忍殺TRPGリプレイ【スタンド・オア・ダイ】05
前回のあらすじ:ボスであるアシッドウルフの陰謀をフィルギアから聞かされたデッドリーパーは、スワッシュバックラーから真の「鷲のニンジャ」が仕えるべき「鷲の王」の存在を知らされ、勧誘される。だが疑念をいだきつつも、彼女は状況判断し、アシッドウルフとの共闘を選択!決戦の時だ!
◆
SLAAASH!「ンアァーッ!」サツバツ!デッドリーパーはすれ違いざま、血を噴き出して床に転がる!なんたるスワッシュバックラーのワザマエか!「フーッ……戯れの時間はこれまでとしよう」彼は間合いをとり、油断なく刺突剣を構える。「時間は充分に稼げたぞ!」「「「イヤーッ!」」」
ナムサン!天井に穿たれた穴から、三人の新手ニンジャがエントリー!「ドーモ、お待たせ致した!ボールドウィンです!」「ヒヒ……プロタントです」「ドーモ……コープスミラーです」「ドーモ、アシッドウルフです」「デッドリーパーです」互いにアイサツを返す。一気に四対二だ!
三人ともスワッシュバックラーほどの手練れではないが、数が多い。かつデッドリーパーは手負いだ。流石に不利か。「これにてネズミ袋。諸君を囲んで殴って始末し、例のものを悠々と手に入れるとしようか!」「苦労して調達したものだ。そうやすやすとはくれてやらんぞ」最終決戦だ!
戦闘継続
3ターン目
「イイイヤァアアアーーーッ!」アシッドウルフは色付きの風と化し、狭い車両内を縦横無尽に駆け抜ける!先に仕留めるべきは……弱敵からだ!狙うはコープスミラー!BLALALAM!どくん……コープスミラーはアドレナリンを過剰分泌し、これを……「イヤーッ!」紙一重でブリッジ回避!ワザマエ!
「シューシュシュシュシュ!」スワッシュバックラーがデッドリーパーへ猛攻を繰り出す!SWASH!「ンアアーッ!」躱しきれず命中!「イイイヤァアアアーーーッ!」デッドリーパーは闘志を失わず、コープスミラーへトドメのピストルカラテ!BLALALAM!「そう来るだろーと思ってたぜェーッ!」
プロタントがコープスミラーをかばい、テッコで迎撃!「イヤーッ!」間一髪回避!だがボールドウィンが迫る!「受けてみよ!我が正義の剣を!」SLASHSH!「ンアーッ!」ナムサン!銀色に輝くロングソードがデッドリーパーを斬り裂く!「ハァーハハハ!圧倒的有利だ!」プロタントが嘲笑う!
「ヒィーッ!呪う!」コープスミラーはローブめいたニンジャ装束から無数の悪霊を解き放ち、味方全員を守護!さらにデッドリーパーめがけノロイ・ジツ!「イヤーッ!」アシッドウルフは裏拳でノロイを弾き飛ばす!「イヤーッ!」時間差でプロタントがスリケン!「イヤーッ!」裏拳で弾く!
「ヒヒ、俺たちゃ比較的弱ェからよォ……二人で一人と勘定してくれや」プロタントは狡猾そうに目を細める。彼とコープスミラーはオナタカミに雇われた傭兵ニンジャであり、「ある程度(pro tanto)」までしか働かない。そんな連中を使わざるを得ないほど「鷲の王」の組織は盤石ではないわけだ。
とはいえ、彼らを二人一組と勘定しても二対三。デッドリーパーは相当に負傷し、かばえばこちらも彼女の傍らから動けない。ならば……アシッドウルフは呼びかけた。「そろそろ出て来るがいい、フィルギア=サン。俺たちに味方しろ」『おっと!バレてたのね』デッドリーパーの背嚢から男の声。
???
