経済用語
【第3号被保険者】(だいさんごうひほけんしゃ)
厚生年金や共済組合等に加入している会社員や公務員(第2号被保険者)に扶養されている配偶者で、原則として
年収130万円未満の20歳以上60歳未満の人。厚生年金加入要件を満たす人は除く。いわゆる専業主婦(主夫)を年
金面で助けるための制度。
【実質賃金】(じっしつちんぎん)
名目賃金(実際にもらえる賃金の額面金額)に対して、インフレ率を考慮した値。名目賃金指数を消費者物価指数
で除して求める。物価の変動を加味した数値なので、賃金所得者の実際の購買力を知ることができる。例えば、名
目賃金が1割上昇しても、同時に物価も1割上昇すれば、購買力(財やサービスがどのくらい買えるか)は同じなので、
実質賃金は同じということになる。名目賃金が下がったとしても、物価がそれ以上に下がれば、購買力は上がるので、
実質賃金は上昇する。
【コストプッシュ型インフレ】(こすとぷっしゅがたいんふれ)
通常、物価高騰は需要と供給の関係において需要が供給よりも多いことによって起こる。それが過度に生じるとイ
ンフレ(デマンドプル型インフレ)になる。ただし、物価高騰要因は他にもある。材料や原料、エネルギーなどの
輸入コストが高騰することによって、その価格を商品に上乗せせざるを得なくなって商品価格が高騰するケース。
これが過度に起こるとインフレとなるが、それをコストプッシュ型インフレと呼び、デマンドプル型インフレと区
別する。区別すべき理由は、デマンドブル型インフレは、価格高騰分が国内の生産者の所得となり、GDPを押し上
げるのに対して、コストプッシュ型インフレは価格高騰分の所得が海外の事業者のものとなり、日本のGDPをむし
ろ引き下げる要因となるためである。
【CSIS】(しーえすあいえす)
「Center for Strategic and International Studies」。戦略国際問題研究所。アメリカ・ワシントンD.C.にあるシン
クタンク。アメリカのジャパンハンドラー(日本政府を操る存在)と言われることも多い。実際、日本からCSISに
派遣されて帰ってくる人たちは軒並み親米、親グローバリズム、新自由主義者になっている。ちなみに小泉進次郎
衆議院議員は、国会議員になる前、CSISで働いていた。
【インボイス制度】(いんぼいすせいど)
「適格請求書等保存方式」。消費税率が10%と8%の2種類になったため、仕入れにどちらの税率が適用されているの
かを明確にする必要が生じたことから、商取引において請求者に「インボイス」と呼ばれる「適格請求書」を発行
してもらい、それを税務署に提示することによって仕入税額控除を受ける制度。2023年10月から適用された。売上
額1,000万円未満の個人事業主は消費税納税が免除されているので、インボイスを発行する義務はないが、取引会
社にとっては、インボイスが発行されないと仕入税額控除が受けられないので(当初3年間は8割まで仕入税額控除
が可能)、インボイスを発行できる消費税納税事業者に積極的に発注するようになることが十分に考えられる。消
費税免税事業者の個人事業主にとっては、仕事がなくなり、死活問題となる可能性が高いと指摘され、実際にそう
なっているケースもある。また、個人事業主の消費税免税事業者のみならず、一般事業者にとっても増税となる上(免
税事業者については8割しか仕入税額控除ができないため)、経理・税理の負担、さらには経費計算をする一般社員
の事務負担が極端に増えてしまったことが問題となっている。「STOP ! インボイス」の署名は、2023(令和2)
年10月末現在で56万筆を超えたが、岸田政権はインボイス制度を撤回しないとしている。
【積極財政議連】(せっきょくざいせいぎれん)
責任ある積極財政を推進する議員連盟。自由民主党の衆議院当選4回以下、参議院当選2回以下(勤続年数10年以下)
の議員で構成する議員連盟。2023(令和5)年5月現在、会員数102名。共同代表は中村裕之、谷川とむ、足立敏之。
経済財政について積極的に学び、政権にも正しい提言をしているが、党や政権のベテランたちにはその声はなかな
か届かない。
【センメルヴェイス反射】(せんめるゔぇいすはんしゃ)
通説や常識から外れたことを、「事実」であるにもかかわらず受け入れられない傾向のこと。オーストリアの医師・
センメルヴェイスは、病院で妊婦が次々に産褥熱で亡くなっている原因が医師による「接触感染」だと気付き、対
策を訴えた。しかし、他の医師たちからはむしろ攻撃され、不遇の生涯を終えることになったという実話に基づい
ている。他の医師たちが、妊婦を殺していたのは自分たちのせいだったという事実を受け入れられず、事実を指摘
したセンメルヴェイスを攻撃したように、自分たちの罪を認めたくないために正しい意見やその主張者を反射的に
攻撃することを言う。一部のネット・インフルエンサーなどにこの傾向が顕著に見られるので、彼らに騙されない
よう、注意が必要である。
【60年償還ルール】(ろくじゅうねんしょうかんるーる)
国債を60年かけて償還(返済)していくという、日本だけが行なっている慣習。「ルール」と呼ばれているが、法
的根拠などは一切なく、単なる慣習。ただし、この60年償還のためには、借換債の発行が必要になる。例えば、長
期国債とされる十年物国債は10年後に償還されるが、実際には60年で償還するルールなので、残りの50年分は借換
債を発行して償還することになる。要するに、まったく無意味な制度である。