忍殺TRPGリプレイ【タックスマン、ミスター・シーフ】03
前回のあらすじ:ネオサイタマを牛耳る暗黒組織ソウカイ・シンジケートには、外交部門が存在する。今回の彼らの任務は、集金部門で不正を行っている悪徳ニンジャの摘発だ。小さな不正を見逃せば、積もり積もって組織全体の損となる。組織の利益を守るため、戦えソウカイヤ外交部門!
◆
……数日後。ソウカイヤでの拷問まじりの取り調べにより、タックスマンは横領した資金の一部を、ザイバツの関連施設に横流ししていたことが明らかになった。ソウカイヤに対する完全な背信行為だ。彼は処罰としてリー先生のラボに送られ、いなくなった。そして問題は、資金の送り先である。
タックスマンからの資金の送り先のひとつは、とある地下秘密クラブだ。幸いニチョームではなかったが、二人のソウカイニンジャ「バイコーン」と「ゼブラ」のアジトだという。つまり彼らも資金横領に関わり、ザイバツと内通している疑いがある。しかしデータによれば、二人はかなりの手練れ。
「どうする?」フォーコが眉根を寄せる。おそらく、彼らがタックスマンを手下にしてカネを集めさせていたのだ。だがこちらはカラテにやや乏しく、三人がかりでもタックスマンにさえ苦戦する有様。となると……「威力部門か顧問にお出ましいただきましょう。我々は暴力が本業ではないので」
「そうするね」三人はIRCで連絡する。『了解しました。ただちに現場に急行します。フォハハハハ!』フューネラルは二つ返事で了承した。『たまには私も戦わないと、腕が鈍ってしまいますのでね!それにザイバツが関わっているとなると、君たちだけでは少々危険だ!』「アッハイ」
『では、君たちは先にそのクラブへ踏み込み、ニンジャたちを誘き出しなさい。逃げ場がなければネズミ袋、イチモ・ダジーンです!』「「「ヨロコンデー!」」」これはサイオー・ホース。背信ニンジャたちを捕らえるのだ!
地下秘密クラブ
……三人は各方面へネマワシを行ったのち、しめやかに問題の地下秘密クラブへ潜入した。ストリートから裏路地へ入り、雑居ビルの中の隠し階段を進めば、奥から重低音や嬌声が響き始める。「ドーモ」剣呑なバウンサーが行く手を阻んだが、クロスカタナ紋のバッジを見せると無言で頷いた。
「ドーモ」三人はバウンサーに通され、最奥部のVIPルームへ向かう。ヨーロッパの城めいた、悪趣味ながら贅沢な内装。果たしてどれほどのカネを横領したのか。『ギャハギャハ!』『ギャヒヒ!』奥からは邪悪な笑い声!『『ゲラゲラゲラゲラ!』』「「「アイエエエ……」」」モータルの悲鳴!
VIPルームのドアの向こうからは、強い酒と違法薬物、血のにおいが混じって漂ってくる。モータル奴隷を集めて邪悪行為でもしているのだろうか。ソウカイヤは暗黒組織ゆえ、多少の悪行は大目に見られているが、あまり羽目を外して組織に不利益をもたらすようなら、上から叱責を受ける。
たぶん彼らは地上で大っぴらにそれを愉しめないぶん、ここで行っているのだろう。ソウカイヤから横領したカネで、ザイバツと手を組んで!許すまじ!三人は無言で頷き、ドアを開けた!「「「ドーモ、我々はソウカイ・シンジケートです!」」」「「ア?」」二人のニンジャはソファから睨んだ。
「……ドーモ、バイコーンです」
◆バイコーン(種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 9
ニューロン 7 精神力 7
ワザマエ 6 脚力 4/H
ジツ 0 万札 12
攻撃/射撃/機先/電脳 8/ 8/ 8/ 9
回避/精密/側転/発動 7/ 6/ 6/ 0
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:4
◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
◆テック・フルヘルム:体力・射撃+1
◆ジャミング・ホーン(パルスダガー扱い)
1+電磁1ダメージ、連続攻撃上限2、装備時側転難易度+1
戦闘スタイル:精密攻撃 ワザマエで攻撃判定、痛打なし
出目666で殺伐、6666でナムアミダブツ
◇ジツやスキル
◉kill-9:手番攻撃時にハッキング(H)、ダメージ軽減不可の2ダメージ(回避N)
ニューロン7以上なので2連射可能
◉ステルス・ノイズ:手番終了時に精神力1消費しハッキング(N)
成功すると術者の次の手番までハッキングターゲット全員の射撃難易度+1
術者と味方全員はこの効果を受けた敵のマスを通常移動で通過可能
出目66で戦闘終了まで継続
◉エコノミック・カラテ:側転直後のハッキング判定ペナルティなし
移動フェイズに移動せずハッキング可能、直後の攻撃フェイズには近接攻撃のみ可
◉突撃:脚力の倍移動、直後の攻撃全てに痛打+1 次の手番まで回避不能
◉一瞬の勝機:シナリオ中1回限り使用可能 精神力1と回避ダイス2を消費
ボス級の敵1体への近接攻撃は出目55で殺伐発生 次の手番開始まで受動・瞬時行動不可
◉ニンジャソウルの闇(1):体力および攻撃・射撃・ジツ発動判定+1
●連続攻撃2、時間差、マルチターゲット
能力値合計:20
「ドーモ、ゼブラです」
◆ゼブラ(種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 7