不意に、デッドリーパーの傍らに痩せた男が現れた。ニンジャ装束もメンポもないが、その佇まいは明らかにモータルではない。「ヒヒ……ご一同、お初にお目にかかる。呼ばれて参上、フィルギアです!」
◆フィルギア(種別:リアルニンジャ)
カラテ 4 体力 11
ニューロン 12 精神力 19
ワザマエ 12 脚力 6/N
ジツ 7 万札 30
攻撃/射撃/機先/電脳 4/12/12/12
回避/精密/側転/発動 12/12/12/19
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:4
◇装備や所持品
◆ストリート装束:緊急回避+4、脚力ダメージ軽減1
◇ジツやスキル
☆アーチ級リアルニンジャ(本人)、ジツLV7
☆ヘンゲヨーカイ・ジツLV3:コヨーテに変身
◉◉グレーター級ソウルの力:ニューロン+ジツ=精神力
◉◉アーチ級ソウルの力:カラテ+ジツ=体力
★アクマ・ヘンゲ・ジツ:フクロウ頭の怪人に変身
手番開始時に精神力1消費し発動(H)、ジツ値の半分のターン(4ターン)継続
変身中はカラテ+3、ワザマエと脚力+2、素手近接攻撃ダメージ2、側転不可
タツジン系スキルの基本効果を全て使用不可
効果終了前に精神力1を支払うと1ターン効果を延長できる
★★グレーター・アクマ・ヘンゲ・ジツ:手番開始時に精神力2を消費し発動(H)
変身中はカラテ+4、ワザマエと脚力+4、素手近接攻撃ダメージ2、側転不可
飛行移動(脚力×2マス)、回避ダイス-1 タツジン系スキル使用不可
ほかはアクマ・ヘンゲ・ジツと同じ
★★フクロウへの変身:ヘンゲヨーカイ・ジツと同じ判定
飛行移動(16マス)を獲得するが、カラテ1・ワザマエ6となる
★★★ニンジャ神話知識:ジツに対する抵抗・回避難易度-1
◉挑発
◉魅了
◉疾駆
◉空中制動
●連射2、時間差、マルチターゲット
能力値合計:42
「ドーモ、代表のスワッシュバックラーです。聞き及んでいるぞ。ドラゴンベイン=サンがその名を名乗るフクロウに出遭ったと」スワッシュバックラーは代表アイサツ。「やはりアシッドウルフの一派であったか」「いや、俺は中立さ。ただし、俺が自由に生きられない世の中は堅苦しくて困るんだ」
フィルギアは飄々とした態度で肩をすくめ、頭を掻いた。「話は聞かせてもらった。アシッドウルフ=サンにも従えないが、アンタらにはもっと従えないな。ってわけで、不本意ながら共闘だ」フィルギアは目を光らせ、凶悪に笑った。その肉体がざわざわと変化していく……!「これで互角かな」
4ターン目
「イヤーッ!」フィルギアはフクロウの頭部を持つ異形の悪魔じみた姿に変身した!コワイ!だが手負いのデッドリーパーをかばい、その場でカラテを構えている。「少しの間、任せる」アシッドウルフはコープスミラーの懐へ飛び込み、嵐のようなピストルカラテ!BLALALAM!「グワーッ!」命中!
だが浅い!仕留めるには至らず!「シューシュシュシュシュ!」スワッシュバックラーがデッドリーパーへトドメを刺さんと襲い来る!フィルギアがかばう!『グワーッ!』命中!だが浅い!「イヤーッ!」BLALAM!デッドリーパーはコープスミラーへ射撃!「無駄だ!」プロタントがかばう!
「イヤーッ!」ボールドウィンがデッドリーパーへ斬りかかる!SLASHSH!「ンアーッ!」命中!大きく体勢を崩す!「一匹増えたところで、無駄だったようだなァ!」プロタントが嘲笑う!だが……その時だ!
???
KRAAAAASH!KABOOOOM!炸裂音と同時に、突然に無重力感が全員を襲った。何らかの理由で先頭車両がクラッシュし、レールを外れ、回転しながら宙に浮いているのだ!「「え」」コープスミラーとプロタントは体勢を崩し、攻撃に移れない。フィルギアは鉤爪でデッドリーパーを掴んだ。
「「サラバ!」」アシッドウルフとフィルギアは、そのまま天井に開いた穴から飛び出した。スワッシュバックラーとボールドウィンは後を追おうとするが、ウケミをとる方が先だ。車両が回転しながら飛び込んでいく先は……闇に大きく口を開けた地下空洞の裂け目!「「なにィッ!?」」予定通り!
アシッドウルフは敵の襲撃を予想し、ここへ落下するように路線を切り替えつつ走らせていた。敵のニンジャ身体能力なら無事だろうが……「イヤーッ!」フィルギアは背中から翼を生やし、デッドリーパーとアシッドウルフは彼に掴まって、暗闇の中を上昇していく。三人は追手を振り切ったのだ。
戦闘終了
エピローグ
「……してやられたというわけか」地下空洞の底で、スワッシュバックラーは舌打ちした。幸い積荷は堅牢なシェルターに入っており、この程度の落下衝撃なら無事だ。ボールドウィンたちもよろめきながら立ち上がる。「取り逃がしましたな」「……まあいい。積荷は回収した。持ち帰るとしよう」
◆
「助かった。礼を言う」アシッドウルフはフィルギアにオジギした。「勝手についてきたのは俺だからな。彼女にいろいろ吹き込んじまったが、これからどうする」フィルギアは傷を手当てしつつ肩をすくめる。ここは複雑怪奇に入り組んだ地下下水道ダンジョンのどこかだ。「荷物は奪われたしよ」
「予定通りだ。始めからそうするつもりだった。問題ない」「何か仕込んであるってわけね。相変わらずだぜ、アレン・ダレス=サン」「……」アシッドウルフは否定も肯定もしない。「これは貸しにしとくぜ」「お前は俺の手駒を殺し、こいつを誑かした。貸しはこちらが多いな」「やれやれ」
……こうして、デッドリーパーはいくつかの真実と嘘に触れ、自らの意志で立ち位置を選び取った。彼女が向かう先には、これからも死が積み上げられていくだろう。それがどちらのものなのか、あるいは両者のものなのか。その行く末はまだ、わからない。それはもう間近まで迫っていた。
【スタンド・オア・ダイ】終わり
リザルトな