りながら額の前で両手をあわせアイサツを返す。「ドーモ、ニンジャスレイヤーです……何度来ようが、同じ事!」

03

 ニンジャスレイヤーは、このニンジャと以前戦ったことがある。先程のアーソンとも。ここはオヒガン、アノヨなのだ。ならば再び殺すのみ!「イイイヤァアアアーーーーッ!」SMAASH!「グワ、アバーッ!?」サツバツ!黒い炎を纏った殺人キックがクラウドバスターの股間を情け容赦なく破壊!

「ば、バカな……!?」クラウドバスターは予想外の戦闘力に驚愕!彼に宿ったニンジャソウルは、目の前の敵に恐怖した!彼は以前、このニンジャと戦ったことがある!そして!「い、インダストリ!」オムラへの愛社精神を奮い起こし、上空へ退避しつつ鬼瓦マグロツェッペリンへ支援砲撃を要請!

『この飛行船は広告目的であり怪しくは無い。デモンストレーションで頼もしさを重点し広告効果が倍増される』欺瞞的なマイコ音声をスピーカーで下の繁華街へ投げかけ、鬼瓦マグロツェッペリンはアンタイ・ニンジャミサイルを射出!ヒュルルルルル……KABOOOM!「イヤーッ!」見切って回避!

「逃さぬ!イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはミサイルを踏み台にして跳躍し、クラウドバスターへ追いつく!このニンジャは実際強敵であり、フジキドも一度敗北してナラクに肉体を一時明け渡す羽目になった。そうなる前に殺す!SMASH!「グワーッ!」クラウドバスターは防御するが防ぎきれぬ!

「インダストリ!」クラウドバスターは愛社精神を振り絞り、さらに空中へ上昇!急降下しながら電磁ブレードで斬りかかる!ZZTZZTZZT!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは見切って躱し、迎撃!SMASH!「グワーッ!」クラウドバスターはよろめく!だが彼はまだ闘志を失っていない!

「イイイヤァアアアーーーーッ!」ニンジャスレイヤーはクラウドバスターのみぞおちめがけて殺人ボレーキックを繰り出す!SMAASH!「グワ、アバババーッ!」サツバツ!クラウドバスターはくの字になって吹っ飛び、鬼瓦マグロツェッペリンに激突!「サヨナラ!」KABOOOM!爆発四散!01010

01010101「Wasshoi!」不意に冷蔵庫のドアが開き、そこから赤黒い装束を纏ったニンジャが砲弾のように飛び出した。そのニンジャは回転しながら向かいの冷蔵庫に飛び乗り、さらに反対側の冷蔵庫の上に飛び乗り、床に飛び降りて五回バク転を決め、直立不動の姿勢を取ってアイサツした。

「ドーモ、アイアンヴァイス=サン。ニンジャスレイヤーです」

「ど、ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。アイアンヴァイスです。なぜ貴様がここに!?」「状況判断だ。ニンジャ殺すべし!」一触即発!

「イイイヤァアアアーーーーッ!」ニンジャスレイヤーは瞬時に敵の懐へ飛び込み鉄拳を放つ!「む、ムテキ!」アイアンヴァイスはとっさに肉体を鋼鉄化し防御!ムテキ・アティチュードだ!だが!SMASH!「グワーッ!?」痛烈!ムテキで防いでも防ぎきれぬ!鋼鉄化した肉体に亀裂が走る!

「オノレ……イイイヤァアアアーーーーッ!」アイアンヴァイスはカラテを振り絞り、鋼鉄の肉体をある程度維持したまま、ニンジャスレイヤーに万力めいた握力で掴みかかる!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは見切って躱し反撃!だが、鋼鉄の肉体により弾かれる!実際油断ならぬ強敵だ!

「イイイヤァアアアーーーーッ!」ニンジャスレイヤーはアイアンヴァイスを圧殺すべく、息もつかせず猛攻!猛攻!猛攻!「ムテキ!」ガガガッ!アイアンヴァイスはムテキを重ねがけして防ぐ!防ぐ!防ぐ!「イヤーッ!」隙を突いて掴みかかる!「イヤーッ!」ブリッジ回避!実際危険だ!

