フリコが虹の橋をわたって10Days passed.蝶になってもどってきた?
「ぎゃあああーーーどーーしてーー?」
早朝の我が家にわたしの叫び声が響きわたる。
「愛犬フリコが虹の橋をわたって最初の1週間は我慢していたけど、やっぱりマミー(我が家の家族のみなさんはわたしをこう呼ぶ)、ちょっとおかしくなっちゃったんじゃ?」という感じで家族がリビングに眠い目をこすりながらゾロゾロと集まってくる。
フリコが虹の橋をわたってから11日目。
朝、起きたら、居間の床に蝶がいたのである。
ここは北海道、北緯43度。お隣りはロシア。
本日の外気温は氷点下、ところにより雪。
どこを見まわしても蝶はおろか昆虫、ハエすらいない。
なのに厳寒の真冬の北海道の自宅マンションの床にアゲハ蝶...?
我が家は高層階ではないが、1階でもない。
昨日今日は窓を開けてもいないし、凍結してしまってそもそも窓は開かない。
これって巷でよく言われているアレでしょうか?
亡くなった愛犬のフリコからの挨拶?
猛烈にわたしの脳の現実処理能力の領野がバグを起こしているのがわかる。
たしかに、フリちゃんなら霊になってバンバン出てきてほしいし、愛犬の霊と一緒に遊ぶなんてわたしの肉体があるうちにしてみたいし、蝶は嫌いじゃないし、夢にも出てきてねと毎日こころで話しかけてるし待ってるのに、フリちゃん全然出てきてくれないじゃん!と思ってたら、、、!!!
でも、これはなんでもいきなり過ぎだよ、フリちゃん!
とりあえず家の中にたくさんお花があるのはフリコの祭壇だけなので、蝶を移動させて紙に砂糖水を含ませたものを置いておく。
外は雪が降っている。
いま蝶を外に出したら、あっという間に息絶えるだろう。しかし、、なぜ?
頭の中はクエスチョンマークだらけ???
わたしよ、とりあえず興奮をしずめよう。
いつもは精神世界的なことにも興味があるわたしだけど、こんなふうにいきなり「ほれ」と差し出されるとかなり現実的にこの現象が果たして一般的にありえるものなのか調べてしまうものなのだなあと我ながら苦笑してしまう。
インターネットの情報によると、蝶は2週間くらいは生きるらしい。羽化させようとしても簡単にするものじゃないそうだ。ていうか、どこにいたんだろう?
夏の間にベランダに出していた宿根草を数週間前に中に入れたけど、鉢数は少ないし、ほとんど毎日のように世話していて水をやったり葉っぱを拭いたりしているので、幼虫やサナギがいたら気付くだろう。でも見落としていたのかもと家族で家にある全部の鉢をくまなく見てみたが抜け殻は見つけられなかった。せっかく授かった命なのだから全うさせてやりたいが、いろいろ考えても今ここは真冬の北海道の室内なのだ。頭がぼーっとしてきたので一旦思考は休止。
世の中には蝶を羽化させることをしている方々がいて、インターネット上のいろいろな情報を参考にさせていただく。キアゲハは紫や赤紫の花が好きらしい。家で羽化した蝶は砂糖水やポカリスエットを薄めたものを紙に染み込ませ、口吻と呼ばれる蜜を吸う器官のあたりに持っていくと飲んでくれるらしいと見てやってみたが、これはうまくいかなかった。
夜になると昆虫の光周性を発揮してきて、いきなり飛びはじめては、ひたすら天井のライトにぶつかっていくので、羽を持たないようにそっと捕まえて、災害用に慣れさせる為に普段使いしていた少し大きめのフリコのクレート (持ち運びできる上部が取り外しできるタイプのハウス)の中に、お好みに寄り添うべく近くの花屋で買ってきた赤紫のお花や、うちにあった宿根草の鉢たち、祭壇から拝借した花を隙間なく入れて小さな楽園を作り、上から布をかけて少し暗くなるようにして中に入っていただいた。天国のフリコからの使いの者を丁重におもてなしだ。
今日はクレートの上部を外してあげたら、お日様に向かって飛んでいこうとしていて昨日よりも活動的になってきた。お腹が空いただろうとそーっと爪楊枝で口吻のクルクルのところをのばしてあげて、その先に砂糖水を含ませたティッシュペーパーを持っていくがうまくいかない。クルクルは伸ばすけど吸えないかんじ。何度も何度もやってみる。紙だからダメなのかな?そう思ってスポイトで砂糖水を花冠の真ん中に溜めるように落としてやると、そこに口吻が伸びたタイミングが合ってようやく飲んでくれた。はあーーーーーーっとホッとした。これって最初の赤ちゃんの授乳みたいだな、と思う。赤ちゃんも最初からパクッとおっぱいをくわえてゴクゴク飲むわけじゃなくお互いの相性やタイミングを合わせていくんだったなと20数年前のはじめての授乳のことを思い出していた。
突発的になにかが起こった時にあわてたりパニックになるのはよくない。その瞬間に上がった気をスーッとおへその下まで下ろして深呼吸して、なるべく気持ちを落ち着けて静かな夜の海の頭で「大丈夫。うまくいく」と言うことにしている。すると結構うまくいくし大丈夫なことになることが多いのだ。
さて今からゆっくり豆を挽いて珈琲を淹れて飲みながら考えてみようと思います。この蝶とわたしのこれからについて。
つづく
ありがとうございます(*Ü*)*.¸¸♪