忍殺TRPGリプレイ【オール・アイズ・オン・ユー】04
前回のあらすじ:謎の男アシッドウルフの部下として活動するアースハンドとサイバーメイヘム。ボスに命じられ、ネオサイタマで秘密裏に情報収集活動を行っていた二人だが、ソウカイヤの罠に偶然ひっかかり、包囲されてしまう。包囲網を切り抜け駆け抜けた先に、待っていたのは……!
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「「イヤーッ!」」追跡を振り切った二人はビル屋上を駆け抜け、ハイウェイへ飛び降り、高速で走るオスモウトラックの荷台へ着地!増援を送り込むオグナンジェの視界からはとりあえず逃れたが、どこへ向かうか。メイライ社か、ブラックサイトか。アシッドウルフからはIRCに何の通知もない。
その時!ギャギャギャギャ……後方から高速で白いモーターサイクルが接近!それは無人……否!モーターサイクルと一体化するように、ニンジャが上に張り付いているのだ!『ドーモ、ミュルミドンです!』
「「ドーモ!」」二人はやむなくアイサツを返す。『おおよそログにて既に拝聴。ソウカイヤに楯突く罪がいかなる罰を招くか、貴様らはこれから知ることになる。速やかに降伏せよ!』ミュルミドンは威圧的に降伏勧告する。やはりかなりの手練れ、しかもここは敵のフーリンカザンだ!「断る!」
『ならば、報いを受けるがいい!』ミュルミドンは加速し接近!さらに!『見ィーつけたァ!』オグナンジェは彼を介して二人を再発見!ハイウェイの周囲にクローンヤクザ部隊が展開し銃口を向ける!一触即発!
戦闘再開
◇ハイウェイでの特殊な行動ルール
1:「弾き飛ばし」による移動距離は6マスを上限とする。
途中に「車両」や「壁」があった場合、侵入もしくは接触時点で移動が停止する(激突)。
2:「路面」マスは移動困難な地形とみなされ、次の特殊なルールを持つ。
・ビークル搭乗中は「路面」マスから何の影響も受けず、
さらに以下のすべてのペナルティを無視する。
・「路面」マスに停止するとき、即座に【ワザマエ】判定(難易度:HARD)を行う。
失敗した場合、「路面」に落下or激突した(あるいは後続車両などに追突された)として
1ダメージを受ける(軽減不可)。
・ビークル搭乗中を除き、「路面」マス上では「崩れ状態」かつ
「能動判定難易度+1」のペナルティを受ける。
1ターン目
『フーッ、kill-9 U!』ZZTZZT!オグナンジェはザゼン・ドリンクをイッキし、アースハンドへ遠隔ハッキング!「イヤーッ!」カウンターハック!『キエーッ!』見切って回避!さらにミュルミドンへ戦略視界ナビを行いサポートする!『ううう、ザゼン、ザゼン……!』彼女の瞳が震える!
「kill-all U!」ZZZTZZTZZT!アースハンドは掌をかざして遠隔ハッキング!『ヌウッ!』ミュルミドンはとっさに回避!「「「「アババーッ!」」」」追手クローンヤクザ四人がハックされ悶絶!モーターバイクが転倒し爆発!KABOOOM!「イヤーッ!」「「アバーッ!」」残りもスリケン殺!
ミュルミドンは冷静にサイバーメイヘムを観察し、オグナンジェからのデータも加え行動パターンを解析する。『ジュー・ジツ』『テクノカラテ』『内蔵型パルスダガー』『スシを持っている』解析完了!『イヤーッ!』インテリジェント・モーターサイクル『シロイ』を跳躍させ轢殺ターン!
さらに拘束用ディスク・スリケンを投擲する!アブナイ!SMASH!「ンアーッ!」アースハンドをかばったサイバーメイヘムを轢殺攻撃がかすめる!だがディスク・スリケンは見切って回避!『貴様の動きは解析した……!』ミュルミドンは油断なく距離をとる!誘き寄せ、もう一人を狙うべし!
2ターン目
『HACK U!』オグナンジェはしつこく遠隔ハッキング!ZZTZZTZZT!「イヤーッ!」アースハンドはハッキング返し!『ファーック!』オグナンジェはザゼン・ドリンクを連続イッキしながらミュルミドンへのナビを継続!だが追加クローンヤクザ部隊の集結はまだ間に合わない!人手不足!
「kill-9 U!」ZZTZZT!アースハンドはミュルミドンのモーターバイクへ遠隔ハック!KBAM!『グワーッ!』ギャルルルル!ミュルミドンは体勢を崩すが即座に復帰!サイバーメイヘムが飛びかかってくれば危険だが、そうなればアースハンドが無防備だ!彼女は相棒を庇いつつスリケン投擲!
チチチ……サイバーメイヘムの動きをさらに解析!轢殺ターン&ディスク・スリケンだ!ギャオオオン!「イヤーッ!」サイバーメイヘムは全て捌く!なんたる手練れ!『オグナンジェ=サン、これはもう一人……否、数人はニンジャの支援が必要かもな』『い、今連絡を取ってます!』人手不足!