『バカ!以前此奴を殺した時は、まずスリケンの雨を浴びせてムテキを無駄遣いさせ、気力が尽きたところで殴り殺したのではないか!』ニンジャスレイヤーの脳内にナラクの叱責が響く!『正面からカラテで押し潰すのなら、もっと不浄の炎を燃やすのだ!ええい、儂がやる!』「黙れナラク!」

 ニンジャスレイヤーは腰を沈め、深く呼吸する。「イイイ……イイイヤァアアアーーーーッ!」ズシン!大きく踏み出して放つのは、暗黒カラテ奥義「ポン・パンチ」だ!SMAASH!「グワ……アバーッ!」鉄拳がムテキを貫通し、アイアンヴァイスの鋼鉄の肉体にさらなる亀裂が走る!だがまだ動く!

「イヤーッ!」鋼鉄の肉体を維持しつつ掴みかかる!しかし!「イイイヤァアアアーーーーッ!」ニンジャスレイヤーはブリッジ回避し、勢いをつけて脚を跳ね上げサマーソルトキック!「ムテキ!」ガキィン!アイアンヴァイスはとっさに肉体を鋼鉄化させ防御!だがこれ以上は気力が……もたない!

『力に力で対抗してはならぬ……速さで行くと決めたならば、あくまでも速さを貫き通すべし。百発のスリケンで倒せぬ相手には、千発のスリケンを投げるのだ……』師匠ドラゴン・ゲンドーソーから授かったファースト・インストラクションが、ニンジャスレイヤーの脳裏に響いた。「イヤーッ!」

 SLASH!「グワ……アバーッ!」ニンジャスレイヤーのチョップが、アイアンヴァイスの右腕を肘から切り飛ばした!噴き出す鮮血!そしてすぐさま、秒間10発の猛烈なチョップを首へ叩き込み始める!「イーヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤ!」「グワ、アバ、アババーッ!や、止めてくれ!貴様の要求に応じ」

「慈悲はない」KLACK!SLASH!ついにアイアンヴァイスの首がへし折れ、刎ね飛ばされた!「サヨナラ!」KABOOOOM!爆発四散!01010101

 01010101「イヤーッ!」竹と竹の間、何も存在しないはずの空間からニンジャスレイヤーが現れ、ナンシーの豊満なバストに視線を集中させていたフォレスト・サワタリの側面へとトビゲリ・アンブッシュを炸裂させる!インガオホー!白いニンジャフロシキを使った巧妙な潜伏だ!「グワーッ!」

 サワタリの体は回廊に対して斜め45度の角度で吹き飛ばされ、左右の庭園に立ち並ぶオーガニック・バンブーによってバウンドしながら、ピンボールのごとく後方へと飛んでいった。最終的にサワタリの体は回廊の入口にあったノレンの下に落下し、目を剥いてぴくぴくと痙攣する。サツバツ!

 ニンジャスレイヤーは素早くバク転を3回決め、体勢を立て直す。そして両手を腰にぴったりと添え、残る敵に対して機先を制するように素早くオジギを決め、精神的優位に立った。「ドーモ、サヴァイヴァー・ドージョー=サン。ニンジャスレイヤーです」「ドーモ、ノトーリアスです!」

「イイイヤァアアアーーーーッ!」アイサツを返したノトーリアスの下げた頭が上がりきるのとほぼ同時に、ニンジャスレイヤーは駆け寄って嵐のような猛攻!並みの敵であれば戦闘態勢に入ることすらできず絶命する速さだ!どくん……ノトーリアスはバイオニンジャアドレナリンを分泌し、これを……

「イアイ!」腰のイアイ・カタナを2対の腕のうち1対で抜き払い迎撃!だがニンジャスレイヤーはそれを読んでいる!紙一重で躱しながら脚の間をすり抜け、ノトーリアスの背中に痛烈なキック!SMASH!「グワーッ!」命中!大きく体勢を崩すが、彼の頑強な肉体には致命傷とはならぬ!「GRRR!」

 ノトーリアスは獣めいて唸り、メンポの隙間から緑色の血泡を噴く!「オレのバイオ・イアイドは無敵だ!イイイヤァアアアーーーーッ!」セラミック製の2本のカタナを2対の腕でそれぞれ構え、凄まじい猛攻!猛攻!猛攻!SLASHSHSHSH!だがニンジャスレイヤーは全て見切って躱す!タツジン!

