仕事が嫌になりまして
仕事が嫌になり、旅に出た。
直前まで予定が決められない心の”持ちよう”なので、人から旅先のアドバイスをもらいつつも、放置。
そして直前の日程でも価格変動が少ない(多少変わっても財布に優しい)船旅をすることにした。
ここがいいよ!と連絡をくれた方、本当にありがとう。
前日バタバタで決めた旅先候補は、ちょっと先の南国、伊豆諸島。
かつて伊豆諸島の中の八丈島や式根島には行ったことがあり、その「どうぶつの森」のような過ごし方が私の趣味にとても合った。
今回の行き先は伊豆大島にすることにした。
伊豆諸島は7つあり、なぜここにしたかと言われたら、「まあ行った事ないのと、近いし安いし」程度。
結果的になんとも面白い3日間になったから、みんなに教えたいし、わたしも記録しておきたい。
私が伊豆諸島に行きたい理由の6割が、大型客船「さるびあ丸」で、物理的に東京から遠ざかる体験すること。
深夜に出かける非日常感と、東京が物理的に遠ざかる瞬間が、たまらなく好きらしい。
気温が16度、ちょうどいい海風でお酒が進み、1人でゴクゴクとお酒を飲み、揺れる船内、ヘロヘロで寝た。おかげで、船の上でもよく寝ることができた。
東京竹芝から伊豆大島は大型客船で8時間、ジェット船で2時間15分、セスナで30分(!)という立地。
大型客船では朝6時には着いてしまうので、大島では6時には営業している店が多いらしい。
大島で最初に入った「MOMOMOMO」というカフェもそんな理由で早朝から開いていた。
モーニングが美味しいらしい。
重い荷物を持って階段を登り、なんとも入りにくいドアを開けると、
クセがありそうなマスターと、可愛い女の子、そして常連、といった店内で、ひとつ目の感想は「渋ィ(シビィ)」だった。
コーヒーの量はグランデ並(実際は頼んだことがないのでイメージ)、とても美味しくて、これは幸先がいいぞ、と意気揚々に、この旅の予定を決めようとしたところ渋マスターが話しかけてくれる。
なにも決めないで来たんです、と伝えたら、「天気がいいから山登れば?登山口まで送るよ、この人が(常連を指差す)。」
常連さんも「別にいいよ」のテンションで、驚く。
詳しく理由を聞いたら最近バスの時刻表改定があり、登山口まで行くバスがなくなったらしい。
そんなタクシーみたいな扱いをしたら申し訳ない、と思い断っていたが、最終的にバイトで働いていた可愛い女の子が、もうひとつの仕事の前に送ってくれるという。
全然いいんです、と言いながら片道20分くらいかかる登山口まで送ってくれた。
なんだ、大島の人、優しすぎないか?
結果的に、私は大島での2泊3日の旅、知らない人の車にあと2回乗ることになる。
大島には、三原山という火山でできた山があり、なんとも圧巻な景色が見られた。
山肌は暖かく、寒さに凍える軽登山に、文字通りの「熱」をもらえた。
今考えると、ここで数ヶ月苦しんだ精神的なソレはもうここで回復したと思う。
しばらく自然を感じながらぼーっとして、帰ることにする。
先ほど書いたようにバスはなくなっているので1時間半歩いて帰るしかない。
さあ、ここまで2万歩を超えているぞ。頑張れるのか私。
少し後悔しながらトボトボと歩きはじめた。
このあと、またおもしろい出会いがある。
なのでとりあえずここで一区切りにするか。
ここまでまだ着いてから半日。とんでもねぇ。