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 8 脚力 4/E
ジツ 0 万札 12
攻撃/射撃/機先/電脳 6/ 9/ 9/ 7
回避/精密/側転/発動 8/ 8/ 8/ 0
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:4
◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1:ニューロン判定+2、イニシアチブ+1
◆アサシンダガー
◆タクティカルスーツ:体力+1
◆光学迷彩ローブ:イニシアチブ+2
◇ジツやスキル
◉◉タツジン:アサシネイト・ドー アサシンダガー装備時の側転難易度-1
●戦闘スタイル
強化フェイント イニシアチブが自分より低い敵だけを攻撃する時、
このフェイズ中に攻撃する敵全てを「崩れ状態」とみなす(攻撃・射撃難易度-1)
カラテ・ワザマエどちらでも攻撃判定でき、出目66で殺伐、665+でナムアミダブツ
手術刀の一撃 痛打・弾き飛ばし発生せず、ワザやヒサツ・ワザ派生不可
ワザマエで攻撃判定し、出目66で殺伐、665+でナムアミダブツ
敵がイニシアチブ1か崩れ状態なら殺伐出目2から5のうち任意で選択
捨て身の滅多突き 2ターン連続使用不可、標的1体固定
連続攻撃を+2する 敵がイニシアチブ1か崩れ状態なら連続攻撃+3
カラテ・ワザマエどちらでも攻撃判定でき、出目66で殺伐、665+でナムアミダブツ
フェイズ終了時点で敵を体力0以下にできていない場合、次の手番開始まで受動的行動不可
●ワザ:シグナルロスト 近接攻撃で出目66が出た場合に発動可
殺伐出目2(頭部痛打)とし、命中した場合イニシアチブをさらに-1する
◉電光石火:イニシアチブ+1、側転+2
側転成功時に出目666なら回避ダイス3、6666なら4獲得
◉ニンジャソウルの闇(1):体力および攻撃・射撃・ジツ発動判定+1
●連射2
能力値合計:18
「ソウカイ・シンジケート?俺たちもそうだが、見ない顔だな」「名を名乗れ!」バイコーンとゼブラは訝しんだ。「では、改めまして。ブルータルライオンです」「マキーナオスクラね」「フォーコ!」互いにアイサツ。「何の用だ。俺たちと一緒に愉しみたいのか?」「そうしたいところですがね」
ブルータルライオンは冷や汗を垂らしつつ、肩をすくめた。「あなた方がソウカイヤに対する背信行為を行っている、という情報がありまして……」「ア?」「背信行為だと?濡れ衣だな」二人はとぼけつつ、強烈なキリングオーラを発した。周囲のモータルがそれを浴びて昏倒、失禁する!
「我々はソウカイヤに忠誠を誓っている。証拠はあるのか?」「……タックスマン=サンが全て暴露しました。ザイバツ・シャドーギルドに通じていると」「……そいつはどこだ」「もういません」「……おい」二人は苛立ち、殺気とともにソファから立ち上がる。「じゃあ、テメエらを殺せばいいな」
「なぜ?あなた方が心を改め、再びソウカイヤに忠誠を誓うなら……」「ンなことはしねェ。俺たちは冷遇されて苛ついてたんだ」三人は無言でIRC端末を操作しようとするが、繋がらない!「通じねェよ。ここはVIPルーム。そして俺様の角が妨害電波を出してる。助けは来ねェ」「証拠隠滅重点」
二人はじり、と一歩進み出る。三人はじり、と一歩下がる。「見たところサンシタだな。ブチのめして屈服させ、愉しませてもらう」ゼブラは目を細めた。「女はひとりやる。俺は女と男を両方だ」バイコーンは鼻を鳴らす。「両刀使いめ」「断固断ります」ブルータルライオンは脂汗を垂らした。
「お互いに盛り合ってるね、クソ野郎ども」「ヤギ前後!」マキーナとフォーコはキツネ・サインを向けた。一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
1ターン目
「イヤーッ!」ゼブラはシマウマめいた光学迷彩ローブで姿を消し、マキーナの背後へ出現!アサシンダガーで斬りかかる!SLASHSH!「ハイヤーッ!」マキーナは華麗にカンフー・ブリッジ回避し迎撃のキック!「グワーッ!」命中!「イヤーッ!」ブルータルライオンはバック転&スリケン!
「イヤーッ!」ゼブラはスリケンをブリッジ回避!「ウオーッ!」バイコーンは高圧電流を帯びた角をサスマタめいて振るいマキーナに突進!ZZZTTT!「ハイヤーッ!」紙一重ブリッジ回避!ワザマエ!だがバイコーンの角からはさらに強烈な妨害電波が放たれる!危険だ!「撤退重点!」「了解!」
「「ハイヤーッ!」」マキーナとフォーコは右側のドアを蹴破り、奥の小部屋に突入!ゼブラとバイコーンを分断せんとす!「ギャハハハハ!鬼ごっこか!」バイコーンは下劣に嘲笑う!男を二人がかりか、それとも……?「油断するなバイコーン=サン!」「テメエがスットロいからだろうがよォ!」
「ア?」「ア?」二人のニンジャは睨み合い、邪悪に嘲笑った。「「ギャヒヒヒヒ!」」ブルータルライオンの額に汗がにじむ。相手はやはりかなりの手練れ、二人がかりで来られれば危険だ。フューネラルが来れば勝てるだろうが、妨害電波により連絡できない。彼が来るまで持ちこたえねば!
戦闘継続
【続く】
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