 ノトーリアスのバイオ・イアイドは、実際凄まじい手数と威力だ。長引けば危険!「イイイヤァアアアーーーーッ!」ニンジャスレイヤーは再びノトーリアスの股間に飛び込み、急所破壊キックを放つ!SMASH!「グムッ……アバーッ!」ノトーリアスは凄まじい苦痛に悶絶し、うつ伏せに倒れた!

「アバーッ!」ノトーリアスは全身を痙攣させながら床に這いつくばり、緑色の血を吐き出した。ナムアミダブツ!血を流しすぎたことでバイオインゴットの欠乏禁断症状が出たのだ!「ちくしょう!サワタリの大将!助けてくれ!助けてくれ!」ノトーリアスは床に向かって叫ぶ!「慈悲はない」

 ニンジャスレイヤーはカイシャクの構えをとった。ノトーリアスは振り返る。非人間的殺戮の限りを尽くしてきたニンジャが、一瞬だけ、ニンジャとなる前の顔に戻った。恐怖を知る人間の顔に。残酷なまでに無垢な彼の姿は一瞬、幼くして亡くなった我が子、トチノキの姿に0101010101010101010

 0101膝立ちの姿勢で、男はブルブルと震えていた。「ウフフ……アア……この感じ……思い出す……」01010「ああ……いいぞ、いいぞ!」四角いシルエットの大男が、震えながら立ち上がる。目からは血の涙が流れていた。彼は笑っていた。「なんとすがすがしいことか。おれには何も無駄なものが無い」

 インターラプターは中腰の姿勢をとった。「さあ、来い、ニンジャスレイヤー=サン。おれのタタミ・ケンとお前のジュー・ジツ。どちらが上か。ケッチャクをつけようじゃないか」一撃必殺アトモスフィア!

04

「イイイヤァアアアーーーーッ!」ニンジャスレイヤーから仕掛ける!これまでの敵とはレベルの違う強敵、一気呵成に倒さねば危険!「フンハー!」インターラプターはアドレナリンをみなぎらせ殺人カラテを見切って躱す!さらに相手の首元を掴み、後ろへ倒れ込みながら投げ飛ばす!タツジン!

 SMASH!「グワーッ!」ウカツ!これはアイキドーのワザ「カタパルト・スロー」だ!だがニンジャスレイヤーは空中で体勢を立て直し、壁にウケミをとって着地!即座に壁を蹴ってインターラプターへトビゲリを放つ!「イヤーッ!」「フンハー!」インターラプターは起き上がり、中腰で構える!

 これは絶対防御「カラダチ」の構えだ!インターラプター、インターセプター、そしてサラマンダーと戦った経験により、ニンジャスレイヤーは即座に意図を見抜く!「イヤーッ!」SMASH!「グワーッ!」トビゲリの反動でカラテ振動波による拘束を躱し、距離をとって着地した!タツジン!

「フンッハー!」インターラプターは瞬時に駆け寄り、剛腕を振るって殺人カラテを叩き込む!ニンジャスレイヤーはジュー・ジツの構えでこれを躱し010101SMAASH!「グワッ……アバーッ!」ナムアミダブツ!インターラプターの拳がみぞおちにめり込み、内臓を破壊!天井まで弾き飛ばした!

『バカ!ええい見ておれぬ、やはり儂に身体を預けよ!』「黙れナラク!私がやるのだ。やらねばならぬ!」ニンジャスレイヤー、フジキド・ケンジは内なる悪霊を叱責し抑え込む。実際強敵であったが、このインターラプターは以前戦った時よりもなお強い!ここがアノヨ、オヒガンだからか?

「イイイヤァアアアーーーーッ!」ニンジャスレイヤーは天井を蹴って頭部へ急降下トビゲリ!「フンハー!」インターラプターは瞬時にカラダチの構えをとり、カラテ振動波で防御!「ヌウッ!」ニンジャスレイヤーは拘束される前に頭を踏み台とし脱出!埒が明かぬ!このまま気力を削り続けるか?

「ニンジャ……殺すべし!」ニンジャスレイヤーはナラクの黒炎を燃やし、両拳に禍々しい「忍」「殺」文字の形をしたブラスナックルを生成!このカラダチを破るにはこれしかない!『そうだ!儂を頼るがよい!』ナラクが嘲笑うが意に介さず!これもニンジャスレイヤーの、自分の一部なのだ!