3ターン目
『HACK OFF!』ZZTZZTZZT!オグナンジェの執拗な遠隔ハッキング!「イヤーッ!」アースハンドはこれを弾き返す!だが!KABOOOM!「アバーッ!」アースハンドとサイバーメイヘムが乗るオスモウトラックの運転席で爆発!運転手即死!なりふり構わず潰す気だ!トラックがバランスを崩す!
「「イヤーッ!」」二人はたまらず荷台から跳躍し脱出!アースハンドは空中でミュルミドンのバイクへ遠隔ハック!ZZTZZT!『グワーッ!』大きくバランスを崩す!チャンスだ!「死ねーッ!」サイバーメイヘムはハイウェイの壁を蹴って勢いをつけ、ミュルミドンへパルスダガー連続攻撃!ZZZT!
どくん……!ミュルミドンはアドレナリンを過剰分泌し、さらに解析した行動パターンデータを用いて、これを……『イヤーッ!』紙一重で回避!ゴウランガ!「ちいッ!」サイバーメイヘムは車両上に着地できず、ウケミをとってハイウェイの路面に着地!彼女の身体能力なら追いつくことは可能!
『スキアリ!イイイヤァアアアーーッ!』ミュルミドンはサイバーメイヘムへ轢殺ターン!「イヤーッ!」回避!だが彼はそのまま空中へ跳躍し、カタナを抜き払ってアースハンドへ襲いかかる!『キエーッ!』どくん……!アースハンドはアドレナリンをSMAAASH!「グワ、アバーッ!」サツバツ!
ミュルミドンの渾身のカラテが、ついにアースハンドをとらえた!荷台から弾き飛ばされ、ハイウェイの壁に激突!「グワーッ!」吐血!ウカツ!「シマッタ!」サイバーメイヘムは青ざめる。敵に誘い込まれて仲間を危険に晒すとは!ギャギャギャギャ……KABOOOOM!トラックが横転爆発!
「「「アイエエエ!?」」」「事故だ!」「に、ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」KRAASH!KABOOM!KABOOOM!ナムアミダブツ!次々に後続車が衝突し、ハイウェイはたちまちアビ・インフェルノ・ジゴクと化す!
戦闘終了
『チェックメイトだ。命までは取らぬ。降伏せよ!』ミュルミドンは息を荒げ、路面に降り立った二人に改めて降伏勧告を行う。……だが、その時!
青いラインに囲まれたハイウェイの路面が、突如として跳ね上がった!KRAASH!『グワーッ!?』ミュルミドンはモーターサイクルごと跳ね上げられ、弾き飛ばされる!アースハンドとサイバーメイヘムは逆にハイウェイの下へ!「「え」」『え』全くの予想外の事態に、全員が反応できない!
……二人の鷲のニンジャは、そのまま落下し……地面へ激突することなく、めくれあがって出現した穴の底へ、さらに吸い込まれていく。ドトン・ジツのたぐいか。何者のしわざか。ソウカイヤの追手から救ってくれたのだとしたら、味方なのか。ネオサイタマの地下に広がるのは、闇……!
エピローグ
……気がつくと、二人は暗い部屋の天井を見上げていた。あの後、どうなった。ソウカイヤに捕まったのか?否、ここは?「気がついたか。ドーモ、俺はライトニンググローブです」寝床の傍らにいた男のニンジャがアイサツした。「安心しろ、俺は味方だ。アシッドウルフ=サンのな」
ライトニンググローブはサムズアップした。「「ドーモ……」」二人もやむなくアイサツを返す。「ここは」「秘密のアジトさ。あんたらがソウカイヤに追われてるってんで救出した。メガヒンジ=サンのジツでな。今、彼女はここにいないが……事情はおおよそログで拝聴。IRC端末を確認してみな」
彼に促され、二人は懐から端末を取り出す。……通知あり。送信者は、アシッドウルフ。内容は、傍受を恐れて極めて断片的だ。『ブラックサイトを放棄』『使用するIRC通信チャンネルを放棄』『協力者と合流せよ』『こちらから指示があるまで待機せよ』……ブラックサイトを?
何があったのか。ソード山脈の地底にあるあの秘密基地が、敵に襲撃されたというのか。なぜ。……仲間が誰かに捕まり、あるいは裏切って、バラしたのか? デッドリーパーとは、アシッドウルフを介してでなければ連絡が取れない。今、彼女と直接コンタクトを取る方法は……!「あーっと」
ライトニンググローブは笑いながら掌を向けた。「詳しいことを聞かれても、俺は詳しく知らねえ。俺は下っ端で知らされてないからな。俺の上司に聞いてくれ」「上司?」「ブルームキャット=サンだ。あんたらと同じ、黒いテッコをしてる。綺麗だぜ」ライトニンググローブは肩を揺すった。
【オール・アイズ・オン・ユー】終わり