わたしと言う人間

わたしには過敏症がある。

まずは触覚。
ボディタッチの類はとにかく不快だし、服やタオルの質感にもこだわりはあるが、なんと言っても化粧品やアクセサリーを身に纏うのが非常に不快である。
日焼け止めやファンデーションの類は皮膚が重たくなるし(アレルギーも出るし)、マニキュアも爪が呼吸できなくなるような感覚があって堪えられない。
アクセサリーは触覚過敏とは違うが、失くしてしまうのではないかという恐怖心と、汗にアレルギーがあるため素材がなんであれつけることができない。
これはオシャレを諦めたアラフォー現在、困り度としては低いが、趣味のハンドメイドで知り合う方にアクセサリー作家が多く、非常に心苦しい思いをしている。

次に光。
5月頃になると、もう日中の外出が困難だ。
目が痛くて開けることができないため、目を閉じたまま歩くこともしばしばだ。
また、片頭痛も遺伝しているため、強い光による発作にも気をつけなくてはならない。
ようやく帽子には慣れてきたが、日傘はまだ訓練中で、サングラスはまだまだ怖い。
上記のアクセサリーと同じ理由だ。
帽子はいつ風に飛ばされるかわからない恐怖があるし、傘はいつお猪口になるかわからない恐怖がある。雨傘だって、少しでも風が強いと使うことができない。傘をさすくらいなら濡れたほうがマシだし、レインコートで全身を覆って怪しまれる方がマシだ。
本来はメガネをかけるべき視力ではあるが、耳や鼻が痛くなるし、落とすかも知れない恐怖もあるので、なんとか誤魔化し誤魔化し過ごしている。
だからサングラスにはまだ未挑戦だ。

そして嗅覚。
とにかく洗剤などの匂いが苦手であるが、家ではせっけん洗剤にするなどしてどうにかなっているし、家の外での不快は一応割り切れてはいるので、それほど困難はない。

最後に聴覚だ。
この聴覚過敏が日々わたしを苦しめている。
家人の見ているテレビの音量が、わたしの指定した音量よりも1大きくても小さくてもわかってしまうし、不快なのだ。
家人はバラエティを好むが、わたしは人の会話を聞くのが非常に疲れるので、短時間しか見ることができない。
わたし自身はテレビにほとんど興味がないので構わないが(正確に言うと興味がない以前にとにかく不快が多いのだ)娘にはいつも申し訳ないなぁと思っている。
家電の動作音や同じアパート住民の生活音で眠れない夜も多い。
アナログ時計は天敵なので我が家には一台も存在しない(そもそも時計自体嫌いだ)。
さらに厄介なのが、大きな生活音は不快な癖に、生活音が聞こえないのは不安なのだ。
なぜなら音は身を守るために非常な重要な要素の一つだからである。
車の走る音や鳥の飛ぶ音、防災無線や踏切の音。
音は命を守るのに欠かせない。
だから耳栓やヘッドホンの類で耳を塞ぐこともできない。
まあ音が聞こえない状況に恐怖がなくても、耳にものを入れる行為も、ヘッドホンに挟まれる感触も、落とすのではないかと言う恐怖心にも堪えられないので、どうしようもない。


今日は疲れた。
この辺で終わりにしておこう。

いいなと思ったら応援しよう!