 KRAASH!「グワ……アバーッ!?」サツバツ!黒炎ブラスナックルが絶対防御カラダチを崩し、インターラプターの拳を打ち砕く!「ぐぬッ……やるなニンジャスレイヤー=サン!それでこそだ!」インターラプターは砕けた拳を握りしめ、カラテで止血!「フンッハー!」アイキ・パンチだ!

「イイイヤァアアアーーーーッ!」ニンジャスレイヤーはジュー・ジツの構えで見切って躱し、ブリッジ回避!両脚を振り上げてインターラプターの顎を蹴り上げる!暗黒カラテ奥義サマーソルトキックだ!「フンハー!」インターラプターは瞬時に防御の構えに転じ、これを封じる!タツジン!

「イイイ……イイイヤァアアアーーーーッ!」ニンジャスレイヤーは大型ブラスナックルを軋ませ、瞳にセンコめいた赤黒い光を灯らせながら、インターラプターめがけ猛攻!猛攻!猛攻!猛攻!「フンハー!」インターラプターは防御型ザムラ・カラテの構えで必死に捌く!捌く!捌く!捌く!

 だがあまりにも速く苛烈、かつ不浄の炎を纏った暗黒のカラテを、防ぎきれない!あたかもジゴクの獄卒が罪人を責め苛むがごとし!実際インターラプター、サカキ・ワタナベは、極悪非道な快楽殺人鬼であった。存在しない家族の幻に囚われ、ホームレスの集落のヨージンボにおさまるまでは……!

「ああ……そうだ……いいぞ……!」インターラプターはブルブルと震え、血涙を流す。オハギ中毒に苛まれていた肉体は、もはやない。無駄なものは何もない。彼は自分が何者であるかを理解した。自分は亡霊。オバケだ。オニなのだ!なんとすがすがしいことか!彼は大きく身体をひねった!これは!

「ハイーッ!」渾身の一撃!ザムラ・カラテ奥義「タタミ・ケン」だ!ニンジャスレイヤーはこれを知っている!「イヤーッ!」瞬時に状況判断し、飛び離れて回避!タタミ・ケンはむなしく宙を撃つ!もしカラダチで相手を拘束してから放っていれば、ニンジャスレイヤーも重傷を負ったはずだ!

「イイイヤァアアアーーーーッ!」ニンジャスレイヤーは赤黒い血涙を流しながら、体勢を崩したインターラプターめがけて拳を放つ!暗黒カラテ奥義「ポン・パンチ」だ!インターラプターは目を細め、両腕を広げ迎え撃つ!死神の一撃を!SMASH!KRAASH!「ゴボッ……グワッ……アッバーッ!」

 ナムアミダブツ……インターラプターのみぞおちを、ニンジャスレイヤーの鉄拳が貫通した。そればかりではない。「忍」「殺」の文字をかたどった大型ブラスナックルは、左右に鋭い刃を突き出し、彼の肉体を上半身と下半身に両断したのである。「ニンジャ……殺すべし」上半身がずり落ちた。

 インターラプターは、まだ息があった。否、彼はすでに死者である。ここはオヒガン、アノヨであり、彼は罪深い亡霊に過ぎない。「見事。これでよかったのだ、ニンジャスレイヤー=サン。おれのような人間は、こうなるサダメ……ゴボッ」彼の肉体が01に分解していく。0101彼は、右腕を動かす。

 彼は上を指差した。崩落して大穴が空いた天井を。そこから降りてくる、一筋の、銀色の蜘蛛の糸を。「行け、ニンジャスレイヤー=サン。このジゴクから、次のジゴクへ。キョート城に行き、アラクニッド=サンに会え。彼が今頃、バンブーエルフ=サンの行方を、掴んでいるはずだ」「……!」

 ニンジャスレイヤーは目を見張った。インターラプターの姿がおぼろげになり、フユコに、トチノキに、ゲンドーソーの姿に変わっていく。ここはアノヨ、オヒガンなのだ。死者の霊魂は年に一度、キュウリの馬に、魂の舟に乗ってサンズ・リバーを横断し、現世に戻ってくる……!

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【レッツゴー・シー・ア・ニュー・ライト】終わり

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